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公開番号
2024110464
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-16
出願番号
2023015004
出願日
2023-02-03
発明の名称
樹脂組成物及びその製造方法
出願人
日本製紙株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C08L
101/00 20060101AFI20240808BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】本発明の課題は、木質系バイオマスを混合した樹脂組成物において、高い強度をもつ樹脂組成物を提供することである。
【解決手段】成分(A):平均粒子径が5~100μm である粉末状セルロースと、成分(B):熱可塑性樹脂と、成分(C):α,β―不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体で変性された変性ポリオレフィン樹脂と、成分(D):アミノ基を有する多糖類を含む樹脂組成物。さらに、前記成分(C)と前記成分(D)とがグラフト反応して得られる成分(E):アミド化合物を含むことを特徴する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記成分(A)~(D)を含む、樹脂組成物。
成分(A):平均粒子径が5~100μmである粉末状セルロース
成分(B):熱可塑性樹脂
成分(C):α,β―不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体で変性された変性ポリオレフィン樹脂
成分(D):アミノ基を有する多糖類
続きを表示(約 660 文字)
【請求項2】
前記成分(C)と前記成分(D)とがグラフト反応して得られる成分(E):アミド化合物を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記成分(A)~(D)の配合比が、成分(A):成分(B):成分(C):成分(D)=1~50:50~99:0.5~5.0:0.05~1.0である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記成分(D)がキトサンである、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記成分(C)において、ポリオレフィン樹脂に対するα,β-不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体の変性量が、1.0~5.0重量%である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1または2に記載の樹脂組成物を含む、成型用樹脂材料。
【請求項7】
下記成分(A)~(D)を加熱混錬する工程含む、樹脂組成物の製造方法。
成分(A):平均粒子径が5~100μmである粉末状セルロース
成分(B):熱可塑性樹脂
成分(C):α,β―不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂
成分(D):アミノ基を有する多糖類
【請求項8】
前記加熱混錬工程において、前記成分(C)と前記成分(D)とを予め加熱混錬して前記成分(E)を調製した後、前記成分(A)と前記成分(B)を加え、更に加熱混錬する工程を含む、請求項7に記載の樹脂組成物の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末状セルロース、熱可塑性樹脂、α,β―不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂及びアミノ基を有する多糖類を含有する樹脂組成物及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
産業資源としてのバイオマス材が注目されている。バイオマス材とは、植物などの生物を由来とした材料を意味する。バイオマス材は有機物であるため、燃焼させると二酸化炭素が排出される。しかしこれに含まれる炭素は、そのバイオマスが成長過程で光合成により大気中から吸収した二酸化炭素に由来するため、バイオマス材を使用し、焼却してもライフサイクルでの二酸化炭素の排出量は石油化学製品より少ない。
【0003】
地球温暖化問題等の地球環境問題を背景として、省資源化、及び廃棄物の原材料を目指すマテリアルリサイクル、そして、生分解性プラスチックに代表される環境循環サイクルの推進が急務となっており、我が国でも改正リサイクル法やグリーン購入法等が整備され、これに対応した製品のニーズも高まっている。
【0004】
こうした状況において、自動車部品の材料から日用品まで幅広く使用されている樹脂成型品にバイオマス材を配合することは、ライフサイクルでの二酸化炭素排出量の削減の実践を促進するところである。例えば、特許文献1にはカルボキシルメチル化セルロースナノファイバー、第1級アミノ基を有する高分子化合物、酸変性されたポリオレフィン、ポリオレフィンを含有する複合材料が記載されている。特許文献2には木材パルプとポリマーマトリックスを含むセルロース複合材料が記載されている。特許文献3には木粉とランダムポリプロピレン樹脂を混合し、射出成形機によって木粉含有樹脂射出成形品を製造する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2014/087767号公報
特表2019-512591号公報
特開2010-138337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、単に「木質系バイオマス」と「ポリプロピレン」とを混合して加熱溶融して成形する場合には、木質系バイオマスが親水性であるためにポリプロピレンと均一に混合できない、得られる成形物品の強度が弱い、などの問題があった。
【0007】
特許文献1ではポリオレフィン樹脂中に均一に分散させるためにカルボキシルメチル化セルロースナノファイバーを使用することが記載されているが、セルロースをカルボキシメチル化し、さらにナノファイバー化する工程は容易ではなく、また、著しくコストアップとなるなどの問題があった。
【0008】
特許文献1~3に記載されるような方法により、木質系バイオマスと熱可塑性樹脂との複合材料の調製は可能となったものの、容易に調製可能な更なる強度向上品の開発が望まれる。
【0009】
そこで、本発明の課題は、木質系バイオマスを混合した樹脂組成物において、高い強度をもつ樹脂組成物を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以下の[1]~[8]を提供する。
[1]下記成分(A)~(D)を含む、樹脂組成物。
成分(A):平均粒子径が5~100μmである粉末状セルロース
成分(B):熱可塑性樹脂
成分(C):α,β―不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体で変性された変性ポリオレフィン樹脂
成分(D):アミノ基を有する多糖類
[2]前記成分(C)と前記成分(D)とがグラフト反応して得られる成分(E):アミド化合物を含む、[1]に記載の樹脂組成物。
[3]前記成分(A)~(D)の配合比が、成分(A):成分(B):成分(C):成分(D)=1~50:50~99:0.5~5.0:0.05~1.0である、[1]または[2]に記載の樹脂組成物。
[4]前記成分(D)がキトサンである、[1]または[2]に記載の樹脂組成物。
[5]前記成分(C)において、ポリオレフィン樹脂に対するα,β-不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体の変性量が、1.0~5.0重量%である、[1]または[2]に記載の樹脂組成物。
[6][1]または[2]に記載の樹脂組成物を含む、成型用樹脂材料。
[7]下記成分(A)~(D)を加熱混錬する工程含む、樹脂組成物の製造方法。
成分(A):平均粒子径が5~100μmである粉末状セルロース
成分(B):熱可塑性樹脂
成分(C):α,β―不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂
成分(D):アミノ基を有する多糖類
[8]前記加熱混錬工程において、前記成分(C)と前記成分(D)とを予め加熱混錬して前記成分(E)を調製した後、前記成分(A)と前記成分(B)を加え、更に加熱混錬する工程を含む、[7]に記載の樹脂組成物の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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