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公開番号2024168975
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-05
出願番号2023086116
出願日2023-05-25
発明の名称一方向クラッチ
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人
主分類F16D 41/07 20060101AFI20241128BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】応答性に優れたスプラグタイプの一方向クラッチを実現する。
【解決手段】外輪6と内輪7の間に、複数のスプラグ8と、複数のスプラグ8を周方向に間隔を空けて保持する保持器9と、対応するスプラグ8を外輪6及び内輪7と係合する係合姿勢に維持するように周方向一方側に押圧したばね部10aを有する複数のばね部材10とを配置してなる一方向クラッチ3において、外輪6の内径をG、ばね部材10の外接円の直径をB、ばね部10aの周方向一方側の端部の径方向中央部を通る円の直径をZ、スプラグ8の重心を通る円の直径をSG、スプラグ8が内輪7及び外輪6と係合した状態でのスプラグ8と保持器10の接触点を通る円の直径をHとしたとき、B<G、SG<Z、(Z-SG)<(SG-H)という3つの関係式を満たす。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
相対回転可能に同軸配置された内輪及び外輪と、
内外輪間に配置され、前記内輪の中心軸に直交する平面内で揺動する複数のスプラグと、
複数のスプラグを周方向に間隔を空けて保持した保持器と、
対応する前記スプラグと前記保持器の間に周方向に圧縮された状態で配置され、対応する前記スプラグを前記内輪及び前記外輪と係合する係合姿勢に維持するように周方向一方側に押圧したばね部を有する複数のばね部材と、を備えた一方向クラッチにおいて、
前記外輪の内径をG、前記ばね部材の外接円の直径をB、前記ばね部の周方向一方側の端部の径方向中央部を通る円の直径をZ、前記スプラグの重心を通る円の直径をSG、前記スプラグが前記内輪及び前記外輪と係合した状態での前記スプラグと前記保持器の接触点を通る円の直径をHとしたとき、下記の関係式(1)~(3)を満たすことを特徴とする一方向クラッチ。
B<G ・・・・・・・・・・・・(1)
SG<Z ・・・・・・・・・・・(2)
(Z-SG)<(SG-H) ・・(3)
続きを表示(約 220 文字)【請求項2】
前記ばね部材は、軸方向に間隔を空けて配置された一対の前記ばね部と、この一対のばね部の周方向他方側の端部を連結した連結部とを一体に有しており、
前記保持器は、前記ばね部材を収容したばね収容部と、前記一対のばね部により軸方向に挟持される隔壁とを有する請求項1に記載の一方向クラッチ。
【請求項3】
前記スプラグは、鋼材で形成され、表層部に浸炭窒化層を有する請求項1に記載の一方向クラッチ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、一方向クラッチに関し、特に相対回転可能に同軸配置された内外輪間に配された「スプラグ」と称される係合子(輪留め)の姿勢を制御することにより、内外輪の相対回転が規制される(内輪と外輪が一体回転する)ロック状態と、内外輪の相対回転が許容される(内輪が外輪に対して空転する)空転状態とが切り換えられる、スプラグタイプの一方向クラッチに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
一方向のみに回転力(トルク)を伝達する一方向クラッチは、例えば、自動車用の補機ベルトによって駆動されるプーリに内蔵された上でオルタネータの回転軸に装着される。この場合、一方向クラッチは、エンジンのアイドル回転変動による補機ベルトの張力変動を低減する役割や、オルタネータの慣性トルクがエンジンに伝達されようとする際のトルク伝達を遮断することによって補機ベルトの損傷防止を図る役割を果たす。
【0003】
例えば下記の特許文献1には、相対回転可能に同軸配置された内輪及び外輪と、内外輪間に配置され、内輪の中心軸に直交する平面内で揺動(回転)する複数の係合子(スプラグ)と、対応するスプラグを内輪及び外輪と係合する係合姿勢に維持するように周方向に押圧した複数のばね部材と、複数のスプラグ及びばね部材を周方向に間隔を空けて保持した保持器と、を備えた、いわゆるスプラグタイプの一方向クラッチが記載されている。
【0004】
特許文献1の一方向クラッチにおいて、各ばね部材は、軸方向に間隔を空けて並列配置され、それぞれが対応するスプラグを押圧する方向(周方向)に延びた一対のばね部(コイルばね部)と、一対のばね部のうちスプラグとの当接部とは周方向反対側の端部同士を連結する連結部とを一体に有する1本の線材で構成されている。係る構成のばね部材を採用すれば、ばね部の自然長を大きくしなくても高いばね定数が得られるので、入力トルクに対する良好な応答性を有すると共に耐久性に優れた一方向クラッチを実現できる、としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第4431249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、上記のようなスプラグタイプの一方向クラッチの組み込み(適用)対象の一つである自動車用オルタネータにおいては特に小型化及び発電能力の向上を求められている関係上、オルタネータ用プーリを高速回転化することが検討されている。しかしながら、プーリの回転速度が増すほど回転時に生じる振動が増加するため、スプラグの姿勢が不安定化し易く、クラッチの応答性が悪くなる(クラッチのロック状態と空転状態の切替えを精度良く行えなくなる)ことが懸念される。
【0007】
そこで、本発明は、応答性に優れたスプラグタイプの一方向クラッチを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
スプラグタイプの一方向クラッチの応答性は、スプラグを周方向に(常に)押圧しているばね部材の配置態様等に大きく影響を受ける。そこで、本発明者らは、ばね部材の配置態様等に関連する種々の関係式を規定してこれを満足させることにより、高い応答性を発揮させることを可能にした。
【0009】
すなわち、上記の目的を達成するために創案された本発明は、
相対回転可能に同軸配置された内輪及び外輪と、内外輪間に配置され、内輪の中心軸に直交する平面内で揺動する複数のスプラグと、複数のスプラグを周方向に間隔を空けて保持した保持器と、対応するスプラグと保持器の間に周方向に圧縮された状態で配置され、対応するスプラグを内輪及び外輪と係合する係合姿勢に維持するように周方向一方側に押圧したばね部を有する複数のばね部材と、を備えた一方向クラッチにおいて、
外輪の内径をG、ばね部材の外接円の直径をB、ばね部の周方向一方側の端部の径方向中央部を通る円の直径をZ、スプラグの重心を通る円の直径をSG、スプラグが内輪及び外輪と係合した状態でのスプラグと保持器の接触点を通る円の直径をHとしたとき、下記の関係式(1)~(3)を満たすことを特徴とする一方向クラッチ。
B<G ・・・・・・・・・・・・(1)
SG<Z ・・・・・・・・・・・(2)
(Z-SG)<(SG-H) ・・(3)
【0010】
上記の関係式(1)を満足すれば、外輪とばね部材の干渉を防止することができるので、外輪との干渉によるばね部材の姿勢変化(に起因するばね部材とスプラグ相互間での力の伝達精度の低下)を防止することができ、関係式(2)を満足すれば、ばね部材とスプラグ相互間で周方向の力を精度良く伝達することができる。また、関係式(3)を満足すれば、スプラグ及び保持器に対するばね部材の径方向相対位置を適正に管理することができるので、関係式(2)を満足する場合と同様に、ばね部材とスプラグ相互間で周方向の力を精度良く伝達することができる。以上の作用効果が相俟って、本発明によれば、高い応答性を有し、ロック状態と空転状態の切り替えをスムーズに行い得る一方向クラッチを実現できる。
(【0011】以降は省略されています)

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