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公開番号
2024129195
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-27
出願番号
2023038229
出願日
2023-03-13
発明の名称
ガスセンサ
出願人
日本碍子株式会社
代理人
弁理士法人アイテック国際特許事務所
主分類
G01N
27/409 20060101AFI20240919BHJP(測定;試験)
要約
【課題】水が外側リード部の内部を移動してコネクタ電極に到達するのを抑制する。
【解決手段】ガスセンサ10は、センサ素子20と筒状体41と2個の圧粉体45a,45bと3個の碍子44a~44cとを備える。センサ素子20は、素子本体60と外側電極64と上側コネクタ電極71と外側リード線75とを備える。素子本体60の第1面60aにおいて、外側電極64の後端部に対応する第1位置P1、碍子44bの前端部に対応する第2位置P2、上側コネクタ電極71の先端部に対応する第3位置P3は、素子本体60の長手方向に沿って前端側からこの順に並んでいる。外側リード線71のうち第2位置から第3位置までの領域である第2領域A2内の部分の導通経路の長さL1と、第2領域の長手方向の長さL2と、の長さ比R(=L1/L2)は、1.1以上である。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するためのセンサ素子と、前記センサ素子が内部を軸方向に貫通する貫通孔を有する筒状体と、前記貫通孔内に配置され且つ前記貫通孔の内周面と前記センサ素子との間に充填された1または複数の圧粉体と、前記貫通孔内に配置され且つ内部を前記センサ素子が貫通し且つ前記圧粉体を前記軸方向に押圧する中空柱状の複数の緻密体と、を備えるガスセンサであって、
前記センサ素子は、
長手方向に沿った両端である前端および後端、前記長手方向に沿った表面である側面を有し、前記前端側が前記被測定ガスに晒される素子本体と、
前記側面の前記前端側に配設された外側電極と、
前記側面の前記後端側に配設され、外部と電気的に導通するためのコネクタ電極と、
前記側面に配設され、前記外側電極と前記コネクタ電極とを電気的に導通する外側リード部と、
を備え、
前記側面において、前記外側電極の前記後端側の端部に対応する第1位置、前記複数の緻密体のうち前記前端側から2番目の前記緻密体の前記前端側の端部に対応する第2位置、前記コネクタ電極の前記前端側の端部に対応する第3位置は、前記長手方向に沿って前記前端側からこの順に並んでおり、
前記外側リード部のうち前記第2位置から前記第3位置までの領域である所定領域内の部分の導通経路の長さL1と、前記所定領域の前記長手方向の長さL2と、の長さ比R(=L1/L2)は、1.1以上である、
ガスセンサ。
続きを表示(約 700 文字)
【請求項2】
請求項1記載のガスセンサであって、
前記長さ比Rは、1.2以上である、
ガスセンサ。
【請求項3】
請求項1または2記載のガスセンサであって、
前記外側リード部は、前記所定領域内の部分に、局所的に肥大化した肥大部を有する、
ガスセンサ。
【請求項4】
請求項3記載のガスセンサであって、
前記肥大部は、前記外側リード部の前記所定領域内の部分のうち、直線状に延在する直線部、曲線状に延在する曲線部、屈曲する屈曲部の劣角側、前記屈曲部の優角側、のうちの少なくとも1つに設けられている、
ガスセンサ。
【請求項5】
請求項1または2記載のガスセンサであって、
前記外側リード部は、劣角側の角度が90度以下の屈曲部を有する、
ガスセンサ。
【請求項6】
請求項1または2記載のガスセンサであって、
前記外側リード部のうち前記所定領域内の部分は、前記外側電極から前記コネクタ電極に向かって前記導通経路を辿ったときに、前記長手方向における前記前端側から前記後端側に向かって延在する第1延在部と、前記長手方向における前記後端側から前記前端側に向かって延在する第2延在部とを有する、
ガスセンサ。
【請求項7】
請求項1または2記載のガスセンサであって、
前記素子本体は、前記側面を複数有し、
前記外側電極、前記コネクタ電極、前記外側リード部は、前記複数の側面のうち同一の側面に配設されている、
ガスセンサ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスセンサに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の排気ガスなどの被測定ガスにおけるNOxなどの特定ガスの濃度を検出するセンサ素子を備えるガスセンサが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のガスセンサは、センサ素子に加えて、2個の圧粉体と3個の碍子とを備えている。センサ素子は、素子本体と外側電極とコネクタ電極と外側リード部とを備えている。素子本体の前端側は、被測定ガスに晒される。外側電極は、素子本体の側面の前端側に配設されている。コネクタ電極は、素子本体の側面の後端側に配設されており、コネクタの接触部と電気的に導通する。外側リード部は、素子本体の側面に配設されており、外側電極とコネクタ電極とを電気的に導通する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2019/155865号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のようなセンサ素子では、被測定ガス中の水蒸気(水蒸気や水蒸気に溶けた硫酸など)が液化し、液体の水が外側リード部の内部を毛細管現象によりコネクタ電極側に移動する場合がある。この水がコネクタ電極に到達すると、コネクタ電極やコネクタの接触部に錆や腐食が発生し、検出値が異常値となる懸念がある。
【0005】
本発明のセンサ素子およびガスセンサは、水が外側リード部の内部を移動してコネクタ電極に到達するのを抑制することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のガスセンサは、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
[1]本発明のガスセンサは、
被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するためのセンサ素子と、前記センサ素子が内部を軸方向に貫通する貫通孔を有する筒状体と、前記貫通孔内に配置され且つ前記貫通孔の内周面と前記センサ素子との間に充填された1または複数の圧粉体と、前記貫通孔内に配置され且つ内部を前記センサ素子が貫通し且つ前記圧粉体を前記軸方向に押圧する中空柱状の複数の緻密体と、を備えるガスセンサであって、
前記センサ素子は、
長手方向に沿った両端である前端および後端、前記長手方向に沿った表面である側面を有し、前記前端側が前記被測定ガスに晒される素子本体と、
前記側面の前記前端側に配設された外側電極と、
前記側面の前記後端側に配設され、外部と電気的に導通するためのコネクタ電極と、
前記側面に配設され、前記外側電極と前記コネクタ電極とを電気的に導通する外側リード部と、
を備え、
前記側面において、前記外側電極の前記後端側の端部に対応する第1位置、前記複数の緻密体のうち前記前端側から2番目の前記緻密体の前記前端側の端部に対応する第2位置、前記コネクタ電極の前記前端側の端部に対応する第3位置は、前記長手方向に沿って前記前端側からこの順に並んでおり、
前記外側リード部のうち前記第2位置から前記第3位置までの領域である所定領域内の部分の導通経路の長さL1と、前記所定領域の前記長手方向の長さL2と、の長さ比R(=L1/L2)は、1.1以上である、
ことを要旨とする。
【0008】
本発明のガスセンサでは、素子本体の側面において、外側電極の後端部に対応する第1位置、複数の緻密体のうち前端側から2番目の緻密体の前端部に対応する第2位置、コネクタ電極の前端部に対応する第3位置は、センサ素子(素子本体)の長手方向に沿ってセンサ素子の前端側からこの順に並んでいる。そして、外側リード部のうち第2位置から第3位置までの領域である所定領域内の部分の導通経路の長さL1と、所定領域の長手方向の長さL2と、の長さ比R(=L1/L2)は、1.1以上である。すなわち、長さL1は、長さ比Rが1.1未満である場合に比して長くなっている。これにより、センサ素子(素子本体)の前端側が被測定ガスに晒された場合に、被測定ガス中の水蒸気(水蒸気や水蒸気に溶けた硫酸など)が液化し、液体の水が外側リード部の内部を毛細管現象によりコネクタ電極側に移動しても、その水がコネクタ電極に到達するのを抑制できる。なお、被測定ガス中の水蒸気は、熱源(被測定ガス)から離間するすなわちセンサ素子の後端側に向かうにつれて液化しやすく、長手方向における第2位置で十分に液化していると想定される。このため、外側リード部のうち、第1位置から第2位置までの領域内の部分の導通経路の長さを長くするよりも、所定領域内の部分の導通経路の長さL1を長くする方が有用である。発明者らは、これらのことを実験や解析により確認した。
【0009】
[2]上述したガスセンサ([1]に記載のガスセンサ)において、前記長さ比Rは、1.2以上であるものとしてもよい。こうすれば、液体の水がコネクタ電極に到達するのをより抑制できる。
【0010】
[3]上述したガスセンサ([1]または[2]に記載のガスセンサ)において、前記外側リード部は、前記所定領域内の部分に、局所的に肥大化した肥大部を有するものとしてもよい。こうすれば、肥大部に液体の水が貯留されたり、肥大部による外側リード部の断面積の増加により水の移動速度が遅くなったりして、水がコネクタ電極に到達するのをより抑制できる。
(【0011】以降は省略されています)
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