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公開番号2024168792
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-05
出願番号2023085739
出願日2023-05-24
発明の名称クラッチユニット
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F16D 41/10 20060101AFI20241128BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】駆動軸の出力側から入力されたトルクによってロック機構が係合状態から係合解除状態に切り替わるのを防止するクラッチユニットを提供する。
【解決手段】トルクによる駆動軸2の軸線Pまわりの回転を規制する出力側クラッチ20と、操作レバー40によってトルクが入力される入力側第1回転部材11、及びトルクを駆動軸2に伝達する入力側第2回転部材13を有し、操作レバー40によってトルクを伝達する接続状態と、トルクを伝達しない接続解除状態とに切り替え可能な入力側クラッチ10と、操作部レバー40によって駆動軸2の回転を抑制する係合状態と回転を抑制しない係合解除状態とに切り替え可能に構成されるロック機構50と、を有するクラッチユニット1である。クラッチユニット1のトルク伝達機構入力側クラッチ10は、操作レバー40がロック機構50を係合状態に切り替える位置に位置する場合において、接続解除状態である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
外部から軸線まわりのトルクが入力される駆動軸を回転可能に支持するハウジングと、
前記駆動軸の出力側から前記駆動軸に入力されるトルクによる前記駆動軸の回転を規制する回転規制機構と、
前記駆動軸にトルクを伝達する接続状態と、前記駆動軸へのトルクの伝達を解除する接続解除状態とに切り替え可能に構成されるトルク伝達機構と、
前記駆動軸を前記ハウジングに対して回転不能な係合状態と、前記駆動軸を前記ハウジングに対して回転可能な係合解除状態とに切り替え可能に構成されるロック機構と、
前記軸線まわりに回転可能な状態で前記ハウジングに支持され、回転操作によって前記トルク伝達機構を前記接続状態と前記接続解除状態とに切り替えるとともに、前記ロック機構を前記係合状態と前記係合解除状態とに切り替える操作部材と、
を有するクラッチユニットであって、
前記操作部材は、
前記ロック機構を前記係合解除状態に切り替える位置に操作された際に、前記トルク伝達機構を前記接続状態に保ち、前記ロック機構を前記係合状態に切り替える位置に操作された際に、前記トルク伝達機構を前記接続解除状態に保つことを特徴とする、
クラッチユニット。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
請求項1に記載のクラッチユニットにおいて、
前記トルク伝達機構は、
前記操作部材と連動し、前記操作部材の操作によってトルクが入力される入力部材と、
前記入力部材に入力されたトルクを前記駆動軸に伝達する出力部材と、
前記入力部材と前記出力部材とに接触することで前記入力部材に対する前記出力部材の位置を保持し、前記入力部材と前記出力部材との間でトルクを伝達する保持部材と、を有し、
前記操作部材が前記ロック機構を前記係合状態に切り替える位置に操作された際、前記保持部材が前記入力部材及び前記出力部材の少なくとも一方から離れている、
クラッチユニット。
【請求項3】
請求項2に記載のクラッチユニットにおいて、
前記トルク伝達機構は、
前記ハウジングに固定され、前記操作部材が前記ロック機構を前記係合状態に切り替える位置に操作された際に前記保持部材の位置を保持する位置保持用爪部と、を有し、
前記入力部材または前記出力部材の少なくとも一方は、
他方に向かって突出するカム部を有し、
前記保持部材は、
前記操作部材が前記ロック機構を前記係合解除状態に切り替える位置に操作された際に、前記カム部によって前記入力部材と前記出力部材とに接触し、
前記操作部材が前記ロック機構を前記係合状態に切り替える位置に操作された際に、前記位置保持用爪部によって前記カム部から離れた位置に保持される、
クラッチユニット。
【請求項4】
請求項3に記載のクラッチユニットにおいて、
前記入力部材は、
前記出力部材の径方向内方に位置し、前記駆動軸の軸線方向に見て円弧状の外縁部と前記外縁部から径方向外方に向かって突出するカム部とを有し、
前記出力部材は、
前記入力部材のカム部よりも径方向外方において、前記軸線方向に延びる軸線方向に見て円弧状の壁部を有し、
前記保持部材は、
前記外縁部と前記壁部との間に位置する、
クラッチユニット。
【請求項5】
請求項3に記載のクラッチユニットにおいて、
前記入力部材は、
前記出力部材よりも径方向外方において軸線方向に延び、前記軸線方向に見て円弧状の壁部と前記壁部から径方向内方に向かって突出するカム部とを有し、
前記出力部材は、
前記入力部材の径方向内方に位置し、前記軸線に見て円弧状の外縁部を有し、
前記保持部材は、
前記外縁部と前記壁部との間に位置する、
クラッチユニット。
【請求項6】
請求項2に記載のクラッチユニットにおいて、
前記トルク伝達機構は、
前記入力部材と前記出力部材との接触によって前記入力部材と前記出力部材との間でトルクを伝達する前記接続状態に切り替わり、前記入力部材と前記出力部材との離間によって前記入力部材と前記出力部材との間でトルクを伝達しない前記接続解除状態に切り替わる、
クラッチユニット。
【請求項7】
請求項3から5に記載のクラッチユニットにおいて、
前記保持部材は、
前記操作部材が前記ロック機構を前記係合状態に切り替える位置に操作された際に、弾性部材によって前記位置保持用爪部に押し付けられ、前記カム部から離れた位置に保持される、
クラッチユニット。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はクラッチユニットに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
操作レバーを操作することで自動車等の車両のシートを昇降させる車両用シートリフタ用のクラッチユニットが知られている。前記クラッチユニットは、トルクを伝達する駆動軸を介して入力側クラッチと出力側クラッチとが組み合わされている。前記入力側クラッチは、前記操作部材の操作によって入力されるトルクを、前記駆動軸を介してシート昇降機構の入力軸へ伝達する。前記出力側クラッチは、前記操作部材の操作によって入力されるトルクを、前記駆動軸へ伝達すると共に前記シート昇降機構の入力軸から駆動軸に逆方向に入力されるトルクを遮断する。
【0003】
このような入力側クラッチ及び出力側クラッチは、入力側部材と出力側部材とが摩擦接合部を介して連結されている。前記クラッチユニットは、摩擦接合部に生じる摩擦力を利用して、前記入力側部材から入力されるトルクを前記出力側部材に伝達している。前記クラッチユニットは、前記摩擦接合部に生じる摩擦力によって前記入力側部材から前記出力側部材に伝達できる許容トルクが定まる。よって、前記クラッチユニットは、衝撃等によって前記出力側部材から許容トルクよりも大きいトルクが入力されると、摩擦接合面が滑り、前記入力側部材に対して出力側部材が回転する場合があった。また、前記摩擦接合部は、外部からの振動が入力されることにより、前記摩擦接合面の接合状態が不安定になる場合がある。このような場合、前記クラッチユニットは、前記摩擦接合部で微小滑りが発生し、出力側部材が回転する場合があった。
【0004】
そこで、トルクが伝達される駆動軸と、前記駆動軸を回転可能に支持するハウジングとが相対回転不能なロック状態と、前記駆動軸と前記ハウジングとが相対回転可能な調節状態とに切り替え可能な自動車内装部品を調節する装置(クラッチユニット)が開示されている(例えば特許文献1)。この特許文献1に記載のクラッチユニットは、駆動軸側係合部材(第1ロック部材)とハウジング側係合部材(第2ロック部材)とを有するロック機構を備えている。前記クラッチユニットの駆動軸には、前記駆動軸側係合部材が固定されている。前記クラッチユニットのハウジングには、前記ハウジング側係合部材が固定されている。前記クラッチユニットは、前記駆動軸側係合部材と前記ハウジング側係合部材とが係合することにより、前記クラッチユニットの駆動軸が前記ハウジングに対してロックされて、前記駆動軸の回転が規制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特表2015-534018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のクラッチユニットにおけるハウジング側係合部材は、一端部が前記ハウジングに固定され、他端部に傾斜面を有する係合解除部(ロック解除要素)を備えている。この係合解除部は、前記ハウジング側係合部材をロック状態と調節状態とに切り替える作動手段に接触している。前記作動手段は、前記ハウジング側係合部材のロック解除要素との接触によって前記ハウジング側係合部材の他端部を前記駆動軸側係合部材から離れた位置に移動可能に設けられている。これにより、前記ハウジング側係合部材は、前記作動手段によって前記駆動軸側係合部材から離れている係合解除状態と、他端部が前記駆動軸側係合部材と係合している係合状態とに切り替わる。一方、前記出力側クラッチは、出力側から前記入力側部材と前記出力側部材との摩擦接合部に生じる摩擦力以上のトルクが前記駆動軸に加わった場合、前記摩擦接合面が滑り、作動手段が回転する。これにより、ロック状態のハウジング側係合部材が係合解除状態に切り替わり、前記駆動軸が回転するおそれがあった。
【0007】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、駆動軸の出力側から入力されたトルクによってロック機構が係合状態から係合解除状態に切り替わるのを防止するクラッチユニットの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るクラッチユニットは、外部から軸線まわりのトルクが入力される駆動軸を回転可能に支持するハウジングと、前記駆動軸の出力側から前記駆動軸に入力されるトルクによる前記駆動軸の回転を規制する回転規制機構と、前記駆動軸にトルクを伝達する接続状態と、前記駆動軸へのトルクの伝達を解除する接続解除状態とに切り替え可能に構成されるトルク伝達機構と、前記駆動軸を前記ハウジングに対して回転不能な係合状態と、前記駆動軸を前記ハウジングに対して回転可能な係合解除状態とに切り替え可能に構成されるロック機構と、前記軸線まわりに回転可能な状態で前記ハウジングに支持され、回転操作によって前記トルク伝達機構を前記接続状態と前記接続解除状態とに切り替えるとともに、前記ロック機構を前記係合状態と前記係合解除状態とに切り替える操作部材と、を有する。
【0009】
前記クラッチユニットの前記操作部材は、前記ロック機構を前記係合解除状態に切り替える位置に操作された際に、前記トルク伝達機構を前記接続状態に保ち、前記ロック機構を前記係合状態に切り替える位置に操作された際に、前記トルク伝達機構を前記接続解除状態に保つ。
【0010】
このように構成される本発明のクラッチユニットは、トルクを入力可能なトルク伝達機構と、駆動軸の軸線まわりの回転を抑制するロック機構とを前記操作部材の操作によって操作可能である。前記操作部材は、前記ロック機構を前記駆動軸の回転を抑制する係合状態に切り替える位置に操作された際に、前記トルク伝達機構を前記入力部材と前記出力部材との間でトルクを伝達しない接続解除状態に保つように構成される。よって、前記トルク伝達機構は、前記駆動軸の出力軸側から前記駆動軸にトルクが入力されても前記出力部材から前記入力部材にトルクを伝達しない。前記ロック機構は、前記入力部材と連動する前記操作部材が軸線まわりに回転しないので、係合状態を維持する。これにより、前記駆動軸の出力側から入力されたトルクによって前記ロック機構が係合状態から係合解除状態に切り替わるのを防止することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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