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公開番号2024126651
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023035188
出願日2023-03-08
発明の名称制動装置付き移動体
出願人株式会社三条工機製作所
代理人個人
主分類E05F 5/02 20060101AFI20240912BHJP(錠;鍵;窓または戸の付属品;金庫)
要約【課題】往復移動体のソフトな復動完了を達成する制動装置付き移動体を提供すること。
【解決手段】第一ラックギア5を第一移動途中位置P2へ往動移動させた際に第一ラックギア5と第二ラックギア11の連動移動状態を解除する往動時連動解除手段12、往動時連動解除手段12による連動移動解除時に第二ラックギア11を停止状態に保持する第二ラックギア停止保持手段13、往動区間にある第一ラックギア5を第一移動途中位置P2へ復動移動させた際に第一ラックギア5と第二ラックギア11の連動移動を回避する復動時連動回避手段14、第一ラックギア5を第二移動途中位置P3へ復動移動させた際に第二ラックギア11の移動停止状態を解除する復動付勢復帰手段15、及び移動停止解除時の第二ラックギア11と第一ラックギア5を同じ移動量で連動復動移動させる復動時連動手段16を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
支持母体に往復移動自在に設けられ、少なくとも復動移動に制動力を付与する移動体制動装置を介して前記支持母体に設けられる制動装置付き移動体であって、
前記移動体制動装置は、前記支持母体側に設置可能な筐体と、
この筐体に往復移動可能に設けられ前記移動体に連結可能な連結部とから成り、
前記筐体には、
前記連結部を備えこの連結部を介して前記移動体とともに移動体の往復移動方向に沿って往復移動する第一ラックギアと、
この第一ラックギアと歯合し第一ラックギアの往復移動に伴って連動回動する第一ピニオンギアと、
この第一ピニオンギアの回動軸に設けられて第一ピニオンギアと連動回動する第一ピニオンギアとは直径比若しくはギア比が異なる第二ピニオンギアと、
この第二ピニオンギアと歯合し第二ピニオンギアの回動に伴って前記移動体の往復移動方向に連動移動すると共に、前記第一ピニオンギアと前記第二ピニオンギアの異なる直径比若しくはギア比によって前記第一ラックギアの移動に連動して移動するが第一ラックギアの移動量よりも小さい移動量となる第二ラックギアと、
この第二ラックギアに連結されてこの第二ラックギアを復動方向に移動付勢する付勢体と、
この第二ラックギアに連結されて前記付勢体の付勢力による第二ラックギアの復動移動に制動作用を付与する制動ダンパーと、
前記第一ラックギアを往動始点位置から所定の第一移動途中位置まで往動移動させた際にこの第一ラックギアと前記第二ラックギアとの連動移動状態を解除して、前記第一移動途中位置より先の往動区間を第一ラックギアのフリー移動区間とする往動時連動解除手段と、
この往動時連動解除手段により前記第一ラックギアと前記第二ラックギアとの連動移動状態が解除された際に、連動移動してきた前記第二ラックギアを移動停止状態に保持する第二ラックギア停止保持手段と、
前記フリー移動区間に位置している第一ラックギアを、前記第一移動途中位置まで復動移動させた際に前記第一ラックギアと前記第二ラックギアとが連動移動状態となることを回避して、第一ラックギアを前記第二ラックギア停止保持手段により移動停止状態に保持されている前記第二ラックギアとは非連動状態で復動移動可能とする復動時連動回避手段と、
この復動時連動回避手段により前記第二ラックギアと非連動状態となっている前記第一ラックギアを、前記第一移動途中位置より先の復動区間の第二移動途中位置まで復動移動させた際に、前記第二ラックギア停止保持手段による第二ラックギアの移動停止状態を解除する復動付勢復帰手段と、
この復動付勢復帰手段による第二ラックギアの移動停止状態が解除された際に、この第二ラックギアと前記第一ラックギアとを前記付勢体の付勢力により前記制動ダンパーに制動されながら同じ移動量で連動復動移動させる復動時連動手段とを備えていることを特徴とする制動装置付き移動体。
続きを表示(約 2,200 文字)【請求項2】
前記往動時連動解除手段は、前記第一ラックギアを往動始点位置から所定の第一移動途中位置まで往動移動させると、往動移動したこの第一ラックギアが前記第一ピニオンギアから離脱して第一ラックギアと前記第二ラックギアとの連動移動状態が解除されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の制動装置付き移動体。
【請求項3】
前記第二ラックギア停止保持手段は、前記第二ラックギアに、前記筐体に係止する移動停止用係止部が設けられて構成されていると共に、この移動停止用係止部は、前記第一ラックギアを前記第一移動途中位置まで往動移動させた際に前記筐体に係止して、連動移動してきた前記第二ラックギアを移動停止状態に保持するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の制動装置付き移動体。
【請求項4】
前記第二ラックギアに、この第二ラックギアの往動移動に連動して一方向に回動制御されるロック部材が設けられていると共に、このロック部材に前記移動停止用係止部が設けられていて、前記第一ラックギアを前記第一移動途中位置まで往動移動させると、前記第二ラックギアの連動往動移動によりロック部材が一方向に回動制御され、このロック部材の一方向回動により前記移動停止用係止部が前記筐体に係止するように構成されていることを特徴とする請求項3記載の制動装置付き移動体。
【請求項5】
前記復動時連動回避手段は、前記第一ラックギアを前記第一移動途中位置まで復動移動させた際に前記第一ピニオンギアが前記第一ラックギアに歯合しようとすることを回避する復動時歯合回避機構が第一ピニオンギアと第一ラックギアとのいずれか一方若しくは双方に設けられて構成されていることを特徴とする請求項1記載の制動装置付き移動体。
【請求項6】
前記復動時歯合回避機構は、前記第一ピニオンギアが、前記第二ピニオンギアに対し前記回動軸に沿って接離移動可能に設けられていて、この第一ピニオンギアを前記第二ピニオンギアに接近移動させると第二ピニオンギアと連結されてこの第一ピニオンギアが第二ピニオンギアと連動回動し且つ第一ピニオンギアが前記第一ラックギアに歯合可能状態となるように構成されていると共に、第一ピニオンギアを第二ピニオンギアから離反移動させると第二ピニオンギアとの連動回動状態が解除され且つ第一ピニオンギアが第一ラックギアに歯合不能状態となるように構成されており、
前記第一ラックギアを前記第一移動途中位置まで復動移動させた際に前記第一ピニオンギアを前記第二ピニオンギアから離反移動させるピニオン退避誘導部が、第一ピニオンギアと第一ラックギアとのいずれか一方若しくは双方に設けられて構成されていることを特徴とする請求項5記載の制動装置付き移動体。
【請求項7】
前記復動付勢復帰手段は、前記第一ラックギアに、前記フリー移動区間に位置しているこの第一ラックギアを前記第二移動途中位置まで復動移動させた際に前記第二ラックギア停止保持手段により移動停止状態となっている第二ラックギアの移動停止状態を解除誘導するトリガー部が設けられて構成されていることを特徴とする請求項1記載の制動装置付き移動体。
【請求項8】
前記復動付勢復帰手段は、前記第一ラックギアに、前記フリー移動区間に位置しているこの第一ラックギアを前記第二移動途中位置まで復動移動させた際に前記ロック部材を他方向に回動誘導するトリガー部が設けられていて、このトリガー部によるロック部材の他方向回動により前記筐体に係止していた前記移動停止用係止部が筐体から係脱して前記第二ラックギアの移動停止状態が解除されるように構成されていることを特徴とする請求項4記載の制動装置付き移動体。
【請求項9】
前記復動時連動手段は、前記第一ラックギアにトリガー部が設けられ、前記フリー移動区間に位置しているこの第一ラックギアを前記第二移動途中位置まで復動移動させた際に、前記トリガー部が連結される連結受部が前記第二ラックギアに設けられていて、このトリガー部と連結受部の連結により第一ラックギアと第二ラックギアとが連動復動移動可能となるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の制動装置付き移動体。
【請求項10】
前記復動時連動手段は、前記第一ラックギアに、前記フリー移動区間に位置しているこの第一ラックギアを前記第二移動途中位置まで復動移動させた際に前記ロック部材を他方向へ回動誘導するトリガー部が設けられ、このトリガー部によりロック部材が他方向へ回動誘導された際にトリガー部が連結される連結受部がロック部材に設けられていて、第一ラックギアを前記第二移動途中位置付近まで復動移動させると、前記トリガー部により前記ロック部材が他方向へ回動誘導されトリガー部が前記連結受部に連結されて第一ラックギアと第二ラックギアとが連動復動移動可能となるように構成されていると共に、ロック部材が他方向へ回動誘導されることにより前記移動停止用係止部が前記筐体から係脱して前記第二ラックギア停止保持手段による第二ラックギアの移動停止状態が解除されるように前記復動付勢復帰手段が構成されていることを特徴とする請求項4記載の制動装置付き移動体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、引戸や引出しなどの移動体のソフトクローズを達成する制動装置付き移動体に関するものである。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、戸体と戸枠体からなる引戸には、下枠にレールを配置し戸体の下部に戸車を設けてレールに乗せて開閉させるタイプと、上枠にレールと戸車を配置し、戸体を上枠から吊り下げて開閉させるタイプがあるが、いずれのタイプにおいても戸枠体に対して左右方向に戸体をスライド移動させて開閉する。
【0003】
このような引戸は、軽い力で操作できることが望ましいが、戸車を改良するなどして開閉操作を軽くすればするほど戸体を勢いよく閉じた時に速度が付き過ぎ、戸先面と戸枠体の縦枠内面が強く衝突し、大きな衝撃音が発生すると共に戸体が跳ね返ってしまう。
【0004】
そこで、このような問題を解消するために従来から引戸を閉鎖位置まで引き込みつつソフトクローズを達成するためのクローザー(制動装置)が実施されている。
【0005】
例えば、特許文献1に開示されている引戸のクローザーは、開閉方向に延在するガイドレールに取り付けられる被捕捉部材と、引戸に取り付けられ、ガイドレールに沿って引戸と共に開閉方向へ移動し、被捕捉部材が取り付けられた所定の位置まで引戸が移動したときに被捕捉部材を捕捉する捕捉引込機構とを備え、捕捉引込機構には、被捕捉部材を捕捉したときに引戸を強制的に閉じる方向へ移動させるばねと、ばねの付勢力を緩衝する直動式のダンパーとが設けられ、引戸を閉じる方向に移動させると、引戸の閉まり際に、捕捉引込機構が戸閉側に位置する被捕捉部材を捕捉し、捕捉引込機構が戸閉側の被捕捉部材を捕捉しながらばねの力で戸開側に移動する。即ち、捕捉引込機構は、捕捉した被捕捉部材を引戸側に引き寄せるように作用し、これにより、引戸は、相対的に閉じる方向へと強制的に移動して引戸が戸閉側の戸当りと当接するまで完全に閉じられるようになるが、この際、前記ダンパーにより引戸の閉じ移動は緩衝されてソフトクローズが達成されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2017-14761公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
引戸が強い勢いで閉められた場合や、重い引戸であっても確実なソフトクローズを達成するためには、前記ダンパーによる制動力をできるだけ強くしたいが、制動力の強いダンパーを採用すると、引戸を閉じる方向に付勢する前記ばねも強い制動力を発揮するダンパーに負けずに引戸を全閉位置(閉鎖状態)まで付勢するように付勢力の強いばねを採用する必要がある。
【0008】
しかしながら、強い付勢力のばねを採用してしまうと、引戸を開こうとする際に大きな開き抵抗を生じて軽い力で操作できなくなってしまう。
【0009】
本発明は、このような問題点に注目し、これを解消しようとするもので、引戸などの移動体を開放(往動)操作する際の移動量は大きく(長く)なるが、強いダンパーと付勢体(ばねなど)を採用しても移動体がこの付勢体に抗する力が小さくなって移動体を往動操作する際の力(付勢体による開き抵抗)を小さくでき(軽い力で操作でき)、尚且つ移動体の自動引込(復動)付勢距離を短く設定可能で、短く設定した自動復動付勢位置まで手動操作で早く移動体を動かせて移動体を早く復動させる(閉じる)ことができる制動装置付き移動体を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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