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公開番号
2024120614
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-05
出願番号
2023027515
出願日
2023-02-24
発明の名称
エッチング装置及びエッチング方法
出願人
国立大学法人静岡大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
H01L
21/3065 20060101AFI20240829BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】簡易なステップによって微細構造を得る。
【解決手段】エッチング装置1は、大気圧プラズマPをピペット照射端21aから被加工物9に照射するプラズマ照射機構2と、プラズマ照射機構2のピペット照射端21aと被加工物9との相対的な位置を変更する位置決め機構3と、位置決め機構3及びプラズマ照射機構2の動作を制御するコントローラ35と、を備える。コントローラ35は、大気圧プラズマPの照射が停止しているプラズマ照射機構2のピペット照射端21aから被加工物9までの距離が、大気圧プラズマPの照射を開始可能な照射開始距離D1となるようにプラズマ照射機構2及び被加工物9の少なくとも一方を移動させる位置合わせ動作S1Aと、大気圧プラズマPをピペット照射端21aから被加工物9に照射させるプラズマ照射動作S1Bと、を交互に実行する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
大気圧プラズマを照射端から被加工物に照射するプラズマ照射機構と、
前記プラズマ照射機構の前記照射端と前記被加工物との相対的な位置を変更する位置決め機構と、
前記位置決め機構及び前記プラズマ照射機構の動作を制御するコントローラと、を備え、
前記コントローラは、
前記大気圧プラズマの照射が停止している前記プラズマ照射機構の前記照射端から前記被加工物までの距離が、前記大気圧プラズマの照射を開始可能な照射開始距離となるように前記プラズマ照射機構及び前記被加工物の少なくとも一方を移動させる位置合わせ動作と、
前記大気圧プラズマを前記照射端から前記被加工物に照射させる照射動作と、を交互に実行させる、エッチング装置。
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【請求項2】
前記位置合わせ動作は、前記プラズマ照射機構の前記照射端から前記被加工物に設定される被加工面までの距離が、前記照射開始距離よりも小さい原点距離となるように前記プラズマ照射機構及び前記被加工物の少なくとも一方を移動させる動作と、前記大気圧プラズマの照射が停止している前記プラズマ照射機構の前記照射端から前記被加工物までの距離が、前記照射開始距離となるように前記プラズマ照射機構及び前記被加工物の少なくとも一方を移動させる動作と、を含む請求項1に記載のエッチング装置。
【請求項3】
前記照射動作は、前記被加工物に対して前記照射端を静止させた状態で、前記大気圧プラズマを前記照射端から前記被加工物に照射させる、請求項1又は2に記載のエッチング装置。
【請求項4】
前記照射動作は、前記被加工物に対して前記照射端を前記大気圧プラズマの照射方向と交差する方向に相対的に移動させながら前記大気圧プラズマを前記照射端から前記被加工物に照射させる、請求項1又は2に記載のエッチング装置。
【請求項5】
前記照射動作は、前記被加工物に対して前記照射端を前記大気圧プラズマの照射方向に相対的に移動させながら前記大気圧プラズマを前記照射端から前記被加工物に照射させる、請求項1又は2に記載のエッチング装置。
【請求項6】
前記大気圧プラズマの極性とは逆の極性を有するイオンを発生するイオン発生部を備え、
前記コントローラは、前記照射動作の後に前記イオン発生部から前記イオンを照射させる、請求項1に記載のエッチング装置。
【請求項7】
エッチング装置を用いて行うエッチング方法であって、
前記エッチング装置は、大気圧プラズマを照射端から被加工物に照射するプラズマ照射機構と、前記プラズマ照射機構の前記照射端と前記被加工物との相対的な位置を変更する位置決め機構と、を備え、
前記大気圧プラズマの照射が停止している前記プラズマ照射機構の前記照射端から前記被加工物までの距離が、前記大気圧プラズマの照射を開始可能な照射開始距離となるように前記プラズマ照射機構及び前記被加工物の少なくとも一方を移動させる位置合わせステップと、
前記大気圧プラズマを前記照射端から前記被加工物に照射させる照射ステップと、を有し、
前記位置合わせステップと前記照射ステップとを交互に行う、エッチング方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、エッチング装置及びエッチング方法に関する。
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【背景技術】
【0002】
半導体プロセスは、社会的基盤となる集積回路の技術分野だけでなく機械構造物を有するMicroelectromechanical Systems(MEMS)の技術分野においても重要な役割を果たしている。従って、半導体プロセスは、更なる発展が期待されている。センサーネットワーク及びInternet of Things(IoT)の発展に伴い、MEMSは、応用規模の拡大が予想されている。その結果、MEMSは、ますます重要な技術として認識されている。MEMSの基盤技術は加工法である。加工法の発展によってMEMSは発展してきたと言っても過言ではない。例えば、いわゆるボッシュプロセスに代表される垂直深堀エッチング法の発明によりバルクMEMSが発展してきた。これらの技術は、スキャニングミラーなどの素子の実現化に寄与している。
【0003】
いわゆるボッシュプロセスは、プラズマを用いて高アスペクト比の微細構造を製作する方法である。特許文献1、2は、真空プラズマを用いて高アスペクト比の微細構造を製作する方法を開示する。特許文献1、2が開示する技術では、エッチングと側面保護膜の形成とを交互に行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
米国特許第5501893号明細書
特許第4512533号
【非特許文献】
【0005】
Daisuke Morimatsu et al, “Development of a scanning nanopipetteprobe microscope for fine processing using atmospheric pressure plasma jet”, JapaneseJournal of Applied Physics, (JP), The Japan Society of Applied Physics, 2016, 55,08NB15。
Shun Toda, Kenta Nakazawa, Akihisa Ogino, Masaru Shimomura andFutoshi Iwata, ”Micromachining of polymers using atmospheric pressureinductively coupled helium plasma localized by a scanning nanopipette probemicroscope”, Journal of Micromechanics and Microengineering, (GBR), IOPPublishing, 10 May 2021, 31, 6, p.1-10。
Kenta Nakazawa, Sho Yamamoto, Ei Nakagawa, Akihisa Ogino, MasaruShimomura, “Atmospheric He/O2 plasma jet fine etching with ascanning probe microscope”, AIP Advances, (United States), American Instituteof Physics, September 1 2020, 10, 9, p.1-7。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
高アスペクト比の微細構造を形成するエッチングステップでは、微細パターンを形成するために露光装置及び真空プラズマエッチング装置を用いる。一般に、これらの装置は、高価である。さらに、高アスペクト比の微細構造の製作には、多くのステップを要する。その結果、製作に要する期間が長くなる。そのうえ、それらのステップには、多くのノウハウが必要である。
【0007】
本発明は、簡易なステップによって微細構造を得ることができるエッチング装置及びエッチング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一形態であるエッチング装置は、大気圧プラズマを照射端から被加工物に照射するプラズマ照射機構と、プラズマ照射機構の照射端と被加工物との相対的な位置を変更する位置決め機構と、位置決め機構及びプラズマ照射機構の動作を制御するコントローラと、を備える。コントローラは、大気圧プラズマの照射が停止しているプラズマ照射機構の照射端から被加工物までの距離が、大気圧プラズマの照射を開始可能な照射開始距離となるようにプラズマ照射機構及び被加工物の少なくとも一方を移動させる位置合わせ動作と、大気圧プラズマを照射端から被加工物に照射させる照射動作と、を交互に実行する。
【0009】
このエッチング装置は、プラズマ照射機構の照射端から被加工物までの距離を照射可能距離に設定する位置合わせ動作と、大気圧プラズマを照射するプラズマ照射動作と、を交互に繰り返す。つまり、エッチング加工を行う際に、エッチングマスクの形成を要しない。従って、このエッチング装置は、エッチングマスクの形成を要しない簡易なステップによって微細構造を得ることができる。
【0010】
一形態であるエッチング装置において、位置合わせ動作は、プラズマ照射機構の照射端から被加工物に設定される被加工面までの距離が、照射開始距離よりも小さい原点距離となるようにプラズマ照射機構及び被加工物の少なくとも一方を移動させる動作と、大気圧プラズマの照射が停止しているプラズマ照射機構の照射端から被加工物までの距離が、照射開始距離となるようにプラズマ照射機構及び被加工物の少なくとも一方を移動させる動作と、を含んでよい。この動作によれば、大気圧プラズマの照射と停止とを繰り返した場合であっても、プラズマ照射機構の照射端から被加工物までの距離を、照射ごとに適切に管理することができる。
(【0011】以降は省略されています)
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