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公開番号2024116739
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-28
出願番号2023022525
出願日2023-02-16
発明の名称量子鍵配送システム及び量子鍵配送方法
出願人日本電信電話株式会社,国立大学法人大阪大学
代理人弁理士法人谷・阿部特許事務所
主分類H04L 9/12 20060101AFI20240821BHJP(電気通信技術)
要約【課題】TF-QKDの量子鍵配送システムにおいて、伝搬位相の制御やデコイ法による盗聴検知が不要な量子鍵配送システムを提供する。
【解決手段】アリス10、ボブ20及びチャーリー30を含む量子鍵配送システムを、アリス10、ボブ20が備えるパルス光発生部、各パルス光を位相変調する位相印加部、位相変調された各パルス光の平均光子数を1未満に減衰する光減衰器と、チャーリー30が備える遅延マッハツェンダー干渉計M、アリス10、ボブ20から受信した光パルス列に含まれるパルス光を半周期ずらして入力し、遅延マッハツェンダー干渉計Mから出力した光子をそれぞれ検出する光子検出器301、302と、アリス10及びボブ20が備える位相を互いに通知する通知部、他方から通知された位相情報と自身が印加した位相に基づいて鍵ビットを生成する鍵ビット生成部と、によって構成する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
第1の光信号送受信装置と、
前記第1の光信号送受信装置と離間して配置される第2の光信号送受信装置と、
前記第1の光信号送受信装置と前記第2の光信号送受信装置との間に配置される第3の光信号送受信装置を含み、前記第1の光信号送受信装置と前記第2の光信号送受信装置との間の共通鍵暗号通信のための秘密鍵を供給する量子鍵配送システムであって、
前記第1の光信号送受信装置及び前記第2の光信号送受信装置は、
時間間隔が2Tの連続的なコヒーレント光パルス列を発生するパルス光発生部と、
前記コヒーレント光パルス列に含まれる各パルス光に0、π/2、π、3π/2のいずれかの位相を印加する位相印加部と、
前記位相印加部の位相印加によって位相変調された前記各パルス光の平均光子数を1未満に減衰して減衰光パルス列を生成する光減衰器と、を含み、
前記第3の光信号送受信装置は、
二つの入力端子及び二つの出力端子を備え、遅延時間がTである遅延マッハツェンダー干渉計と、
前記二つの入力端子に対し、前記第1の光信号送受信装置から受信した前記減衰光パルス列に含まれるパルス光と、前記第2の光信号送受信装置から受信した前記減衰光パルス列に含まれるパルス光とを、半周期ずらしてそれぞれ入力させる入力部と、
前記二つの出力端子から出力した光子をそれぞれ検出する第1の光子検出器及び第2の光子検出器と、
光子が検出された時刻と、前記第1の光子検出器、前記第2の光子検出器のいずれが光子を検出したのかを示す光子検出情報を前記第1の光信号送受信装置、前記第2の光信号送受信装置に通知する光子検出情報通知部と、を含み、
前記第1の光信号送受信装置及び前記第2の光信号送受信装置は、
前記第3の光信号送受信装置における光子検出に係るパルス光の位相が{0またはπ}であるか{π/2または3π/2}であるかの位相情報を互いに通知する位相情報通知部と、
他方から通知された前記位相情報と、自身の前記位相印加部において印加した位相に基づいて鍵ビットを生成する鍵ビット生成部と、
を含む、量子鍵配送システム。
続きを表示(約 930 文字)【請求項2】
第1の光信号送受信装置と、
前記第1の光信号送受信装置と離間して配置される第2の光信号送受信装置と、
前記第1の光信号送受信装置と前記第2の光信号送受信装置との間に配置される第3の光信号送受信装置を含み、前記第1の光信号送受信装置と前記第2の光信号送受信装置との間の共通鍵暗号通信のための秘密鍵を供給する量子鍵配送システムにおいて行われる量子鍵配送方法であって、
前記第1の光信号送受信装置及び前記第2の光信号送受信装置は、
時間間隔が2Tの連続的なコヒーレント光パルス列を発生する工程と、
前記コヒーレント光パルス列に含まれる各パルス光に0、π/2、π、3π/2のいずれかの位相を印加する位相印加工程と、
前記位相印加工程によって位相変調された前記各パルス光の平均光子数を1未満に減衰して減衰光パルス列を生成する工程と、を実行し、
前記第3の光信号送受信装置は、
二つの入力端子及び二つの出力端子を備え、遅延時間がTである遅延マッハツェンダー干渉計の前記二つの入力端子に対し、前記第1の光信号送受信装置から受信した前記減衰光パルス列に含まれるパルス光と、前記第2の光信号送受信装置から受信した前記減衰光パルス列に含まれるパルス光とを、半周期ずらしてそれぞれ入力させる工程と、
前記二つの出力端子から出力した光子をそれぞれ第1の光子検出器及び第2の光子検出器で検出する工程と、
光子が検出された時刻と、前記第1の光子検出器、前記第2の光子検出器のいずれが光子を検出したのかを示す光子検出情報を前記第1の光信号送受信装置、前記第2の光信号送受信装置に通知する工程と、を実行し、
前記第1の光信号送受信装置及び前記第2の光信号送受信装置は、
前記第3の光信号送受信装置における光子検出に係るパルス光の位相が{0またはπ}であるか{π/2または3π/2}であるかの位相情報を互いに通知する工程と、
他方から通知された前記位相情報と、自身の前記位相印加工程において印加した位相に基づいて鍵ビットを生成する工程と、
を実行する、量子鍵配送方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
量子力学の原理に基づいて、共通鍵暗号通信のための秘密鍵を離れた二者に安全に供給する量子鍵配送(Quantum Key Distribution、以下、「QKD」とも記す。)の研究開発が進められている。複数の方式があるQKDのうち、送受信装置間の長距離化が可能な振幅場対QKD(Twin Field QKD、以下、「TF-QKD」とも記す)は、例えば、非特許文献1に記載されている。
続きを表示(約 3,400 文字)【0002】
非特許文献1に記載のシステムは、秘密鍵を共有するアリス及びボブと、アリスとボブの中間点に位置して秘密鍵共有の仲立ちをする第三者であるチャーリーを含む。このようなシステムにおいて、アリスとボブはそれぞれチャーリーへパルス光の信号を送信し、チャーリーは送信されてきた光信号を受信し、合波して光子を検出する。そして、この検出では合波するパルス光の位相差に応じて検出器で光子が検出され、検出した検出器と、アリスとボブが送信した光信号の位相に基づいて秘密鍵が生成される。このシステムでは、チャーリーを介して通信するシステムのアリスとボブの物理的距離は、光子の伝送距離の2倍とすることができる。これによって、非特許文献1に記載のシステムは、アリスとボブが直接光子を送受信するQKDシステムよりも通信の長距離化が可能となる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
M. Lucamarini, Z. L. Yuan, J. F. Dynes, and A. J. Shields, "Overcoming the rate-distance limit of quantum key distribution without quantum repeaters," Nature, vol. 557, pp. 400-403 (2018).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1に記載の公知技術において、チャーリーは、アリスによって送信された光信号とボブによって送信された光信号とを、その位相差が保持された状態で合波する必要がある。このためには、アリス及び/またはボブ(以下、「アリス/ボブ」とも記す)からチャーリーまでの間を伝播する光信号の位相(以下、「伝搬位相」とも記す)をそれぞれ保持しなければならない。
【0005】
しかしながら、非特許文献1に記載の公知技術は、秘密鍵の秘匿性を保障すべく、光子数分岐攻撃対策としてデコイ法を用いている。デコイ法においては、アリス/ボブが光変調器によりパルス光ごとに平均光子数を無作為に変調している。また、アリス/ボブは、盗聴検知のため、検出光子数の統計的性質を解析するデータ処理を行っている。このような処理は、アリス/ボブとなる装置及びプロトコルを煩雑化する。また、デコイ法を用いる場合、秘密鍵生成効率が低くなるという問題もある。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、TF-QKDの量子鍵配送システムにおいてデコイ法を用いることなく、耐盗聴性の高い秘密鍵配送を可能とする量子鍵配送システム及び量子鍵配送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の一形態の量子鍵配送システムは、第1の光信号送受信装置と、第1の光信号送受信装置と離間して配置される第2の光信号送受信装置と、第1の光信号送受信装置と第2の光信号送受信装置との間に配置される第3の光信号送受信装置を含み、第1の光信号送受信装置と第2の光信号送受信装置との間の共通鍵暗号通信のための秘密鍵を供給する量子鍵配送システムであって、第1の光信号送受信装置及び第2の光信号送受信装置は、時間間隔が2Tの連続的なコヒーレント光パルス列を発生するパルス光発生部と、コヒーレント光パルス列に含まれる各パルス光に0、π/2、π、3π/2のいずれかの位相を印加する位相印加部と、位相印加部の位相印加によって位相変調された各パルス光の平均光子数を1未満に減衰して減衰光パルス列を生成する光減衰器と、を含み、第3の光信号送受信装置は、二つの入力端子及び二つの出力端子を備え、遅延時間がTである遅延マッハツェンダー干渉計と、二つの入力端子に対し、第1の光信号送受信装置から受信した減衰光パルス列に含まれるパルス光と、第2の光信号送受信装置から受信した減衰光パルス列に含まれるパルス光とを、半周期ずらしてそれぞれ入力させる入力部と、二つの出力端子から出力した光子をそれぞれ検出する第1の光子検出器及び第2の光子検出器と、光子が検出された時刻と、第1の光子検出器、第2の光子検出器のいずれが光子を検出したのかを示す光子検出情報を第1の光信号送受信装置、第2の光信号送受信装置に通知する光子検出情報通知部と、を含み、第1の光信号送受信装置及び第2の光信号送受信装置は、第3の光信号送受信装置における光子検出に係るパルス光の位相が、{0またはπ}であるか{π/2または3π/2}であるかの情報(公知の前例でθ_{0}に相当する情報)を互いに通知する位相情報通知部と、他方から通知された位相情報と、自身の位相印加部において印加した位相に基づいて鍵ビットを生成する鍵ビット生成部と、を含む。
【0008】
また、本発明の一形態の量子鍵配送方法は、第1の光信号送受信装置と、第1の光信号送受信装置と離間して配置される第2の光信号送受信装置と、第1の光信号送受信装置と第2の光信号送受信装置との間に配置される第3の光信号送受信装置を含み、第1の光信号送受信装置と第2の光信号送受信装置との間の共通鍵暗号通信のための秘密鍵を供給する量子鍵配送システムにおいて行われる量子鍵配送方法であって、第1の光信号送受信装置及び第2の光信号送受信装置は、時間間隔が2Tの連続的なコヒーレント光パルス列を発生する工程と、コヒーレント光パルス列に含まれる各パルス光に0、π/2、π、3π/2のいずれかの位相を印加する位相印加工程と、位相印加工程によって位相変調された各パルス光の平均光子数を1未満に減衰して減衰光パルス列を生成する工程と、を実行し、第3の光信号送受信装置は、二つの入力端子及び二つの出力端子を備え、遅延時間がTである遅延マッハツェンダー干渉計の二つの入力端子に対し、第1の光信号送受信装置から受信した減衰光パルス列に含まれるパルス光と、第2の光信号送受信装置から受信した減衰光パルス列に含まれるパルス光とを、半周期ずらしてそれぞれ入力させる工程と、二つの出力端子から出力した光子をそれぞれ第1の光子検出器及び第2の光子検出器で検出する工程と、光子が検出された時刻と、第1の光子検出器、第2の光子検出器のいずれが光子を検出したのかを示す光子検出情報を第1の光信号送受信装置、第2の光信号送受信装置に通知する工程と、を実行し、第1の光信号送受信装置及び第2の光信号送受信装置は、第3の光信号送受信装置における光子検出に係るパルス光の位相が、{0またはπ}であるか{π/2または3π/2}であるかの情報を互いに通知する工程と、他方から通知された位相情報と、自身の位相印加工程において印加した位相に基づいて鍵ビットを生成する工程と、を実行する。
【発明の効果】
【0009】
以上の形態によれば、TF-QKDの量子鍵配送システムにおいて、伝搬位相の制御やデコイ法による盗聴検知が不要な量子鍵配送システム及び量子鍵配送方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の一実施形態の比較例となる公知のTF-QKD装置を説明するための図である。
本実施形態の量子鍵配送システムの全体を示す図である。
(a)は図2に示すアリスの構成を説明するための模式図、(b)は図2に示すボブの構成を説明するための模式図、及び(c)はチャーリーの構成を説明するための模式図である。
図3(c)に示すチャーリーにおいて行われる光子検出を説明するための図である。
鍵ビット生成を説明するためのタイミングチャートを示す図である。
図3(a)のアリスにおけるビット列の生成を説明するためのフローチャートを示す図である。
図3(b)のボブにおけるビット列の生成を説明するためのフローチャートを示す図である。
本実施形態の光子数分岐攻撃の検知を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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