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公開番号
2024121329
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-06
出願番号
2023028370
出願日
2023-02-27
発明の名称
カテーテルおよびカテーテルシステム
出願人
株式会社カネカ
代理人
弁理士法人アスフィ国際特許事務所
主分類
A61M
25/09 20060101AFI20240830BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】生体膜を突き通しやすく、体腔内におけるカテーテルの遠位端部の位置を確認することができるカテーテルおよびカテーテルシステムであって、術者が行う工程を従来よりも減らすことができるものを提供する。
【解決手段】樹脂チューブ10と、先端チップ21とコイル22とコアワイヤ23とを有しているガイドワイヤ部材20と、を備え、自然状態において、ガイドワイヤ部材20は樹脂チューブ10の内腔13に配置されている第1区間201と樹脂チューブ10の第1端11から突出しており生体膜と接触可能に構成されている第2区間202を有しており、第1区間201に位置しているコイル22のピッチP1の平均よりも第2区間202に位置しているコイル22のピッチP2の平均の方が大きいカテーテル1と、カテーテル1を備えたカテーテルシステム。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
第1端と、前記第1端よりも近位側に位置している第2端と、前記第1端から前記第2端まで延在している内腔と、を有している樹脂チューブと、
先端チップと、第1端と前記第1端よりも近位側に位置している第2端を有している線材が巻回しているコイルであって前記線材の第1端が前記先端チップに接続されているコイルと、前記先端チップに接続されており前記コイルの内腔に配置されているコアワイヤと、を有しているガイドワイヤ部材と、を備え、
自然状態において、前記ガイドワイヤ部材は、前記樹脂チューブの内腔に配置されている第1区間と、前記樹脂チューブの第1端から突出している第2区間と、を有しており、前記第1区間に位置している前記コイルのピッチの平均よりも前記第2区間に位置している前記コイルのピッチの平均の方が大きく、
前記ガイドワイヤ部材の前記第2区間は生体膜と接触可能に構成されているカテーテル。
続きを表示(約 840 文字)
【請求項2】
自然状態において、前記先端チップは前記線材の遠位端よりも遠位側に位置している請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
自然状態において、前記カテーテルの延在方向における前記先端チップの位置は、前記カテーテルの延在方向における前記線材の遠位端の位置と同じ位置である請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
自然状態において、前記先端チップは前記線材の遠位端よりも近位側に位置している請求項1に記載のカテーテル。
【請求項5】
自然状態において、前記コアワイヤは、近位側から遠位側に向かって直線状に延在している直線状部と、前記直線状部よりも遠位側に位置しており遠位側に向かって突出するように湾曲している湾曲部と、を有している請求項4に記載のカテーテル。
【請求項6】
自然状態において、前記コアワイヤの直線状部は前記第1区間に位置している前記コイルの内腔に配置されており、前記コアワイヤの湾曲部は前記第2区間に位置している前記コイルの内腔に配置されている請求項5に記載のカテーテル。
【請求項7】
自然状態において、前記第1区間に位置している前記コイルのピッチは、前記線材の線径と同じ長さである請求項1~6のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記樹脂チューブの近位部にハンドルが接続されている請求項1~6のいずれか一項に記載のカテーテルと、
前記先端チップに接続されている高周波発生装置と、
前記コイルの内腔へ液体を供給する液体供給装置と、
を有しているカテーテルシステムであって、
前記ハンドルは、前記コイルの内腔における前記コアワイヤの位置と、高周波発生装置による前記先端チップへの高周波電界の印加と、前記液体供給装置による前記コイルの内腔への液体の供給と、を操作可能に構成されているカテーテルシステム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体膜を穿刺するカテーテルおよびカテーテルシステムに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
心房細動(AF)や房室性リエントリー頻拍(AVRT)等の不整脈の検査や治療において、電極を備えているカテーテルが用いられる。検査時において、電極を備えているカテーテルは心腔内に挿入され、その電極によって心内電位を測定する。これにより、不整脈の原因となっている心臓の異常部位を特定する。治療時において、カテーテルに備えられている電極は、不整脈の原因となっている心臓の異常部位に対して高周波電流を含むエネルギーを印加する。これにより、不整脈の発生源は壊死し、心臓から電気的に分離される。この技術は一般的にアブレーション手術と呼ばれる。検査時や治療時において、心房細動が自然に生じることや心臓の異常部位を特定するために心房細動を惹起することがあるが。このような場合には、電極から電気的な刺激を心臓に与えることで除細動が行われる。
【0003】
アブレーション手術において、術者は、カテーテルを患者の右心房から左心房に移動させる必要がある。この時に、ブロッケンブロー法が用いられている。ブロッケンブロー法は、中隔穿刺針(ブロッケンブロー針ともいわれる)を右心房から心房の中隔部分の卵円窩に穿刺することでカテーテルが左心房に挿入するための経路を形成する方法である。
【0004】
より詳細には、超音波やX線照射によって中隔穿刺針や卵円窩の位置を確認しながら中隔穿刺針の先端を卵円窩に押し付け、当該中隔穿刺針に電流を流すことで卵円窩を焼灼し、卵円窩に中隔穿刺針を貫通させる。卵円窩に中隔穿刺針を貫通させた状態で、中隔穿刺針の先端から生理食塩水や造影剤等の液体を流し、超音波やX線照射を用いて左心房に該液体が流れ込むことを確認することで、卵円窩に右心房と左心房を連通する孔が形成されたか否かを調べることができる。
【0005】
例えば、特許文献1には、遠位端と近位端とを有し、長手方向に延在する樹脂チューブと、前記樹脂チューブの内腔に配置されている金属チューブと、前記金属チューブの遠位端部に接合されている金属芯材と、前記金属芯材の遠位端部に接合されている金属チップと、を有しており、前記樹脂チューブの内表面と前記金属芯材の外表面との間に、液体の流路を有し、前記流路は、前記金属チューブの内腔と連通しており、前記樹脂チューブは、前記流路と前記樹脂チューブの外部とを連通させる開口部を側面に有している穿刺デバイスについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2022/102319号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載されている穿刺デバイスが使用される際は、まずガイドワイヤが挿入され、次にガイドワイヤに沿ってシースが挿入され、ガイドワイヤが抜去された後に穿刺デバイスがシースの内腔に挿入されて、穿刺デバイスが処置対象の部分である処置部まで搬送される。このように、従来の穿刺デバイスは、術者が行わなければならない工程が多かったため、術者が行わなければならない工程が少ないものの開発が望まれていた。
【0008】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、生体膜を突き通しやすく、また、液体が吐出される様子を超音波やX線照射を用いて観察することにより、体腔内におけるカテーテルの遠位端部の位置を確認することができるカテーテルおよびカテーテルシステムであって、術者が行う工程を従来よりも減らすことができるものを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施態様に係るカテーテルは、以下の通りである。
[1] 第1端と、前記第1端よりも近位側に位置している第2端と、前記第1端から前記第2端まで延在している内腔と、を有している樹脂チューブと、
先端チップと、第1端と前記第1端よりも近位側に位置している第2端を有している線材が巻回しているコイルであって前記線材の第1端が前記先端チップに接続されているコイルと、前記先端チップに接続されており前記コイルの内腔に配置されているコアワイヤと、を有しているガイドワイヤ部材と、を備え、
自然状態において、前記ガイドワイヤ部材は、前記樹脂チューブの内腔に配置されている第1区間と、前記樹脂チューブの第1端から突出している第2区間と、を有しており、前記第1区間に位置している前記コイルのピッチの平均よりも前記第2区間に位置している前記コイルのピッチの平均の方が大きく、
前記ガイドワイヤ部材の前記第2区間は生体膜と接触可能に構成されているカテーテル。
【0010】
ガイドワイヤ部材は、コアワイヤを遠位側から近位側に向かって動かしたり、近位側から遠位側に向かって動かしたりすることでガイドワイヤ部材の進行方向を調節しやすくすることができる。即ち、ガイドワイヤ部材は、所謂ガイドワイヤとしての機能を奏することができる。また、コイルに対してコアワイヤを遠位側から近位側に向かって移動させることで、第2区間に位置しているコイルのピッチが狭くなる。これにより、ガイドワイヤ部材の遠位端部の剛性を高くすることができるので、遠位端に位置している先端チップによって生体膜を突き通しやすくすることができる。即ち、ガイドワイヤ部材は、コイルのピッチを調整することによって所謂穿刺針としての機能を奏することができる。ガイドワイヤ部材は、生体膜を突き通した後にコイルに対するコアワイヤの位置を元の位置に戻すことで、自然状態に戻ることができる。即ち、狭くなっていた第2区間に位置しているコイルのピッチは元のピッチに戻る。このため、近位側から遠位側に向かってコイルの内腔を通過してきた液体を、第2区間に位置しているコイルを構成する線材同士の間から吐出させることができる。液体が吐出される様子を超音波やX線照射を用いて観察することにより、体腔内におけるカテーテルの遠位端部の位置を確認することができる。このため、従来行われていた、ガイドワイヤを抜去した後に穿刺針を挿入する、といった工程が不要になる。よって、術者が行う工程を従来よりも減らすことができる。
(【0011】以降は省略されています)
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