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公開番号2024136760
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023047994
出願日2023-03-24
発明の名称自動ドア装置用ハンガー金具
出願人株式会社ソリック
代理人個人
主分類E05D 13/00 20060101AFI20240927BHJP(錠;鍵;窓または戸の付属品;金庫)
要約【課題】扉部材の振動による負荷に耐える踊止め防止機能を有し、扉部材の開閉時にストッパ部材として機能する踊止め防止兼ストッパ部材を備えた自動ドア装置用ハンガー金具を提供する。
【解決手段】ハンガーローラ5,7を回動可能に支持する垂直部及び前記垂直部の下端から水平方向に延び扉部材が取り付けられるように構成された水平部を備えた側面視断面L字状の金具本体3と、前記金具本体に回動可能に設けられた一対のハンガーローラとを備え、前記垂直部の一方の側部に、上面視L字状板状部材から成る踊止め防止兼ストッパ部材21が固定され、該ハンガー金具をベースレール30に係吊りした時に、前記踊止め防止兼ストッパ部材の板状側面部21bの上縁21cがベースレールの上面に少なくとも扉部材の踊り現象を抑えることができる隙間をもって対面し、かつ、前記板状側面部がベースレールに設けられたストッパ33と対向するように構成されている。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
建物構造体に固定されたベースレールに扉部材を走行可能に係吊りするハンガー金具であって、
該ハンガー金具が、
ハンガーローラを回動可能に支持する垂直部及び前記垂直部の下端から水平方向に延び扉部材が取り付けられるように構成された水平部を備えた側面視断面L字状の金具本体と、
前記金具本体に回動可能に設けられた一対のハンガーローラと
を備え、
前記垂直部の一方の側部に、上面視L字状板状部材から成る踊止め防止兼ストッパ部材が固定され、
前記踊止め防止兼ストッパ部材が、金具本体の垂直部に固定される垂直板状部と、該垂直板状部の一側から、ハンガー金具の走行方向に直交するよう後方に向けて延びる板状側面部とを一体に成形した上面視L字状の形態であり、
該ハンガー金具をベースレールに係吊りした時に、前記踊止め防止兼ストッパ部材の板状側面部の上縁がベースレールの上面に少なくとも扉部材の踊り現象を抑えることができる隙間をもって対面し、かつ、前記板状側面部がベースレールに設けられたストッパと対向するように構成されている
ことを特徴とする自動ドア装置用ハンガー金具。
続きを表示(約 380 文字)【請求項2】
前記金具本体が、
垂直板状部と水平板状部とを一体に成形した断面L字状の第一金具部材と、
ハンガーローラを回動可能に支持し、前記第一金具部材の前記垂直板状部に上下方向に調整可能に固定される第二金具部材と
を備え、
前記第一金具部材の垂直板状部と前記第二金具部材とが、前記垂直部を構成する
ことを特徴とする請求項1に記載の自動ドア装置用ハンガー金具。
【請求項3】
前記踊止め防止兼ストッパ部材が、前記第二金具部材の一側に固定されている
ことを特徴とする請求項2に記載の自動ドア装置用ハンガー金具。
【請求項4】
前記踊止め防止兼ストッパ部材が、前記金具本体に上下方向に調整可能に固定されている
ことを特徴とする請求項1に記載の自動ドア装置用ハンガー金具。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、自動ドア装置の扉部材をベースレールに走行可能に係吊りするために用いられるハンガー金具の改良に関し、特に、扉部材の開閉時の上下動による踊り現象によりハンガー金具がベースレールから脱落することを防止すると共に、扉部材の開閉時にストッパの一部として機能する踊止め兼ストッパ部材を備えたハンガー金具に関する。
続きを表示(約 5,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、人体等の物体を検知して扉部材を自動的に開閉するように構成された自動ドア装置が使用されている。
自動ドア装置は、ハンガーローラを備えたハンガー金具に、扉部材を取り付け、前記ハンガー金具を建物躯体に固定されたベースレールに走行可能に係吊りすることにより扉部材を開閉するように構成されている。
前記したように構成された自動ドア装置は、扉部材の開閉時に扉部材が上下に揺れる踊り現象が生じ、踊り現象によりハンガーローラがベースレールから外れて扉部材が脱落するという問題がある。
上記した問題を解決するために、従来、この種のハンガー金具には、前記踊り現象を防止する踊止め部材が設けられている。
図6は、踊り止め部材が設けられた従来のハンガー金具を示している。
図中、符号50は、ハンガーローラ52を支持すると共に、下面に扉部材を取り付ける断面L字状の本体金具を示している。
この本体金具50の下部には、ハンガー金具をベースレール60に係吊りした時に、ベースレール60の下面に向けて突出する踊止め部材54が設けられており、この踊止め部材54により、ハンガー金具とベースレール60との間の隙間を小さくし、扉部材の開閉時の扉部材の上下動を低減して踊り現象が生じることを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2000-45621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来のハンガー金具によれば、踊止め部材54がハンガー金具とベースレール60との間の隙間を小さくするため、扉部材の開閉時の扉部材の上下動、ひいてはハンガー金具の上下動を低減するため踊り現象が生じることなく、結果として扉部材の脱落を防止することができるという効果を奏する。
しかし、上記した従来の踊止め部材54が、本体金具50の下部からベースレールの下面に向けて突出するように構成されているので、扉部材の振動による負荷が踊止め部材54と本体金具50との接続部分、即ち、踊止め部材54の根本に集中し、特に、扉部材の重量が重い場合には、前記接続部分にかかる負荷が大きくなりすぎ踊止め部材54が根本から折れてしまうという問題があった。
本発明は、上記した従来の問題点を解決し、扉部材の重量に関係なく、扉部材の振動による負荷に耐えることができる踊止め防止機能を有し、かつ、扉部材の開閉時にストッパ部材として機能する踊止め防止兼ストッパ部材を備えた自動ドア装置用ハンガー金具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記した目的を達成するために、本発明に係る自動ドア装置用ハンガー金具は、建物構造体に固定されたベースレールに扉部材を走行可能に係吊りするハンガー金具であって、該ハンガー金具が、ハンガーローラを回動可能に支持する垂直部及び前記垂直部の下端から水平方向に延び扉部材が取り付けられるように構成された水平部を備えた側面視断面L字状の金具本体と、前記金具本体に回動可能に設けられた一対のハンガーローラとを備え、前記垂直部の一方の側部に、上面視L字状板状部材から成る踊止め防止兼ストッパ部材が固定され、前記踊止め防止兼ストッパ部材が、金具本体の垂直部に固定される垂直板状部と、該垂直板状部の一側から、ハンガー金具の走行方向に直交するよう後方に向けて延びる板状側面部とを一体に成形した上面視L字状の形態であり、該ハンガー金具をベースレールに係吊りした時に、前記踊止め防止兼ストッパ部材の板状側面部の上縁がベースレールの上面に少なくとも扉部材の踊り現象を抑えることができる隙間をもって対面し、かつ、前記板状側面部がベースレールに設けられたストッパと対向するように構成されていることを特徴とする。
前記金具本体は、垂直板状部と水平板状部とを一体に成形した断面L字状の第一金具部材と、ハンガーローラを回動可能に支持し、前記第一金具部材の前記垂直板状部に上下方向に調整可能に固定される第二金具部材を有し得、前記第一金具部材の垂直板状部と前記第二金具部材とで前記垂直部を構成してもよい。
この場合、前記踊止め防止兼ストッパ部材は、前記第二金具部材の一側に固定され得る。
必要に応じて、前記踊止め防止兼ストッパ部材は、前記金具本体に上下方向に調整可能に固定され得る。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る自動ドア装置用ハンガー金具は、建物構造体に固定されたベースレールに扉部材を走行可能に係吊りするハンガー金具であって、 該ハンガー金具が、ハンガーローラを回動可能に支持する垂直部及び前記垂直部の下端から水平方向に延び扉部材が取り付けられるように構成された水平部を備えた側面視断面L字状の金具本体と、前記金具本体に回動可能に設けられた一対のハンガーローラとを備え、 前記垂直部の一方の側部に、上面視L字状板状部材から成る踊止め防止兼ストッパ部材が固定され、前記踊止め防止兼ストッパ部材が、金具本体の垂直部に固定される垂直板状部と、該垂直板状部の一側から、ハンガー金具の走行方向に直交するよう後方に向けて延びる板状側面部とを一体に成形した上面視L字状の形態であり、該ハンガー金具をベースレールに係吊りした時に、前記踊止め防止兼ストッパ部材の板状側面部の上縁がベースレールの上面に少なくとも扉部材の踊り現象を抑えることができる隙間をもって対面し、かつ、前記板状側面部がベースレールに設けられたストッパと対向するように構成されており、踊止め防止兼ストッパ部材が上面視L字状板状部材から成るので、それ自体の剛性が高く、かつ、踊止め防止兼ストッパ部材が、その垂直板状部を介して金具本体の垂直部に固定されるので、踊止め防止兼ストッパ部材と本体金具との接触面積が広く負荷が分散される。このため、扉部材の重量に関係なく、踊止め防止兼ストッパ部材が扉部材の振動による負荷に耐えることができる。また、前記踊止め防止兼ストッパ部材は、前記板状側面部がベースレールに設けられたストッパと対向するので、扉部材を開閉する際に前記ストッパに当接するストッパ部材としても機能する。また、前記踊止め防止兼ストッパ部材は、上面視L字状板状部材から成るので構造が簡単であり、製造コストが下がり、かつ、既存のハンガー金具にも簡単に取り付けることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明に係る自動ドア装置用ハンガー金具の正面図である。
図1に示したハンガー金具の上面図である。
図1に示したハンガー金具の左側面図である。
本発明に係る自動ドア装置用ハンガー金具をベースレールに取り付けた状態を示す正面図である。
本発明に係る自動ドア装置用ハンガー金具をベースレールに取り付けた状態を示す側面図である。
従来のハンガー金具を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面に示した一実施例を参照して本発明に係る自動ドア装置用ハンガー金具の実施の形態を説明していく。
図1は、本発明に係る自動ドア装置用ハンガー金具(以下、単に「ハンガー金具」と称する。)の正面図、図2は図1に示したハンガー金具の上面図及び図3は図1に示したハンガー金具の左側面図を各々示している。尚、図3では、図面を見やすくするために、後述する踊止め防止兼ストッパ部材21を固定するボルト23は省略されている。
図中、符号1は本発明に係るハンガー金具を示しており、このハンガー金具1は、金具本体3と、金具本体3に回動可能に支持された一対のハンガーローラ5及び7とを有する。
前記金具本体3は、垂直板状部9aと、該垂直板状部9aの下端から後方に延びる水平板状部9bとが一体に成形された側面視L字状の第一金具部材9と、前記ハンガーローラ5及び7の支持部材として機能し、前記第一金具部材9に対して前後に重ねて配置される板状の第二金具部材11と、スペーサとして機能する板状の第三金具部材13とを有する。
前記第一金具部材9の水平板状部9bには、不図示の扉部材がボルト15,15を用いて固定される。
前記第一金具部材9の垂直板状部9aには、上下方向に延びる三つのスロット9cが設けられている。前記第三金具部材13を介して一対のハンガーローラ5及び7を支持する前記第二金具部材11は、前記スロット9cを介して第一金具部材9に上下に調整可能にボルト17によって固定される。
前記第一金具部材9及び第二金具部材11には、それぞれ、その中央上部に後方(図1における手前側)に向けて突出するフランジ9d及び11aが一体に形成されており、これらのフランジ9d及び11aは上下に重なるように位置し、同芯のボルト孔が形成されている。前記フランジ9d及び11aに設けられたボルト孔にはボルト19が螺合されており、前記ボルト17、17,17を緩めて前記ボルト19を操作することで、第一金具部材9に対する第二金具部材11の高さ位置を調整することができるように構成されている。
上記したように構成された金具本体3には、踊止め防止兼ストッパ部材21が設けられている。
前記踊止め防止兼ストッパ部材21は、金具本体3に固定される垂直板状部21aと、該垂直板状部21aの一側から、ハンガー金具1の走行方向に直交するよう後方に向けて延びる板状側面部21bとを一体に成形した上面視L字状の形態である。該踊止め防止兼ストッパ部材21は、少なくとも、その板状側面部21bの上縁21cが、ハンガーローラ5及び7の上端より上方に位置するように、その垂直板上部21aの部分で、第二金具部材11の一側にボルト23,23で固定されている。この実施例では、踊止め防止兼ストッパ部材21は、第二金具部材11の左側に固定されているが、踊止め防止兼ストッパ部材21が設けられる位置は本実施例に限定されることなく、ハンガー金具1に取り付けられる扉部材の移動方向に応じて、例えば、第二金具部材11の右側に固定してもよい。図1中、符号11bは、踊止め防止兼ストッパ部材21を右側に固定する際に使用するボルト孔を示している。
【0009】
上記したように構成されたハンガー金具1は、ベースレール30に係吊りされる。
以下、図4及び図5をさらに参照しながら、ハンガー金具1がベースレール30に係吊りされた状態を説明していく。
図4は、上記したように構成されたハンガー金具をベースレール30に取り付けた状態を示す正面図であり、図5は、図4の側面図である。
特に図5に示すように、ベースレール30は、既設又は新設の鴨居又はフロント無目等の建物の構造体40に固定される垂直固定板部30aと、前記垂直固定板部30aの下端から前方に向けて突出し、不図示の扉部材を吊り下げるハンガー金具1のハンガーローラ5及び7を走行可能に支持するレールを形成するレール部30bと、垂直固定板部30aの上端から前方に向けて突出し、ハンガー金具1の上方への移動を規制する規制部30cとをアルミニウム引き抜き加工によって一体に成形して成る。前記ベースレール30における垂直固定板部30aとレール部30bとの間には、肉厚に形成された中空構造の強度確保部30dが形成されている。前記ベースレール30は、ボルト(符号なし)を用いて構造体40に固定されている。
本発明に係るハンガー金具1は、上記したように構成されたベースレール30に、そのハンガーローラ5及び7が、ベースレール30のレール部30aに載るように係吊りされる。
図4及び図5に示すように、本発明に係るハンガー金具1は、ベースレール30に係吊りされた状態において、その踊止め防止兼ストッパ部材21の板状側面部21bの上縁21cが、ベースレール30の規制部30cと対向し、両者の間隔Aが、ハンガー金具1に取り付けられた扉部材(図示せず)の上下動、ひいてはハンガー金具1の上下動による踊り現象を抑えることができる間隔となっているので踊り現象を効果的に防止することができる。
また、踊止め防止兼ストッパ部材21が、上面視L字状板状部材から成るので、それ自体の剛性が高く、かつ、本体金具3の第二金具部材11に、その垂直板状部21aの位置でボルト止めされているので、本体金具3との接触面積が広く接続部分の剛性も高いため、扉部材の振動による負荷を分散することができ、扉部材の重量に関係なく、扉部材の振動による負荷に耐えることができる。
また、特に、図5に示すように、前記踊止め防止兼ストッパ部材21は、その板状側面部21bがハンガー金具1の走行方向に直交するよう後方に向けて延びており、ベースレール30に設けられたストッパ33に対向するので、扉部材を開く時に、ストッパ33に当接するストッパ部材として機能することができる。
【0010】
上記したように、本発明に係るハンガー金具1は、扉部材の重量に関係なく、扉部材の振動による負荷に耐えることができ、かつ、扉部材の振動による踊り現象を効果的に防止することができると共に、ストッパ部材としても機能する踊止め兼ストッパ部材21を備えているので、簡単な構造で、効果的に扉部材の踊り現象を防止することができ、かつ、別途ストッパ部材を設ける必要がない。
さらに、本発明に係るハンガー金具1は、その踊止め兼ストッパ部材21が、上面視L字状の板状体で構成されているので、それ自体の剛性が高いことは勿論のこと、構造が簡単であり、製造コストを安価に抑えることができる。
さらにまた、本発明に係るハンガー金具1は、その踊止め兼ストッパ部材21が上面視L字状の板状体で構成されており、その垂直板状部21aをボルトで金具本体3に固定するように構成されているので、組立が簡単であり、かつ、既存のハンガー金具1に簡単に取り付けることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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