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公開番号
2024111917
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-20
出願番号
2023016640
出願日
2023-02-07
発明の名称
品質状態測定装置
出願人
大和製衡株式会社
代理人
弁理士法人有古特許事務所
主分類
G01N
27/02 20060101AFI20240813BHJP(測定;試験)
要約
【課題】 被測定物の品質状態を、被測定物の種類または個体差によらず、容易に測定することができる品質状態測定装置を提供する。
【解決手段】 インピーダンス測定部40と品質判定部47とを備え、インピーダンス測定部40は、3以上のn個の周波数のうちの互いに異なる周波数を有するn個の定電流を流すことにより、各定電流に応じて被測定物に印加されるn個の電圧値を検出し、品質判定部47は、n個の電圧値に応じたn個のインピーダンスを算出し、n個の周波数の中の3個の周波数からなる1つ以上の組み合わせにおいて、3個の周波数を低い方から順に第1、第2、第3の周波数とし、第1、第2、第3の周波数を有する定電流を流したときのインピーダンスを第1、第2、第3のインピーダンスとした場合に、第1と第2のインピーダンスの差と、第2と第3のインピーダンスの差との大小比較結果に基づいて、被測定物の品質状態を判定する。
【選択図】 図2
特許請求の範囲
【請求項1】
魚肉および食肉を含む被測定物のインピーダンスを得るための電圧を測定するインピーダンス測定部と、
前記インピーダンスに基づいて前記被測定物の品質状態を判定する品質判定部と、を備え、
前記インピーダンス測定部は、
所定の周波数および所定の定電流値を有する定電流を出力する定電流回路と、
前記定電流回路から出力される定電流を前記被測定物に流し、当該定電流を流したときに前記被測定物に印加される電圧を検出するために、当該被測定物の表面に接触させる少なくとも1つの陽極側電極および少なくとも1つの陰極側電極と、を備え、
前記インピーダンス測定部は、
nを3以上の所定の整数とした場合に、前記定電流回路から前記陽極側電極と前記陰極側電極との間に、所定の定電流値を有し、予め定められたn個の周波数のうちの互いに異なる1個の周波数を有するn個の定電流を流すことにより、各定電流に応じて前記被測定物に印加されるn個の電圧値を検出し、
前記品質判定部は、
前記検出された前記n個の電圧値のそれぞれに応じたn個のインピーダンスを算出し、前記n個の周波数の中から予め選択された3個の周波数からなる1つ以上の組み合わせにおいて、前記組み合わせに選択された3個の周波数を、低い方から順に第1の周波数、第2の周波数、第3の周波数とし、前記第1、第2、第3の周波数を有する定電流を流すことにより前記検出された電圧値に応じた前記インピーダンスを第1、第2、第3のインピーダンスとした場合に、前記第1のインピーダンスと前記第2のインピーダンスの差である第1の差と、前記第2のインピーダンスと第3のインピーダンスの差である第2の差との大小比較結果に基づいて、前記被測定物の品質状態を判定するよう構成された、
品質状態測定装置。
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【請求項2】
前記品質判定部は、
前記第1の差が前記第2の差以上である場合に、前記被測定物の品質状態が第1の特定品質であると判定し、前記第1の差が前記第2の差より小さい場合に、前記被測定物の品質状態が前記第1の特定品質より時間が経過したときの品質状態を示す第2の特定品質であると判定する、
請求項1に記載の品質状態測定装置。
【請求項3】
前記nは4以上の所定の整数であり、
前記n個の周波数の中から予め選択された3個の周波数からなる前記組み合わせの数が複数である、
請求項1または2に記載の品質状態測定装置。
【請求項4】
前記nは5であり、
前記予め定められた5個の周波数を、低い方から順にf1、f2、f3、f4、f5とした場合に、
予め選択された3個の周波数からなる複数の前記組み合わせが、
前記f2と前記f3と前記f5とからなる第1の組み合わせと、
前記f1と前記f3と前記f5とからなる第2の組み合わせと、
前記f2と前記f3と前記f4とからなる第3の組み合わせと、
前記f1と前記f3と前記f4とからなる第4の組み合わせと、
前記f3と前記f4と前記f5とからなる第5の組み合わせとのうちの、
少なくとも前記第1、第2および第3の組み合わせを含む、
請求項3に記載の品質状態測定装置。
【請求項5】
前記複数の組み合わせが前記第1ないし第5の組み合わせを含み、
前記f1、f2、f3、f4、f5の周波数の定電流を流したときに算出されたインピーダンスがZ1、Z2、Z3、Z4、Z5である場合には、
前記第1の組み合わせに選択された前記f2、f3、f5の周波数の定電流を流したときの前記第1、第2、第3のインピーダンスが前記Z2,Z3,Z5であり、
前記第2の組み合わせに選択された前記f1、f3、f5の周波数の定電流を流したときの前記第1、第2、第3のインピーダンスが前記Z1,Z3,Z5であり、
前記第3の組み合わせに選択された前記f2、f3、f4の周波数の定電流を流したときの前記第1、第2、第3のインピーダンスが前記Z2,Z3,Z4であり、
前記第4の組み合わせに選択された前記f1、f3、f4の周波数の定電流を流したときの前記第1、第2、第3のインピーダンスが前記Z1,Z3,Z4であり、
前記第5の組み合わせに選択された前記f3、f4、f5の周波数の定電流を流したときの前記第1、第2、第3のインピーダンスが前記Z3,Z4,Z5であり、
前記品質判定部は、
Z2-Z3≧Z3-Z5の場合に、前記被測定物の品質状態が第1品質であると判定し、
Z2-Z3<Z3-Z5であり、かつ、Z1-Z3≧Z3-Z5の場合に、前記被測定物の品質状態が前記第1品質より時間が経過したときの品質状態を示す第2品質であると判定し、
Z1-Z3<Z3-Z5であり、かつ、Z2-Z3≧Z3-Z4の場合に、前記被測定物の品質状態が前記第2品質より時間が経過したときの品質状態を示す第3品質であると判定し、
Z2-Z3<Z3-Z4であり、かつ、Z1-Z3≧Z3-Z4の場合に、前記被測定物の品質状態が前記第3品質より時間が経過したときの品質状態を示す第4品質であると判定し、
Z1-Z3<Z3-Z4であり、かつ、Z3-Z4≧Z4-Z5の場合に、前記被測定物の品質状態が前記第4品質より時間が経過したときの品質状態を示す第5品質であると判定し、
Z3-Z4<Z4-Z5の場合に、前記被測定物の品質状態が前記第5品質より時間が経過したときの品質状態を示す第6品質であると判定する、
請求項4に記載の品質状態測定装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定物の品質状態を測定する品質状態測定装置に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、魚の鮮度や食肉の熟成度等の品質状態を判定するための方法が知られている。例えば、特許文献1には、畜肉試料に異なる周波数の交流電圧を印加して、インピーダンス比または差を測定し、当該測定の結果等に基づいて、畜肉試料の熟成度を判定する熟成度判定方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2009-79966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の熟成度判定方法では、例えば、インピーダンス比と評価基準(熟成度指標)との相関関係データを畜肉試料の種類ごとにデータ処理部に事前に記録しておく必要がある。
【0005】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、被測定物の品質状態を、被測定物の種類または個体差によらず、容易に測定することができる品質状態測定装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のある態様に係る品質状態測定装置は、魚肉および食肉を含む被測定物のインピーダンスを得るための電圧を測定するインピーダンス測定部と、前記インピーダンスに基づいて前記被測定物の品質状態を判定する品質判定部と、を備え、前記インピーダンス測定部は、所定の周波数および所定の定電流値を有する定電流を出力する定電流回路と、前記定電流回路から出力される定電流を前記被測定物に流し、当該定電流を流したときに前記被測定物に印加される電圧を検出するために、当該被測定物の表面に接触させる少なくとも1つの陽極側電極および少なくとも1つの陰極側電極と、を備え、前記インピーダンス測定部は、nを3以上の所定の整数とした場合に、前記定電流回路から前記陽極側電極と前記陰極側電極との間に、所定の定電流値を有し、予め定められたn個の周波数のうちの互いに異なる1個の周波数を有するn個の定電流を流すことにより、各定電流に応じて前記被測定物に印加されるn個の電圧値を検出し、前記品質判定部は、前記検出された前記n個の電圧値のそれぞれに応じたn個のインピーダンスを算出し、前記n個の周波数の中から予め選択された3個の周波数からなる1つ以上の組み合わせにおいて、前記組み合わせに選択された3個の周波数を、低い方から順に第1の周波数、第2の周波数、第3の周波数とし、前記第1、第2、第3の周波数を有する定電流を流すことにより前記検出された電圧値に応じた前記インピーダンスを第1、第2、第3のインピーダンスとした場合に、前記第1のインピーダンスと前記第2のインピーダンスの差である第1の差と、前記第2のインピーダンスと第3のインピーダンスの差である第2の差との大小比較結果に基づいて、前記被測定物の品質状態を判定するよう構成されている。
【0007】
本発明の発明者らは、鋭意研究の結果、周波数を低い方から順に第1の周波数、第2の周波数、第3の周波数とした場合に、第1、第2の周波数の定電流を流したときに算出された第1、第2のインピーダンスの差である第1の差の経時変化を示すグラフと、第2、第3の周波数の定電流を流したときに算出された第2、第3のインピーダンスの差である第2の差の経時変化を示すグラフとは、必ず交差し、この交差ポイントは、被測定物の種類や個体差によらず、被測定物の品質(鮮度)が所定の状態のときであるという知見を得た。このような知見に基づいて、本発明の発明者らは、上記構成の品質状態測定装置を相当するに至った。
【0008】
上記構成によれば、第1、第2の周波数の定電流を流したときに算出された第1、第2のインピーダンスの差である第1の差と、第2、第3の周波数の定電流を流したときに算出された第2、第3のインピーダンスの差である第2の差との大小比較結果に基づいて被測定物の品質状態を判定することにより、被測定物の種類または個体差によらず、品質状態を容易にかつ高精度に測定することができる。
【0009】
前記品質判定部は、前記第1の差が前記第2の差以上である場合に、前記被測定物の品質状態が第1の特定品質であると判定し、前記第1の差が前記第2の差より小さい場合に、前記被測定物の品質状態が前記第1の特定品質より時間が経過したときの品質状態を示す第2の特定品質であると判定するようにしてもよい。
【0010】
前記nは4以上の所定の整数であり、前記n個の周波数の中から予め選択された3個の周波数からなる前記組み合わせの数が複数であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)
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