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公開番号2025005324
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-16
出願番号2023105521
出願日2023-06-27
発明の名称シール装置
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F16J 9/28 20060101AFI20250108BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】特定の水分率の水素ガス中で使用されるシール装置において、シールおよび相手材の摩擦摩耗特性に優れるシール装置を提供する。
【解決手段】シール装置は、水分率50ppm以下の水素ガス雰囲気下で、シール(ピストンリング1)と、JIS G0203で定義されるステンレス鋼または耐熱鋼からなる金属部材(シリンダー)とが相対的に摺動する機構(圧縮機構部)を含み、ピストンリング1は、炭素材料を含み、かつ、ASTM D638準拠の引張試験における弾性率が7GPa~15GPaのポリイミド樹脂組成物からなる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
水分率50ppm以下の水素ガス雰囲気下で、シールと、JIS G0203で定義されるステンレス鋼または耐熱鋼からなる金属部材とが相対的に摺動する機構を含むシール装置であって、
前記シールは、炭素材料を含み、かつ、ASTM D638準拠の引張試験における弾性率が7GPa~15GPaのポリイミド樹脂組成物からなることを特徴とするシール装置。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
前記機構は、水分率10ppm以下の水素ガス雰囲気下で、前記シールと前記金属部材とが摺動する機構であることを特徴とする請求項1記載のシール装置。
【請求項3】
前記ポリイミド樹脂が熱可塑性ポリイミド樹脂であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のシール装置。
【請求項4】
前記炭素材料は、前記樹脂組成物全体に対して5体積%~35体積%含まれ、前記炭素材料が少なくとも炭素繊維を含み、該炭素繊維がPAN系炭素繊維であり、前記炭素繊維の平均繊維長が20μm~200μmであることを特徴とする請求項1または請求項2記載のシール装置。
【請求項5】
前記ポリイミド樹脂組成物は、該樹脂組成物全体に対してポリテトラフルオロエチレン樹脂を5体積%~25体積%含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載のシール装置。
【請求項6】
前記炭素材料は、前記樹脂組成物全体に対して5体積%~15体積%含まれ、前記炭素材料がPAN系炭素繊維であり、それら以外の炭素材料を含まず、
前記ポリイミド樹脂組成物は、該樹脂組成物全体に対してポリテトラフルオロエチレン樹脂を15体積%~25体積%含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載のシール装置。
【請求項7】
前記シール装置が、少なくとも、前記ポリイミド樹脂組成物からなるピストンリングと、JIS G0203で定義されるステンレス鋼または耐熱鋼からなるシリンダーと、前記ピストンリングを装着する環状溝が設けられた金属製のピストンとで構成され、前記ピストンリングが前記シリンダーに対して往復動することによって、前記ピストンリングの外周面が前記シリンダーの内周面と摺動することを特徴とする請求項1または請求項2記載のシール装置。
【請求項8】
前記シール装置が、水素ガス用往復式圧縮機に用いられることを特徴とする請求項7記載のシール装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水素ガス中で用いられる、シールと金属部材が相対的に摺動する機構を含むシール装置に関するものである。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
水素ステーションでは、水素ガス用往復式圧縮機のピストンリング、水素ガスの流路に設置されるバルブのグランドパッキンなどとして、水素を密封し、かつ、摺動を伴うシールが多数使用されている。このようなシールは、相手材となる金属部材と相対的に摺動する機構を備えたシール装置として使用されている。特に、水素ステーションの水素ガス用往復式圧縮機でシールとして使用されるピストンリングでは、吐出圧が例えば82MPaの高圧になることから、ピストンリングおよび相手材となるシリンダーの摩耗が、長期間使用する上での課題となっている。
【0003】
代表的な水素ガス用往復式圧縮機は、ピストンとシリンダーを含む構造であり、シリンダーに対してピストンが往復動することによって、水素ガスを圧縮する仕組みである。このような往復式圧縮機では、ピストンとシリンダーとの間の隙間において水素ガスをシールする目的で、従来から環状のピストンリングが使用されている。ピストンリングはピストンに設けられた環状溝に装着される。この場合、ピストンリングの外周面がシリンダーの内周面と接触し、かつ、ピストンリングの側面が環状溝の側面と接触することにより、水素ガスがシールされる。
【0004】
また、水素ガス用往復式圧縮機で圧縮した水素ガスを燃料電池自動車(FCV)に充填する場合、圧縮ガスに硫黄成分が混入されると、燃料電池の性能低下を引き起こす場合がある。そのため、ピストンリングに含まれる硫黄原子の含有量が低いことが要求される。
【0005】
水素ガス用往復式圧縮機のピストンリングとしては、例えば特許文献1が開示されている。特許文献1には、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂または熱可塑性ポリイミド樹脂を少なくとも主成分とする樹脂組成物からなり、樹脂組成物には硫黄原子の含有量が200ppm以下の炭素材料が配合され、該炭素材料が炭素繊維、黒鉛、およびコークス粉からなる群から選択される少なくとも1種以上であって、樹脂組成物全体に対して炭素材料が合計で5体積%~35体積%含まれることを特徴とするピストンリングが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2023-25841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記特許文献1では摩擦摩耗試験は実施されているものの、実際に水素ガス雰囲気下での評価はなされていない。特に、水素ガス中の摩擦摩耗特性は、水素ガス中に含まれる不純物の影響を受けることが考えられる。例えば、FCVに充填するための水素ガスは、国際規格(ISO14687-2)において、水素純度が99.97%以上であることが規定されるととともに、水(H

O)などの不純物の上限値が定められている。上記特許文献1に記載されているピストンリング(摺動部材)には、より改善の余地があると考えられる。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、特定の水分率の水素ガス中で使用されるシール装置において、シールおよび相手材の摩擦摩耗特性に優れるシール装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のシール装置は、水分率50ppm以下の水素ガス雰囲気下で、シールと、JIS G0203で定義されるステンレス鋼または耐熱鋼からなる金属部材とが相対的に摺動する機構を含むシール装置であって、上記シールは、炭素材料を含み、かつ、ASTM D638準拠の引張試験における弾性率が7GPa~15GPaのポリイミド(PI)樹脂組成物からなることを特徴とする。
【0010】
上記機構は、水分率10ppm以下の水素ガス雰囲気下で、上記シールと上記金属部材とが摺動する機構であることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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