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公開番号
2024136137
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-04
出願番号
2023047126
出願日
2023-03-23
発明の名称
光硬化性樹脂組成物、硬化被膜、および該硬化被膜付き基材
出願人
中国塗料株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C08F
290/06 20060101AFI20240927BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】低粘度かつ無溶剤型のために塗膜形成時に溶剤の乾燥工程が不要な光硬化性樹脂組成物であって、硬度、密着性、透明性、耐擦傷性、および耐カール性に優れる硬化被膜を形成可能な光硬化性樹脂組成物の提供。
【解決手段】本発明による無溶剤型光硬化性樹脂組成物は、(A)6官能ウレタンアクリレートオリゴマー、(B)2官能(メタ)アクリレート、(C)3~4官能(メタ)アクリレート、(D)5官能以上(メタ)アクリレート、および(E)光重合開始剤を含み、23℃における粘度が1,000mPa・s以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
(A)6官能ウレタンアクリレートオリゴマー、(B)2官能(メタ)アクリレート、(C)3~4官能(メタ)アクリレート、(D)5官能以上(メタ)アクリレート、および(E)光重合開始剤を含み、23℃における粘度が1,000mPa・s以下である、無溶剤型光硬化性樹脂組成物。
続きを表示(約 780 文字)
【請求項2】
前記(A)6官能ウレタンアクリレートオリゴマーの含有量が、前記光硬化性樹脂組成物の全量に対して、10質量%以上60質量%以下である、請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
前記(B)2官能(メタ)アクリレートの含有量が、前記光硬化性樹脂組成物の全量に対して、10質量%以上50質量%以下である、請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
前記(C)3~4官能(メタ)アクリレートの含有量が、前記光硬化性樹脂組成物の全量に対して、1質量%以上40質量%以下である、請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
前記(D)5官能以上(メタ)アクリレートの含有量が、前記光硬化性樹脂組成物の全量に対して、1質量%以上30質量%以下である、請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項6】
前記(E)光重合開始剤の含有量が、前記光硬化性樹脂組成物の全量に対して、1質量%以上10質量%以下である、請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項7】
前記(B)2官能(メタ)アクリレートが、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートを含む、請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項8】
前記(D)5官能以上(メタ)アクリレートが、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートおよびジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートの少なくとも1種を含む、請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂組成物から形成される硬化被膜。
【請求項10】
基材と前記基材上に設けられた請求項9に記載の硬化被膜とを備える、被膜付き基材。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、光硬化性樹脂組成物に関する。また、本発明は、光硬化性樹脂組成物から形成される硬化被膜および該硬化被膜付き基材にも関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、ディスプレイの表示画面上には、ハードコート層を備えた保護フィルムが使用される。当該ハードコート層は、硬化性樹脂組成物をフィルム表面上に塗布し、硬化させることで形成される。当該ハードコート層は薄膜で形成されることが多く、従来は、硬化性樹脂組成物を溶剤希釈により低粘度化して膜厚制御を行うことが主流であった。
【0003】
例えば、特許文献1では、硬度、密着性、外観、耐カール性を向上させたハードコート層を形成するために、(A)6官能ウレタンアクリレート;20~70重量部、(B)4官能以上の(メタ)アクリルモノマー;15~60重量部、(C)分子内に反応性(メタ)アクリレート基を有するシランカップリング剤にて表面処理されたコロイダルシリカ;10~40重量部、(D)光重合開始剤、および(E)希釈溶媒を含有するハードコート用組成物が提案されている。また、特許文献2では、硬度、基材密着性、および耐擦傷性を向上させた硬化物を得るために、特定のウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)と、一分子中に1以上2以下の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート化合物(B)と、一分子中に3以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート化合物(C)と、溶剤とを含む活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2008-150484号公報
国際公開第2020/209264号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、有機溶剤を含む硬化性樹脂組成物を基材に塗布して塗膜を形成した場合、塗膜形成時に溶剤の乾燥工程が必要となるため、生産性やエネルギー効率の点で課題があった。
【0006】
本発明は上記の背景技術および課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、低粘度であり、かつ、無溶剤型の光硬化性樹脂組成物であって、硬度、密着性、透明性、耐擦傷性、および耐カール性に優れる硬化被膜を形成可能な光硬化性樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、(A)6官能ウレタンアクリレートオリゴマー、(B)2官能(メタ)アクリレート、(C)3~4官能(メタ)アクリレート、(D)5官能以上(メタ)アクリレート、および(E)光重合開始剤を含み、23℃における粘度が1,000mPa・s以下である無溶剤型の光硬化性樹脂組成物を用いることにより、上記課題を解決できることを知見した。より詳細には、無溶剤型の光硬化性樹脂組成物は希釈溶媒を含有しないため、ウレタンアクリレートオリゴマーを用いると、光硬化性樹脂組成物の粘度が上昇し過ぎる恐れがあった。また、官能基数の少ない(メタ)アクリレート(例えば、2官能のモノマー)を添加することで、粘度の上昇は抑制できるが、一方で架橋密度が低下し、硬度や耐擦傷性が低下する恐れがあった。そこで、3~4官能の(メタ)アクリレートと5官能以上(メタ)アクリレートを併用することにより、粘度上昇を抑えつつ架橋密度を上げることができ、塗装性、硬度や耐擦傷性、耐カール性をバランスよく付与することができるとの知見を得た。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
【0008】
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1] (A)6官能ウレタンアクリレートオリゴマー、(B)2官能(メタ)アクリレート、(C)3~4官能(メタ)アクリレート、(D)5官能以上(メタ)アクリレート、および(E)光重合開始剤を含み、23℃における粘度が1,000mPa・s以下である、無溶剤型光硬化性樹脂組成物。
[2] 前記(A)6官能ウレタンアクリレートオリゴマーの含有量が、前記光硬化性樹脂組成物の全量に対して、10質量%以上60質量%以下である、[1]に記載の光硬化性樹脂組成物。
[3] 前記(B)2官能(メタ)アクリレートの含有量が、前記光硬化性樹脂組成物の全量に対して、10質量%以上50質量%以下である、[1]または[2]に記載の光硬化性樹脂組成物。
[4] 前記(C)3~4官能(メタ)アクリレートの含有量が、前記光硬化性樹脂組成物の全量に対して、1質量%以上40質量%以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
[5] 前記(D)5官能以上(メタ)アクリレートの含有量が、前記光硬化性樹脂組成物の全量に対して、1質量%以上30質量%以下である、[1]~[4]のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
[6] 前記(E)光重合開始剤の含有量が、前記光硬化性樹脂組成物の全量に対して、1質量%以上10質量%以下である、[1]~[5]のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
[7] 前記(B)2官能(メタ)アクリレートが、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートを含む、[1]~[6]のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
[8] 前記(D)5官能以上(メタ)アクリレートが、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートおよびジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートの少なくとも1種を含む、[1]~[7]のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
[9] [1]~[8]のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物から形成される硬化被膜。
[10] 基材と前記基材上に設けられた[9]に記載の硬化被膜とを備える、被膜付き基材。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、低粘度であり、かつ、無溶剤型の光硬化性樹脂組成物であって、硬度、密着性、透明性、耐擦傷性、および耐カール性に優れる硬化被膜を形成可能な光硬化性樹脂組成物を提供することができる。本発明の光硬化性組成物は、無溶剤型のために塗膜形成時に溶剤の乾燥工程が不要である。また、本発明によれば、このような無溶剤型光硬化性樹脂組成物から形成される硬化被膜および該被膜付き基材を提供することもできる。本発明の無溶剤型光硬化性樹脂組成物から形成される硬化被膜が基材上に設けられた基材は、硬度、密着性、透明性、耐擦傷性、および耐カール性に優れるものである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明をより詳細に説明する。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」はアクリレートおよびメタクリレートを表す。
(【0011】以降は省略されています)
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