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公開番号
2024112602
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-21
出願番号
2023017752
出願日
2023-02-08
発明の名称
液化水素貯蔵タンク及びその施工方法
出願人
川崎重工業株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
F17C
13/00 20060101AFI20240814BHJP(ガスまたは液体の貯蔵または分配)
要約
【課題】内槽の保冷を図りつつ内槽屋根の上下差圧を減少させる。
【解決手段】液化水素貯蔵タンク(1)は、内槽屋根(43)及び内槽側板(42)を含む内槽(4)と、内槽(4)とその外側の槽(3)との間に形成された断熱空間(S2)と、内槽屋根(43)を貫通する連通管(45)と、連通管(45)の上端開口(45a)から内槽屋根(43)の外縁部まで延びるガス通路(R1)を内槽屋根(43)との間に形成するように、内槽屋根(43)の上面を覆うデッキ(7)と、断熱空間(S2)におけるデッキ(7)の上側領域に配置された粒状断熱材(56)と、を備える。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
液化水素を貯蔵する多重殻の液化水素貯蔵タンクであって、
内槽屋根及び内槽側板を含み、液化水素の貯蔵空間を画成する内槽と、
前記内槽とその外側の槽との間に形成された断熱空間と、
前記内槽屋根を貫通する連通管と、
前記連通管の上端開口から前記内槽屋根の外縁部まで延びるガス通路を前記内槽屋根との間に形成するように、前記内槽屋根の上面を覆うデッキと、
前記断熱空間における前記デッキの上側領域に配置された粒状断熱材とを備えた、液化水素貯蔵タンク。
続きを表示(約 950 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の液化水素貯蔵タンクにおいて、
前記デッキは、前記内槽屋根の上面に立設されたサポートと、前記内槽屋根の上面を間隔を空けつつ覆うように前記サポートにより支持された上カバーとを含み、
前記粒状断熱材は、前記上カバーの上側に配置された、液化水素貯蔵タンク。
【請求項3】
請求項2に記載の液化水素貯蔵タンクにおいて、
前記上カバーは、ガスを通して前記粒状断熱材を通さない通気カバー材を含む、液化水素貯蔵タンク。
【請求項4】
請求項2に記載の液化水素貯蔵タンクにおいて、
前記上カバーは、第1カバー材と、当該第1カバー材に隣接しかつ前記内槽屋根の溶接線を上から覆う第2カバー材とを含む、液化水素貯蔵タンク。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の液化水素貯蔵タンクにおいて、
前記ガス通路の径方向の外端に、前記粒状断熱材の前記ガス通路内への流入を防ぐシールドが設けられた、液化水素貯蔵タンク。
【請求項6】
内槽屋根及び内槽側板を含む内槽と、当該内槽とその外側の槽との間の断熱空間に配置された粒状断熱材と、前記内槽屋根を貫通する連通管と、前記内槽屋根の上面に立設されたサポート及びこれに支持された上カバーを含むデッキと、を備えた多重殻の液化水素貯蔵タンクを施工する方法であって、
前記内槽屋根を溶接により構築すること、
構築された前記内槽屋根の上面に前記サポートを固定するとともに、前記上カバーの一部を構成する第1カバー材を前記サポートに固定すること、
前記サポート及び前記第1カバー材が固定された前記内槽屋根を前記内槽側板の上端に接合して前記内槽を構築すること、
構築された前記内槽の気密試験を実施すること、及び、
前記気密試験の終了後、前記上カバーの他の一部を構成する第2カバー材を、前記内槽屋根の溶接線を上から覆うように前記サポートに固定することにより、前記上カバーと前記内槽屋根との間に、前記連通管の上端開口から前記内槽屋根の外縁部まで延びるガス通路を形成することを含む、液化水素貯蔵タンクの施工方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、液化水素を貯蔵する液化水素貯蔵タンクに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に示される多重殻タンクが公知である。この多重殻タンクは、低温液化ガスを貯蔵するための平底の三重殻タンクであって、内槽、中間槽、外槽を内側からこの順に備える。内槽と中間槽との間の空間である内側断熱空間(第1槽間)と、中間槽と外槽との間の空間である外側断熱空間(第2槽間)とには、それぞれパーライト等の断熱材が充填される。また、内槽の屋根部を構成する内槽屋根には、当該内槽屋根を貫通する連通管が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-103917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1において、内槽屋根を貫通する連通管は、内槽屋根とこれに対向する中間槽屋根との間の空間(屋根空間部)と、内槽内の上部(気相部)とを連通する。しかしながら、前記特許文献1では、内槽と中間槽との間の内側断熱空間にパーライト等の断熱材が充填されるため、内槽屋根の上面に作用する圧力と内槽屋根の下面に作用する圧力との差、つまり内槽屋根の上下差圧が増大し、当該上下差圧に起因した応力が内槽屋根に作用する可能性がある。
【0005】
本開示は、前記のような事情に鑑みてなされたものであり、内槽の保冷を図りつつ内槽屋根の上下差圧を減少させることが可能な液化水素貯蔵タンクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するためのものとして、本開示の一局面に係る液化水素貯蔵タンクは、液化水素を貯蔵する多重殻のタンクであって、内槽屋根及び内槽側板を含み、液化水素の貯蔵空間を画成する内槽と、前記内槽とその外側の槽との間に形成された断熱空間と、前記内槽屋根を貫通する連通管と、前記連通管の上端開口から前記内槽屋根の外縁部まで延びるガス通路を前記内槽屋根との間に形成するように、前記内槽屋根の上面を覆うデッキと、前記断熱空間における前記デッキの上側領域に配置された粒状断熱材と、を備えたものである。
【0007】
また、本開示の他の局面に係る施工方法は、内槽屋根及び内槽側板を含む内槽と、当該内槽とその外側の槽との間の断熱空間に配置された粒状断熱材と、前記内槽屋根を貫通する連通管と、前記内槽屋根の上面に立設されたサポート及びこれに支持された上カバーを含むデッキと、を備えた多重殻の液化水素貯蔵タンクを施工する方法であって、前記内槽屋根を溶接により構築すること、構築された前記内槽屋根の上面に前記サポートを固定するとともに、前記上カバーの一部を構成する第1カバー材を前記サポートに固定すること、前記サポート及び前記第1カバー材が固定された前記内槽屋根を前記内槽側板の上端に接合して前記内槽を構築すること、構築された前記内槽の気密試験を実施すること、及び、前記気密試験の終了後、前記上カバーの他の一部を構成する第2カバー材を、前記内槽屋根の溶接線を上から覆うように前記サポートに固定することにより、前記上カバーと前記内槽屋根との間に、前記連通管の上端開口から前記内槽屋根の外縁部まで延びるガス通路を形成すること、を含むものである。
【発明の効果】
【0008】
本開示の液化水素貯蔵タンクによれば、内槽の保冷を図りつつ内槽屋根の上下差圧を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の一実施形態に係る液化水素貯蔵タンクの構造を示す断面図である。
前記液化水素貯蔵タンクの内槽屋根上に構築されるデッキの構造を示す平面図である。
図2のIII-III線に沿った断面図である。
図2のIV-IV線に沿った断面図である。
上カバーから第2カバー材を取り外した状態の前記デッキを示す平面図である。
前記デッキ及び内槽の施工方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[液化水素貯蔵タンクの全体構成]
図1は、本開示の第1実施形態に係る液化水素貯蔵タンク1の構造を示す断面図である。本図に示される液化水素貯蔵タンク1は、液化水素LHを貯蔵する三重殻タンクであって、タンク基礎10と、タンク基礎10の上に立設された外槽2と、外槽2の内部に収容された中間槽3と、中間槽3の内部に収容された内槽4とを備える。外槽2、中間槽3及び内槽4は、いずれも上面視で円形状に形成され、かつ同心円状に配置されている。
(【0011】以降は省略されています)
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