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公開番号
2024134463
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-03
出願番号
2023044779
出願日
2023-03-20
発明の名称
既設構造物の監視システム及び監視方法
出願人
株式会社奥村組
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
E02F
9/26 20060101AFI20240926BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約
【課題】情報や状況がリアルタイムに変化する中で、情報や状況を、見やすく可視化し、監視者や作業者に的確に把握させることが可能な既設構造物の監視システム及び監視方法を提供する。
【解決手段】既設構造物の計測位置X,Y,Zに生じる変位量及び変位方向を計測する変位計5と、ディスプレイ7を有する通信端末8とを備え、通信端末は、計測位置を記憶する設計情報記憶部及び変位計の計測値の施工情報を記憶する施工情報記憶部から情報を受信する受信部と、変位を表すベクトルモデル9を格納したモデル記憶部と、モデル記憶部からベクトルモデルを読み出すと共に、変位計の計測値に応じて、リアルタイムに、ベクトルモデルを生成するモデル生成部と、計測位置に対応付けてベクトルモデルをディスプレイに画像表示する表示処理部とを含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
既設構造物の近隣で行われる土木建築工事により該既設構造物に生じる沈下変位や隆起変位を監視するためのシステムであって、
上記既設構造物の計測位置に生じる変位量及び変位方向を計測する変位計と、
画像を表示するディスプレイを有する通信端末とを備え、
該通信端末は、
上記計測位置を含む設計情報を記憶する設計情報記憶部及び上記変位計から入力される上記変位量及び上記変位方向を含む施工情報を記憶する施工情報記憶部から情報を受信する受信部と、
上記変位量を、軸部の長さの変化で表し、上記変位方向を、該軸部の端部の尖頭部の向きで表す、3次元のベクトルモデルを格納したモデル記憶部と、
該モデル記憶部から上記ベクトルモデルを読み出すと共に、上記受信部で受信した上記施工情報記憶部からの上記変位量及び上記変位方向に応じて、リアルタイムに、該ベクトルモデルを生成するモデル生成部と、
上記受信部で受信した上記設計情報記憶部からの上記計測位置に対応付けて、上記モデル生成部で生成された上記ベクトルモデルを上記ディスプレイに画像表示する表示処理部とを含むことを特徴とする既設構造物の監視システム。
続きを表示(約 1,900 文字)
【請求項2】
前記通信端末は、撮影手段を備え、
前記表示処理部は、前記計測位置に対応付けて、前記ベクトルモデルを、上記撮影手段で撮影された該計測位置の画像に重ね合わせて、前記ディスプレイに画像表示することを特徴とする請求項1に記載の既設構造物の監視システム。
【請求項3】
前記設計情報記憶部には、前記変位量について、複数の危険度レベル管理値が記憶され、
前記モデル記憶部には、上記危険度レベル管理値それぞれに対して、異なる表示色が設定され、
前記モデル生成部は、上記受信部で受信した上記設計情報記憶部からの上記危険度レベル管理値及び上記施工情報記憶部からの上記変位量に応じて、上記モデル記憶部から上記表示色を読み出し、該変位量に対応する該危険度レベル管理値の該表示色で前記ベクトルモデルを生成することを特徴とする請求項1または2に記載の既設構造物の監視システム。
【請求項4】
前記モデル生成部は、前記変位量が前記危険度レベル管理値の大きい危険側に移行すると、注意喚起のために、前記ベクトルモデルを、移行した該危険度レベル管理値の前記表示色で前記ディスプレイに所定時間表示する指示を前記表示処理部に出力することを特徴とする請求項3に記載の既設構造物の監視システム。
【請求項5】
前記モデル記憶部には、前記危険度レベル管理値の管理限界値を上限として、複数の該危険度レベル管理値を段階的に表す3次元のスケルトンシリンダモデルが格納され、
前記モデル生成部は、上記モデル記憶部から上記スケルトンシリンダモデルを読み出し、該スケルトンシリンダモデルを前記ベクトルモデルに重ねて表示する危険度管理モデルをリアルタイムに生成し、
前記表示処理部は、上記モデル生成部で生成された上記危険度管理モデルを、前記計測位置に対応付けて、前記ディスプレイに画像表示することを特徴とする請求項3に記載の既設構造物の監視システム。
【請求項6】
既設構造物の近隣で行われる土木建築工事により該既設構造物に生じる沈下変位や隆起変位を監視するための方法であって、
上記既設構造物に生じる変位を計測する計測位置を含む設計情報を通信端末に入力し、
上記計測位置に生じる変位量及び変位方向を計測し、
計測された上記変位量及び上記変位方向を上記通信端末に入力して、当該通信端末により、該変位量を、軸部の長さの変化で表し、該変位方向を、該軸部の端部の尖頭部の向きで表す、3次元のベクトルモデルをリアルタイムに生成させ、
上記通信端末が有するディスプレイに、上記計測位置に対応付けて、上記ベクトルモデルを画像表示させることを特徴とする既設構造物の監視方法。
【請求項7】
前記通信端末は、撮影手段を備え、
上記通信端末により、前記計測位置に対応付けて、上記撮影手段で撮影された該計測位置の画像に重ね合わせて、前記ベクトルモデルを前記ディスプレイに画像表示させることを特徴とする請求項6に記載の既設構造物の監視システム。
【請求項8】
前記変位量について、複数の危険度レベル管理値を前記通信端末に入力すると共に、当該通信端末に、該危険度レベル管理値それぞれに対して、異なる表示色を、予め設定しておき、
前記ベクトルモデルを生成する際に、上記通信端末により、上記変位量に対応する上記危険度レベル管理値の上記表示色で前記ベクトルモデルを生成させることを特徴とする請求項6または7に記載の既設構造物の監視方法。
【請求項9】
前記ベクトルモデルを生成する際に、前記通信端末により、前記変位量が前記危険度レベル管理値の大きい危険側に移行するとき、注意喚起のために、該ベクトルモデルを、移行した該危険度レベル管理値の前記表示色で前記ディスプレイに所定時間画像表示させることを特徴とする請求項8に記載の既設構造物の監視方法。
【請求項10】
前記ベクトルモデルを生成する際に、前記通信端末により、前記危険度レベル管理値の管理上限値を上限として、複数の該危険度レベル管理値を段階的に表す3次元のスケルトンシリンダモデルを生成させて、該スケルトンシリンダモデルに上記ベクトルモデルを重ねて表示する危険度管理モデルをリアルタイムに生成させ、
通信端末のディスプレイに、上記計測位置に対応付けて、上記危険度管理モデルを画像表示させることを特徴とする請求項8に記載の既設構造物の監視方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報や状況がリアルタイムに変化する中で、情報や状況を、見やすく可視化し、監視者や作業者に的確に把握させることが可能な既設構造物の監視システム及び監視方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
土木建築工事の施工状況を監視したり管理するのに利用可能な技術として、特許文献1~4が知られている。
【0003】
特許文献1の「土木建築工事における施工管理装置」は、土木建築工事において、作業員の負担を軽減するとともに、正確かつ適切な情報に基づいて迅速に施工管理を行うことを課題とし、施工対象となる施工面の設計形状データを記憶した設計形状データ記憶手段と、施工過程において形成した施工面の現形状データを取得する現形状データ取得手段と、設計形状データ及び現形状データとの比較に基づいて、設計形状データと現形状データとの一致度からなる施工状態管理情報を作成する施工状態管理情報作成手段と、作業者が装着した透過型ウェアラブル端末を用いて、施工過程における施工面と関連付くようにして、施工状態管理情報を表示させる表示制御手段とを備えるようにしている。
特許文献2の「トンネル切羽面の変位監視装置」は、トンネルの掘削工事において、作業者や監視員の感覚に頼らずに、正確かつ適切な情報に基づいて迅速に切羽面の変位を報知することを課題とし、形成した切羽面の初期形状データを取得する初期形状データ取得手段と、取得した切羽面の初期形状データを記憶する初期形状データ記憶手段と、切羽面の現形状データを取得する現形状データ取得手段と、記憶した切羽面の初期形状データと、取得した現形状データとの比較に基づいて、初期形状データと現形状データとの差違を示す切羽面変位情報を作成する切羽面変位情報作成手段と、作業者が装着した透過型ウェアラブル端末を用いて、切羽面と関連付くようにして、切羽面変位情報を表示させる表示制御手段とを備えるようにしている。
【0004】
特許文献3の「トンネル切羽監視方法」は、トンネル切羽を常に監視してトンネル切羽の状況をリアルタイムで把握でき、トンネル切羽の肌落ちや崩落・崩壊による労働災害を抑制するトンネル切羽監視方法を提供することを課題とし、レーザー距離計等を用いた切羽挙動把握手段により、リアルタイムな計測データの変化に基づくトンネル切羽の押し出し量を監視しつつ、予め設定した前記計測データの変化にかかる管理基準値を超えたとき、グリーンレーザー等の高速レーザー照射ユニットにより前記トンネル切羽における前記管理基準値を超えた計測点周辺のマーキングを行うと同時に、ウェアラブル端末にトンネル切羽のリアルタイムな変化状況を可視化させて、常にトンネル切羽の肌落ちや崩落・崩壊を予見するための監視を行うようにしている。
【0005】
特許文献4の「地盤施工機における制御方法および地盤施工機」は、地盤中に地盤改良体を造成するための地盤施工機における制御方法であって、ロッドを前記地盤改良体の下端位置まで下降させる手順と、前記ロッドを前記地盤改良体の下端位置から、順次上昇させて所定間隔毎の目標位置に停止させる手順と、前記ロッドの目標位置での停止時に、停止指令から実際に前記ロッドが停止するまでの移動距離を前回制動距離として記憶する手順と、前記ロッドの次の目標位置での停止時に、次の目標位置から前記前回制動距離だけ手前の位置で停止指令を出力する手順とを備え、その際、地盤施工機の機外からの操作やモニターのための端末は、タブレット端末等の携帯端末、スマートグラスと呼ばれる人体装着型コンピュータ、AR(拡張現実)モニターなどが利用できるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2018-104933号公報
特開2018-104934号公報
特開2019-199708号公報
特開2020-084502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
背景技術は、施工状態管理情報や、切羽面変位情報、切羽の変化状況などを、ウェアラブル端末等に可視化して表示するようにしている。
【0008】
この種の技術は、既設構造物の近隣で行われる土木建築工事の影響を受けて当該既設構造物に生じる種々の挙動を監視する場合などにも適用することは可能である。
【0009】
しかしながら、これら背景技術では、各種情報や変化の状況を可視化するといっても、監視者や作業者にとって、見やすいものであるか否かという意味では、不十分なものであった。
【0010】
とりわけ、情報や状況がリアルタイムに変化するという中で、可視化されるこれら情報や状況が、監視者等によって、見誤ることなく的確に把握されるということが重要であり、このため、見やすく可視化する方策の案出が望まれていた。
(【0011】以降は省略されています)
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