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公開番号
2024119439
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-03
出願番号
2023026336
出願日
2023-02-22
発明の名称
ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる成形品
出願人
帝人株式会社
代理人
個人
主分類
C08L
69/00 20060101AFI20240827BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】剛性、電磁遮蔽特性および耐熱衝撃性に優れたポリカーボネート樹脂組成物をおよびそれからなる成形体を提供する。
【解決手段】(A)ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)炭素繊維(B成分)を5~100重量部、(C)酸価が0.01~0.30mgKOH/gであるホスホン酸エステル(C-1成分)および酸価が10~200mgKOH/gである酸性リン酸エステル(C-2成分)よりなる群より選ばれる少なくとも1種のリン酸エステル(C成分)を0.001~1重量部および(D)A成分とB成分との密着性を阻害する化合物(D成分)を0.05~10重量部含有するポリカーボネート樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
(A)ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)炭素繊維(B成分)を5~100重量部、(C)酸価が0.01~0.30mgKOH/gであるホスホン酸エステル(C-1成分)および酸価が10~200mgKOH/gである酸性リン酸エステル(C-2成分)よりなる群より選ばれる少なくとも1種のリン酸エステル(C成分)を0.001~1重量部および(D)A成分とB成分との密着性を阻害する化合物(D成分)を0.05~10重量部含有するポリカーボネート樹脂組成物。
続きを表示(約 290 文字)
【請求項2】
D成分がオレフィン系化合物またはエポキシ基、カルボキシ基およびカルボン酸無水物基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する化合物である請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項3】
B成分が金属被覆炭素繊維である請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項4】
B成分が金属被覆炭素繊維および金属被覆していない炭素繊維の混合物である請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形品。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、剛性、電磁遮蔽特性および耐熱衝撃性に優れたポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる成形体に関する
続きを表示(約 3,400 文字)
【背景技術】
【0002】
近年通信機器はあらゆる分野で使用されており、通信機器に使用されている金属の樹脂化による軽量化のニーズは増えている。金属の樹脂化を進める上では、高い機械特性や電磁遮蔽特性を有する材料が求められている。機械特性を向上させるためには、炭素繊維を添加した炭素繊維強化ポリカーボネート樹脂が知られている(特許文献1参照)。また、樹脂製の筐体に電磁遮蔽特性を付与する技術としては、導電フィルムを積層する方法や塗装やメッキといった処理を施す方法が知られている(特許文献2参照)。しかし、樹脂製の筐体に導電フィルムの積層や塗装やメッキを施したものは導電フィルム、塗装およびメッキが剥がれるおそれがあるためライフサイクルの長いものに使用するには適していない。樹脂に導電性フィラーを配合することで電磁波遮蔽特性を付与する技術としては、カーボンブラックおよび炭素繊維の併用や金属被覆した炭素繊維を使用する方法が知られている(特許文献3、4参照)。しかしながら、これら炭素繊維強化樹脂組成物および成形用材料は、高い機械特性および電磁遮蔽特性は得られるものの、熱衝撃試験後の寸法変化および電磁遮蔽特性の低下が大きく、製品の使用環境により用途が限定される問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015-81333号公報
特開2012-229345号公報
特開平06-009819号公報
特開2015-108118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、剛性、電磁遮蔽特性および耐熱衝撃性に優れたポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる成形体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、かかる課題を解決するため鋭意検討した結果、ポリカーボネート樹脂に炭素繊維、特定のリン酸エステルおよび密着性を阻害する化合物を適切な量配合することで、剛性、電磁遮蔽特性および耐熱衝撃性に優れた樹脂組成物が得られることを見出し、更に鋭意検討を重ねて本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
【0006】
1.(A)ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)炭素繊維(B成分)を5~100重量部、(C)酸価が0.01~0.30mgKOH/gであるホスホン酸エステル(C-1成分)および酸価が10~200mgKOH/gである酸性リン酸エステル(C-2成分)よりなる群より選ばれる少なくとも1種のリン酸エステル(C成分)を0.001~1重量部および(D)A成分とB成分との密着性を阻害する化合物(D成分)を0.05~10重量部含有するポリカーボネート樹脂組成物。
2.D成分がオレフィン系化合物またはエポキシ基、カルボキシ基およびカルボン酸無水物基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する化合物である前項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
3.B成分が金属被覆炭素繊維である前項1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
4.B成分が金属被覆炭素繊維および金属被覆していない炭素繊維の混合物である前項1~3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
5.前項1~4のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形品。
【0007】
以下、本発明について具体的に説明する。
【0008】
<A成分:ポリカーボネート樹脂>
本発明において使用されるポリカーボネート樹脂は、二価フェノールとカーボネート前駆体とを反応させて得られるものである。反応方法の一例として界面重合法、溶融エステル交換法、カーボネートプレポリマーの固相エステル交換法、および環状カーボネート化合物の開環重合法などを挙げることができる。
【0009】
ここで使用される二価フェノールの代表的な例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’-ビフェノール、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン、4,4’-(p-フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール、4,4’-(m-フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-イソプロピルシクロヘキサン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)オキシド、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)エステル、ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)スルフィド、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンおよび9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレンなどが挙げられる。好ましい二価フェノールは、ビス(4-ヒドロキシフェニル)アルカンであり、なかでも耐衝撃性の点からビスフェノールAが特に好ましく、汎用されている。
【0010】
本発明では、汎用のポリカーボネート樹脂であるビスフェノールA系のポリカーボネート樹脂以外にも、他の2価フェノール類を用いて製造した特殊なポリカーボネ-ト樹脂をA成分として使用することが可能である。例えば、2価フェノール成分の一部又は全部として、4,4’-(m-フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(以下“BPM”と略称することがある)、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン(以下“Bis-TMC”と略称することがある)、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン及び9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン(以下“BCF”と略称することがある)を用いたポリカーボネ-ト樹脂(単独重合体又は共重合体)は、吸水による寸法変化や形態安定性の要求が特に厳しい用途に適当である。これらのBPA以外の2価フェノールは、該ポリカーボネート樹脂を構成する2価フェノール成分全体の5モル%以上、特に10モル%以上、使用するのが好ましい。殊に、高剛性かつより良好な耐加水分解性が要求される場合には、樹脂組成物を構成するA成分が次の(1)~(3)の共重合ポリカーボネート樹脂であるのが特に好適である。
(1)該ポリカーボネート樹脂を構成する2価フェノール成分100モル%中、BPMが20~80モル%(より好適には40~75モル%、さらに好適には45~65モル%)であり、かつBCFが20~80モル%(より好適には25~60モル%、さらに好適には35~55モル%)である共重合ポリカーボネート樹脂。
(2)該ポリカーボネート樹脂を構成する2価フェノール成分100モル%中、BPAが10~95モル%(より好適には50~90モル%、さらに好適には60~85モル%)であり、かつBCFが5~90モル%(より好適には10~50モル%、さらに好適には15~40モル%)である共重合ポリカーボネート樹脂。
(3)該ポリカーボネート樹脂を構成する2価フェノール成分100モル%中、BPMが20~80モル%(より好適には40~75モル%、さらに好適には45~65モル%)であり、かつBis-TMCが20~80モル%(より好適には25~60モル%、さらに好適には35~55モル%)である共重合ポリカーボネート樹脂。
(【0011】以降は省略されています)
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