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公開番号2024128575
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-24
出願番号2023037606
出願日2023-03-10
発明の名称エアバッグ装置
出願人豊田合成株式会社
代理人弁理士法人明成国際特許事務所
主分類B60R 21/205 20110101AFI20240913BHJP(車両一般)
要約【課題】膨張展開時に内圧を迅速に低下させることができるエアバッグ装置を提供する。
【解決手段】エアバッグ装置1は、乗員席STに向かって開口51が形成されたエアバッグケース50と、インフレータ55と、開口から乗員席に向かって膨張展開するバッグ本体100と、バッグ本体に設けられ、ガスを排出するベントホール10L,10Rと、バッグ本体内に配置され、ガスが流入する流入口22とガスが流出する流出口21L,21Rとを有し、ガスを整流する整流布20と、を備え、バッグ本体および整流布は、折畳完了状態でエアバッグケース内に収納されており、事前折畳状態においてバッグ本体は、第1折畳体110と、第2折畳体120と、を有し、第1折畳体には、インフレータの挿入孔12が位置し、第2折畳体には、ベントホールが位置し、事前折畳状態において、整流布は、流出口が第2折畳体の内部に位置するように折り畳まれている。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
車両に搭載される乗員席用のエアバッグ装置であって、
前記車両のインストルメントパネルの内側に搭載され、前記乗員席に向かって開口が形成されたエアバッグケースと、
前記エアバッグケース内に配置され、ガスを噴射するインフレータと、
前記エアバッグケース内に収納され、前記インフレータから噴射される前記ガスにより前記開口から前記乗員席に向かって膨張展開するバッグ本体と、
前記バッグ本体に設けられ、前記膨張展開時に、前記ガスを排出するベントホールと、
前記バッグ本体内に配置され、前記ガスが流入する流入口と前記ガスが流出する流出口とを有し、前記ガスを整流する整流布と、
を備え、
前記バッグ本体および前記整流布は、事前折畳状態の前記バッグ本体および前記整流布が更に折り畳まれた状態である折畳完了状態となって前記エアバッグケース内に収納されており、
前記事前折畳状態において前記バッグ本体は、前記バッグ本体の側面が蛇腹状に折り込まれることにより形成される第1折畳体と、前記膨張展開時に前記第1折畳体と比べて前記インフレータの遠くに位置する第2折畳体と、を有し、
前記第1折畳体には、前記インフレータの挿入孔が位置し、
前記第2折畳体には、前記ベントホールが位置し、
前記事前折畳状態において、前記整流布は、前記流出口が前記第2折畳体の内部に位置するように折り畳まれている、
エアバッグ装置。
続きを表示(約 530 文字)【請求項2】
請求項1に記載のエアバッグ装置において、
前記事前折畳状態の前記バッグ本体は、前記側面が蛇腹状に折り込まれることにより形成される第3折畳体であって、前記膨張展開時に前記第2折畳体に比べて前記インフレータから遠くに位置する第3折畳体を更に有する、エアバッグ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のエアバッグ装置において、
前記事前折畳状態において、前記第1折畳体と前記第2折畳体と前記第3折畳体との大きさは、前記第1折畳体、前記第2折畳体、前記第3折畳体の順番に大きくなっている、エアバッグ装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のエアバッグ装置において、
前記第2折畳体における前記ベントホールと前記流出口とは、前記バッグ本体の前記膨張展開の初期において互いに対向するように位置している、エアバッグ装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のエアバッグ装置において、
前記第2折畳体において前記バッグ本体と前記整流布とは、前記膨張展開時に破断可能に構成されたテアシームにより接続されている、エアバッグ装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、エアバッグ装置に関する。
続きを表示(約 4,300 文字)【背景技術】
【0002】
車両に衝突が発生した際に、助手席に着座している乗員を保護するためのエアバッグ装置が種々提案されている。例えば特許文献1は、エアバッグの膨張展開時に、乗員等の干渉物に加えられる衝撃を低減するために、エアバッグ内のガスを早期に排出できる技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2013-124035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、広い乗員空間を確保するために、インストルメントパネルを小型化し、エアバッグケースの開口を乗員席に向けた構成のエアバッグ装置が提案されている。かかるエアバッグ装置においては、特許文献1に開示されているようなエアバッグケースの開口が上方側に向いた構成と比較して、エアバッグの膨張開始からエアバッグと乗員との接触までの時間が短い。このため、エアバッグの膨張展開時にエアバッグの内圧をより迅速に下げる技術が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
(1)本開示の一形態によれば、車両に搭載される乗員席用のエアバッグ装置が提供される。このエアバッグ装置は、前記車両のインストルメントパネルの内側に搭載され、前記乗員席に向かって開口が形成されたエアバッグケースと、前記エアバッグケース内に配置され、ガスを噴射するインフレータと、前記エアバッグケース内に収納され、前記インフレータから噴射される前記ガスにより前記開口から前記乗員席に向かって膨張展開するバッグ本体と、前記バッグ本体に設けられ、前記膨張展開時に、前記ガスを排出するベントホールと、前記バッグ本体内に配置され、前記ガスが流入する流入口と前記ガスが流出する流出口とを有し、前記ガスを整流する整流布と、を備え、前記バッグ本体および前記整流布は、事前折畳状態の前記バッグ本体および前記整流布が更に折り畳まれた状態である折畳完了状態となることで前記エアバッグケース内に収納されており、前記事前折畳状態において前記バッグ本体は、前記バッグ本体の側面が蛇腹状に折り込まれることにより形成される第1折畳体と、前記膨張展開時に前記第1折畳体と比べて前記インフレータの遠くに位置する第2折畳体と、を有し、前記第1折畳体には、前記インフレータの挿入孔が位置し、前記第2折畳体には、前記ベントホールが位置し、前記事前折畳状態において、前記整流布は、前記流出口が前記第2折畳体の内部に位置するように折り畳まれている。
この形態のエアバッグ装置によれば、事前折畳状態において、整流布は、一対の流出口が一対のベントホールが位置する第2折畳体の内部に位置するように折り畳まれているので、一対の流出口が第2折畳体の内部に位置するように整流布が折り畳まれていない構成と比較して、膨張展開の初期において、インフレータから噴射されたガスを早期にバッグ本体の外部に排出することができ、バッグ本体の内圧を迅速に低下させることができる。また、第2折畳体よりもインフレータ側に第1折畳体を有するので、膨張展開の初期、すなわち第1折畳体が膨張展開を開始するまでの時間においては、第1折畳体を有しない構成と比較して、ベントホールと流出口との距離を比較的近くに維持できる。これにより、流出口から流出するガスを迅速にベントホールに導くことができ、膨張展開の初期におけるバッグ本体の内圧を迅速に下げることができる。また、膨張展開の初期より後の時間においては、第1折畳体を有しない構成と比較して、第1折畳体が膨張展開することによりベントホールと流出口との距離が比較的遠くなるので、流出口から流出したガスがベントホールにそのまま流出する頻度が減る。これにより、バッグ本体の内圧が過剰に下がることを抑制し、乗員の衝撃を吸収するための十分な内圧を確保できる。
(2)上記形態のエアバッグ装置において、前記事前折畳状態の前記バッグ本体は、前記側面が蛇腹状に折り込まれることにより形成される第3折畳体であって、前記膨張展開時に前記第2折畳体に比べて前記インフレータから遠くに位置する第3折畳体を更に有してもよい。
この形態のエアバッグ装置によれば、膨張展開時に第2折畳体に比べてインフレータから遠くに位置する第3折畳体を有するので、第3折畳体を有しない構成と比較して、バッグ本体の膨張展開時にバッグ本体の近くに存在する障害物にバッグ本体の膨張展開により加えられる圧力を低減できる。
(3)上記形態のエアバッグ装置において、前記事前折畳状態において、前記第1折畳体と前記第2折畳体と前記第3折畳体との大きさは、前記第1折畳体、前記第2折畳体、前記第3折畳体の順番に大きくなっていてもよい。
この形態のエアバッグ装置によれば、事前折畳状態において、第1折畳体と第2折畳体と第3折畳体との大きさは、第1折畳体、第2折畳体、第3折畳体の順番に大きくなっているので、膨張展開した第3折畳体の大きさを比較的大きくでき、バッグ本体から乗員に加えられる衝撃を比較的小さくできる。また、各折畳体の大きさが異なるので、各折畳体の大きさが同じである構成と比較して、容易にバッグ本体を折畳み、各折畳体を形成できる。また、第1折畳体と第2折畳体と第3折畳体との大きさが全て同じである構成と比較して、バッグ本体全体の大きさをよりコンパクトに構成できる。より詳細には、第1折畳体と第2折畳体と第3折畳体との大きさが全て同じである構成では、折り目が重なることで厚さが過剰に大きくなるおそれがあるのに対して、本形態のエアバッグ装置では、折り目が重なることが抑制されるので、バッグ本体全体の大きさをよりコンパクトに構成できる。
(4)上記形態のエアバッグ装置において、前記第2折畳体における前記ベントホールと前記流出口とは、前記バッグ本体の前記膨張展開の初期において互いに対向するように位置していてもよい。
この形態のエアバッグ装置によれば、第2折畳体におけるベントホールと流出口とは、バッグ本体の膨張展開の初期において互いに対向するように位置しているので、ベントホールと流出口とが対向していない構成と比較して、膨張展開の初期においてガスを早期に外部へと排出することができ、バッグ本体の内圧を迅速に低下させることができる。
(5)上記形態のエアバッグ装置において、前記第2折畳体において前記バッグ本体と前記整流布とは、前記膨張展開時に破断可能に構成されたテアシームにより接続されていてもよい。
この形態のエアバッグ装置によれば、第2折畳体においてバッグ本体と整流布とは、膨張展開時に破断可能に構成されたテアシームにより接続されているので、膨張展開の初期において流出口とベントホールとの位置を一定に保つことができる。これにより、整流布と第2折畳体の内部とがテアシームにより接続されていない構成と比較して、膨張展開の初期においてガスをより確実に排出し、バッグ本体の内圧をより確実に低減できる。また、テアシームは破断可能に構成されているので、テアシームがバッグ本体の膨張展開を妨げることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示の一形態におけるエアバッグ装置の概略構成を示す図である。
左側前方から見たバッグ本体の概略図である。
左側後方から見たバッグ本体の概略図である。
整流シートの平面図である。
事前折畳状態におけるバッグ本体および整流布の説明図である。
事前折畳状態におけるバッグ本体および整流布の説明図である。
事前折畳状態におけるバッグ本体および整流布の説明図である。
中間折畳状態のバッグ本体の説明図である。
中間折畳状態のバッグ本体の説明図である。
折畳完了状態のバッグ本体の説明図である。
折畳完了状態のバッグ本体の説明図である。
膨張展開の初期におけるバッグ本体および整流布の説明図である。
膨張展開が完了したバッグ本体の説明図である。
障害物がバッグ本体に近い位置に存在する場合におけるバッグ本体の膨張展開の説明図である。
第2実施形態のバッグ本体および整流布の説明図である。
第3実施形態のバッグ本体および整流布の説明図である。
他の実施形態におけるバッグ本体および整流布の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
A.第1実施形態:
A1.エアバッグ装置1の構成:
図1~図3は、本開示の一形態におけるエアバッグ装置1の概略構成を示す図である。図1は、エアバッグ装置1が搭載される車両の左側から見たエアバッグ装置1の概略図である。図2は、左側前方から見たバッグ本体100の概略図である。図3は、左側後方から見たバッグ本体100の概略図である。なお、図面および以下の記載における「前後方向」は、車両の進行方向を「前方」としたときの前後方向を示し、「左右(横)方向」は車両の左右方向(幅方向)を示し、「上下方向」は、車両の高さ方向を示す。なお、図1~図3では、バッグ本体100の膨張展開が完了した状態を示す。また、図2および図3では、バッグ本体100および整流布20のみを示し、その他の構成は省略されている。
【0009】
本実施形態におけるエアバッグ装置1は、車両の助手席ST前方に配置される。エアバッグ装置1は、車両に衝突が発生した場合、または衝突が予測された場合に、助手席STの乗員を衝撃から保護する。エアバッグ装置1は、エアバッグケース50と、インフレータ55と、バッグ本体100と、整流布20と、を備える。
【0010】
エアバッグケース50は、車両のインストルメントパネル40の内側に搭載され、箱状形状を有する。エアバッグケース50には、助手席STに向かって開口51が形成されている。換言すると、開口51は、フロントガラスFGに向かわない方向に形成されている。開口51は、バッグ本体100が収納されている状態においては、不図示の扉部により塞がれている。
(【0011】以降は省略されています)

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