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公開番号
2024123800
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-12
出願番号
2023031497
出願日
2023-03-02
発明の名称
生分解性ポリエステル系樹脂、およびその製造方法
出願人
株式会社日本触媒
,
国立研究開発法人理化学研究所
代理人
弁理士法人アスフィ国際特許事務所
主分類
C08G
63/16 20060101AFI20240905BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】ガスバリア性と生分解性を示す新たなポリエステル系樹脂、ガスバリア性フィルム、およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、コハク酸由来の構造単位;
炭素数3以下の脂肪族ジオール由来の構造単位;および
カルボキシ基、アミノ基、チオール基、およびヒドロキシ基からなる群より選ばれる少なくとも3以上を含む多官能化合物由来の構造単位;
を有する、生分解性ポリエステル系樹脂である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
コハク酸由来の構造単位(A);
炭素数3以下の脂肪族ジオール由来の構造単位(B);および
カルボキシ基、アミノ基、チオール基、およびヒドロキシ基からなる群より選ばれる少なくとも3以上を含む多官能化合物由来の構造単位(C);
を有する重合体を含む、生分解性ポリエステル系樹脂。
続きを表示(約 590 文字)
【請求項2】
前記炭素数3以下の脂肪族ジオールがエチレングリコールである請求項1に記載の生分解性ポリエステル系樹脂。
【請求項3】
前記多官能化合物がアスパラギン酸である請求項1に記載の生分解性ポリエステル系樹脂。
【請求項4】
前記重合体に含まれる、前記構造単位(A)に対する前記構造単位(C)のモル比(C/A)が1/100~10/100である請求項1に記載の生分解性ポリエステル系樹脂。
【請求項5】
前記コハク酸、炭素数3以下の脂肪族ジオール、および多官能化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種は植物に由来するものである請求項1に記載の生分解性ポリエステル系樹脂。
【請求項6】
請求項1に記載の生分解性ポリエステル系樹脂からなるフィルムであって、
前記フィルムは23℃、相対湿度0%での酸素透過係数が1cm
3
mm/m
2
・Day・atm以下であるガスバリア性フィルム。
【請求項7】
コハク酸;
炭素数3以下の脂肪族ジオール;および
カルボキシ基、アミノ基、チオール基、およびヒドロキシ基からなる群より選ばれる少なくとも3以上を含む多官能化合物;
とを縮重合させることを特徴とする生分解性ポリエステル系樹脂の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、生分解性ポリエステル系樹脂、ガスバリア性フィルム、およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
プラスチックは耐久性が高く、幅広い分野で利用されているが、自然環境中で分解されにくいためプラスチック廃棄物による環境汚染が問題となっていた。プラスチック廃棄物の環境負荷を改善する技術として、微生物などの働きによって最終的に水と二酸化炭素に分解される生分解性プラスチックの開発が行われており、ポリブチレンサクシネート(PBS)や、ポリエチレンサクシネート(PES)などが知られている。
しかしながらポリエチレンサクシネートやポリブチレンサクシネートはガスバリア性が低く、食品や医薬品など高いガスバリア性が要求される用途には不向きであった。
【0003】
近年、ポリエチレンサクシネートやポリブチレンサクシネートなどの生分解性ポリエステルにガスバリア性を付与した紙やフィルムなどを積層させた生分解性ガスバリア包装材料が提案されている(例えば特許文献1、2)。
しかしながら積層体は層間が十分に接着していないと剥離するという問題が生じることがあり、また異なる材料の積層体であるため、バリア性を付与する材料や接着剤と生分解性ポリエステルとで生分解に要する時間に大きな差が生じるなどの問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-121488号公報
特開2012-040688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、優れたガスバリア性を有する新たな生分解性ポリエステル系樹脂、ガスバリア性フィルム、およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決し得た本発明の生分解性ポリエステル系樹脂は以下の構成を有する。
[1]コハク酸由来の構造単位(A);炭素数3以下の脂肪族ジオール由来の構造単位(B);およびカルボキシ基、アミノ基、チオール基、およびヒドロキシ基からなる群より選ばれる少なくとも3以上を含む多官能化合物由来の構造単位(C);を有する重合体を含む、生分解性ポリエステル系樹脂。
[2]前記炭素数3以下の脂肪族ジオールがエチレングリコールである[1]に記載の生分解性ポリエステル系樹脂。
[3]前記多官能化合物がアスパラギン酸である[1]または[2]に記載の生分解性ポリエステル系樹脂。
[4]前記重合体に含まれる、前記構造単位(A)に対する前記構造単位(C)のモル比(C/A)が1/100~10/100である[1]~[3]のいずれかに記載の生分解性ポリエステル系樹脂。
[5]前記コハク酸、炭素数3以下の脂肪族ジオール、および多官能化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種は植物に由来するものである[1]~[4]のいずれかに記載の生分解性ポリエステル系樹脂。
[6][1]~[4]のいずれかに記載の生分解性ポリエステル系樹脂からなるフィルムであって、前記フィルムは23℃、相対湿度0%での酸素透過係数が1cm
3
mm/m
2
・Day・atm以下であるガスバリア性フィルム。
[7]コハク酸;炭素数3以下の脂肪族ジオール;およびカルボキシ基、アミノ基、チオール基、およびヒドロキシ基からなる群より選ばれる少なくとも3以上を含む多官能化合物;とを縮重合させることを特徴とする生分解性ポリエステル系樹脂の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば優れたガスバリア性を有する生分解性ポリエステル系樹脂、ガスバリア性フィルム、およびその製造方法を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の生分解性ポリエステル系樹脂(以下、生分解性ポリエステル系樹脂ということがある)は、特定の重合体(重縮合体)(以下、生分解性重合体という場合がある)を含み、該生分解性重合体は、ジカルボン酸単位としてコハク酸由来の構造単位(以下、コハク酸単位(A)ということがある);ジオール単位として炭素数3以下の脂肪族ジオール由来の構造単位(以下、炭素数3以下の脂肪族ジオール単位(B)ということがある);およびカルボキシ基、アミノ基、チオール基、および水酸基からなる群より選ばれる少なくとも3以上を含む多官能化合物由来の構造単位(以下、多官能化合物単位(C)ということがある)とから構成され、必要に応じて上記以外のジカルボン酸単位やジオール単位などのその他成分を含有していてもよい。
上記生分解性重合体は、優れた生分解性を有すると共に、上記特定の多官能化合物に由来する水素結合、および架橋構造に起因して優れたガスバリア性を有する。
【0009】
[生分解性ポリエステル系樹脂]
以下、本発明の生分解性ポリエステル系樹脂を構成する主要な成分である、上記生分解性重合体の構成について説明する。上記生分解性重合体は、ジカルボン酸単位、ジオール単位からなるポリエステル骨格に多官能化合物単位(C)が組み込まれたものである。
【0010】
<ジカルボン酸単位>
コハク酸単位(A)
コハク酸単位(A)は、炭素数3以下の脂肪族ジオール単位(B)とポリアルキレンサクシネート骨格を形成し、生分解性を発揮する。
十分な耐久性を有しつつ優れた生分解性を発揮させる観点からは、生分解性重合体に含まれるジカルボン酸単位のうち、コハク酸単位(A)のモル比(コハク酸単位(A)/ジカルボン酸単位;該重合体のジカルボン酸単位総量100モルに対するコハク酸単位(A:モル)の含有比である。)は、好ましくは90/100以上、より好ましくは95/100以上、さらに好ましくは98/100以上、よりさらに好ましくは100/100である。
(【0011】以降は省略されています)
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