TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025005323
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-16
出願番号2023105520
出願日2023-06-27
発明の名称ピストンリング
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F16J 9/28 20060101AFI20250108BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】ベース樹脂にPEEK樹脂およびPI樹脂の添加が無いフッ素樹脂が主成分であってもガスのシール性を高めながら、ピストンリングとして必要な摩擦摩耗特性、相手材の損傷し難さ、耐圧性を兼ね備えたピストンリングを提供する。
【解決手段】ピストンリング1は、往復式圧縮機に用いられるピストンリングであって、フッ素樹脂を主成分とする樹脂組成物からなり、該樹脂組成物は、アスペクト比3~15かつ硫黄原子の含有量が200ppm以下の炭素繊維を3体積%~25体積%含み、該樹脂組成物の成形体は、ASTM D695準拠の圧縮試験で得られる圧縮応力-ひずみ図において、20%ひずみにおける圧縮応力が30MPa以上である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
往復式圧縮機に用いられるピストンリングであって、
前記ピストンリングは、フッ素樹脂を主成分とする樹脂組成物からなり、該樹脂組成物は、アスペクト比3~15かつ硫黄原子の含有量が200ppm以下の炭素繊維を3体積%~25体積%含み、該樹脂組成物の成形体は、ASTM D695準拠の圧縮試験で得られる圧縮応力-ひずみ図において、20%ひずみにおける圧縮応力が30MPa以上であることを特徴とするピストンリング。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
前記フッ素樹脂がポリテトラフルオロエチレン樹脂または変性ポリテトラフルオロエチレン樹脂であることを特徴とする請求項1記載のピストンリング。
【請求項3】
前記炭素繊維がPAN系炭素繊維であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のピストンリング。
【請求項4】
前記樹脂組成物は、前記PAN系炭素繊維以外に1種類以上の無機物を含み、該無機物として黒鉛および炭酸カルシウムの少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項3記載のピストンリング。
【請求項5】
前記フッ素樹脂が変性ポリテトラフルオロエチレン樹脂であり、前記変性ポリテトラフルオロエチレン樹脂は、前記樹脂組成物全体に対して70体積%~95体積%含まれ、前記炭素繊維がPAN系炭素繊維であり、前記樹脂組成物は、前記PAN系炭素繊維以外の無機物として黒鉛および炭酸カルシウムの少なくともいずれかを含み、かつ、それら以外の無機物を含まないことを特徴とする請求項1記載のピストンリング。
【請求項6】
前記往復式圧縮機が水素ガスを圧縮する水素ガス用往復式圧縮機であって、前記ピストンリングは、圧力0.5MPa~30MPaの範囲で使用されることを特徴とする請求項1または請求項2記載のピストンリング。
【請求項7】
前記往復式圧縮機が水素ステーションにおいて水素を昇圧していく多段の圧縮機構を有する往復動圧縮機であって、
前記ピストンリングは、前記多段の圧縮機構のうち、最終段以外の段の圧縮機構におけるピストンに使用されることを特徴とする請求項1または請求項2記載のピストンリング。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、往復式圧縮機のピストンリングに関するものであり、特に、水素ステーションで用いられる水素ガス用往復式圧縮機のピストンリングに関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
一般に、往復式圧縮機はピストンとシリンダーを含む構造であり、シリンダーに対してピストンが往復動することによって、流体を圧縮するのに用いられている。このような往復式圧縮機では、ピストンとシリンダーとの間の隙間において流体をシールする目的で、従来から環状のピストンリングが使用されている。ピストンリングはピストンに設けられた環状溝に装着される。この場合、ピストンリングの外周面がシリンダーの内周面と接触し、かつ、ピストンリングの側面が環状溝の側面と接触することにより、流体がシールされる。
【0003】
近年では、往復式圧縮機は、水素ステーションで用いられる水素ガス用往復式圧縮機としても適用されている。また、水素ガス用往復式圧縮機で圧縮した水素ガスを燃料電池自動車(FCV)に充填する場合、圧縮ガスに硫黄成分が混入されると、燃料電池の性能低下を引き起こす場合がある。そのため、ピストンリングに含まれる硫黄原子の含有量が低いことが要求される。
【0004】
水素ガス用往復式圧縮機としては、例えば特許文献1、特許文献2が開示されている。特許文献1には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂と、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂およびポリイミド(PI)樹脂のうち一方の樹脂との合計量が全体の50質量%以上であり、かつ、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂を含まない、樹脂製のピストンリングが記載されている。特許文献1では、ピストンリングの引張強度を15MPaよりも大きく且つ100MPa未満の範囲内にすることで、その範囲外のピストンリングよりも長期の運転期間に亘ってシール性を維持できるとしている。
【0005】
特許文献2には、ピストン部材およびシリンダライナの一方の部材に設けられ、他方の部材(被摺動部材)に対して相対的に摺動する樹脂製のリング状の摺動部材が記載されている。特許文献2では、摺動部材および被摺動部材の両方の摺動面に、非晶質炭素膜を形成することで、摺動部材の摩耗による交換寿命を伸ばすことができるとしている。なお、非晶質炭素膜は、表面部分の方がその内側の部分よりも炭素の含有量が多くなっている。この非晶質炭素膜は硫黄を含まないことが好ましいとされている。また、摺動部材は、例えば、圧縮機に組み込む前に水素雰囲気で曝露する処理をした脱硫処理部材であることが好ましいとされている。
【0006】
非特許文献1には、例えば水素ガス圧縮機が多段式(前段圧縮機4段と後段圧縮機1段の組合せ)であること、前段圧縮機から吐出され、後段圧縮機で受け入れる圧力が40MPaであることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2020-180600号公報
特許第6533631号公報
【非特許文献】
【0008】
伊藤芳輝、植田秀作「水素ステーション用超高圧水素ガス圧縮機の概要」、水素エネルギーシステム、vol.30、No.2、2005、p.10~15
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献1では、ピストンリングの材料は、PTFE樹脂と、PEEK樹脂およびPI樹脂のうち一方の樹脂との合計量が全体の50質量%以上が必須であり、ベース樹脂にPEEK樹脂およびPI樹脂の添加が無いPTFE樹脂からなるピストンリングでは、寿命が短く使用困難であることが示されている。
【0010】
また、上記特許文献2では、摺動部材の脱硫処理方法として水素雰囲気で曝露する処理が例示されているが、大気中ではなく特殊な雰囲気で曝露することになる。そのため、特殊な曝露装置が必要であり、また、水素を扱うため火災や爆発に対する安全対策も必要となる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

NTN株式会社
玉軸受
1か月前
NTN株式会社
電源装置
2日前
NTN株式会社
ころ軸受
1か月前
NTN株式会社
滑り軸受
1か月前
NTN株式会社
軸シール
10日前
NTN株式会社
深溝玉軸受
6日前
NTN株式会社
シール装置
10日前
NTN株式会社
転がり軸受
1か月前
NTN株式会社
回転負荷装置
1か月前
NTN株式会社
滑り軸受装置
9日前
NTN株式会社
車輪用軸受装置
1か月前
NTN株式会社
転がり軸受装置
1か月前
NTN株式会社
ピストンリング
10日前
NTN株式会社
絶縁性転がり軸受
17日前
NTN株式会社
逆入力遮断クラッチ
1か月前
NTN株式会社
電動アクチュエータ
1か月前
NTN株式会社
シール付玉軸受及び軸受装置
1か月前
NTN株式会社
圧縮機用組合せアンギュラ玉軸受
9日前
NTN株式会社
転がり軸受及び車両用駆動ユニット
9日前
NTN株式会社
転がり軸受及び車両用駆動ユニット
9日前
NTN株式会社
転がり軸受用保持器および転がり軸受
17日前
NTN株式会社
チャック装置および外側継手部材の製造方法
10日前
NTN株式会社
手首関節ユニットおよびそれを備えた作業装置
1か月前
NTN株式会社
ステータ、電動モータ、及びステータの製造方法
18日前
NTN株式会社
加締締結用軸部材および遊星歯車減速機用軸受装置
9日前
NTN株式会社
電動オイルポンプ、および電動オイルポンプの制御方法
2日前
個人
流路体
6日前
個人
クラッチ装置
10日前
個人
保持機
2か月前
個人
免震留具
2か月前
個人
振り子式免震装置
3か月前
株式会社フジキン
配管
4か月前
個人
ロックナット
5か月前
藤井電工株式会社
フック
2か月前
個人
固着具と成形品部材
3日前
個人
ネジの緩み防止装置
3か月前
続きを見る