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公開番号2024121226
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-06
出願番号2023028199
出願日2023-02-27
発明の名称制動制御装置
出願人株式会社アドヴィックス
代理人個人,個人
主分類B60T 8/1755 20060101AFI20240830BHJP(車両一般)
要約【課題】前輪を二つ備える三輪の車両に適用する制動制御装置を提供する。
【解決手段】制動制御装置10は、車両90の制動装置70を制御する。車両90は、傾斜させることができる車体フレーム、左前輪FL、右前輪FR、および後輪RCを備えている。制動制御装置10は、車体フレームが傾斜している状態から起き上がる方向の変化を正の値としたロールレートを取得する取得部11を備えている。制動制御装置10は、車輪が減速スリップしている場合に当該車輪に付与する制動力の減少を開始させるABS制御部12を備えている。車両90の旋回中に左前輪FLおよび右前輪FRの両方に制動力を付与している際において、ABS制御部12は、正の値であるしきい値よりもロールレートが大きい場合には、左前輪FLおよび右前輪FRに関して旋回時の外輪と比較して旋回時の内輪の方がより小さいスリップ量で制動力の減少を開始させる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
旋回の際に車輪とともに傾斜させることができる車体フレームと、
前記車輪として前記車体フレームを挟んで左右に並ぶように配置されている左前輪および右前輪と、
前記車輪として前記左前輪および前記右前輪よりも後方に配置されている一つの後輪と、
前記車体フレームの傾斜を前記左前輪および前記右前輪に連動させるリンク機構と、
前記左前輪および前記右前輪を車両の操舵輪として転舵させることができる操舵機構と、
各車輪に付与する制動力を車輪毎に調整できる制動装置と、を備える車両に適用され、
前記制動装置を制御する制動制御装置であって、
前記車両のロールレートとして、前記車体フレームが傾斜している状態から起き上がる方向の変化を正の値とする一方で、前記車体フレームが傾斜している状態からさらに倒れる方向の変化および前記車体フレームが直立している状態から倒れる方向の変化を負の値とするロールレートを取得する取得部と、
前記車輪が減速スリップしている場合に当該車輪のスリップ量の増大に基づいて当該車輪に付与する制動力の減少を開始させる制御部と、を備え、
前記車両が旋回中である場合における前記左前輪および前記右前輪のうち、当該車両の旋回中心からの距離が近い方の車輪を内輪として、前記旋回中心からの距離が遠い方の車輪を外輪とすると、
前記車両の旋回中に前記左前輪および前記右前輪の両方に制動力を付与している際において、前記制御部は、
正の値であるしきい値よりも前記ロールレートが大きい場合には、
前記内輪および前記外輪に関して、前記外輪と比較して前記内輪の方がより小さいスリップ量で制動力の減少を開始させる
制動制御装置。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記車両の旋回中に前記左前輪および前記右前輪の両方に制動力を付与している際において、前記制御部は、
前記ロールレートが前記しきい値よりも大きい場合には、
前記内輪に関して、前記ロールレートが前記しきい値以下である場合と比較してより小さいスリップ量で制動力の減少を開始させる
請求項1に記載の制動制御装置。
【請求項3】
前記車両の旋回中に前記左前輪および前記右前輪の両方に制動力を付与している際において、前記制御部は、
負の値である第1しきい値よりも前記ロールレートが小さい場合には、
前記内輪に関して、正の値である前記しきい値を第2しきい値として前記ロールレートが前記第1しきい値以上であり且つ前記第2しきい値以下である場合と比較して、より小さいスリップ量で制動力の減少を開始させ、且つ、前記外輪に関して、前記ロールレートが前記第1しきい値以上であり且つ前記第2しきい値以下である場合と比較して、より小さいスリップ量で制動力の減少を開始させる一方で、
前記ロールレートが前記第2しきい値よりも大きい場合には、
前記内輪に関して、前記ロールレートが前記第1しきい値以上であり且つ前記第2しきい値以下である場合と比較して、より小さいスリップ量で制動力の減少を開始させる
請求項1または2に記載の制動制御装置。
【請求項4】
旋回の際に車輪とともに傾斜させることができる車体フレームと、
前記車輪として前記車体フレームを挟んで左右に並ぶように配置されている左前輪および右前輪と、
前記車輪として前記左前輪および前記右前輪よりも後方に配置されている一つの後輪と、
前記車体フレームの傾斜を前記左前輪および前記右前輪に連動させるリンク機構と、
前記左前輪および前記右前輪を車両の操舵輪として転舵させることができる操舵機構と、
各車輪に付与する制動力を車輪毎に調整できる制動装置と、を備える車両に適用され、
前記制動装置を制御する制動制御装置であって、
前記車両のロールレートとして、前記車体フレームが傾斜している状態から起き上がる方向の変化を正の値とする一方で、前記車体フレームが傾斜している状態からさらに倒れる方向の変化および前記車体フレームが直立している状態から倒れる方向の変化を負の値とするロールレートを取得する取得部と、
前記車輪が減速スリップしている場合に当該車輪のスリップ量の増大に基づいて当該車輪に付与する制動力の減少を開始させる制御部と、を備え、
前記車両が旋回中である場合における前記左前輪および前記右前輪のうち、当該車両の旋回中心からの距離が近い方の車輪を内輪として、前記旋回中心からの距離が遠い方の車輪を外輪とすると、
前記制御部は、
前記車両の旋回中に前記左前輪および前記右前輪の両方に制動力を付与している際において、負の値であるしきい値よりも前記ロールレートが小さい場合には、
前記内輪に関して、前記ロールレートが前記しきい値以上である場合と比較してより小さいスリップ量で制動力の減少を開始させ、且つ、前記外輪に関して、前記ロールレートが前記しきい値以上である場合と比較してより小さいスリップ量で制動力の減少を開始させる
制動制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の制動制御装置に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、傾斜可能な車体フレームと、二つの前輪と、一つの後輪とを備える三輪の車両が開示されている。
特許文献1には、上記三輪の車両に関して、車体フレームを傾斜させて当該車両が旋回している際に前輪の両方に制動力を発生させている場合の車両の挙動について、次のように記載されている。特許文献1には、内輪となる前輪の制動力が外輪となる前輪の制動力より大きくなると、鉛直方向に対する車体フレームの傾斜角度を小さくする方向の力が車体フレームに作用すると記載されている。特許文献1には、内輪となる前輪の制動力が外輪となる前輪の制動力より小さくなると、鉛直方向に対する車体フレームの傾斜角度を大きくする方向の力が車体フレームに作用すると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2015/064656号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているような三輪の車両に関して、車両の旋回中に減速スリップが発生している際に、制動力の調整を行うことで車両の挙動を制御することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための制動制御装置は、旋回の際に車輪とともに傾斜させることができる車体フレームと、前記車輪として前記車体フレームを挟んで左右に並ぶように配置されている左前輪および右前輪と、前記車輪として前記左前輪および前記右前輪よりも後方に配置されている一つの後輪と、前記車体フレームの傾斜を前記左前輪および前記右前輪に連動させるリンク機構と、前記左前輪および前記右前輪を車両の操舵輪として転舵させることができる操舵機構と、各車輪に付与する制動力を車輪毎に調整できる制動装置と、を備える車両に適用され、前記制動装置を制御する制動制御装置であって、前記車両のロールレートとして、前記車体フレームが傾斜している状態から起き上がる方向の変化を正の値とする一方で、前記車体フレームが傾斜している状態からさらに倒れる方向の変化および前記車体フレームが直立している状態から倒れる方向の変化を負の値とするロールレートを取得する取得部と、前記車輪が減速スリップしている場合に当該車輪のスリップ量の増大に基づいて当該車輪に付与する制動力の減少を開始させる制御部と、を備え、前記車両が旋回中である場合における前記左前輪および前記右前輪のうち、当該車両の旋回中心からの距離が近い方の車輪を内輪として、前記旋回中心からの距離が遠い方の車輪を外輪とすると、前記車両の旋回中に前記左前輪および前記右前輪の両方に制動力を付与している際において、前記制御部は、正の値であるしきい値よりも前記ロールレートが大きい場合には、前記内輪および前記外輪に関して、前記外輪と比較して前記内輪の方がより小さいスリップ量で制動力の減少を開始させることをその要旨とする。
【0006】
上記構成において、より小さいスリップ量で制御部が制動力の減少を開始させる、ということは、減速スリップが発生した場合に制御部によって制動力を減少させる制御が開始されやすくなることを意味する。
【0007】
上記構成によれば、旋回中の車両においてロールレートが大きい場合、すなわち車体フレームが起き上がってくる場合には、内輪に関して外輪と比較して制動力の減少が開始されやすい一方で外輪に関しては内輪と比較して制動力の減少が開始されにくいように制動装置が制御される。このため、旋回中に車体フレームが起き上がってくる場合では、内輪の制動力と外輪の制動力との差を発生させやすい。さらにいえば、内輪の制動力よりも外輪の制動力が大きくなりやすい。当該車両においては、旋回中に内輪の制動力よりも外輪の制動力が大きくなると、車体フレームが倒れる方向の力を車両に作用させることができる。上記構成では、内輪の制動力よりも外輪の制動力が大きくなりやすくすることで、車両の特性によって車両に作用する力を用いて、旋回中に車両が起き上がる挙動を抑えることができる。これによって、旋回しながら制動中である車両の安定性を向上させることができる。
【0008】
上記課題を解決するための制動制御装置は、旋回の際に車輪とともに傾斜させることができる車体フレームと、前記車輪として前記車体フレームを挟んで左右に並ぶように配置されている左前輪および右前輪と、前記車輪として前記左前輪および前記右前輪よりも後方に配置されている一つの後輪と、前記車体フレームの傾斜を前記左前輪および前記右前輪に連動させるリンク機構と、前記左前輪および前記右前輪を車両の操舵輪として転舵させることができる操舵機構と、各車輪に付与する制動力を車輪毎に調整できる制動装置と、を備える車両に適用され、前記制動装置を制御する制動制御装置であって、前記車両のロールレートとして、前記車体フレームが傾斜している状態から起き上がる方向の変化を正の値とする一方で、前記車体フレームが傾斜している状態からさらに倒れる方向の変化および前記車体フレームが直立している状態から倒れる方向の変化を負の値とするロールレートを取得する取得部と、前記車輪が減速スリップしている場合に当該車輪のスリップ量の増大に基づいて当該車輪に付与する制動力の減少を開始させる制御部と、を備え、前記車両が旋回中である場合における前記左前輪および前記右前輪のうち、当該車両の旋回中心からの距離が近い方の車輪を内輪として、前記旋回中心からの距離が遠い方の車輪を外輪とすると、前記制御部は、前記車両の旋回中に前記左前輪および前記右前輪の両方に制動力を付与している際において、負の値であるしきい値よりも前記ロールレートが小さい場合には、前記内輪に関して、前記ロールレートが前記しきい値以上である場合と比較してより小さいスリップ量で制動力の減少を開始させ、且つ、前記外輪に関して、前記ロールレートが前記しきい値以上である場合と比較してより小さいスリップ量で制動力の減少を開始させることをその要旨とする。
【0009】
上記構成によれば、旋回中の車両においてロールレートが小さい場合、すなわち車体フレームが傾斜していく場合には、そうではない場合に比して、内輪および外輪の両方に関して制動力の減少が開始されやすい。さらに上記構成では、左前輪および右前輪のいずれの前輪に減速スリップが発生しても、減速スリップが発生した方の前輪について、制動力を減少させることができる。このため、旋回中に車体フレームが傾斜していく場合であり、且つ、前輪に減速スリップが発生した際には、制動力の減少によって前後力を小さく抑えることで旋回中の車両における前輪の横力を確保しやすくなる。前輪の横力を確保することによって、車両の横滑りを抑制することができる。すなわち、旋回中に傾斜していく車両の挙動を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、車両と、同車両に適用する制動制御装置と、を示す模式図である。
図2は、図1の車両を模式的に示す正面図である。
図3は、図1の車両を傾斜させた状態を示す模式図である。
図4は、図1の車両が旋回している状態を示す模式図である。
図5は、図1の制動制御装置が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
図6は、図1の制動制御装置が実行する処理に関して、車両のバンク角と補正ゲインとの関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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