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公開番号2025063482
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-16
出願番号2023172723
出願日2023-10-04
発明の名称転がり軸受用保持器
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類F16C 33/41 20060101AFI20250409BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】軸受内に取り込まれた潤滑油を滞留させ、過酷な運転条件下でも油切れを起こさないようにする。
【解決手段】外輪1及び内輪2と、外輪1と内輪2との間に配置される複数の玉3とを備えた転がり軸受に用いられ、円環部21と、円環部21から軸受の軸方向へ突出する複数の柱部22とを備え、軸受の周方向に隣り合う柱部22,22間に形成された玉3を保持するポケット23を備えた保持器において、ポケット23のポケット中心pを通り且つ軸受中心線oを含む断面における前記ポケット23の径方向内周面Dの円弧の半径は、径方向内周面Dの全域で玉3の直径φxの1/2よりも小さく設定されている保持器とした。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
外輪(1)及び内輪(2)と、前記外輪(1)と前記内輪(2)との間に配置される複数の玉(3)とを備えた転がり軸受に用いられ、円環部(21)と、前記円環部(21)から軸受の軸方向へ突出する複数の柱部(22)とを備え、軸受の周方向に隣り合う前記柱部(22,22)間に形成された前記玉(3)を保持するポケット(23)を備えた保持器において、
前記ポケット(23)のポケット中心(p)を通り且つ軸受中心線(o)を含む断面における前記ポケット(23)の径方向内周面(D)の円弧の半径は、前記径方向内周面(D)の全域で前記玉(3)の直径φxの1/2よりも小さく設定されている保持器。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記径方向内周面(D)は、前記玉(3)の直径φxよりも小さい径方向ポケット短径(a)を軸受の径方向に、前記玉(3)の直径φxよりも大きい軸方向ポケット長径(c)を軸受の軸方向に有する楕円で構成される仮想線(R)に一致している請求項1に記載の保持器。
【請求項3】
前記ポケット中心(p)を通り且つ軸受中心線(o)に直交する断面における前記ポケット(23)の周方向内周面(E)の円弧の半径は、前記周方向内周面(E)の全域で前記玉(3)の直径φxの1/2よりも小さく設定されている請求項1に記載の保持器。
【請求項4】
前記周方向内周面(E)は、前記玉(3)の直径φxよりも小さい径方向ポケット短径(a)を軸受の径方向に、前記玉(3)の直径φxよりも大きい周方向ポケット長径(b)を軸受の周方向に対する接線方向に有する楕円で構成される仮想線(R)に一致している請求項3に記載の保持器。
【請求項5】
前記軸方向ポケット長径(c)に対する前記径方向ポケット短径(a)の比率が、
0.83以上0.97未満である請求項2に記載の保持器。
【請求項6】
前記周方向ポケット長径(b)に対する前記径方向ポケット短径(a)の比率が、
0.83以上0.97未満である請求項4に記載の保持器。
【請求項7】
前記径方向内周面(D)は、前記玉(3)の直径φxよりも小さい径方向ポケット短径(a)を軸受の径方向に、前記玉(3)の直径φxよりも大きい軸方向ポケット長径(c)を軸受の軸方向に有する楕円で構成される仮想線(R)に一致し、
前記ポケット中心(p)を通り且つ軸受中心線(o)に直交する断面における前記ポケット(23)の周方向内周面(E)は、前記玉(3)の直径φxよりも小さい径方向ポケット短径(a)を軸受の径方向に、前記玉(3)の直径φxよりも大きい周方向ポケット長径(b)を軸受の周方向に対する接線方向に有する楕円で構成される仮想線(R)に一致し、
前記径方向内周面(D)の前記仮想線(R)の楕円と、前記周方向内周面(E)の前記仮想線(R)の楕円とは、互いにその中心が一致している請求項1に記載の保持器。
【請求項8】
前記径方向内周面(D)の円弧の半径は、前記径方向内周面(D)の全域で前記玉(3)の直径φxの1/2に対して、0.86以上0.98未満である請求項1に記載の保持器。
【請求項9】
前記円環部(21)及び前記柱部(22)の保持器外径面(25)は、前記円環部(21)側から前記柱部(22)の突出端側に向かうにつれて内径方向に傾斜している請求項1に記載の保持器。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一つに記載の保持器を用いた転がり軸受を、自動車用の駆動用モータの駆動力が伝達されるモータ軸又は減速機軸の支持に適用した軸受装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、転がり軸受に用いられる保持器、及び、その保持器を備えた転がり軸受に関するものである。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、自動車、建設用機械等の各種車両、その他、各種産業用機械等において、駆動モータを備えた変速機(増減速機)等のモータ軸には、多数の転がり軸受が用いられている。これらの機器類に用いられる転がり軸受は、一般的な機器類で軸支持に使用される軸受と比べて、高速条件で使用されることが一般的である。
【0003】
また、転動体として玉(ボール)を用いた玉軸受では、樹脂製の冠型保持器が用いられる場合が多い。冠型保持器は、円環部と、その円環部から軸受の軸方向へ向かって突出する複数の柱部(突出部)を備え、柱部の突出側端が玉を保持する爪部となっているものが一般的である。
【0004】
ところで、電気自動車等の高速条件で使用される転がり軸受では、今後、潤滑油の低粘度化が進むことが考えられる。このため、保持器と転動体との間に形成される油膜が、これまでよりも形成されにくくなることが予想される。このような過酷な環境においても、保持器の内面に油だまりを設け、油を滞留させることは重要である。
【0005】
特許文献1では、冠型保持器の円環部からポケット内面に亘って貫通溝を設けている。
これにより円環部に付着した潤滑油を直接ポケット内面に流入させることが可能となり、高速回転の環境下においても、転動体との間の油量不足を抑制し、焼き付きや摩耗の発生を抑制できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2022-164434号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では、保持器の円環部に付着した潤滑油を、貫通溝を通じてポケット内面に流入させることが可能である。しかし、流入した潤滑油は、保持器の周辺や軸受内部に溜まることができず、積極的に軸受の外部に排出されてしまう。このため、潤滑油の流入より排出の割合が大きい場合、保持器と転動体の間で油膜切れを起こし、焼き付きや摩耗が発生してしまう可能性がある。特に、供給される潤滑油の量が少ない場合や、高速回転により軸受内を貫通する潤滑油が少ない希薄潤滑下では、さらにこの傾向が顕著になると考えられる。
【0008】
そこで、この発明の課題は、軸受内に取り込まれた潤滑油を滞留させ、過酷な運転条件下でも油切れを起こさないようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、この発明は、外輪及び内輪と、前記外輪と前記内輪との間に配置される複数の玉とを備えた転がり軸受に用いられ、円環部と、前記円環部から軸受の軸方向へ突出する複数の柱部とを備え、軸受の周方向に隣り合う前記柱部間に形成された前記玉を保持するポケットを備えた保持器において、前記ポケットのポケット中心を通り且つ軸受中心線を含む断面における前記ポケットの径方向内周面の円弧の半径は、前記径方向内周面の全域で前記玉の直径φxの1/2よりも小さく設定されている保持器を採用した(構成1)。
【0010】
構成1を備えた態様において、前記径方向内周面は、前記玉の直径φxよりも小さい径方向ポケット短径を軸受の径方向に、前記玉の直径φxよりも大きい軸方向ポケット長径を軸受の軸方向に有する楕円で構成される仮想線に一致している構成を採用できる(構成2)。
(【0011】以降は省略されています)

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