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公開番号2024122400
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-09
出願番号2023029922
出願日2023-02-28
発明の名称冷媒回収システムおよび冷媒回収方法
出願人三菱電機ビルソリューションズ株式会社,三菱電機株式会社
代理人弁理士法人深見特許事務所
主分類F25B 45/00 20060101AFI20240902BHJP(冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒートポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化)
要約【課題】回収ボンベ、冷媒回収装置および冷凍空調機器の接続を維持したまま、回収ボンベ内の非凝縮性ガスを低減することができる冷媒回収システムおよび冷媒回収方法を提供する。
【解決手段】第1のガス分離モジュール68Aは、圧縮凝縮冷媒を回収した回収ボンベ16の内部に含まれる空調用冷媒のガス成分と非凝縮性ガスとからなる第1の混合ガスを空調用冷媒の第1のガス成分と、空調用冷媒の第2のガス成分および非凝縮性ガスとからなる第2の混合ガスとに分離する分離膜92Aを含む。第2のガス分離モジュール68Bは、第1のガス分離モジュール68Aによって分離された第2の混合ガスのうち、空調用冷媒の第2のガス成分を吸着する吸着剤を含む吸着部315を含む。再送配管58Aは、第1のガス分離モジュール装置68Aが分離した空調用冷媒の第1のガス成分を冷媒回路30と冷媒回収装置14との間に再送させる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
冷凍空調機器の冷媒回路から空調用冷媒を回収する冷媒回収システムであって、
前記空調用冷媒を圧縮凝縮することによって、圧縮凝縮冷媒を生成する冷媒回収装置と、
前記冷媒回収装置が生成した前記圧縮凝縮冷媒を回収する回収ボンベと、
前記圧縮凝縮冷媒を回収した前記回収ボンベの内部に含まれる前記空調用冷媒のガス成分と非凝縮性ガスとからなる第1の混合ガスを前記空調用冷媒の第1のガス成分と、前記空調用冷媒の第2のガス成分および前記非凝縮性ガスとからなる第2の混合ガスとに分離する分離膜を含む第1のガス分離モジュールと、
前記第1のガス分離モジュールによって分離された前記第2の混合ガスのうち、前記空調用冷媒の前記第2のガス成分を吸着する吸着剤を含む吸着部を含む第2のガス分離モジュールと、
前記第1のガス分離モジュールが分離した前記空調用冷媒の前記第1のガス成分を前記冷媒回路と前記冷媒回収装置との間に再送させる再送配管と、を備えた、冷媒回収システム。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記第2のガス分離モジュールは、前記第2の混合ガスのうち前記吸着部に吸着されなかった前記非凝縮性ガスを大気に放出する放出口を含む、請求項1記載の冷媒回収システム。
【請求項3】
前記吸着部は、
前記吸着剤が装填された第1の吸着ユニットと、
前記第1の吸着ユニットと並列して配置され、前記吸着剤が装填された第2の吸着ユニットと、
前記第2の混合ガスの流出先を前記第1の吸着ユニット、または前記第2の吸着ユニットに切替る切替弁と、を有する、請求項1記載の冷媒回収システム。
【請求項4】
前記第1の吸着ユニットに充填される前記吸着剤の量は、前記第2の吸着ユニットに充填される前記吸着剤の量よりも少なく、
前記回収ボンベ内の圧力が第1の閾値圧力以下のときに、前記切替弁における前記第2の混合ガスの流出先を前記第1の吸着ユニットに切替させ、前記回収ボンベ内の圧力が前記第1の閾値圧力を超えるときに、前記切替弁における前記第2の混合ガスの流出先を前記第2の吸着ユニットに切替させる吸着制御部を、さらに備える請求項3記載の冷媒回収システム。
【請求項5】
前記第1の吸着ユニットは、第1の配管および第2の配管と接続し、
装填されている前記吸着剤の第1の端面と、前記第1の配管の端面との間に配置される第1のフィルタと、
装填されている前記吸着剤の第2の端面と、前記第2の配管の端面との間に配置される第2のフィルタと、を含み、
前記第2の吸着ユニットは、第3の配管および第4の配管と接続し、
装填されている前記吸着剤の第1の端面と、前記第3の配管の端面との間に配置される第3のフィルタと、
装填されている前記吸着剤の第2の端面と、前記第4の配管の端面との間に配置される第4のフィルタと、を含む、請求項3記載の冷媒回収システム。
【請求項6】
前記第1のフィルタは、前記第1の配管の前記端面を覆い、
前記第2のフィルタは、前記第2の配管の前記端面を覆い、
前記第3のフィルタは、前記第3の配管の前記端面を覆い、
前記第4のフィルタは、前記第4の配管の前記端面を覆う、請求項5記載の冷媒回収システム。
【請求項7】
前記吸着部は、さらに、
前記第1の吸着ユニットおよび前記第2の吸着ユニットの後段に配置され、前記吸着剤が装填された第3の吸着ユニットを含む、請求項3記載の冷媒回収システム。
【請求項8】
前記吸着部は、さらに、
前記第1の吸着ユニットおよび前記第2の吸着ユニットの後段に配置され、前記空調用冷媒を検知する冷媒検知センサと、
前記冷媒検知センサが前記空調用冷媒を検知したときに、前記切替弁における前記第2の混合ガスの流出先を切替させる吸着制御部と、を含む、請求項3記載の冷媒回収システム。
【請求項9】
前記第3の吸着ユニットは、第5の配管および第6の配管と接続し、
装填されている前記吸着剤の第1の端面と、前記第5の配管の端面との間に配置される第5のフィルタと、
装填されている前記吸着剤の第2の端面と、前記第6の配管の端面との間に配置される第6のフィルタと、を含む、請求項7記載の冷媒回収システム。
【請求項10】
前記第5のフィルタは、前記第5の配管の前記端面を覆い、
前記第6のフィルタは、前記第6の配管の前記端面を覆う、請求項9記載の冷媒回収システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、冷媒回収システムおよび冷媒回収方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
冷凍機およびエアコンなどの冷凍空調機器(冷媒使用機器)は、熱エネルギーを運搬する冷媒の循環経路上に、当該冷媒が気化したガス冷媒を圧縮して高温高圧化する空調用圧縮機と、空調用圧縮機で高温高圧化したガス冷媒を外気等で冷却して液化する空調用凝縮器と、空調用凝縮器で液化した冷媒(液冷媒)を膨張させて気体化する膨張弁と、膨張弁で気化した冷媒(ガス冷媒)を液体化する冷媒回収用凝縮器と、冷媒回収用凝縮器で液化した冷媒(液冷媒)を貯蔵するアキュムレータとを備える。冷媒は熱エネルギーを運搬する役割を担っており、空調用凝縮器において外部に熱を放出する一方、膨張弁を通過後に外気等から熱を受け取る。
【0003】
冷凍空調機器に使用される各種冷媒は、地球温暖化係数およびオゾン層破壊係数が大きいため、大気中への排出が規制されている。したがって、特に、冷媒を交換する際又は冷凍空調機器を廃棄する際には、大気への冷媒の漏洩を極力抑制し、冷凍空調機器に充填されている冷媒を回収することが義務付けられている。同時に、環境負荷の小さな冷媒への転換も推進されており、近年では、代替フロンとしてHFC(Hydrofluorocarbons)等の使用が主流となっている。HFCとしては、例えば、単体冷媒としてはR134AまたはR32、混合冷媒としてはR410AまたはR407Cがある。
【0004】
冷媒の回収には、冷媒回収装置が使用される。冷媒回収装置においては、冷凍空調機器のアキュムレータにある冷媒を気化した後、ガス冷媒を冷媒回収装置内の圧縮機によって吸引し、断熱圧縮する。断熱圧縮されたガス冷媒を冷媒回収装置内の凝縮器によって液化し、液冷媒として回収ボンベに回収する。回収した冷媒の量は、重量計により測定される。
【0005】
特許文献1には、冷媒使用機器内の冷媒を冷媒回収装置により回収容器(回収ボンベ)に回収する際に、回収系統に空気等の非凝縮性ガスが混入すると、非凝縮性ガスも回収容器に回収されてしまうことが指摘されている(同文献の段落[0056]を参照)。非凝縮性ガスは、回収容器内で凝縮せず、圧縮ガスとして存在するため、回収容器内の液冷媒の量が増えて気相の体積が少なくなるにつれて、回収容器内の圧力および温度が上昇する。そのため、同文献では、回収容器内の温度が所定値に達した段階で、回収容器と、冷媒回収装置および冷媒使用機器との連結を解除し、回収容器にガス分離装置を接続して、ガス分離装置により回収容器内の非凝縮性ガスを除去する技術を開示している。具体的には、回収容器内のガス冷媒と非凝縮性ガスの混合ガスを、ガス分離装置に送って分離し、非凝縮性ガスを大気中に排出すると共に、ガス冷媒を回収容器内に戻している。そして、回収容器内の非凝縮性ガスを除去した後、再度、回収容器に、冷媒回収装置および冷媒使用機器を接続し、回収容器への冷媒の回収作業を再開している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2010-159952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記したように、冷凍空調機器の冷媒回路からの冷媒回収では、冷媒回収装置が、冷媒を気化した後、断熱圧縮し、その後、液化して冷媒を回収する。そうした中、窒素(N2)、酸素(O2)などの空気を主成分とする非凝縮性ガスが冷媒に混入した場合、非凝縮性ガスは、冷媒回収装置で凝縮されず、ガスのままで回収ボンベに充填されることになる。その結果、回収ボンベの内圧が上昇し、液体冷媒が充填され難くなり、回収ボンベへの冷媒回収速度が低下することになる。よって、冷媒を全回収するまでに多くの時間を費やすことになる。
【0008】
この問題に対して、特許文献1では、ガス分離装置により回収容器内の非凝縮性ガスを除去しているが、冷媒回収の途中で、回収容器(回収ボンベ)と、冷媒回収装置および冷媒使用機器との連結を解除して、回収容器をガス分離装置に接続する必要がある。また、非凝縮性ガスの除去処理が完了した際には、再度、回収容器と、冷媒回収装置および冷媒使用機器とを接続する必要がある。よって、多くの手間がかかる。また、ガス分離装置から冷媒を、ガス冷媒(気相)の状態で回収容器に戻している(注入している)ので、冷媒を液化して注入する場合に比べて、回収容器の冷媒充填量が低下してしまう問題もある。
【0009】
回収ボンベ、冷媒回収装置および冷凍空調機器の接続を維持したまま、回収ボンベ内の非凝縮性ガスを低減できる改良された技術が必要である。
【0010】
それゆえに、本開示の目的は、冷凍空調機器から冷媒を回収する際に、回収ボンベ、冷媒回収装置および冷凍空調機器の接続を維持したまま、回収ボンベ内の非凝縮性ガスを低減することができる冷媒回収システムおよび冷媒回収方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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