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公開番号2024137681
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-07
出願番号2023216054
出願日2023-12-21
発明の名称固体高分子型燃料電池用触媒インクに使用する白金又は白金合金担持カーボン粒子と溶媒との選定方法、それにより選定された白金又は白金合金担持カーボン粒子と溶媒とを含有する固体高分子型燃料電池用触媒インク及びその製造方法
出願人株式会社豊田中央研究所,トヨタ自動車株式会社
代理人弁理士法人セントクレスト国際特許事務所
主分類H01M 4/88 20060101AFI20240927BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】白金又は白金合金担持カーボン(Pt/C)粒子の種類が異なる場合であっても、前記Pt/C粒子が溶媒中に良好に分散するアイオノマーの吸着量又は吸着率を算出することができ、気泡が発生しにくく、貯蔵安定性に優れ、良好な粘度を有する触媒インクを得ることが可能な前記Pt/C粒子と溶媒との組合せの選定方法を提供する。
【解決手段】アイオノマーのPt/C粒子への吸着量が所定の式で表されるカーボンに対する吸着した前記アイオノマーの質量比(I/C)で0.22~0.50となり、溶媒のハンセン溶解度パラメータの水素結合項が40.0MPa0.5以下となるように、前記Pt/C粒子と前記溶媒とを選定することを特徴とする固体高分子型燃料電池用触媒インクに使用する白金又は白金合金担持カーボン粒子と溶媒との選定方法とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
白金又は白金合金担持カーボン(Pt/C)粒子、アイオノマー、及び溶媒を含有する固体高分子型燃料電池用触媒インクにおいて、前記Pt/C粒子と前記溶媒との組合せを選定する方法であって、
前記アイオノマーの前記Pt/C粒子への吸着量が、下記式(1):
JPEG
2024137681000030.jpg
10
129
〔前記式中、HSPδhは、前記溶媒のハンセン溶解度パラメータ(HSP)の水素結合項[単位:MPa
0.5
]を表し、A

Eff
は、下記式(2):
JPEG
2024137681000031.jpg
15
111
(前記式中、A

は、メソ孔(細孔径≦5nm)の表面積を除いた前記Pt/C粒子の比表面積[単位:m

/g]を表し、D

は、超小角X線散乱法(USAXS)により求められる前記Pt/C粒子のフラクタル次元を表し、R
agg
は、超小角X線散乱法(USAXS)により求められる前記Pt/C粒子凝集体の半径[単位:nm]を表し、θは、前記Pt/C粒子表面の酸性官能基被覆率を表し、c

及びkは係数を表し、c

=58.5、k=26.8である。)
により求められ、C

~C

は係数を表し、C

=3.12×10
-6
、C

=0.42、C

=18.1、C

=-5.32である。〕
で表される前記カーボンに対する吸着した前記アイオノマーの質量比(I/C)で0.22~0.50となり、溶媒のハンセン溶解度パラメータの水素結合項が40.0MPa
0.5
以下となるように、前記Pt/C粒子と前記溶媒とを選定することを特徴とする固体高分子型燃料電池用触媒インクに使用する白金又は白金合金担持カーボン粒子と溶媒との選定方法。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
白金又は白金合金担持カーボン(Pt/C)粒子、アイオノマー、及び溶媒を含有する固体高分子型燃料電池用触媒インクにおいて、前記Pt/C粒子と前記溶媒との組合せを選定する方法であって、
下記式(3):
JPEG
2024137681000032.jpg
15
164
(前記式中、HSPδhは、前記溶媒のハンセン溶解度パラメータ(HSP)の水素結合項[単位:MPa
0.5
]を表し、SSAは、前記Pt/C粒子のBET比表面積[単位:m

/g]を表し、D

は、超小角X線散乱法(USAXS)により求められる前記Pt/C粒子のフラクタル次元を表す。)
で表される前記アイオノマーの吸着率が22~45質量%となるように、前記Pt/C粒子と前記溶媒とを選定することを特徴とする固体高分子型燃料電池用触媒インクに使用する白金又は白金合金担持カーボン粒子と溶媒との選定方法。
【請求項3】
前記アイオノマーが、パーフルオロスルホン酸ポリマーであることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体高分子型燃料電池用触媒インクに使用する白金又は白金合金担持カーボン粒子と溶媒との選定方法。
【請求項4】
前記溶媒が、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒であることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体高分子型燃料電池用触媒インクに使用する白金又は白金合金担持カーボン粒子と溶媒との選定方法。
【請求項5】
白金又は白金合金担持カーボン(Pt/C)粒子、アイオノマー、及び溶媒を含有する固体高分子型燃料電池用触媒インクの製造方法であって、
請求項1又は2に記載の選定方法により前記Pt/C粒子と前記溶媒とを選定し、
選定された前記Pt/C粒子と、前記アイオノマーと、選定された前記溶媒とを混合する、
ことを特徴とする固体高分子型燃料電池用触媒インクの製造方法。
【請求項6】
白金又は白金合金担持カーボン(Pt/C)粒子、アイオノマー、及び溶媒を含有する固体高分子型燃料電池用触媒インクであり、
前記Pt/C粒子と前記溶媒との組合せが、
前記アイオノマーの前記Pt/C粒子への吸着量が、下記式(1):
JPEG
2024137681000033.jpg
10
129
〔前記式中、HSPδhは、前記溶媒のハンセン溶解度パラメータ(HSP)の水素結合項[単位:MPa
0.5
]を表し、A

Eff
は、下記式(2):
JPEG
2024137681000034.jpg
15
111
(前記式中、A

は、メソ孔(細孔径≦5nm)の表面積を除いた前記Pt/C粒子の比表面積[単位:m

/g]を表し、D

は、超小角X線散乱法(USAXS)により求められる前記Pt/C粒子のフラクタル次元を表し、R
agg
は、超小角X線散乱法(USAXS)により求められる前記Pt/C粒子凝集体の半径[単位:nm]を表し、θは、前記Pt/C粒子表面の酸性官能基被覆率を表し、c

及びkは係数を表し、c

=58.5、k=26.8である。)
により求められ、C

~C

は係数を表し、C

=3.12×10
-6
、C

=0.42、C

=18.1、C

=-5.32である。〕
で表される前記カーボンに対する吸着した前記アイオノマーの質量比(I/C)で0.22~0.50となり、溶媒のハンセン溶解度パラメータの水素結合項が40.0MPa
0.5
以下となるように選定された組合せであることを特徴とする固体高分子型燃料電池用触媒インク。
【請求項7】
白金又は白金合金担持カーボン(Pt/C)粒子、アイオノマー、及び溶媒を含有する固体高分子型燃料電池用触媒インクであり、
前記Pt/C粒子と前記溶媒との組合せが、
下記式(3):
JPEG
2024137681000035.jpg
15
164
(前記式中、HSPδhは、前記溶媒のハンセン溶解度パラメータ(HSP)の水素結合項[単位:MPa
0.5
]を表し、SSAは、前記Pt/C粒子のBET比表面積[単位:m

/g]を表し、D

は、超小角X線散乱法(USAXS)により求められる前記Pt/C粒子のフラクタル次元を表す。)
で表される前記アイオノマーの吸着率が22~45質量%となるように選定された組合せであることを特徴とする固体高分子型燃料電池用触媒インク。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、固体高分子型燃料電池用触媒インクに使用する白金又は白金合金担持カーボン粒子と溶媒との選定方法、それにより選定された白金又は白金合金担持カーボン粒子と溶媒とを含有する固体高分子型燃料電池用触媒インク及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
固体高分子型燃料電池は、固体高分子電解質膜の両面に電極(触媒層)が接合された膜電極接合体(MEA)を基本単位とするものである。このような固体高分子型燃料電池の触媒層は、テフロン(登録商標)製シート等の基材又は固体高分子電解質膜の表面に触媒インクを塗布、乾燥させることによって形成される。このとき使用される触媒インクは、一般的には、白金又は白金合金担持カーボン(Pt/C)粒子とプロトン伝導体であるアイオノマーとを溶媒に分散させたものであり、前記Pt/C粒子の分散性が触媒インクの貯蔵安定性や燃料電池の生産性及びその発電性能に影響を及ぼすことから、触媒インクにおける前記Pt/C粒子の分散性の向上が重要となる。
【0003】
前記Pt/C粒子とアイオノマーとを含有する触媒インクにおいては、アイオノマーが前記Pt/C粒子に吸着することによって、これらが溶媒中に分散する。したがって、アイオノマーの吸着率が低くなると、前記Pt/C粒子が凝集するため、前記Pt/C粒子の分散性が低下し、前記Pt/C粒子と溶媒が分離し、触媒インクの貯蔵安定性が低下する。また、前記Pt/C粒子の分散性が低下すると、触媒インクの粘度も高くなり、塗工性が低下する。さらに、前記Pt/C粒子の分散性が低い触媒インクを塗工、乾燥させると、形成される触媒層が不均一となる。
【0004】
また、アイオノマーは、前記Pt/C粒子とアイオノマーとの疎水性相互作用により、前記Pt/C粒子に吸着すると考えられている。このため、溶媒として親水性の高い溶媒を使用すると、アイオノマーの吸着率が向上する。しかしながら、溶媒の親水性が高くなりすぎると、溶媒の表面張力が高くなるため、気泡が発生しやすくなったり、発生した気泡が消泡しにくくなったりする。このため、親水性の高い溶媒を用いた触媒インクを塗工、乾燥させると、形成される触媒層にボイドが生成する。
【0005】
そこで、特開2018-139203号公報(特許文献1)には、水と一緒に混合溶媒を形成することができ、前記Pt/C粒子等の触媒担持粒子にアイオノマーを吸着させて、これらを良好に分散させることができる溶媒の選定方法として、溶媒のハンセン溶解度パラメータ(HSP値)とアイオノマーの疎水部のHSP値との差及び溶媒のHSP値と水のHSP値との差がそれぞれ特定の条件を満たす溶媒を選定する方法が提案されている。しかしながら、この選定方法では、触媒担持粒子の種類(特に、担体粒子の種類)が異なると、溶媒のHSP値とアイオノマーの疎水部のHSP値との差及び溶媒のHSP値と水のHSP値との差がそれぞれ満たす条件を再度設定する必要があるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2018-139203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、白金又は白金合金担持カーボン(Pt/C)粒子の種類が異なる場合であっても、前記Pt/C粒子が溶媒中に良好に分散するアイオノマーの吸着量又は吸着率を算出することができ、気泡が発生しにくく、貯蔵安定性に優れ、良好な粘度を有する触媒インクを得ることが可能な前記Pt/C粒子と溶媒との組合せの選定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、白金又は白金合金担持カーボン(Pt/C)粒子へのアイオノマーの吸着に対して、溶媒の違いだけでなく、前記Pt/C粒子の違いによる影響を考慮して、アイオノマーの吸着量又は吸着率を算出することによって、前記Pt/C粒子の種類や溶媒の種類が異なる場合であっても、気泡が発生しにくく、貯蔵安定性に優れ、良好な粘度を有する触媒インクを得ることが可能な前記Pt/C粒子と溶媒との組合せを選定できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は以下の態様を提供する。
【0010】
[1]白金又は白金合金担持カーボン(Pt/C)粒子、アイオノマー、及び溶媒を含有する固体高分子型燃料電池用触媒インクにおいて、前記Pt/C粒子と前記溶媒との組合せを選定する方法であって、
前記アイオノマーの前記Pt/C粒子への吸着量が、下記式(1):
(【0011】以降は省略されています)

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