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公開番号2025059453
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-10
出願番号2023169540
出願日2023-09-29
発明の名称モード回転子及びモード合分波器
出願人日本電信電話株式会社,国立大学法人北海道大学
代理人個人,個人
主分類G02B 6/14 20060101AFI20250403BHJP(光学)
要約【課題】エッチングにより形成するトレンチの深さの加工精度を緩和する。
【解決手段】モード回転子10は、石英基板上に平面光波回路(PLC)として形成され、E11、E12、E21及びE22の4つのモードを伝播する導波路101に設けられ、その断面がL型形状になるように頂面12aにトレンチ12bが形成されたL型部12と、L型部12に接し、その断面が凸型形状になるように頂面11aにトレンチ11bが形成された凸型部11とを有し、L型部12及び凸型部11はそれぞれ伝搬方向に断熱的なモードの変換が可能である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
基板上に形成され、nを3以上の整数として、n個のモードが伝搬可能である導波路に設けられたモード回転子であって、
その断面がL型形状になるように頂面にトレンチが形成されたL型部と、
前記L型部に接し、その断面が凸型形状になるように頂面にトレンチが形成された凸型部と
を含み、
前記L型部及び凸型部はそれぞれ伝搬方向に断熱的なモードの変換が可能であるモード回転子。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
前記L型部のトレンチは前記凸型部からの遠位端から前記凸型部との境界まで前記頂面の幅が次第に狭くなるようなテーパ形状であり、前記凸型部のトレンチは前記L型部からの遠位端から前記境界まで前記頂面の幅が次第に狭くなるようなテーパ形状である請求項1に記載のモード回転子。
【請求項3】
前記L型部において前記遠位端は前記頂面が全幅を占め、前記境界は前記トレンチが全幅を占め、前記凸型部において前記遠位端は前記頂面が全幅を占め、前記境界は前記トレンチが全幅を占める請求項2に記載のモード回転子。
【請求項4】
前記L型部において、前記頂面と前記トレンチとを分けるエッジは直線状である請求項1に記載のモード回転子。
【請求項5】
前記L型部において、前記頂面と前記トレンチとを分けるエッジはFAQUAD手法により設計されたものである請求項1に記載のモード回転子。
【請求項6】
前記L型部及び前記凸型部は、それぞれ伝搬するすべてのモードの透過率が95%以上になるような伝搬方向の長さを有する請求項1に記載のモード回転子。
【請求項7】
前記L型部は伝搬方向に1.2mm以上の長さを有し、前記凸型部は伝搬方向に0.5mm以上の長さを有する請求項6に記載のモード回転子。
【請求項8】
基板上に形成され、請求項1に記載のモード回転子を用いたモード合分波器であって、
前記モード回転子を設けた主導波路と、
前記主導波路と並行し、前記主導波路に対して合波及び分波の少なくとも一方を行うモードを伝搬する少なくとも1つの副導波路と、
前記主導波路と前記少なくとも1つの副導波路とをそれぞれ結合する結合部と
を含むモード合分波器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、モード回転子及びモード合分波器に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
光ファイバを伝搬する複数のモードを利用することで通信容量を増大するモード多重伝送技術が知られている。ファイバ内を伝搬するモードを励起するためには、モードマルチ/デマルチプレクサ(Multiplexer/Demultiplexer:MUX/DEMUX)が不可欠である。これまで、空間光変調器(spatial light modulator:SLM)(非特許文献1を参照。)などを用いたMUX/DEMUXが報告されている。また、シリカ系材料を用いた平面光波回路(planar lightwave circuit:PLC)型モード合分波器(非特許文献2を参照。)は損失が小さく、小型で製造が容易であるという特徴がある。PLCに用いる導波路の第1高次モードはLP11モードであり、伝搬定数が縮退したLP11aモード及びLP11bモードの2つが存在する。電界分布の対称性から、非対称方向性結合器を用いて、LP01モードからLP11bモードを直接励起するのは困難であるため、LP11bモードを励起するためのL形導波路を用いたPLC型モード回転子が提案されている(引用文献3を参照。)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
R. Ryf et al., “Mode-division multiplexing over 96 km of few-mode fiber using coherent 6×6 MIMO processing,” J. Lightw. Technol. 30(4), 521-531 (2012)
N. Hanzawa e al., “PLC-based four-mode multi/demultiplexer with LP 11 mode rotator on one chip,” J. Lightw. Technol. 33(6), 1161-1165 (2015)
T. Fujisawa et al., “Scrambling-type three-mode PLC multiplexer based on cascaded Y-branch waveguide with integrated mode rotator,” J. Lightw. Technol. 36(10), 1985-1992 (2018)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献3のL型の構造のモード回転子は、光デバイスとしての性能を維持するために、トレンチを形成してL形にするために2段階のエッチングの加工が必要であった。しかしながら、2段階のエッチングの加工によってトレンチの深さを設計した通りにエッチングすることは、厳しい加工精度が求められるために困難であった。
【0005】
本開示は、上述の実情に鑑みて提案されるものであって、エッチングにより形成するトレンチの深さの加工精度が緩和されるようなモード回転子及びこのようなモード回転子を用いたモード合分波器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために、本開示のモード回転子は、基板上に形成され、nを3以上の整数として、n個のモードが伝搬可能である導波路に設けられたモード回転子であって、その断面がL型形状になるように頂面にトレンチが形成されたL型部と、L型部に接し、その断面が凸型形状になるように頂面にトレンチが形成された凸型部とを含み、L型部及び凸型部はそれぞれ伝搬方向に断熱的なモードの変換が可能である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によると、エッチングにより形成するトレンチの深さの加工精度が緩和される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本実施の形態のモード回転子の構成を示す図である。
本実施の形態のモード回転子を伝搬するモードの実効屈折率の推移を示す図である。
本実施の形態のモード回転子の凸型部における透過率を示すグラフである。
本実施の形態のモード回転子のL型部における透過率を示すグラフである。
本実施の形態のモード回転子におけるトレンチの深さの変位と透過度との関係を示す図である。
変形例のモード回転子を示す図である。
変形例のモード回転子の透過スペクトルである。
本実施の形態のモード合分波器を示す図である。
比較例のモード回転子の構成を示す図である。
比較例のモード回転子の透過スペクトルである。
比較例のモード回転子におけるトレンチの深さの変位と透過度との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(モード回転子)
以下、本実施の形態のモード回転子及びモード合分波器について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施の形態のモード回転子の概略的な構成を示す図である。図1の中央にはモード回転子の平面図を示し、右側の列には中央のモード回転子に示したいくつかの切断線における断面形状を示す。また、図1の左側の列などにはモード回転子10を伝搬する励振モードの電界分布の推移を示す。
【0010】
本願のモード回転子10は、石英系平面光波回路(planer lightwave circuit:PLC)の導波路101に沿って導波路101と一体となって形成されている。導波路101は、石英の基板上に水平方向に広がるクラッドに埋め込まれ、所定の幅及び高さを有する断面が矩形状のコアで形成されている。なお、便宜上、導波路101を光が伝搬する方向をz方向、水平方向をx方向、鉛直下向きの方向をy方向とする直交座標系を設定する。
(【0011】以降は省略されています)

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