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公開番号2024120936
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-05
出願番号2024101508,2020143697
出願日2024-06-24,2020-08-27
発明の名称易接着性ポリアミドフィルムの製造方法
出願人東洋紡株式会社
代理人
主分類B32B 27/34 20060101AFI20240829BHJP(積層体)
要約【課題】耐衝撃性、耐屈曲ピンホール性、耐摩擦ピンホール性に優れ、生産時にダイスリップ出口に付着する劣化物が少なく、厚み斑も少なく、シーラントフィルムとの耐水接着強度にも優れた易接着性ポリアミドフィルムの製造方法を提供すること。
【解決手段】ポリアミド6を70質量%以上含むポリアミド樹脂からなり、前記ポリアミド6のうち4~90質量%がケミカルリサイクルしたポリアミド6であり、メカニカルリサイクルしたポリアミド6を5~60質量%含む二軸延伸ポリアミドフィルムの少なくとも片面に固形分として塗布量が0.01~3g/m2 のポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、及び/又はポリアクリル樹脂のいずれかの樹脂からなる接着改質層を有し、前記接着改質層を有する二軸延伸ポリアミドフィルムの厚みが5~100μmであることを特徴とする易接着性ポリアミドフィルムの製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ポリアミド6を70質量%以上含むポリアミド樹脂からなり、前記ポリアミド6のうち4~90質量%がケミカルリサイクルしたポリアミド6であり、メカニカルリサイクルしたポリアミド6を5~60質量%含む二軸延伸ポリアミドフィルムの少なくとも片面に固形分として塗布量が0.01~3g/m

のポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、及び/又はポリアクリル樹脂のいずれかの樹脂からなる接着改質層を有
し、前記接着改質層を有する二軸延伸ポリアミドフィルムの厚みが5~100μmであ
ることを特徴とする易接着性ポリアミドフィルムの製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
基材層(A層)の少なくとも片面に表面層(B層)が積層された二軸延伸ポリアミドフィルムの少なくとも片面に接着改質層(C層)が積層された易接着性ポリアミドフィルムの製造方法であって、
前記易接着性ポリアミドフィルムの厚みが5~100μmであり、
基材層(A層)はポリアミド6を100質量%含むポリアミド樹脂からなり、前記ポリアミド6のうち5~90質量%がケミカルリサイクルしたポリアミド6であり、メカニカルリサイクルしたポリアミド6を5~80質量%
含む
二軸延伸ポリアミドフィルムであり、接着改質層(C層)は固形分として塗布量が0.01~3g/m

のポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、及び/又はポリアクリル樹脂のいずれかの樹脂からなる接着改質層であり、B層がポリアミド6を70質量%以上含み、メカニカルリサイクルしたポリアミド6を0~30質量%含むポリアミド樹脂組成物からなることを特徴とする易接着性ポリアミドフィルムの製造方法。
【請求項3】
易接着性ポリアミドフィルムが下記の(a)~(c)を満足することを特徴とする前記請求項1又は2に記載の易接着性ポリアミドフィルムの製造方法。
(a)突刺し強度が0.65N/μm以上、
(b)衝撃強度が0.9J/15μm以上。
(c)耐摩擦ピンホールテストでピンホール発生までの距離が2900cm以上。
【請求項4】
易接着性ポリアミドフィルムが下記の(d)及び(e)を満足することを特徴とする前記請求項1~3いずれか1項に記載の易接着性ポリアミドフィルムの製造方法。
(d)ヘイズが2.6%以下、
(e)動摩擦係数が1.0以下。
【請求項5】
ポリエチレン系シーラントフィルムと貼り合わせた後の耐水ラミネート強度が4.0N/15mm以上であることを特徴とする請求項1~

いずれか1項に記載の易接着性ポリアミドフィルムの製造方法。
【請求項6】
請求項1~5いずれか1項に記載の易接着性ポリアミドフィルムの製造方法により得られた易接着性ポリアミドフィルムにシーラントフィルムを積層した積層フィルムの製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載された積層フィルムの製造方法により得られた積層フィルムを用いた包装袋の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、突刺し強度、耐衝撃性及び耐摩擦ピンホール性に優れ、かつラミネート強度が高く、廃棄ポリアミド製品からケミカルリサイクルしたポリアミド6を原料に用いた環境負荷低減が可能な二軸延伸ポリアミドフィルムに関するものである。本発明の易接着性ポリアミドフィルムは、食品包装用フィルムなどに好適に使用される。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、循環型社会の構築を求める声の高まりとともに、材料分野においてもエネルギーと同様に化石燃料からの脱却が望まれている。
また近年では、海洋プラスチック汚染が大きな問題となっている。
海洋ごみのうちプラスチックが海へと流出すると、紫外線や物理的な摩耗によって破片となり、微小なプラスチック粒子(マイクロプラスチック)となる。海洋生物がこうした粒子を捕食することで、粒子中に含まれる、あるいは吸着している化学物質に曝露される可能性、さらには食物連鎖を通して、上位の捕食者にも影響が及ぶ可能性があり、このことが地球規模での問題となっている。
上記の海洋プラスチックごみの多くは陸から流れ着いたもので、そのほとんどは使い捨てを想定したプラスチック容器包装である一方、釣り糸や漁網なども含まれている。
このような背景から、海洋プラスチックごみを減らすにはこれらのプラスチックごみをリサイクルし、有効活用することでプラスチックごみを削減することが重要である。
【0003】
一方、従来から、ポリアミド6に代表される脂肪族ポリアミドからなる二軸延伸フィルムは、耐衝撃性と耐屈曲ピンホール性に優れており、各種の包装材料フィルムとして広く使用されている。これら包装用として用いられているこれらポリアミドフィルムにおいても、先に述べたプラスチックごみの一因であることから、リサイクル素材の利用が求められている。
【0004】
ナイロン6(ポリアミド6ともいう)をリサイクルする方法としては、焼却して熱エネルギーとして回収するサーマルリサイクル法、溶融した後に再成型して再利用するマテリアルリサイクル法、および化学的に解重合してナイロンの原料にまで戻し、ナイロン製造等に再利用するケミカルリサイクル法がある。なお、ナイロンはポリアミドともいう。
【0005】
これらのうち、ケミカルリサイクル法はナイロン6を原料のカプロラクタムにまで分解してから回収し、ナイロン6の原料として再利用できることから、産業上有用なリサイクル方法といえる。
【0006】
例えば特許文献1では、ナイロン製衣料製品の使用済み品を回収した後、解重合を行ってε-カプロラクタムを回収し、精製し、重合し、溶融紡糸や成形によりナイロン繊維やナイロン成形品へと、リサイクル方法が開示されている。
かかる技術によれば、回収された衣料製品を素材原料まで戻して再利用するというリサイクルが可能となる。また、回収衣料製品を分解し精製することによって高純度で品質良好な素材原料(原料モノマ)を得ることができるので、リサイクル使用により品質良好なナイロン6製品が得られるし、繰り返しリサイクルも可能となる。さらにまた、回収衣料製品の回収・選別作業が大幅に軽減されるといったものである。
【0007】
上述したケミカルリサイクル法によってリサイクルされたナイロン樹脂は、これまで主に繊維や成形品の原料として用いられてきたが、食品包装用のフィルムとしては実用化されていなかった。
【0008】
また、ポリアミドフィルムはシーラントフィルムとラミネートして液体スープ袋や水物用袋に使用する場合、ラミネートしたフィルム間の接着強度(ラミネート強度とも言う)が十分に高いことが要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開平7-310204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、かかる従来技術に鑑み創案されたものである。本発明の目的は、突刺し強度、耐衝撃性及び耐摩擦ピンホール性に優れ、かつラミネート強度が高く、廃棄ポリアミド製品からケミカルリサイクルしたポリアミド6を原料に用いた環境負荷低減が可能な二軸延伸ポリアミドフィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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