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公開番号
2024148510
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-18
出願番号
2023061699
出願日
2023-04-05
発明の名称
キラルセンサー
出願人
国立大学法人金沢大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
G01N
21/78 20060101AFI20241010BHJP(測定;試験)
要約
【課題】色調及び蛍光の変化により光学活性キラル化合物のキラリティーの識別が可能なキラルセンサー及びそれを用いたキラリティーの決定方法を提供する。
【解決手段】下記式(I):
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>JPEG</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024148510000017.jpg</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">46</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">55</com:WidthMeasure> </com:Image>
[式中の各記号は明細書に記載]の化合物と、キラリティーが不明の光学活性被験キラル化合物を混合し、溶液を加熱後、被験キラル化合物を除去、らせん構造を有する化合物を形成し、光学的に純粋なキラル第1級アミンとアミド化した化合物の溶液と、キラリティー及び光学純度が既知の被験キラル化合物由来の標準試料の溶液の色調及び/又は蛍光強度を比色分析することにより、被験キラル化合物のキラリティーを感度良く識別する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
式(I):
JPEG
2024148510000015.jpg
46
55
[式中、
2個のRは共に、水素原子、又はそれぞれ置換されていてもよい、C
1-20
アルキル基若しくはC
6-10
アリール基を示し;
2個のXは共に、酸素原子、又は硫黄原子を示し;
R
1
、R
1
’、R
2
、R
2
’、R
3
、R
3
’R
4
及びR
4
’は、独立してそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキルスルファニル基、トリ置換シリル基、トリ置換シロキシ基又は置換されていてもよいアシルオキシ基を示し;並びに
nは、10以上の整数を示す。]
で表されるポリ(ジフェニルアセチレン)化合物又はその塩と、キラリティー及び光学純度が不明の光学活性被験キラル化合物、並びにキラリティー及び光学純度が既知の被験キラル化合物の両エナンチオマーのそれぞれを別々に、溶媒の存在下又は非存在下で混合し、溶液とし、60℃以上で加熱後、被験キラル化合物をそれぞれ除去することにより、一方向巻きのらせん構造を有する化合物又はその塩を形成させる工程、
当該一方向巻きのらせん構造を有する化合物又はその塩における基COXRを必要に応じてカルボキシ基に変換後、光学的に純粋なキラル第1級アミン化合物と縮合剤により縮合させてアミド化する工程、
キラリティー及び光学純度が不明の光学活性被験キラル化合物由来の前記アミド化された一方向巻きのらせん構造を有する化合物を、有機溶媒に溶解させた溶液を被験試料として調製し、また、キラリティー及び光学純度が既知の被験キラル化合物の各エナンチオマー由来の前記アミド化された一方向巻きのらせん構造を有する化合物を、有機溶媒に溶解させた2種の溶液をそれぞれ標準試料として調製する工程、並びに
前記被験試料と前記2種の標準試料の色調及び/又は蛍光強度をそれぞれ比較観測することにより、光学活性被験キラル化合物のキラリティー及び光学純度を決定する工程を含むことを特徴とする、光学活性キラル化合物のキラリティー及び/又は光学純度の決定方法。
但し、被験キラル化合物は、キラル第1級アミン化合物ではなく、また、被験キラル化合物が、親水性化合物である場合は、式(I)中の基COXRがカルボキシ基であり、疎水性化合物である場合は、式(I)中の基Rは水素原子ではない。
続きを表示(約 1,500 文字)
【請求項2】
被験キラル化合物が、親水性キラル化合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
親水性キラル化合物が、1,2-プロパンジオール、乳酸、メタアンフェタミン、N-メチル-1-フェニルエチルアミン、又はN,N-ジメチル-1-フェニルエチルアミンである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
被験キラル化合物が、疎水性キラル化合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
疎水性キラル化合物が、リモネンである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
式(I)における
2個のXが共に、酸素原子であり、かつ
2個のRが共に、水素原子、又はトリC
1-4
アルキルシリルエチル基である、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
光学的に純粋なキラル第1級アミン化合物が、(R)-1-フェニルエチルアミン、(S)-1-フェニルエチルアミン、(R)-1-ナフチルエチルアミン、(S)-1-ナフチルエチルアミン、(R)-1-シクロヘキシルエチルアミン、(S)-1-シクロヘキシルエチルアミン、(R)-2-ブチルアミン、(S)-2-ブチルアミン、(R)-フェニルアラニンメチルエステル、(S)-フェニルアラニンメチルエステル、(R)-2-フェニルグリシノール、及び(S)-2-フェニルグリシノールからなる群より選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
被験試料、及び標準試料の調製に使用する有機溶媒が、低極性溶媒と高極性溶媒の混合溶媒である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
低極性溶媒が、テトラヒドロフラン、トルエン、1、4―ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、クロロホルム、及びテトラクロロエタンからなる群より選択され、且つ高極性溶媒が、アセトン、2―ブタノン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、及びジメチルスルホキシドからなる群より選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
式(Ia):
JPEG
2024148510000016.jpg
46
61
[式中、
2個のR
a
は共に、置換されていてもよいC
1-20
アルキル基、又は置換されていてもよいC
6-10
アリール基を示し;
2個のX
a
は共に、酸素原子、又は硫黄原子を示し;
R
1a
、R
1
’
a
、R
2a
、R
2
’
a
、R
3a
、R
3
’
a
R
4a
及びR
4
’
a
は、独立してそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキルスルファニル基、トリ置換シリル基、トリ置換シロキシ基又は置換されていてもよいアシルオキシ基を示し;並びに
n
a
は、10以上の整数を示す。但し、X
a
が、酸素原子である場合は、R
a
は、無置換のC
1-20
アルキル基、又は置換されていてもよいC
6-10
アリール基ではない。]
で表されるポリ(ジフェニルアセチレン)化合物又はその塩。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリ(ジフェニルアセチレン)化合物又はその塩を用いて、色調及び蛍光の変化により、様々な種類の光学活性被験キラル化合物のキラリティー及び/又は光学純度を決定する方法、並びに当該ポリ(ジフェニルアセチレン)化合物又はその塩を含有する、様々な種類の光学活性被験キラル化合物に適用可能なキラルセンサーに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
有機化合物には物理的、化学的性質、例えば沸点、融点、溶解度といった物性が全く同一であるが、生理活性に差がみられる光学異性体が多く存在する。医薬の技術分野では、生体内の特定の受容体との結合のし易さによる薬理活性の違いがよく研究されており、光学異性体の間で薬効、毒性の点で顕著な差が見られる場合が多いことが広く知られている。このような事情から、光学異性体の選択的な合成技術やラセミ体からの光学異性体の分離技術等と並び、光学異性体のセンシング技術(光学異性体のキラリティーを判定する技術)も注目されている。すなわち、光学異性体が存在する化合物が合成され又は提供された場合において、その化合物がいずれのキラリティーを有するのか、又はラセミ体であるのか、等を微量で判定できる、簡便かつ正確なキラリティーの識別方法の開発は極めて重要な課題となっている。
【0003】
分子の不斉を直接反映したスペクトルを与える円二色性(CD)スペクトルを利用したキラリティー識別、NMRシフト試薬、キラルHPLC等を利用したキラリティー識別等に関する多くの研究がこれまでに報告されているが、キラリティーの検出装置としては非常に高価であるため、簡便なセンシング手法であるとは言い切れない。最も簡便にキラリティーを識別する手法の一つとして、目に見える色の変化を利用したキラリティーセンシングの手法が挙げられる。
【0004】
かかる手法として、光学活性クラウンエーテル構造を有する蛍光性ホスト化合物(又はポリマー)によるホスト-ゲスト錯形成平衡反応の特徴を利用した、蛍光性キラルセンサーが報告されている(特許文献1、2)。これらは、ホスト化合物である光学活性クラウンエーテル構造とゲスト化合物(識別対象)であるキラル第一級アミンとの錯形成による分子認識に基づくキラリティーセンシングの手法であるが、その識別感度は、蛍光測定の際の濃度等の条件による影響を受けやすく、また、ホスト化合物のゲスト認識部位に高価な光学活性官能基を導入しておく必要があるなどの課題が残されていた。
【0005】
本発明者らは、最近、一方向巻きのらせん構造を有する下記式:
【0006】
JPEG
2024148510000001.jpg
38
40
【0007】
[式中、R
1
、R
1
’、R
2
、R
2
’、R
3
、R
3
’R
4
及びR
4
’は、独立してそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキルスルファニル基、トリ置換シリル基、トリ置換シロキシ基又は置換されていてもよいアシルオキシ基を示し;並びに
nは、10以上の整数を示す。]
で表されるポリ(ジフェニルアセチレン)化合物とキラリティーが不明なキラル第1級アミン化合物を、反応させてアミド化し(非特許文献1)、該アミド化された誘導体の溶液の色調と蛍光の変化を観測することにより、光学活性キラル第1級アミン化合物のキラリティーを感度良く識別する方法を見い出すとともに(特許文献3)、及び当該アミド化された誘導体を特定の混合溶媒に溶解させて、光学純度既知の標準サンプル溶液の色調等と目視等により比較観測するだけで、光学純度を決定することが可能であることを見い出した(特許文献4、非特許文献2)。しかし、上記方法は、識別対象である被験キラル化合物がアミド化に使用する光学活性キラル第1級アミン化合物である場合には、良好にキラリティーの識別が可能であるが、被験キラル化合物がキラル第1級アミン化合物以外の場合には光学活性キラル化合物のキラリティーの識別は原理上不可能であり、報告例は皆無であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特許第3950117号公報
特許第4545370号公報
特開2016-155781号公報
特開2017-167689号公報
【非特許文献】
【0009】
J. Am. Chem. Soc., 2020, 142, 7668-7682
Sci. Adv., 2021, 7, eabg5381
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このような背景のもと、比色によるキラリティーの識別対象として、キラル第1級アミン以外の様々な種類の光学活性キラル化合物まで幅広く適用でき、安価で簡便且つ正確にキラリティー及び光学純度を識別(決定)することができる実用的なキラリティーセンシングの手法の開発がますます求められている。
(【0011】以降は省略されています)
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