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公開番号2024126013
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-19
出願番号2024027040
出願日2024-02-27
発明の名称ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物および成形品
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C08L 81/02 20060101AFI20240911BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】高い耐衝撃性を維持しながら、成形時における低バリ性、流動性および連続成形性に優れたポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】(A)ポリアリーレンスルフィド100重量部に対し、(B)熱可塑性エラストマーを1~50重量部配合してなるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物であって、前記(A)ポリアリーレンスルフィドが、ASTM D 1238-70に準拠し、315℃、5000g荷重の条件下で測定したメルトフローレートが50g/10分以上300g/10分以下であり、示差走査熱量計(DSC)にて降温速度20℃/minで測定した降温結晶化温度が200℃以上230℃以下であり、カルボキシル基含有量が30μmol/g以上100μmol/g以下であり、さらに重量平均分子量/数平均分子量で表される分散度が6.0以上15.0以下であることを特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)ポリアリーレンスルフィド100重量部に対し、(B)熱可塑性エラストマーを1~50重量部配合してなるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物であって、前記(A)ポリアリーレンスルフィドが、ASTM D 1238-70に準拠し、315℃、5000g荷重の条件下で測定したメルトフローレートが50g/10分以上300g/10分以下であり、示差走査熱量計(DSC)にて降温速度20℃/minで測定した降温結晶化温度が200℃以上230℃以下であり、カルボキシル基含有量が30μmol/g以上100μmol/g以下であり、さらに重量平均分子量/数平均分子量で表される分散度が6.0以上15.0以下であることを特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
続きを表示(約 730 文字)【請求項2】
前記(A)ポリアリーレンスルフィド100重量部に対して、さらに(C)エポキシ基、アミノ基、およびイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する有機シランカップリング剤を0.05~5重量部配合してなる請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
【請求項3】
前記(A)ポリアリーレンスルフィドが、クロロホルム抽出成分量が0.5重量%以上2.0重量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
【請求項4】
前記(B)熱可塑性エラストマーが(B1)α-オレフィンとα,β-不飽和酸のグリシジルエステルとを共重合成分とするグリシジル基含有共重合体と、(B2)エチレンと炭素数3以上20以下のα-オレフィンを共重合成分とするエチレン・α-オレフィン共重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
【請求項5】
前記(A)ポリアリーレンスルフィドが、1分子当たり3個以上のハロゲン置換基を有するポリハロゲン化芳香族化合物に由来する分岐・架橋構造を有することを特徴とする請求項1または2に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1または2に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物からなる成形品。
【請求項7】
前記成形品が、住宅配管設備関連部品、トイレ関連部品、給湯器関連部品、風呂関連部品、ポンプ関連部品、および水道メーター関連部品から選ばれるいずれかの水廻り用配管部品であることを特徴とする請求項6に記載の成形品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はポリアリーレンスルフィド樹脂組成物に関し、成形時のバリ発生量が少なく、高い流動性を有し、かつ連続成形性に優れたポリアリーレンスルフィド樹脂組成物、および成形品に関するものである。更に詳しくは、水廻り用配管部品に好適に使用される成形品に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
ポリアリーレンスルフィド樹脂(以下PAS樹脂と略す場合もある)は、優れた耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性、耐湿熱性など、エンジニアリングプラスチックとして好適な性質を有しており、射出成形や、押出成形により各種電気・電子部品、機械部品および自動車部品などに使用されている。
【0003】
しかし、PAS樹脂はナイロンやポリブチレンテレフタレートなどの他のエンジニアリングプラスチックに比べ耐衝撃性が低く、そのため耐衝撃性が必要とされる用途にはPAS樹脂にオレフィン系樹脂を配合する手法が古くから検討されてきた。
【0004】
例えば、特許文献1には耐衝撃性に優れるエチレン・α-オレフィン系共重合体を配合する方法が開示されている。しかし、PAS樹脂と比較してエチレン・α-オレフィン系共重合体の固化温度が低いために、成形時にバリが発生し易いという問題点があった。
【0005】
PAS樹脂のバリ低減については、これまでにもいくつかの検討がなされている。例えば、特許文献2には、ポリアリーレンスルフィド樹脂の溶融粘弾性に関する長時間緩和成分量と短時間緩和成分量の比を制御し、さらに特定のアルコキシシラン化合物を配合することで、射出成形時のバリを低減したPAS樹脂組成物が開示されている。
【0006】
特許文献3には、ポリアリーレンスルフィド樹脂にポリフェニレンエーテル系樹脂、またはポリフェニレンエーテル系樹脂とポリスチレン系樹脂との混合物を添加することでバリを低減する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2000-198923号公報
特開平11-158280号公報
特開2002-284996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
PAS樹脂にアルコキシシラン化合物を配合し、PAS樹脂組成物を製造する際に、特許文献2に記載される方法では、バリ低減の効果は不十分である他、押出機で溶融混練するときに、PASとアルコキシラン化合物の反応が不十分であるため、比較的多量のアルコキシシラン化合物を添加する必要がある。そのため、PAS樹脂組成物を成形する際に、流動性が低下し、射出圧力を高くする必要があり、成形加工性の低下や連続成形性が悪いといった課題があった。また、特許文献3に記載される方法では、バリ低減の効果は不十分である他、流動性の低下や機械的物性、とりわけ耐衝撃強度の低下が著しく、水廻り用途など優れた衝撃強度が必要な用途には使用できない。
【0009】
本発明はポリアリーレンスルフィド樹脂が本来有する耐熱性を大きく損なうことなく、耐衝撃性に優れ、成形時のバリ発生量が少なく(低バリ性)、流動性および連続成形性に優れるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記問題点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明に至った。すなわち本発明は、下記を提供するものである。
(1)(A)ポリアリーレンスルフィド100重量部に対し、(B)熱可塑性エラストマーを1~50重量部配合してなるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物であって、前記(A)ポリアリーレンスルフィドが、ASTM D 1238-70に準拠し、315℃、5000g荷重の条件下で測定したメルトフローレートが50g/10分以上300g/10分以下であり、示差走査熱量計(DSC)にて降温速度20℃/minで測定した降温結晶化温度が200℃以上230℃以下であり、カルボキシル基含有量が30μmol/g以上100μmol/g以下であり、さらに重量平均分子量/数平均分子量で表される分散度が6.0以上15.0以下であることを特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
(2)前記(A)ポリアリーレンスルフィド100重量部に対して、さらに(C)エポキシ基、アミノ基、およびイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する有機シランカップリング剤を0.05~5重量部配合してなる前記(1)に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
(3)前記(A)ポリアリーレンスルフィドが、クロロホルム抽出成分量が0.5重量%以上2.0重量%以下であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
(4)前記(B)熱可塑性エラストマーが(B1)α-オレフィンとα,β-不飽和酸のグリシジルエステルとを共重合成分とするグリシジル基含有共重合体と、(B2)エチレンと炭素数3以上20以下のα-オレフィンを共重合成分とするエチレン・α-オレフィン共重合体であることを特徴とする前記(1)~(3)のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
(5)前記(A)ポリアリーレンスルフィドが、1分子当たり3個以上のハロゲン置換基を有するポリハロゲン化芳香族化合物に由来する分岐・架橋構造を有することを特徴とする前記(1)~(4)のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
(6)前記(1)~(5)のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物からなる成形品。
(7)前記成形品が、住宅配管設備関連部品、トイレ関連部品、給湯器関連部品、風呂関連部品、ポンプ関連部品、および水道メーター関連部品から選ばれるいずれかの水廻り用配管部品であることを特徴とする前記(6)に記載の成形品。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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