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公開番号2024125964
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-19
出願番号2023034129
出願日2023-03-06
発明の名称イオン選択性を有する化合物、その製造方法およびそれを用いたイオン選択性感応膜
出願人国立大学法人千葉大学
代理人個人,個人,個人
主分類C07F 7/18 20060101AFI20240911BHJP(有機化学)
要約【課題】イオンを選択的に捕捉する機能を有しかつ簡易に製造可能な特定の構造を有する化合物を提供すること。
【解決手段】下記式(1)で表される化合物。
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(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいトリアルキルシリルオキシ基、置換されていてもよいアリール基、または置換されていてもよいアリールアルキル基を表す。)
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
下記式(1)で表される化合物。
JPEG
2024125964000027.jpg
43
73
(式中、R

およびR

は、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいトリアルキルシリルオキシ基、置換されていてもよいアリール基、または置換されていてもよいアリールアルキル基を表す。)
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】


およびR

が、それぞれ独立して、C1~C20アルキル基、トリC1~C20アルキルシリルオキシ基、C6~C20アリール基、またはC7~C20アリールアルキル基を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】


およびR

が、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、オクチル基、ヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、トリメチルシリルオキシ基、フェニル基、フェニルメチル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基またはフェニルブチル基を表す、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
請求項1または2に記載の化合物含んでなる、イオン選択試薬。
【請求項5】
前記イオンがアルカリ金属イオンである、請求項4に記載のイオン選択試薬。
【請求項6】
前記イオンがナトリウムイオンである、請求項5に記載のイオン選択試薬。
【請求項7】
請求項1または2に記載の化合物含んでなる、イオン選択性電極用感応膜。
【請求項8】
請求項7に記載のイオン選択性電極用感応膜を備えた、イオン選択性電極。
【請求項9】
下式で表される2-(ヒドロキシメチル)-12-クラウン-4-エーテルと、下記式(2)で表される化合物とを反応させて、下式(1)で表される化合物を得る工程
を含む、下記式(1)で表される化合物の製造方法。
JPEG
2024125964000028.jpg
36
165
(式中、R

およびR

は、請求項1に定義される通りであり、


およびX

は、それぞれ独立して、脱離基を表す。)
【請求項10】


およびX

は、それぞれ独立して、ハロゲン原子を表す、請求項9に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、イオン選択性を有する化合物、その製造方法、および、上記化合物を用いたイオン選択性感応膜に関する。より詳細には、アルカリ金属を選択的に補足するイオノホアとして使用可能な化合物、その製造方法、および、上記化合物を用いたイオン選択性感応膜に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
生体中のナトリウムイオン濃度は生体の代謝反応と密接な関係があり、生体中のこのイオン濃度をはじめ、高血圧症状、腎疾患、神経障害等種々の疾病の診断に多く利用されている。その他、環境水や食品管理などの分野においてもナトリウムイオンを分析することは重要である。
【0003】
従来、炎光分析法のようなスペクトル法を用いてナトリウムイオンの測定を行われていたが、スペクトル法は大型の機器が必要であり、測定時間が長いという欠点がある。この問題を解決するため、特定のイオンと選択的に反応するイオノホアを含む感応膜からなる電極がイオンセンサーとして用いられている。
【0004】
このような技術状況下、ナトリウムイオン選択性電極用のイオノホアとして使用可能な種々の化合物が報告されている。このような化合物としては、15-クラウン-5誘導体、4-tert-ブチルカリックス[4]アレーン-四酢酸テトラエチルエステルや、ビス[(12-クラウン-4)メチル]-2-ドデシル-2-メチルマロネートが挙げられる。
【0005】
中でも、下式で表されるビス[(12-クラウン-4)メチル]-2-ドデシル-2-メチルマロネートは、2分子の2-(ヒドロキシメチル)-12-クラウンー4が1分子のドデシルメチルマロン酸エステルとのエステル結合によって架橋された構造を有しており、2個のクラウン間で1個のナトリウムイオンを挟み込むことにより安定な錯体を生成することが知られている。
JPEG
2024125964000002.jpg
39
60
【0006】
非特許文献1および2には、ビス[(12-クラウン-4)メチル]-2-ドデシル-2-メチルマロネートおよび数種の類縁体の合成について報告されている。また、非特許文献3および特許文献1には、ビス[(12-クラウン-4)メチル]-2-ドデシル-2-メチルマロネートは、優れたナトリウムイオンの選択性を有していること、および、この化合物を用いて製造された感応膜を用いたナトリウムイオン選択性電極が開示されている。
【0007】
しかしながら、市販のビス[(12-クラウン-4)メチル]-2ドデシル-2メチルマロネートは高価であるため、比較的に量が必要なイオノホアとしての大規模な工業生産には必ずしも適さない。また、合成原料であるドデシルメチルマロン酸は市販されておらず、ビス[(12-クラウン-4)メチル]-2ドデシル-2メチルマロネートを簡便に合成することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特公昭63-051502号公報
【非特許文献】
【0009】
Ikeda, I. et al., Tetrohedron Lett. 1981, 22, 3615-3616
Shono, T. et al., J.ELectroanal/ Chem. 1982, 132, 99-105
Tamura, H. et al., Anal.Chem. 1982, 54, 1224-1227
【発明の概要】
【0010】
したがって、本発明は、優れたイオン選択性を備え、イオノホアとして使用可能な化合物を簡易に製造する新たな技術的手段を提供することを一つの目的としている。
(【0011】以降は省略されています)

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