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公開番号2025025579
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-21
出願番号2023130455
出願日2023-08-09
発明の名称還元化合物の製造方法
出願人国立大学法人千葉大学,株式会社中村超硬
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類C07D 207/34 20060101AFI20250214BHJP(有機化学)
要約【課題】還元化合物の製造方法、ピロール・イミダゾールポリアミドの製造方法及び還元化合物製造システムを提供する。
【解決手段】還元触媒の存在下で還元される化合物と水素ガスとを反応させる、還元化合物の製造方法であって、マイクロミキサーを用いた製造方法である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
還元化合物の製造方法であって、
マイクロミキサーを備えたフロー合成装置を用いた製造方法であり、
該マイクロミキサーを備えたフロー合成装置は、六方切替バルブと、気相供給用流路と、液相供給用流路と、回収用流路と、合成用流路と、合成用流路上に設けられた反応部と、サンプルループと、を有し、
前記六方切替バルブは、前記気相供給用流路と連結する気相供給口、前記液相供給用流路と連結する液相供給口、回収用流路と連結する回収用流出口、合成用流路と連結する合成用流出口、前記サンプルループの両端と連結する2つのサンプルループ用開口を有し、
前記六方切替バルブは、気相供給用流路とサンプルループと回収用流路が連通すると同時に、液相供給用流路と合成用流路とが連通する第1流路と、気相供給用流路と回収用流路が連通すると同時に、液相供給用流路とサンプルループと合成用流路とが連通する第2流路とに切り替え可能であり、
前記反応部は還元触媒を備え、
前記六方切替バルブが前記第1流路の状態であり、水素ガスを前記気相供給用流路に流し、少なくとも前記サンプルループ内に水素を流入させ、かつ、還元される化合物を含む液相を前記液相供給用流路に流す第1工程と、
前記六方切替バルブが前記第2流路の状態であり、還元される化合物を含む液相を前記液相供給用流路に流し、前記サンプルループ内に存在する、第1工程において流入させた水素ガスを前記合成用流出口から流出させ、かつ、水素ガスを前記気相供給用流路に流す第2工程とを交互に繰り返し、
前記水素ガスと前記還元される化合物を含む液相とを前記合成用流出口から交互に流出させ、反応部で還元触媒の存在下で還元される化合物と水素ガスとを反応させる、還元化合物の製造方法。
続きを表示(約 2,600 文字)【請求項2】
前記サンプルループ用開口が、第1開口と第2開口を有し、
前記気相供給口、前記サンプルループ用開口の第1開口、前記合成用流出口、前記液相供給口、前記サンプルループ用開口の第2開口及び回収用流出口が、この順で時計回り又は反時計回りに前記六方切替バルブに設けられている、請求項1に記載の還元化合物の製造方法。
【請求項3】
前記反応部及び前記回収用流路から液相が再利用され前記液相供給用流路に流されるように構成された、請求項1に記載の還元化合物の製造方法。
【請求項4】
還元化合物の製造システムであって、
マイクロミキサーを備えたフロー合成装置を有し、
該マイクロミキサーを備えたフロー合成装置は、六方切替バルブと、気相供給用流路と、液相供給用流路と、回収用流路と、合成用流路と、合成用流路上に設けられた反応部と、サンプルループと、を有し、
前記六方切替バルブは、前記気相供給用流路と連結する気相供給口、前記液相供給用流路と連結する液相供給口、回収用流路と連結する回収用流出口、合成用流路と連結する合成用流出口、前記サンプルループの両端と連結する2つのサンプルループ用開口を有し、
前記六方切替バルブは、気相供給用流路とサンプルループと回収用流路が連通すると同時に、液相供給用流路と合成用流路とが連通する第1流路と、気相供給用流路と回収用流路が連通すると同時に、液相供給用流路とサンプルループと合成用流路とが連通する第2流路とに切り替え可能であり、
前記反応部は還元触媒を備え、
前記第1流路と前記第2流路とを交互に切り替えて、少なくともサンプルループに流入させた気相又は液相を合成用流路に流出させることで、液相と気相を合成用流路に交互に流出させることが可能であり、
前記反応部及び前記回収用流路から液相が再利用され前記液相供給用流路に流されるように構成された、還元化合物の製造システム。
【請求項5】
ピロール・イミダゾールポリアミドの製造方法であって、
下記工程A1及び工程A2を含み:
工程A1:下記式(1)で表される化合物1を還元し、下記式(2)で表される化合物2を得る還元工程
工程A2:下記式(3)で表される化合物3と、前記化合物2とを反応させて下記式(4)で表される化合物4を得る伸長工程
JPEG
2025025579000045.jpg
38
82
[式(1)中、X

は、それぞれ独立してN又はCHを表し、R

は水素原子、炭素数1~12のアルキル基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~20のアリール基、炭素数7~25のアラルキル基、ニトリル基、-COOR

(R

は水素原子、炭素数1~12のアルキル基、又は炭素数6~20のアリール基を表す。)、又は-CONR



(R

及びR

は、独立して、水素原子、炭素数1~12のアルキル基、又は炭素数6~20のアリール基を表す。)を表し、nは0又は1以上の整数を表す。]
JPEG
2025025579000046.jpg
38
81
[式(2)中、X

、R

、nは前記に同じ。]
JPEG
2025025579000047.jpg
39
86
[式(3)中、X

は、それぞれ独立してN又はCHを表し、Yは、ハロゲン原子を表す。mは0又は1以上の整数を表す。]
JPEG
2025025579000048.jpg
62
132
[式(4)中、X

、X

、R

、n、mは前記に同じ。]、
前記工程A1はマイクロミキサーを備えたフロー合成装置を用いたフロー反応であり、
該マイクロミキサーを備えたフロー合成装置は、六方切替バルブと、気相供給用流路と、液相供給用流路と、回収用流路と、合成用流路と、合成用流路上に設けられた反応部と、サンプルループと、を有し、
前記六方切替バルブは、前記気相供給用流路と連結する気相供給口、前記液相供給用流路と連結する液相供給口、回収用流路と連結する回収用流出口、合成用流路と連結する合成用流出口、前記サンプルループの両端と連結する2つのサンプルループ用開口を有し、
前記六方切替バルブは、気相供給用流路とサンプルループと回収用流路が連通すると同時に、液相供給用流路と合成用流路とが連通する第1流路と、気相供給用流路と回収用流路が連通すると同時に、液相供給用流路とサンプルループと合成用流路とが連通する第2流路とに切り替え可能であり、
前記反応部は還元触媒を備え、
前記六方切替バルブが前記第1流路の状態であり、水素ガスを前記気相供給用流路に流し、少なくとも前記サンプルループ内に水素を流入させ、かつ、前記式(1)で表される化合物1を含む液相を前記液相供給用流路に流す第1工程と、
前記六方切替バルブが前記第2流路の状態であり、前記式(1)で表される化合物1を含む液相を前記液相供給用流路に流し、前記サンプルループ内に存在する、第1工程において流入させた水素ガスを前記合成用流出口から流出させ、かつ、水素ガスを前記気相供給用流路に流す第2工程とを交互に繰り返し、
前記工程A1は、前記水素ガスと前記式(1)で表される化合物1を含む液相とを前記合成用流出口から交互に流出させ、反応部で還元触媒の存在下で還元される化合物と水素ガスとを反応させる工程であり、
前記工程A2はフロー反応であり、マイクロミキサー中で流路内を流れる前記式(3)で表される化合物3を含む液相と、別流路内を流れる前記式(2)で表される化合物2を含む液相とを合流して反応させる工程である、製造方法。
【請求項6】
前記化合物4を、次の工程A1の化合物1として用いることにより連続的に伸長する、請求項5に記載の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、還元化合物の製造方法、ピロール・イミダゾールポリアミドの製造方法及び還元化合物製造システムに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
マイクロミキサーを有するフロー合成装置は、微小な断面を有する微小流路を利用することで、比表面積の大きさに基づく精密温度制御が可能、安定層流界面間の分子拡散に基づく精密混合制御が可能、微小流路内の滞留時間の精密制御により反応時間の制御が可能、などの特性を有するとされている。そのため、これらの特性を利用して、化学合成、新規物質の創製などに用いられている。
【0003】
このようなフロー合成装置では、マイクロミキサーにおいて複数の流体を微小流路の混合流路に連続して導入して混合させる。前述のようにマイクロミキサーでの混合は分子拡散を利用するものであるが、微小流路内に流体を導入し、分子拡散により均一に複数の流体を混合させることは必ずしも容易ではない。
【0004】
この改善策として、例えば特許文献1では、混合部分において混合対象の流体を薄くかつ一様な多層に形成すること、あるいは薄い層を保ちつつ流速を減速させるために、混合流路とこれに接続する複数の流入路を有し、少なくとも2種の流体がそれぞれ複数の流入路から混合流路へ導入されて流体の混合が行われる流体混合器であって、前記混合流路には、流れ方向で前記複数の流入路が所定間隔で接続されることにより複数の流路接続部が設けられ、且つ隣り合う流路接続部では異なる種類の流体が導入されるように配管されているものが提案されている。
【0005】
また、前述の分子拡散による均一混合に関する点以外に、特許文献2には、このようなフロー合成装置を用いてラジカル重合反応による高分子合成を行う場合に理想的な分子量分布を実現するための要求機能として、(i)均一温度制御、(ii)生成物である高分子の高粘性送液、(iii)気液混合/分離が挙げられている。そして、この(iii)の機能を実現するための構成として、気体は透過するが液体は透過しない特殊な弾性管を所定の圧力チャンバー内に設け、弾性管内で反応を行うことが記載されている。
【0006】
また、ピロール・イミダゾールポリアミド(以下「PIP」ともいう)は、N-メチルピロール単位(以下「Py」ともいう)とN-メチルイミダゾール単位(以下「Im」ともいう)が、アミド結合で結合された直鎖状の低分子である。PIPの分子デザインは、ピロールアミドトリマー構造を有する抗がん活性天然物であるディスタマイシンA(Distamycin A)のDNA結合能に由来する。
【0007】
PIPは、その分子デザインから期待されるとおり、DNAのマイナーグルーブに入り込み、G-C塩基対に対してIm-Pyが、C-G塩基対に対してPy-Imが、A-T塩基対又はT-A塩基対に対してPy-Pyが、結合することができる。PIPは、DNAの塩基配列を特異的に認識して結合し、標的遺伝子の転写活性を強く抑制することができるため、標的遺伝子の発現を抑制するエピゲノム創薬への応用が期待されている。
【0008】
PIPの合成方法としては、90年代にDervanらが開発した縮合剤を用いる固相合成法(非特許文献1~3)、トリクロロアセチル体を用いる液相合成法(非特許文献4)、本発明者らによる金属触媒を用いるクロスカップリング法(特許文献3)等が提案されている。
固相合成法は、ポリマーに担持した化合物を用いペプチド鎖の伸長を行うため、原子効率が非常に悪く、大量合成は困難である。また、副反応による多くの不純物が合成されるため、粗精製物の純度は低く、精製にはカラムクロマトグラフィーが必要であり手間がかかる。
トリクロロアセチル体を用いる液相合成法は、二量体までしか合成することができず、また、イミダゾールを有するトリクロロアセチル体は不安定であり扱いにくい。更に、実際に反応を行ってみると基質の溶解性が低く、大量合成は困難である。
クロスカップリング法は、高価な縮合剤やポリマーは必要ないが、基質合成に多段階の工程が必要である。
【0009】
特許文献4には、配列選択的なピロールおよびイミダゾールポリアミド金属錯体及びその製造方法が開示されている。
非特許文献5には、ポリアミド分子の調製に用いるための、N-ホルムアミドを含む単環及び複環のピロール、並びに、イミダゾール-2-カルボン酸が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
国際公開第2006/030952号
特開2009-274030号公報
国際公開第2017/169503号
米国特許出願公開第2007/0265240号明細書
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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