TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024111808
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-19
出願番号2024001233
出願日2024-01-09
発明の名称中空シリカ粒子の分散液、及びその製造方法
出願人日揮触媒化成株式会社
代理人弁理士法人前田特許事務所
主分類C01B 33/145 20060101AFI20240809BHJP(無機化学)
要約【課題】屈折率が低く、被膜付基材に使用した場合、優れた反射防止性能を発揮する中空シリカ粒子の分散液及びその製造方法を提供する。
【解決手段】この粒子は、珪素を含む外殻と、その内側に空洞を有する粒子であって、粒子の15体積%に調整された分散液を1,000,000Gで遠心分離することで得られる沈降物の体積が、遠心分離前の分散液の体積に対して25%以下である。この粒子を含む分散液を被膜付基材に使用した場合、優れた反射防止性能を発揮する。特に、レジスト材に使用した場合、優れた現像性を発揮する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
珪素を含む外殻と、その内側に空洞を有する粒子であって、
前記粒子の15体積%に調整された分散液を1,000,000Gで遠心分離することで得られる沈降物の体積が、遠心分離前の分散液の体積に対して25%以下であることを特徴とする中空シリカ粒子の分散液。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
前記粒子の粒子径の変動係数が20~55%であることを特徴とする請求項1に記載の分散液。
【請求項3】
前記粒子のシアーズ測定法によって算出される粒子表面のシラノール基の数密度が0.5~2.5個/nm

であることを特徴とする請求項1又は2記載の分散液。
【請求項4】
前記粒子の屈折率が1.12~1.35であることを特徴とする請求項1又は2記載の分散液。
【請求項5】
前記粒子の平均粒子径が15~55nmであることを特徴とする請求項1又は2記載の分散液。
【請求項6】
前記外殻の厚さが3~7nmであることを特徴とする請求項1に記載の分散液。
【請求項7】
前記粒子のヘリウムガスによる密度と窒素ガスによる密度との差が、0.2~1.0g/cm

であることを特徴とする請求項1又は2記載の分散液。
【請求項8】
前記粒子が、SiO

と、
Siと、Al、As、B、Bi、Cd、Co、Fe、Ga、Ge、In、Pb、Sb、Sn、Ti、V、Zn、及び、Zrから選ばれる元素の少なくとも1種と、を含む酸化物、
の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の分散液。
【請求項9】
前記粒子が、前記粒子を構成する金属元素の量の合計を酸化物基準で100質量部と表した時、珪素をSiO

として98質量部以上含むことを特徴とする請求項1又は2記載の分散液。
【請求項10】
前記粒子の水分散液のパルスNMR測定から求められる粒子の比表面積(A1)と、前記粒子の平均粒子径から求められる粒子の比表面積(A2)との比(A1/A2)が0.60以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の分散液。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、中空シリカ粒子の分散液、及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、半導体素子、プリント基板、液晶ディスプレイパネル、有機ELディスプレイパネル等の製造に用いられるフォトリソグラフィでは、基板上に感光性の物質を塗布し、パターン状に露光及び現像させることにより加工する技術が普及している。このフォトリソグラフィに使用される感光性材料(レジスト材)は、基板表面に、例えば、低屈折率膜(あるいは高屈折率膜)や絶縁膜といった機能膜をパターン状に形成させる材料である。このため、高感度、高解像度、及び高透明性が要求される。このような機能膜は、レジスト材を用いて所望する形状にパターニングされながら形成される。このレジスト材は、樹脂成分と、重合開始剤、及び溶剤といった成分で構成される。
【0003】
これまで、膜の低屈折率化の手段として、中空シリカ粒子や、粒子内部が多孔質な低屈折率粒子を塗布液に使用することが知られている。例えば、特開2019-119848号公報(特許文献1)や特開2020-166156号公報(特許文献2)には、感光性樹脂組成物として、膜の屈折率を低くするために、粒子内に気体が包含されているシリカ粒子を使用することが示されている。また、特開2018-123043号公報(特許文献3)には、平均粒径が50nmよりも小さいシリカ系中空粒子分散液の製造方法が示されている。更に、特開2009-020520号公報(特許文献4)には、低誘電性、接着力、耐熱性等に優れた感光性樹脂組成物について記載され、有機シランで表面処理されたコロイド状ナノ粒子無機物の使用について示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-119848号公報
特開2020-166156号公報
特開2018-123043号公報
特開2009-020520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、回路の高密度化に伴い、パターン部のピッチ幅を100nm程度とするファインピッチ化が求められている。このファインピッチ化のためには、パターン部の高い直線性、高い平滑性、及び基板上の残渣が少ないことが求められ、レジスト膜として高い現像性を実現する必要がある。また、レジスト膜の低屈折率化の手段としては、粒子に占める空洞の割合(空隙率)の高い中空粒子すなわち粒子径の大きい中空粒子を配合することが挙げられる。ところが、粒子径の大きい中空粒子を配合すると、パターン部の表面凹凸が大きくなるためシャープなパターンが得られ難い。一方、このパターン部の表面凹凸を抑制するために粒子径の小さい中空粒子を配合すると、粒子径の大きい中空粒子に比べて、中空粒子の空隙率が低く屈折率が高いため、膜の屈折率の低下が不十分となる。このように、中空粒子の粒子径と空隙率との間には相関性がある。また、膜の低屈折率化を図って中空粒子の配合量を増加しても、粒子間に存在し得る樹脂成分が少ないことに起因して、表面凹凸が大きくなり、シャープなパターンが得られ難くなる。すなわち、屈折率と表面凹凸とはトレードオフの関係にある。
【0006】
特許文献1や特許文献2に記載の粒子を100nm程度のピッチ幅が求められるレジスト材に使用する場合は、屈折率の低い膜を得ることは期待できるが、ピッチ幅に対して粒子径が大きいため、シャープなパターンが得られ難い問題がある。また、膜中の粒子の充填率としては低いため、レジスト膜の屈折率は不十分である。逆に、粒子径を小さくすると、粒子の空隙率は低く、屈折率は高くなるため、所望する膜の屈折率が得られない問題がある。更に、アルカリ現像液との相溶性が低いため、シャープなパターンを形成することが困難となる問題や、基板上に粒子に由来する残渣が生じる問題がある。特許文献3に記載の粒子を使用する場合は、ピッチ幅に対して粒子径が小さい点ではシャープなパターンが得られやすいが、膜中の粒子の充填率は低いため、レジスト膜の屈折率が高くなる問題がある。また、粒子表面のシラノール基の数密度が低いため、アルカリ現像液との相溶性が低く、シャープなパターンを形成することが困難となる問題や、基板上に粒子に由来する残渣が生じる問題がある。特許文献4は、粒子は、有機シランで表面処理されているためレジスト膜中の分散性は高いものの、粒子の充填率は低い。また、アルカリ現像液との相溶性も低いため、シャープなパターンが形成することが困難となる問題や、基板上に粒子に由来する残渣が生じる問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題を解決するため、以下のような中空シリカ粒子の分散液を見出した。この中空シリカ粒子は、珪素を含む外殻と、その内側に空洞を有する。この粒子は、粒子の15体積%に調整された分散液を1,000,000Gで遠心分離することで得られる沈降物の体積が、遠心分離前の分散液の体積に対して25%以下である。
【0008】
以下、この中空シリカ粒子を単に「粒子」あるいは「分散液中の粒子」ということがある。
【0009】
この粒子は、屈折率が低く、被膜付基材に使用した場合、優れた反射防止性能を発揮する。特に、レジスト材に使用した場合、優れた現像性を発揮する。
【0010】
この粒子を得るために、以下のような製造方法を見出した。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

日揮触媒化成株式会社
硝酸含有廃液の処理方法および硝酸分解用触媒
1か月前
東ソー株式会社
硫酸マンガン溶液の製造方法
1か月前
三菱重工業株式会社
水素製造装置
11日前
三菱重工業株式会社
水素製造装置
11日前
古河ケミカルズ株式会社
酸化銅の製造方法
12日前
パテントフレア株式会社
大型ダイヤモンド結晶化法
1か月前
東ソー株式会社
窒化ガリウムの粉末及びその製造方法
1か月前
三桜工業株式会社
水素発生装置及び水素発生方法
8日前
三菱ケミカル株式会社
ゼオライトの製造方法
8日前
三菱ケミカル株式会社
ゼオライトの製造方法
8日前
日本特殊陶業株式会社
多孔体
11日前
個人
オゾン発生用放電管
4日前
三菱ケミカル株式会社
球状ゼオライトの製造方法
11日前
株式会社トクヤマ
球状表面処理シリカエアロゲル及びその製造方法
20日前
株式会社神戸製鋼所
多孔質炭素の製造方法
8日前
東京都公立大学法人
二酸化炭素の放出方法
1か月前
住友電気工業株式会社
ゲルマニウムの回収方法
8日前
ティエムファクトリ株式会社
エアロゲルおよびその製造方法
19日前
デクセリアルズ株式会社
シリカエアロゲル分散物、シート、膜
4日前
国立大学法人電気通信大学
窒素化グラファン
13日前
堺化学工業株式会社
還元触媒前駆体の製造方法
1か月前
明智セラミックス株式会社
活性炭の処理方法および蓄電デバイス
19日前
古河ケミカルズ株式会社
塩基性炭酸銅の製造方法および酸化銅の製造方法
12日前
株式会社アドマテックス
一酸化ケイ素の製造方法
19日前
三菱重工業株式会社
ロックホッパの運転方法、および固体移動装置
1か月前
株式会社TBM
炭酸カルシウム粒子の製造方法
4日前
国立研究開発法人産業技術総合研究所
半導体カーボンナノチューブを備える積層体
19日前
小池酸素工業株式会社
ヘリウムガス回収精製装置
13日前
東急ジオックス株式会社
発熱塗料の製造方法
11日前
日本ゼオン株式会社
カーボンナノチューブ分散液の製造方法
19日前
株式会社TBM
チューブ状炭酸カルシウムの製造方法
4日前
キヤノン株式会社
水素発生装置及び情報管理システム
12日前
株式会社MARUWA
窒化アルミニウム粉末及びその改質方法並びに高分子成形体
4日前
住友金属鉱山株式会社
ニッケル硫化物原料の処理方法、並びに硫黄回収方法
4日前
三菱重工業株式会社
水素製造装置、水素製造方法、および水素製造プログラム
11日前
学校法人神奈川大学
酸水酸化物及びそれからなる蛍光発光体並びにそれらの製造方法
20日前
続きを見る