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公開番号2025004477
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-15
出願番号2023104192
出願日2023-06-26
発明の名称光伝搬計算装置および光伝搬計算方法
出願人国立大学法人千葉大学
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G03H 1/04 20060101AFI20250107BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】計算を高速化しつつ、高精度な計算結果を得ることができる光伝搬計算装置および光伝搬計算方法を提供する。
【解決手段】伝搬元の複素振幅分布もしくは実数値分布の量子化データと、インパルス応答または伝達関数の量子化データと、を用いて伝搬先への光の伝搬計算を行う光伝搬計算装置であって、伝搬元の複素振幅分布もしくは実数値分布の量子化データと、インパルス応答または伝達関数の量子化データと、の少なくとも一方は、誤差拡散法、組織的ディザ法または他の低量子化手法により量子化されている。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
伝搬元の複素振幅分布もしくは実数値分布の量子化データと、インパルス応答または伝達関数の量子化データと、を用いて伝搬先への光の伝搬計算を行う光伝搬計算装置であって、
前記伝搬元の複素振幅分布もしくは実数値分布の量子化データと、前記インパルス応答または伝達関数の量子化データと、の少なくとも一方は、誤差拡散法、組織的ディザ法または他の低量子化手法により量子化されていることを特徴とする光伝搬計算装置。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記伝搬元の複素振幅分布もしくは実数値分布の量子化データは、誤差拡散法または組織的ディザ法により量子化されていることを特徴とする請求項1に記載の光伝搬計算装置。
【請求項3】
前記インパルス応答または伝達関数の量子化データは、誤差拡散法または組織的ディザ法により量子化されていることを特徴とする請求項2に記載の光伝搬計算装置。
【請求項4】
前記インパルス応答または伝達関数の量子化データが変数分離可能であるか判定することを特徴とする請求項1に記載の光伝搬計算装置。
【請求項5】
前記インパルス応答または伝達関数の量子化データが変数分離可能であるときは、1次元LUTから出力値を読み出し積算することを特徴とする請求項4に記載の光伝搬計算装置。
【請求項6】
下記式(1)で示される角スペクトル法による量子化回折計算式(ここで、下記式(1)におけるu

は前記伝搬元の複素振幅分布もしくは実数値分布、u

は前記伝搬先の複素振幅分布もしくは実数値分布、hは前記インパルス応答、Hは前記伝達関数、Q

は第1量子化演算子、Q

は第2量子化演算子、Fはフーリエ変換演算子、F
-1
は逆フーリエ変換演算子である。)を用いて光の伝搬計算を行い、
前記第1量子化演算子Q

と前記第2量子化演算子Q

の少なくとも一方が誤差拡散法または組織的ディザ法による量子化を行うことを特徴とする請求項1に記載の光伝搬計算装置。
TIFF
2025004477000006.tif
9
161
【請求項7】
前記第1量子化演算子Q

は、誤差拡散法または組織的ディザ法による量子化を行うことを特徴とする請求項6に記載の光伝搬計算装置。
【請求項8】
前記第2量子化演算子Q

は、誤差拡散法または組織的ディザ法による量子化を行うことを特徴とする請求項7に記載の光伝搬計算装置。
【請求項9】
前記伝搬元の画像サイズが1024×1024以上であり、前記第1量子化演算子Q

と前記第2量子化演算子Q

による量子化ビット数がそれぞれ1~10ビットであることを特徴とする請求項6に記載の光伝搬計算装置。
【請求項10】
光の伝搬計算を行う光伝搬計算方法であって、
伝搬元の複素振幅分布もしくは実数値分布のデータと、インパルス応答または伝達関数のデータと、の少なくとも一方を、誤差拡散法または組織的ディザ法により量子化することを特徴とする光伝搬計算方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光の伝搬計算を行う光伝搬計算装置および光伝搬計算方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
波動光学においては、回折計算を行うことにより光の伝搬を計算することができ、光学素子設計、ベクトル光伝搬計算、ホログラフィ、計測、光信号処理、光ニューラルネットワーク、光暗号、透かし技術等の光学分野にて広く応用されている。
【0003】
例えば、ホログラフィは、光の回折と干渉現象を利用することにより、3次元物体の光波の記録と再生を行う技術である。3次元物体の光波が干渉縞として記録されたホログラムの作成は、光学系を用いた手法だけでなく、コンピュータ上の計算によっても可能である。コンピュータで作成されたホログラムは、計算機合成ホログラム(CGH)と呼ばれる。CGH作成においては、入力物体から伝搬する物体光と参照光について複数の回折計算を行う必要がある。CGH作成における物体光の計算には、入力物体の表面を点光源の集合と考え、各点光源から発せられる光の球面波を足し合わせる点光源法が広く用いられており、入力物体の形状を問わずに表現が可能である。しかし、点光源数に比例して計算量が非常に多くなってしまうことから、回折計算の高速化が求められている。
【0004】
従来、光の伝搬元である入力物体を平面に限定し、物体光の計算にフーリエ変換を用いることにより、回折計算の高速化が図られてきた。フーリエ変換を用いる計算方法として、フレネル回折法、フラウンホーファー回折法、角スペクトル法等が知られており、特に角スペクトル法は、光の伝搬元から伝搬先までの伝搬距離に対する制限がない等の理由からメリットが大きい計算方法としてよく用いられる。また、角スペクトル法等のフーリエ変換を用いた計算方法は、CGH等のホログラムからコンピュータ上の回折計算により再生像を再構成するデジタルホログラフィにも利用されている。
【0005】
CGH作成やデジタルホログラフィのための回折計算において、フーリエ変換を使用する場合、一般にデータは全て浮動小数点で取り扱われる。しかし、データを浮動小数点で取り扱う場合、計算装置内におけるデータ表現が32ビットまたは64ビットとなりビット数が大きくなるため、メモリ量が大きくなってしまう。メモリ量の増大は、回折計算の高速化を妨げるだけでなく、ハードウェア実装時における回路の複雑化の原因となる。
【0006】
非特許文献1では、光学系(光チャネル)を利用してイメージセンサに記録されたホログラムからコンピュータ上で再生像を得るために回折計算を行う数値チャネルにおいて、データを全て固定小数点で取り扱う手法が提案されており、従来の浮動小数点方式と比べて、回折計算におけるデータ表現に必要なビット数が削減されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
Pandey, Nitesh. and Hennelly, Bryan M. Fixed-point numercial-reconstruction for digital holographic microscopy. Optics Letters, 35 (7). pp. 1076-1078 (2010).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、非特許文献1における提案手法では、回折計算においてデータが全て固定小数点で取り扱われるため、量子化誤差が大きくなってしまい、デジタルホログラフィにおいて再生像の画質の劣化が顕著となる。非特許文献1における提案手法において、再生像を完全に知覚できる程度まで画質を向上させるには、回折計算に用いられるインパルス応答または伝達関数のデータ表現を20ビット以上としなければならず、計算の高速化と計算結果の高精度化の両立が困難であった。
【0009】
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、計算を高速化しつつ、高精度な計算結果を得ることができる光伝搬計算装置および光伝搬計算方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本発明の光伝搬計算装置は、
伝搬元の複素振幅分布もしくは実数値分布の量子化データと、インパルス応答または伝達関数の量子化データと、を用いて伝搬先への光の伝搬計算を行う光伝搬計算装置であって、
前記伝搬元の複素振幅分布もしくは実数値分布の量子化データと、前記インパルス応答または伝達関数の量子化データと、の少なくとも一方は、誤差拡散法、組織的ディザ法または他の低量子化手法により量子化されていることを特徴としている。
この特徴によれば、伝搬元の複素振幅分布もしくは実数値分布の量子化データと、インパルス応答または伝達関数の量子化データと、の少なくとも一方が誤差拡散法、組織的ディザ法または他の低量子化手法により量子化されていることにより、光の伝搬計算において取り扱われる入力データが低ビットに量子化されても量子化誤差を小さくすることができるため、計算を高速化しつつ、高精度な計算結果を得ることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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