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公開番号2024108955
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-13
出願番号2023013640
出願日2023-01-31
発明の名称土木構造体
出願人株式会社 林物産発明研究所
代理人
主分類E03F 1/00 20060101AFI20240805BHJP(上水;下水)
要約【課題】 強固でかつ人力でも容易に構築可能な土木構造体を提供する。
【解決手段】 複数の剛性柱と、基部、前記基部から突起する脚部、前記脚部の先端の閉塞部、及び、前記基部に形成された開口から前記閉塞部まで前記剛性柱を挿入可能な中空部を有する脚付台が格子状に配列された空隙構造を有する土木構造体であって、前記空隙構造では、上下方向に配列された前記脚付台が、前記基部同士及び前記脚部同士が対向するように交互に上下逆向きに積層されて形成され、前記閉塞部同士を対向させて上下に隣接する2つの前記脚付台の前記中空部のそれぞれに別個の剛性柱が挿入され、当該別個の剛性柱の間の前記閉塞部により当該別個の剛性柱同士の接触が防止されている、土木構造体とした。
【選択図】 図4

特許請求の範囲【請求項1】
複数の剛性柱と、
基部、前記基部から突起する脚部、前記脚部の先端の閉塞部、及び、前記基部に形成された開口から前記閉塞部まで前記剛性柱を挿入可能な中空部を有する脚付台が格子状に配列された空隙構造を有する土木構造体であって、
前記空隙構造では、上下方向に配列された前記脚付台が、前記基部同士及び前記脚部同士が対向するように交互に上下逆向きに積層されて形成され、
前記閉塞部同士を対向させて上下に隣接する2つの前記脚付台の前記中空部のそれぞれに別個の剛性柱が挿入され、当該別個の剛性柱の間の前記閉塞部により当該別個の剛性柱同士の接触が防止されている、土木構造体。
続きを表示(約 900 文字)【請求項2】
前記開口部同士を対向させて上下に隣接する2つの前記脚付台よりなる脚付台対の前記中空部に挿入された前記剛性柱は、前記脚付台対を構成する上下2つの前記脚付台の前記中空部に跨って挿入された単一の第1剛性柱である、請求項1の土木構造体。
【請求項3】
前記空隙構造の上及び/又は下に配置された剛性板を更に有し、
前記剛性板は、柱収容凹部を有し、
前記空隙構造の最上段及び/又は最下段の前記脚付台は、前記開口部を前記剛性板に向けて配置されており、
前記最上段及び/又は前記最下段の前記脚付台の前記中空部に一端を挿入された前記剛性柱の他端が前記柱収容凹部に挿入されている、請求項1又は2の土木構造体。
【請求項4】
前記空隙構造の上及び/又は下に配置された剛性板と、
前記開口部から前記中空部の中間位置まで挿入可能な外形寸法のスペーサを更に有し、
前記空隙構造の最上段及び/又は最下段の前記脚付台は、前記開口部を前記剛性板に向けて配置されており、
前記空隙構造の最上段及び/又は最下段の前記脚付台の前記中空部に前記スペーサが挿入され、
前記スペーサが挿入された前記空隙構造の最上段及び/又は最下段の前記脚付台の前記中空部の他端が挿入された前記剛性柱の一端が前記柱収容凹部に挿入されている、請求項1又は2の土木構造体。
【請求項5】
前記剛性スペーサの高さ寸法が、前記脚の前記開口部から前記中空部の中間位置までの寸法よりも大きい、請求項5の土木構造体。
【請求項6】
前記脚部と前記剛性柱の間に固形充填剤が配置された、請求項1の土木構造体。
【請求項7】
前記固形充填剤は、透水性袋に入れたモルタルの硬化により形成され、
前記透水性袋が配置された前記中空空間に前記剛性柱を挿入すること、又は、前記透水性袋を先端に配置した前記剛性柱を前記中空空間に挿入することにより前記固形充填剤が前記脚部と前記剛性柱の間に充填される、請求項6の土木構造体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、主として土木工事等で使用される土木構造体(骨組構造体)に関し、特に、貯水槽として使用される土木構造体に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
高空隙率のブロックを多数積み上げた土木構造体を窪地に設置し、土で埋戻すことで、雨水の貯留空間を形成した貯留施設が知られている(特許文献1~3)。土木構造体はダム構造や盛土等の形成にも利用可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2004-212316号公報
特開2010-048010号公報
特開2018-231794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の土木構造体を構成するブロックはプラスチック製であるため、土圧への耐性に問題があり、クリープ変形する問題があった。出願人はこれまでコンクリート等の剛性材料を用いた土木構造体を検討してきたが、骨組構造の安定化方法や施工の安全性、容易性、費用等に問題を有していた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願には、
複数の剛性柱と、
基部、前記基部から突起する脚部、前記脚部の先端の閉塞部、及び、前記基部に形成された開口から前記閉塞部まで前記剛性柱を挿入可能な中空部を有する脚付台が格子状に配列された空隙構造を有する土木構造体であって、
前記空隙構造では、上下方向に配列された前記脚付台が、前記基部同士及び前記脚部同士が対向するように交互に上下逆向きに積層されて形成され、
前記閉塞部同士を対向させて上下に隣接する2つの前記脚付台の前記中空部のそれぞれに別個の剛性柱が挿入され、当該別個の剛性柱の間の前記閉塞部により当該別個の剛性柱同士の接触が防止されている、土木構造体が開示される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明の1実施形態の土木構造体1を用いた貯留槽3を示す。
図2は、土木構造体1をより詳細に示す。
図3は、例示的な脚付台20を示す。(a)は斜視図である。(b)は断面図である。
図4(a)は、1実施形態の土木構造体1Aを示す。図4(b)は、土木構造体1Aの構成要素を示す。
図5(a)は、他の実施形態の土木構造体1Bを示す。図5(b)は、土木構造体1Bの構成要素を示す。
図6(a)は、他の実施形態の土木構造体1Cを示す。図6(b)は、土木構造体1Bの構成要素を示す。
固形充填剤の充填方法を示す。
固形充填剤の充填方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、本発明の1実施形態の土木構造体1を示す。土木構造体1を窪地2に設置して土で埋め戻すことで雨水等を貯留可能な貯留槽3を形成できる。土木構造体1を路面下や宅地下に設置して盛土として使用し、又は、ダム底に設置してダム構造を形成してもよい。土木構造体1の側部や上部に側壁1aや天井1bを設けてもよい。
【0008】
図2は、土木構造体1をより詳細に示す。図のように、土木構造体1は、立体格子状(例えば、立方格子状)に配列された複数の脚付台20からなる空隙構造(隙間の多い構造)を有する。格子の単位胞を構成する6面は必ずしも正方形でなくてもよい。長方形や平行四辺形も可能である。左右上下方向に配列された脚付台20のみ示すが、脚付台20は、図2の紙面の前後方向にも配列され得る。配列数は、上下方向、左右方向及び前後方向とも任意である。図2は、左右に4つの脚付台20が隙間なく配列された例を示すが、隙間の有無は任意である。上下方向に配列された脚付台20の積層体を脚付台柱10と呼ぶ。
【0009】
図3は、例示的な脚付台20を示す。(a)は斜視図である。(b)は断面図である。脚付台20は、基部21、基部21の表面から突起する脚22、脚部先端の閉塞部23、及び、基部21の裏面に形成された開口24から閉塞部23に至る中空部25を有する。中空部25は、後述の剛性柱30A,30Bが挿入可能なサイズ/形状を有する。剛性柱30A,30Bは、閉塞部を通過することができない。中空部25は、錐台(例えば、円錐台)形状が好ましい。脚22の数が4本の脚付台20を示すが、脚22の数は、1~3本でも、5本以上でもよい。脚付台20は、プラスチック等で形成できる。以下、図2のように脚部22が上になっている脚付台20を上向きと言い、その逆(脚部22が下向きになっている脚付台20)を下向きと言う。
【0010】
再度図2を参照すると、各脚付台柱10の脚付台20は、閉塞部23(脚22側/上側)同士又は開口部24(基部21側/下側)同士が対向するように交互に上下方向を逆転させて積層されている。図2では上下に8つの脚付台20が積層されているが、積層数は任意である。以下では、開口部24同士を対向させた隣接する一対の脚付台20を脚付台対20Pと言い、最上段の脚付台20を最上脚付台20T、最下段の脚付台20を最下脚付台20Bと言う。脚付台対20Pの2つの中空部25、最上脚付台20Tの中空部25及び最下脚付台20Bの中空部25には、それぞれ、別個の剛性柱(第1剛性柱30A/第2剛性柱30B)が挿入されている。
(【0011】以降は省略されています)

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