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公開番号2024123863
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-12
出願番号2023031636
出願日2023-03-02
発明の名称冷蔵菓子用ペースト
出願人株式会社カネカ
代理人弁理士法人有古特許事務所
主分類A23D 7/00 20060101AFI20240905BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】白餡などの澱粉を多く含む原料を多量に使用することなく、良好な質感を呈し、かつ冷蔵保存後にも良好な外観を保てる、冷蔵菓子用ペーストの提供。
【解決手段】冷蔵菓子用ペーストは、水中油型乳化油脂組成物、及び、風味素材を含有し、未加工澱粉の含有量が前記冷蔵菓子用ペースト全体中15重量%未満である。前記水中油型乳化油脂組成物は、当該組成物全体中、油脂5~30重量%、ヒドロキシプロピル化及びリン酸架橋した加工澱粉2~5重量%、増粘剤0.03~0.13重量%、糖類20~40重量%、及び、水30~65重量%を含有する。前記風味素材は、粉末状である。前記冷蔵菓子用ペースト全体中、前記水中油型乳化油脂組成物の含有量が75~99.9重量%、及び、前記風味素材の含有量が25~0.1重量%である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
冷蔵菓子用ペーストであって、
前記冷蔵菓子用ペーストは、水中油型乳化油脂組成物、及び、風味素材を含有し、未加工澱粉の含有量が前記冷蔵菓子用ペースト全体中15重量%未満であり、
前記水中油型乳化油脂組成物は、当該組成物全体中、油脂5~30重量%、ヒドロキシプロピル化及びリン酸架橋した加工澱粉2~5重量%、増粘剤0.03~0.13重量%、糖類20~40重量%、及び、水30~65重量%を含有し、
前記風味素材は、粉末状であり、
前記冷蔵菓子用ペースト全体中、前記水中油型乳化油脂組成物の含有量が75~99.9重量%、及び、前記風味素材の含有量が25~0.1重量%である、冷蔵菓子用ペースト。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
前記ヒドロキシプロピル化及びリン酸架橋した加工澱粉における澱粉は、タピオカ澱粉、及び馬鈴薯澱粉から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の冷蔵菓子用ペースト。
【請求項3】
前記増粘剤が、キサンタンガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、及びスクシノグルカンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の冷蔵菓子用ペースト。
【請求項4】
前記油脂のSFC(固体脂含量)が10℃で50~60%で、且つ30℃で8.5~21.5%である、請求項1又は2に記載の冷蔵菓子用ペースト。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の冷蔵菓子用ペーストを含む菓子又はパン。
【請求項6】
請求項1又は2記載の冷蔵菓子用ペーストに用いられる水中油型乳化油脂組成物であって、
前記水中油型乳化油脂組成物全体中、油脂5~30重量%、ヒドロキシプロピル化及びリン酸架橋した加工澱粉2~5重量%、増粘剤0.03~0.13重量%、糖類20~40重量%、及び、水30~65重量%を含有する、水中油型乳化油脂組成物。
【請求項7】
水中油型乳化油脂組成物全体中、ヒドロキシプロピル化及びリン酸架橋した加工澱粉の含量が2~5重量%、増粘剤の含量が0.03~0.13重量%、糖類の含量が20~40重量%、及び、水の含量が30~65重量%となるように、ヒドロキシプロピル化及びリン酸架橋した加工澱粉、増粘剤、糖類、及び、水を混合し、40~60℃に加熱して水相を得る工程、
油脂の含量が水中油型乳化油脂組成物全体中5~30重量%となるように、油脂を前記水相に添加して混合物を得る工程、
該混合物を乳化処理し、加熱殺菌して水中油型乳化油脂組成物を得る工程、及び、
冷蔵菓子用ペースト全体中、水中油型乳化油脂組成物の含量が75~99.9重量%、粉末状である風味素材の含量が25~0.1重量%となるように、5~35℃にて、前記水中油型乳化油脂組成物と前記風味素材とを混合する工程、
を含む、冷蔵菓子用ペーストの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末状の風味素材を含有する、冷蔵菓子用ペーストに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
果実や野菜等を原料とするペースト状の風味素材を含有した菓子用ペーストは、菓子又はパンのトッピング材料として広く使用されている。菓子用ペーストが使用された菓子の代表例の1つであるモンブランは、コンビニやスーパー、菓子専門店などにおいて、冷蔵温度で通年販売されている。
【0003】
モンブランのトッピングに使用されるマロンペーストは、栗を原料として調製されるが、栗は高価であり多量には使用し難い。そこで、質感が似ている白餡を混ぜて増量することが多い。しかし、白餡には白いんげん豆由来の澱粉が含まれており、白餡を含むマロンペーストを冷蔵温度に置いておくと、澱粉が老化したり、乾燥したりして、ペースト表面にひび割れが発生して外観が悪化する傾向がある。
【0004】
一方で、消費者の食に対するニーズの多様化によって、マロンペースト以外にも、様々な風味素材を含有する菓子用ペーストが求められている。しかし、工業的生産において、多種類の菓子用ペーストそれぞれを、全ての原料を混ぜながら製造しようとすると、手間もかかり、廃棄を増やすことにも繋がるため、そのニーズに十分に応えきれていなかった。
【0005】
特許文献1には、マロンモンブランの代わりに使われる新種モンブランとして、サツマイモモンブラン、紫サツマイモモンブラン、カボチャモンブラン、バナナモンブラン、ずんだモンブランが開示されている。請求項10でサツマイモモンブランの具体的な配合が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2012-44978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された配合では、冷蔵保存後のペースト表面のひび割れを十分に抑制できず、表面に艶がなくなり、外観が悪くなる場合がある。
【0008】
本発明の目的は、白餡などの澱粉を多く含む原料を多量に使用することなく、良好な質感を呈し、かつ冷蔵保存後にも良好な外観を保てる、冷蔵菓子用ペースト、その製造方法、及び、該冷蔵菓子用ペーストの製造に使用される水中油型乳化油脂組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、油脂、特定の加工澱粉、増粘剤、糖類、及び水をそれぞれ特定量含有する水中油型乳化油脂組成物と、粉末状の風味素材を、それぞれ特定量含有する、冷蔵菓子用ペーストは、白餡などの澱粉を多く含む原料を多量に使用することなく、良好な質感を呈し、かつ冷蔵保存後にも良好な外観を保てることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明の第一は、冷蔵菓子用ペーストであって、
前記冷蔵菓子用ペーストは、水中油型乳化油脂組成物、及び、風味素材を含有し、未加工澱粉の含有量が前記冷蔵菓子用ペースト全体中15重量%未満であり、
前記水中油型乳化油脂組成物は、当該組成物全体中、油脂5~30重量%、ヒドロキシプロピル化及びリン酸架橋した加工澱粉2~5重量%、増粘剤0.03~0.13重量%、糖類20~40重量%、及び、水30~65重量%を含有し、
前記風味素材は、粉末状であり、
前記冷蔵菓子用ペースト全体中、前記水中油型乳化油脂組成物の含有量が75~99.9重量%、及び、前記風味素材の含有量が25~0.1重量%である、冷蔵菓子用ペーストに関する。好ましくは、前記ヒドロキシプロピル化及びリン酸架橋した加工澱粉における澱粉は、タピオカ澱粉、及び馬鈴薯澱粉から選ばれる少なくとも1種である。好ましくは、前記増粘剤が、キサンタンガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、及びスクシノグルカンからなる群より選ばれる少なくとも1種である。好ましくは、前記油脂のSFC(固体脂含量)が10℃で50~60%で、且つ30℃で8.5~21.5%である。
本発明の第二は、前記冷蔵菓子用ペーストを含む菓子又はパンに関する。
本発明の第三は、前記冷蔵菓子用ペーストに用いられる水中油型乳化油脂組成物であって、
前記水中油型乳化油脂組成物全体中、油脂5~30重量%、ヒドロキシプロピル化及びリン酸架橋した加工澱粉2~5重量%、増粘剤0.03~0.13重量%、糖類20~40重量%、及び、水30~65重量%を含有する、水中油型乳化油脂組成物に関する。
本発明の第四は、水中油型乳化油脂組成物全体中、ヒドロキシプロピル化及びリン酸架橋した加工澱粉の含量が2~5重量%、増粘剤の含量が0.03~0.13重量%、糖類の含量が20~40重量%、及び、水の含量が30~65重量%となるように、ヒドロキシプロピル化及びリン酸架橋した加工澱粉、増粘剤、糖類、及び、水を混合し、40~60℃に加熱して水相を得る工程、
油脂の含量が水中油型乳化油脂組成物全体中5~30重量%となるように、油脂を前記水相に添加して混合物を得る工程、
該混合物を乳化処理し、加熱殺菌して水中油型乳化油脂組成物を得る工程、及び、
冷蔵菓子用ペースト全体中、水中油型乳化油脂組成物の含量が75~99.9重量%、粉末状である風味素材の含量が25~0.1重量%となるように、5~35℃にて、前記水中油型乳化油脂組成物と前記風味素材とを混合する工程、
を含む、冷蔵菓子用ペーストの製造方法に関する。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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