TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024132783
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-01
出願番号2023111491
出願日2023-07-06
発明の名称X線CT検査における被曝線量実測値をCT画像を援用して解析するシステム
出願人国立大学法人金沢大学
代理人個人,個人
主分類A61B 6/03 20060101AFI20240920BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】X線CT検査にて、小型の放射線被曝線量計を用いて実測を行う際に、被検者の表面線量分布が一定にならず測定誤差が大きくなるという課題を解決し、被曝線量を精度よく解析できるシステムの提供を目的とする。
【解決手段】被検者のCT画像のSD分布の情報からX線の入射方向を推定し、事前に取得しておいた模擬ファントムの線量分布を援用することで、1個以上の小型放射線被曝線量計のデータから被曝線量の最大値と最小値および平均値を高精度で解析する。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
模擬ファントムを用いた放射線線量の線量分布の作成手段と、被検者を撮像したX線CT画像のSD(CT値の標準偏差)分布の作成手段を備え、
前記線量分布と前記SD分布とからX線の入射方向を推定することで被検者への正しい被曝線量を解析する解析手段を有することを特徴とする被曝線量解析システム。
続きを表示(約 800 文字)【請求項2】
円柱ファントムを用いてコンベンショナルスキャンを行い、円柱ファントム線量分布及び円柱ファントムSD分布の作成手段を有し、人体ファントムを用いてコンベンショナルスキャンを行い、人体ファントム線量分布及び人体ファントムSD分布の作成手段を有し、前記円柱ファントム線量分布と人体ファントム線量分布とから線量補正関数の作成手段と、前記円柱ファントムSD分布と人体ファントムSD分布とからSD補正関数の作成手段とを有し、前記SD補正関数を用いて前記SD分布を補正する手段と、前記線量補正関数を用いて前記線量分布を補正する手段とを有していることを特徴とする請求項1記載の被曝線量解析システム。
【請求項3】
前記模擬ファントムを用いた線量分布の作成は、前記模擬ファントムの周廻りに複数の線量計を配置してヘリカルスキャンにて計測したものであり、前記被検者に基づく計測は1つ以上の線量計を用いてヘリカルスキャンすることを特徴とする請求項2記載の被曝線量解析システム。
【請求項4】
前記SD分布の作成は、前記模擬ファントム及び前記被検者をヘリカルスキャンにて撮像したX線CT画像において、被検者部を囲うように複数個の関心領域(ROI)を設定し、CT値のばらつき(SD)の計測によって作成することを特徴とする請求項3記載の被曝線量解析システム。
【請求項5】
被検者のCT画像のSD分布からSD分布重心のなす角θ
SD
を求めることでX線の入射角(入射方向)を解析し、前記模擬ファントムの線量分布を用いて被検者の線量分布を1個以上の放射線被曝線量計を用いた実測データに対してフィッティングすることで、被曝線量の最大値と最小値および平均値の解析手段を有することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の被曝線量解析システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ断層撮影(X線CT)検査において、被検者の被曝線量を管理するための被曝線量測定技術に関し、特にCT画像を用いてX線の入射方向を解析することで正しい被曝線量を算出する機能を有する被曝線量測定技術に係る。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
X線CT検査は非侵襲的に体内の様子を診断できるため、医療現場で広く普及している。
近年広く利用されているCT装置では,スキャン速度を速くすることで検査時間を短縮できる高ピッチファクターのヘリカルスキャン(らせんスキャン)が主流である。
また、昨今では被曝線量管理の関心が高まっており、小型の放射線被曝線量計を用いることで、CT検査における被検者の被曝線量を実測することも検討されている。
【0003】
しかし、高ピッチファクターのヘリカルスキャンを行った場合には、図1に示すように、放射線被曝線量計にX線が直接照射され高い線量が計測されたり、逆に人体を透過したX線が照射されることにより低い線量が計測されるということが起こるため、被検者の表面線量が一定とならず、測定値に大きなばらつきが生じる。
この事実は非特許文献1および2にも報告されている。
このことは、少数の放射線被曝線量計を用いた実測手法で、被曝線量の最大値と最小値および平均値を正しく推定することが極めて困難であることを意味している。
【0004】
特許文献1には、被検者の部位毎の被曝線量をモニターし、積算被曝線量を表示するX線透視撮影装置を開示するが、X線透視撮影装置における照射線量を測定し被曝線量を算出するものであり、CT検査において小型の放射線被曝線量計を用いて被検者の被曝線量を直接計測する本発明とは本質的に異なるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2011-234928号公報
【非特許文献】
【0006】
Kazuki Takegami et al. (2017). Entrance surface dose measurements using a small OSL dosimeter with a computed tomography scanner having 320 rows of detectors, Radiological Physics and Technology, 10, 49-59. https://doi.org/10.1007/s12194-016-0366-1
Masahide Tominaga et al. (2011). Measurements of multidetector CT surface dose distributions using a film dosimeter and chest phantom. Medical Physics, 38(5), 2467-2478. https://doi.org/10.1118/1.3570769
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らは、X線CT装置にて取得されたCT画像の被検者の診断に用いられていない部分の情報を有効に活用することで、線量計に対する放射線の入射方向を推定し、少数の線量計を用いて精度の高い解析ができる放射線線量の解析システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る被曝線量の解析システムは、模擬ファントムを用いた放射線線量の線量分布の作成手段と、被検者を撮像したX線CT画像のSD(CT値の標準偏差)分布の作成手段を備え、前記線量分布と前記SD分布とからX線の入射方向を推定することで被検者への正しい被曝線量を解析する解析手段を有することを特徴とする。
【0009】
ここでX線の入射方向の推定手段とは、取得したX線CT画像に対して検体部を取り囲むように複数の関心領域(ROI)を設定し、ROI内で計測したCT値のSD分布からX線の入射角度の情報を得る手段である。
本発明者らは、線量分布の重心のなす角θ
Dose
と前記SD分布の重心のなす角θ
SD
の間に負の相関があることを見出した。
【0010】
本発明において、線量分布は実測データを用いて関数化されたものであり、任意のX線の入射角に対して線量分布を推定することができる。
実際の計測では、被検者のCTスキャン時に被検者の体表に貼付した線量計を用いて得られた実測データに対して、前述の線量分布をフィッティングさせることで、被検者の体表の線量分布を得る。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

国立大学法人金沢大学
キラルセンサー
3か月前
国立大学法人金沢大学
燃料電池システム
3か月前
国立大学法人金沢大学
異種接合体の分離方法
3か月前
国立大学法人金沢大学
歪センサ及び歪の検知方法
1か月前
国立大学法人金沢大学
黄砂の飛来状態判定システム
19日前
国立大学法人金沢大学
FOXO阻害剤、及び医薬組成物
7日前
国立大学法人金沢大学
燃料電池用電極触媒及び燃料電池
2か月前
株式会社西部技研
ガス濃縮装置
26日前
住友ゴム工業株式会社
水質浄化装置
2か月前
国立大学法人金沢大学
薬物依存症の予防及び/又は治療組成物
27日前
国立大学法人金沢大学
異種接合体の製造方法及びその分離方法
2か月前
国立大学法人金沢大学
膜電極接合体、その製造方法及び燃料電池
3か月前
国立大学法人金沢大学
筋線維状組織の製造方法及び筋線維状組織の製造装置
2か月前
トヨタ紡織株式会社
振動刺激装置及び振動刺激方法
6日前
国立大学法人金沢大学
3次元印刷方法、力センサの製造方法及び3次元印刷装置
1か月前
国立大学法人金沢大学
車両方位角推定方法、プログラム、車両方位角推定装置、及び自律移動体
3か月前
国立大学法人金沢大学
腹膜機能評価マーカー、腹膜機能評価キット、及び腹膜透析排液の測定方法
23日前
株式会社小松製作所
作業車両、作業車両を含むシステムおよび作業車両の制御方法
26日前
株式会社小松製作所
作業車両、作業車両を含むシステムおよび作業車両の制御方法
26日前
国立大学法人金沢大学
車両位置推定方法、プログラム、車両位置推定装置、自律移動体、及び機械学習モデルの学習方法
3か月前
個人
歯茎みが品
19日前
個人
歯の掃除具
3か月前
個人
身体牽引装置
3か月前
個人
塗り薬塗り具
2か月前
個人
マッサージ機
6日前
個人
導電香
12日前
個人
乗馬テラピー
3か月前
個人
健康器具
2か月前
個人
片足歩行支援具
27日前
個人
収納容器
1か月前
個人
発熱器具
3か月前
個人
クリップ
26日前
個人
染毛方法
2か月前
個人
磁器治療器
3か月前
個人
眼科診療車
1か月前
個人
動体視力強化装置
3か月前
続きを見る