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公開番号
2024131442
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-30
出願番号
2023041701
出願日
2023-03-16
発明の名称
車両用ドアロック装置
出願人
株式会社アイシン
代理人
個人
,
個人
主分類
E05B
81/20 20140101AFI20240920BHJP(錠;鍵;窓または戸の付属品;金庫)
要約
【課題】相対的なクローズ作動の遅延を低減する。
【解決手段】ドアロック装置は、駆動源となるモータに対して駆動電力を供給することにより、独立に設けられた第1及び第2のクローザ装置の作動を制御する制御装置としてのドアECUを備える。また、ドアECUは、車載電源の電源電圧Vbに基づいた電圧指示値Vt1,Vt2を演算することにより、第1及び第2のクローザ装置の各モータに対して駆動電力の供給を実行するクローザ制御部を備える。更に、クローザ制御部は、これらの第1及び第2のクローザ装置について、同時にクローズ制御を開始する。そして、クローザ制御部は、このクローズ制御において、第1のクローザ装置については、これら第1及び第2のクローザ装置間に生ずる相対的なクローズ作動の遅延が低減するように補正された電圧指示値Vt1を演算する。
【選択図】図9
特許請求の範囲
【請求項1】
駆動源となるモータに対して駆動電力を供給することにより独立に設けられた第1及び第2のクローザ装置の作動を制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、車載電源の電源電圧に基づいた電圧指示値を演算することにより前記駆動電力の供給を実行するとともに、
前記第1のクローザ装置については、前記第1及び第2のクローザ装置について同時にクローズ制御を開始した場合に前記第1及び第2のクローザ装置間に生ずる相対的なクローズ作動の遅延が低減するように補正された前記電圧指示値を演算する
車両用ドアロック装置。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の車両用ドアロック装置において、
前記第1及び第2のクローザ装置は、前記第1のクローザ装置よりも前記第2のクローザ装置の方が、前記クローズ制御の実行による前記クローズ作動に遅れが生じやすい互いに固有の機械要素を有するものであって、
前記制御装置は、前記電源電圧に対して、前記機械要素により生ずる前記遅延を低減すべく前記電圧指示値を低減させる第1の補正係数を乗ずることにより、前記補正された前記第1のクローザ装置の前記電圧指示値を演算すること、
を特徴とする車両用ドアロック装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車両用ドアロック装置において、
前記制御装置は、前記電源電圧に対して、前記モータの温度特性に関する第2の補正係数を乗ずることにより、前記補正された前記第1のクローザ装置の前記電圧指示値を演算すること、を特徴とする車両用ドアロック装置。
【請求項4】
請求項3に記載の車両用ドアロック装置において、
前記第1のクローザ装置は、前記クローズ制御の実行により、前記第1のクローザ装置に駆動されるラッチ機構に対して、該ラッチ機構をハーフラッチ状態からフルラッチ状態に移行させる駆動力を付与する駆動区間と、該駆動区間に到達する前の空走区間と、を有して前記クローズ作動するものであって、
前記制御装置は、前記クローズ制御の実行時、前記空走区間に設定された計時区間の通過時間を計測するとともに、該通過時間を予め保持した基準通過時間で除することにより、前記第2の補正係数を演算すること、を特徴とする車両用ドアロック装置。
【請求項5】
請求項4に記載の車両用ドアロック装置において、
前記第1のクローザ装置は、前記クローズ作動時とは反対方向に作動位置が移動することにより前記第1のクローザ装置に駆動された前記ラッチ機構をフルラッチ状態からアンラッチ状態に移行させるべくリリース作動するとともに、
前記制御装置は、前記作動位置について、前記クローズ作動により前記第1のクローザ装置が前記ラッチ機構を駆動するクローズ領域、前記リリース作動により前記第1のクローザ装置が前記ラッチ機構を駆動するリリース領域、及び前記クローズ領域と前記リリース領域との中間領域の何れに位置するかを検出可能に構成されるものであって、
前記クローズ制御の開始から前記作動位置が前記中間領域外に移動するまでを前記計時区間の通過時間として前記計測すること、を特徴とする車両用ドアロック装置。
【請求項6】
請求項1~請求項5の何れか一項に記載の車両用ドアロック装置において、
前記第1及び第2のクローザ装置が互いに異なる数のラッチ機構を駆動すること、
を特徴とする車両用ドアロック装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ドアロック装置に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、車両用のドアロック装置には、モータ等を駆動源として、そのラッチ機構をハーフラッチ状態からフルラッチ状態に移行させるクローザ装置を備えるものがある。即ち、車両用のドアロック装置は、そのラッチ機構がハーフラッチ状態となることにより、所謂「半ドア状態」で車両のドアを開動作不能に拘束する。更に、ドアロック装置は、そのラッチ機構がフルラッチ状態となることにより、車両のドアがドア開口部を完全に閉塞する位置において、そのドアを開動作不能に拘束する。しかしながら、アクチュエータの駆動力に基づきドアを閉動作させる場合、高い質感を確保しながら、その「半ドア状態」を越えてドアを全閉動作させることが難しい。このため、上記のようなドアロック装置は、「半ドア状態」までドアが閉動作した場合、クローザ装置の作動によって、そのラッチ機構を強制的にハーフラッチ状態からフルラッチ状態に移行させる。そして、これにより、そのドアを引き込むように全閉動作させる構成となっている。
【0003】
また、例えば、特許文献1には、複数のクローザ装置を用いて複数のラッチ機構を独立に駆動する構成が開示されている。そして、この従来技術のドアロック装置においては、これらのクローザ装置について、そのクローズ制御が同時に開始される構成になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2008-196238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のように複数のクローザ装置を同時にクローズ制御した場合には、これら各クローザ装置のクローズ作動に相対的な遅延が生じやすい。そして、これにより、これらの各クローザ装置に駆動された各ラッチ機構がハーフラッチ状態からフルラッチ状態に移行するタイミングにズレが生ずるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する車両用ドアロック装置の各態様を記載する。
態様1の車両用ドアロック装置は、駆動源となるモータに対して駆動電力を供給することにより独立に設けられた第1及び第2のクローザ装置の作動を制御する制御装置を備え、前記制御装置は、車載電源の電源電圧に基づいた電圧指示値を演算することにより前記駆動電力の供給を実行するとともに、前記第1のクローザ装置については、前記第1及び第2のクローザ装置について同時にクローズ制御を開始した場合に前記第1及び第2のクローザ装置間に生ずる相対的なクローズ作動の遅延が低減するように補正された前記電圧指示値を演算する。
【0007】
上記構成によれば、第1及び第2のクローザ装置について、その相対的なクローズ作動の遅延を低減することができる。その結果、これら第1及び第2のクローザ装置のクローズ作動が完了するタイミングにズレが生じ難くなる。つまりは、これらの第1及び第2のクローザ装置に駆動された各ラッチ機構がハーフラッチ状態からフルラッチ状態に移行するタイミングを略一致させることができる。そして、これにより、高い質感を確保することができる。
【0008】
態様2の車両用ドアロック装置は、態様1の車両用ドアロック装置において、前記第1及び第2のクローザ装置は、前記第1のクローザ装置よりも前記第2のクローザ装置の方が、前記クローズ制御の実行によるクローズ作動に遅れが生じやすい互いに固有の機械要素を有するものであって、前記制御装置は、前記電源電圧に対して、前記機械要素により生ずる前記遅延を低減すべく前記電圧指示値を低減させる第1の補正係数を乗ずることにより、前記補正された前記第1のクローザ装置の前記電圧指示値を演算する。
【0009】
上記構成によれば、精度よく、第1及び第2のクローザ装置に固有の機械要素により生ずる相対的なクローズ動作の遅延を低減することができる。そして、これにより、高い質感を確保することができる。
【0010】
態様3の車両用ドアロック装置は、態様2の車両用ドアロック装置において、前記制御装置は、前記電源電圧に対して、前記モータの温度特性に関する第2の補正係数を乗ずることにより、前記補正された前記第1のクローザ装置の前記電圧指示値を演算する。
(【0011】以降は省略されています)
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