発明の詳細な説明【技術分野】 【0001】 本開示は、光回路を用いて暗号演算を行う技術に関する。 続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】 【0002】 近年、通信から端末に至るまですべてに光技術を導入することにより、低遅延及び大容量通信並びに高速及び高機能情報処理を低消費電力で実現するための光情報基盤に関する研究開発が行われている。光情報基盤では、光技術を用いて演算を行う光演算チップを導入し、高性能なコンピューティング技術を実現することが求められている。光演算チップ内の光演算回路は基本的に積和演算等の線形演算を高効率に行うことが可能である。そのため、深層学習における積和演算を光演算で行い、低遅延及び低消費電力の演算を行うことが提案されている(非特許文献1参照)。 【0003】 また、光は連続値を取り、アナログの特性を持っているが、光の振幅や強度によってビット表現(0、1の2値の離散値)に符号化することにより、擬似的に論理演算(デジタル演算)を行う方法が提案されている(非特許文献2参照)。 【0004】 更に、光による論理演算を応用し、デジタル演算である暗号演算を行う方法が提案されている(非特許文献3参照)。 【0005】 以上のように、従来技術では、光技術は積和演算や擬似的に論理演算を行う手法が提案されていた。そして、光回路を用いて暗号演算を実装する際、既存技術のように暗号演算を構成する関数はビット表現であるため、すべてビット表現に光を符号化して演算していた。 【先行技術文献】 【非特許文献】 【0006】 J. Peng, Y. Alkabani, K. Puri, X. Ma, V. Sorger, and T. E. Ghazawi, "A Deep Neural Network Accelerator using Residue Arithmetic in a Hybrid Optoelectronic System," ACM Journal on Emerging Technologies in Computing Systems, vol. 18, Issue 4, Article No. 81, pp. 1-26, 2022. S. Kita, K. Nozaki, K. Takata, A. Shinya, and M. Notomi, "Ultrashort low-loss Ψ gates for linear optical logic on Si photonics platform," Communications Physics, vol. 3. Springer Nature, pp. 1-8,2020. 高橋順子、千田浩司、山越公洋、北翔太、新家昭彦、光論理ゲートで構成する暗号回路技術、NTT技術ジャーナル、2021.11. 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 しかしながら、光信号をビット表現に符号化して演算を行うと、暗号関数の種類によっては1ビットずつしか計算できず、また、そもそも多段による論理演算を光信号で行うことが難しく、光電変換が頻繁に必要等の理由から、光演算の特徴を十分に生かすことができず、光回路を用いて暗号演算する演算装置の性能(処理遅延の抑制、消費電力の削減など)が向上しないという課題が生じている。 【0008】 本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであって、光回路を用いて暗号演算する演算装置の性能を向上させることを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0009】 上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、光回路を用いて暗号演算を行う演算装置であって、線形関数を用いた演算結果であるビット表現の光信号のデータから、one-hot表現の光信号のデータに変換する第1の符号化変換部と、前記第1の符号化変換部によって変換された前記one-hot表現の光信号のデータの演算を、非線形関数を用いて行う非線形関数演算部と、前記非線形関数演算部の演算結果である前記one-hot表現の光信号のデータから、前記ビット表現の光信号のデータに変換する第2の符号化変換部と、を有する演算装置である。 【発明の効果】 【0010】 以上説明したように本発明によれば、光回路を用いて暗号演算する演算装置の性能を向上させることができるという効果を奏する。 【図面の簡単な説明】 (【0011】以降は省略されています) この特許をJ-PlatPatで参照する