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公開番号2024106792
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-08
出願番号2023011230
出願日2023-01-27
発明の名称水素発酵処理システムおよび水素発酵処理方法
出願人株式会社神鋼環境ソリューション,国立大学法人東北大学
代理人弁理士法人ATEN
主分類B09B 3/60 20220101AFI20240801BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】難分解性の有機性廃棄物であるリグノセルロース系バイオマスを原料として水素発酵を行い、水素ガス等のバイオガスを効率的に製造するための水素発酵処理システムおよび水素発酵処理方法を提供する。
【解決手段】ルーメン液及び培養槽40で培養されるルーメン微生物培養液の少なくとも一つとリグノセルロース系バイオマスとを含む混合液を貯留する貯留槽10と、前記貯留槽10から供給された前記混合液を分解処理及び水素発酵処理を行う分解・水素発酵槽20と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ルーメン液及び培養槽で培養されるルーメン微生物培養液の少なくとも一つとリグノセルロース系バイオマスとを含む混合液を貯留する貯留槽と、
前記貯留槽から供給された前記混合液の分解処理及び水素発酵処理を行う分解・水素発酵槽と、
を備えることを特徴とする水素発酵処理システム。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
有機性廃棄物をメタン発酵処理する第1メタン発酵槽をさらに備え、
前記第1メタン発酵槽内のメタン発酵液を前記貯留槽及び前記培養槽の少なくとも一つに供給することを特徴とする請求項1に記載の水素発酵処理システム。
【請求項3】
前記分解・水素発酵槽内の水素発酵液を原料としてメタン発酵を行う第2メタン発酵槽をさらに備え、
前記第2メタン発酵槽内のメタン発酵液を前記貯留槽及び前記培養槽の少なくとも一つに返送することを特徴とする請求項1又は2に記載の水素発酵処理システム。
【請求項4】
ルーメン液及び培養槽で培養されるルーメン微生物培養液の少なくとも一つとリグノセルロース系バイオマスとを含む混合液を貯留する貯留槽と、
前記貯留槽から供給された前記混合液を分解処理する前処理槽と、
前記前処理槽内の前処理液を水素発酵処理する水素発酵槽と、
を備えることを特徴とする水素発酵処理システム。
【請求項5】
有機性廃棄物をメタン発酵処理する第1メタン発酵槽をさらに備え、
前記第1メタン発酵槽内のメタン発酵液を前記貯留槽、前記培養槽、及び前記前処理槽の少なくとも一つに供給することを特徴とする請求項4に記載の水素発酵処理システム。
【請求項6】
前記水素発酵槽内の水素発酵液を原料としてメタン発酵を行う第2メタン発酵槽をさらに備え、
前記第2メタン発酵槽内のメタン発酵液を前記貯留槽、前記培養槽、及び前記前処理槽の少なくとも一つに返送することを特徴とする請求項4又は5に記載の水素発酵処理システム。
【請求項7】
ルーメン液及び培養槽で培養されるルーメン微生物培養液の少なくとも一つとリグノセルロース系バイオマスとを含む混合液を貯留槽に貯留する貯留工程と、
前記貯留工程から供給された前記混合液の分解処理及び水素発酵処理を行う分解・水素発酵工程と、
を備えることを特徴とする水素発酵処理方法。
【請求項8】
有機性廃棄物をメタン発酵処理する第1メタン発酵工程をさらに備え、
前記第1メタン発酵工程で得られたメタン発酵液を前記貯留槽及び前記培養槽の少なくとも一つに供給することを特徴とする請求項7に記載の水素発酵処理方法。
【請求項9】
前記分解・水素発酵工程で得られた水素発酵液を原料としてメタン発酵を行う第2メタン発酵工程をさらに備え、
前記第2メタン発酵工程で得られたメタン発酵液を前記貯留槽及び前記培養槽の少なくとも一つに返送することを特徴とする請求項7又は8に記載の水素発酵処理方法。
【請求項10】
ルーメン液及び培養槽で培養されるルーメン微生物培養液の少なくとも一つとリグノセルロース系バイオマスとを含む混合液を貯留槽に貯留する貯留工程と、
前記貯留工程から供給された前記混合液を前処理槽で分解処理する前処理工程と、
前記前処理工程で得られた前処理液を水素発酵槽で水素発酵処理する水素発酵工程と、
を備えることを特徴とする水素発酵処理方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水素発酵処理システム、及び水素発酵処理方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
リグノセルロース系バイオマスは、植物細胞の細胞壁、即ち植物繊維の主成分を構成する、地球上に多く存在する有機炭素源であることから、石油などの化石燃料に代わるエネルギー資源として注目されている。また、リグノセルロース系バイオマスは、セルロースが、ヘミセルロース、リグニンと呼ばれる高分子化合物と複雑に絡み合ったリグノセルロース構造を形成しており、難分解性の有機性廃棄物であることから、分解の段階において多大なエネルギー、コスト、及び時間を要する。そのため、エネルギー資源としての利用の拡大が滞っているのが実情である。
【0003】
従来、生ごみ系有機性廃棄物を可溶化し、水素・メタン二段発酵を行うことで、水素ガスやメタンガスのようなバイオガスを作り出す技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【0004】
特許文献1には、糖質系廃棄物が主体の生ごみ系有機性廃棄物やセルロース固形物が主体の生ごみ系有機性廃棄物を嫌気性可溶化により低分子化する嫌気性可溶化と水素発酵とを併せ持つ工程、続く後段に完全混合型のメタン発酵工程からなる二段発酵法を行い、水素とメタンを回収する嫌気性処理方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2013-13896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の嫌気性処理方法においては、糖質系廃棄物が主体の生ごみ系有機性廃棄物やセルロース固形物が主体の生ごみ系有機性廃棄物を嫌気性可溶化により低分子化し、水素発酵とメタン発酵による二段発酵法でバイオガスが得られているものの、難分解性の有機性廃棄物であるリグノセルロース系バイオマスを嫌気性可溶化して、水素発酵の基質である還元糖にまで分解するには、分解反応時間(水理学的滞留時間)を長く設定する必要があり、容量の大きい発酵槽の設置が必要となる。また、含水率の低いリグノセルロース系バイオマスを水素発酵槽へ供給する場合、ポンプ等で移送できる濃度まで加水して希釈する必要があり、使用可能な水量に制限がある場所では、十分に希釈することができないといった問題があった。さらに、希釈のために水道水を使用する場合は、水道コストが高額になるといった問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、難分解性の有機性廃棄物であるリグノセルロース系バイオマスを原料として水素発酵を行い、水素ガス等のバイオガスを効率的に製造するための水素発酵処理システムおよび水素発酵処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の水素発酵処理システムは、ルーメン液及び培養槽で培養されるルーメン微生物培養液の少なくとも一つとリグノセルロース系バイオマスとを含む混合液を貯留する貯留槽と、前記貯留槽から供給された前記混合液の分解処理及び水素発酵処理を行う分解・水素発酵槽と、を備える。
【0009】
上記構成によれば、貯留槽内でリグノセルロース系バイオマスとルーメン液やルーメン微生物培養液とを混合することで分解処理が進み、後段の分解・水素発酵槽の水理学的滞留時間、または槽容量を低減することが可能となる。
【0010】
また、本発明の水素発酵処理システムにおいて、有機性廃棄物をメタン発酵処理する第1メタン発酵槽をさらに備え、前記第1メタン発酵槽内のメタン発酵液を前記貯留槽及び前記培養槽の少なくとも一つに供給するように構成されていてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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