TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024103325
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-01
出願番号2023007598
出願日2023-01-20
発明の名称活性炭成形体の製造方法
出願人株式会社クラレ
代理人個人,個人
主分類C01B 32/318 20170101AFI20240725BHJP(無機化学)
要約【課題】有害な物質を使わずに、高い硬度および高い吸着性能を有する活性炭成形体を製造する方法の提供。
【解決手段】活性炭原料、木質系フェノール化合物およびビニルアルコール重合体を含む組成物(A)をガス賦活する工程を含む、活性炭成形体の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
活性炭原料、木質系フェノール化合物およびビニルアルコール重合体を含む組成物(A)をガス賦活する工程を含む、活性炭成形体の製造方法。
続きを表示(約 820 文字)【請求項2】
前記組成物(A)は水を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記活性炭原料は、ヤシ殻、木炭、竹、石炭、植物性繊維質、木材、褐炭、泥炭、モミガラ、亜炭、ヤシ殻灰および低温乾留灰からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記活性炭原料は、レーザー回折測定法により測定した体積粒度分布における粒子径0.1~500μmの粒子が95体積%以上であり、体積基準の累積分布の50%粒子径が1~200μmである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記木質系フェノール化合物はリグニンの誘導体である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記リグニンの誘導体は、リグニンスルホン酸、リグノスルホン酸塩、リグノセルロース、ソーダリグニン、オルガノソルブリグニンおよび硫酸リグニンからなる群から選択される少なくとも一種である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記組成物(A)における前記木質系フェノール化合物の含有量は、前記活性炭原料100質量部に対して5~100質量部である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項8】
前記組成物(A)における前記ビニルアルコール重合体の含有量は、前記活性炭原料100質量部に対して0.1~70質量部である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項9】
前記組成物(A)における前記ビニルアルコール重合体の含有量は、前記木質系フェノール化合物100質量部に対して1~100質量部である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項10】
前記ビニルアルコール重合体は、けん化度が70モル%以上、粘度平均重合度が5000以下である、請求項1または2に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、活性炭成形体の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、吸着操作を効果的に行うため、造粒炭またはブロック若しくはハニカム等の形状の活性炭成形体が用いられている。造粒炭の多くは、主原料となる炭素質材料に、石炭由来のコールタールまたはピッチをバインダーとして加えて造粒した後、100~500℃程度の温度で炭化し、更に、700~1000℃の高温下で水蒸気または炭酸ガス等の賦活ガスの雰囲気下で賦活を行って製造する、いわゆる造粒後賦活により製造される(例えば、特許文献1)。しかしながら、従来の製造方法において造粒時にバインダーとして用いられているコールタールまたはピッチには発がん性があるため、これらを使用せずに活性炭を製造する技術が求められている。そのような製造方法として、例えば特許文献2には、粉砕した固体炭素質出発材料、リン酸および炭素質結合剤を含む混合物から固体粒子を製造し、該固体粒子を炭化および化学的賦活することによる、粒状活性炭の製造方法であって、前記炭素質結合剤は、リグノスルホン酸塩およびポリビニルアルコールからなる群から選択され、水またはリン酸溶液に溶解または懸濁し得る、方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開昭48-34094号公報
特開昭51-62196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、有害な物質を使わずに、優れた性能、例えば、高い硬度および高い吸着性能を有する活性炭成形体を製造する方法は常に求められている。従って、本発明が解決しようとする課題は、有害な物質を使わずに、高い硬度および高い吸着性能を有する活性炭成形体を製造する方法を提供することである。
また、粒度の小さいまたは小さすぎる活性炭原料、例えば、活性炭原料の粒度を賦活に適した粒度に揃えるために通常行われている粉砕工程において発生する、粒度の小さいまたは小さすぎる活性炭原料は、有効活用されることが望ましい。従って、本発明の一実施態様では、粒度の小さいまたは小さすぎる活性炭原料を有効に活用できる、活性炭成形体の製造方法を提供することもまた、課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、前記課題を解決するために、活性炭成形体の製造方法について詳細に検討を重ね、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、以下の好適な実施態様を包含する。
[1]活性炭原料、木質系フェノール化合物およびビニルアルコール重合体を含む組成物(A)をガス賦活する工程を含む、活性炭成形体の製造方法。
[2]前記組成物(A)は水を更に含む、上記[1]に記載の方法。
[3]前記活性炭原料は、ヤシ殻、木炭、竹、石炭、植物性繊維質、木材、褐炭、泥炭、モミガラ、亜炭、ヤシ殻灰および低温乾留灰からなる群から選択される少なくとも一種である、上記[1]または[2]に記載の方法。
[4]前記活性炭原料は、レーザー回折測定法により測定した体積粒度分布における粒子径0.1~500μmの粒子が95体積%以上であり、体積基準の累積分布の50%粒子径が1~200μmである、上記[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
[5]前記木質系フェノール化合物はリグニンの誘導体である、上記[1]~[4]のいずれかに記載の方法。
[6]前記リグニンの誘導体は、リグニンスルホン酸、リグノスルホン酸塩、リグノセルロース、ソーダリグニン、オルガノソルブリグニンおよび硫酸リグニンからなる群から選択される少なくとも一種である、上記[5]に記載の方法。
[7]前記組成物(A)における前記木質系フェノール化合物の含有量は、前記活性炭原料100質量部に対して5~100質量部である、上記[1]~[6]のいずれかに記載の方法。
[8]前記組成物(A)における前記ビニルアルコール重合体の含有量は、前記活性炭原料100質量部に対して0.1~70質量部である、上記[1]~[7]のいずれかに記載の方法。
[9]前記組成物(A)における前記ビニルアルコール重合体の含有量は、前記木質系フェノール化合物100質量部に対して1~100質量部である、上記[1]~[8]のいずれかに記載の方法。
[10]前記ビニルアルコール重合体は、けん化度が70モル%以上、粘度平均重合度が5000以下である、上記[1]~[9]のいずれかに記載の方法。
[11]前記組成物(A)を成形する工程(1)、および工程(1)により得られた成形体をガス賦活する工程(2)を含む、上記[1]~[10]のいずれかに記載の方法。
[12]前記工程(1)を押出造粒法、転動造粒法、流動層造粒法、打錠成形法、ペレットミル成形法、押出成型法および金型成型法のいずれかにより行う、上記[11]に記載の方法。
[13]前記工程(2)は、前記工程(1)により得られた成形体を、100~1000℃で熱処理した後、水蒸気、二酸化炭素、酸素、空気、燃焼ガス、またはこれらの2つ以上の混合ガスの雰囲気下、600~1000℃でガス賦活する工程である、上記[11]または[12]に記載の方法。
[14]活性炭原料、木質系フェノール化合物およびビニルアルコール重合体を含み、前記活性炭原料100質量部に対して48質量部以上の賦活薬品または前記活性炭原料100質量部に対して23質量部以上のアルカリ塩を含まない、組成物(A)。
[15]上記[1]~[13]のいずれかに記載の方法により得られる、活性炭成形体。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、有害な物質を使わずに、高い硬度および高い吸着性能を有する活性炭成形体を製造する方法を提供することができる。一実施態様では、粒度の小さいまたは小さすぎる活性炭原料を有効に活用できる、活性炭成形体の製造方法を提供することもできる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施態様について詳細に説明する。なお、本発明の範囲はここで説明する実施態様に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で種々の変更をすることができる。
【0008】
本発明の活性炭成形体の製造方法は、活性炭原料、木質系フェノール化合物およびビニルアルコール重合体を含む組成物(A)をガス賦活する工程を含む。組成物(A)は、ガス賦活工程に付す前までの組成物を示す。組成物(A)には、例えば、活性炭原料、木質系フェノール化合物およびビニルアルコール重合体等を混合することにより得られた混合物、並びに前記混合物を1以上の任意工程に付したもの等が包含される。任意工程には、後述する乾燥工程および成形工程(1)等が包含される。
【0009】
<活性炭原料>
本明細書において活性炭原料とは、賦活により活性炭になる物質を意味する。よって、活性炭原料は活性炭ではない。
活性炭原料は、活性炭成形体の所望の硬度および/または所望の吸着性能を得やすい観点、並びに入手容易性の観点から、好ましくは、ヤシ殻、木炭、竹、石炭、植物性繊維質、木材、褐炭、泥炭、モミガラ、亜炭、ヤシ殻灰および低温乾留灰からなる群から選択される少なくとも一種であり、より好ましくは、ヤシ殻および石炭からなる群から選択される少なくとも一種である。活性炭原料は市販されており、本発明の方法では、市販の活性炭原料を用いることができる。
【0010】
活性炭原料は、粒状または粉末状であることが好ましい。粒状または粉末状の活性炭原料を用いてもよいし、粒状または粉末状となるよう粉砕した活性炭原料を用いてもよい。
本発明の好ましい一実施態様において、活性炭原料は、レーザー回折測定法により測定した体積粒度分布における粒子径0.1~500μmの粒子が95体積%以上、より好ましくは97体積%以上、特に好ましくは99体積%以上であり、100体積%であってもよい。粒子径0.1~500μmの粒子の前記割合が前記下限値以上であると、活性炭原料と木質系フェノール化合物およびビニルアルコール重合体との接触面積が増加するため、硬度が高い活性炭成形体を得やすい。
また、本発明の好ましい一実施態様において、活性炭原料は、レーザー回折測定法により測定した体積粒度分布における体積基準の累積分布の50%粒子径が1~200μm、好ましくは1~100μm、より好ましくは1~50μm、特に好ましくは1~30μmである。体積基準の累積分布の前記50%粒子径が前記範囲内であると、活性炭原料と木質系フェノール化合物およびビニルアルコール重合体との接触面積が増加するため、硬度が高い活性炭成形体を得やすい。
粒子径0.1~500μmの粒子の前記割合および体積基準の累積分布の前記50%粒子径は、後述の実施例に記載の方法により測定できる。
粒子径0.1~500μmの粒子の前記割合および体積基準の累積分布の前記50%粒子径の調整は、一般的な方法、例えば粉砕および篩い分けによって実施できる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
水から水素を得る方法
21日前
宮崎県
ドロマイトの製造方法
1か月前
東ソー株式会社
ペンタシル型ゼオライト
13日前
三菱重工業株式会社
発電システム
7日前
JFEスチール株式会社
黒鉛の精製方法
1か月前
株式会社ミヤワキ
ガス製造システム
18日前
ティエムファクトリ株式会社
エアロゲル
17日前
株式会社クラレ
活性炭成形体の製造方法
1か月前
国立大学法人九州大学
熱電窒化物膜およびその製造方法
10日前
株式会社トクヤマデンタル
弱酸性次亜塩素酸水の製造方法
21日前
ジカンテクノ株式会社
炭化ケイ素の製造方法
25日前
アサヒ飲料株式会社
飲食品製造用CO2の製造方法
6日前
公立大学法人北九州市立大学
水素製造方法
17日前
三井金属鉱業株式会社
金属酸化合物含有液
24日前
三井金属鉱業株式会社
金属酸化合物含有液
24日前
三菱重工業株式会社
アンモニア分解装置
1か月前
国立大学法人東京工業大学
炭素膜構造体及びその製造方法
24日前
株式会社ADEKA
薄片化黒鉛含有組成物
3日前
トヨタ自動車株式会社
光触媒を用いた水素ガス製造装置
19日前
トヨタ自動車株式会社
物質の生成方法
3日前
NACOL株式会社
包装物及びそれを用いた水素発生装置
1か月前
株式会社フジミインコーポレーテッド
シリカゾル
24日前
株式会社豊田中央研究所
多孔質酸化スズ粒子
10日前
株式会社三井E&S
アンモニア改質装置およびアンモニア改質装置の運転方法
1か月前
ダイハツ工業株式会社
プラズマリアクタシステム
13日前
木村化工機株式会社
アンモニア回収方法およびアンモニア回収装置
17日前
積水化学工業株式会社
シリカ被覆ダイヤモンド粒子、及び複合粒子
1か月前
住友大阪セメント株式会社
廃棄物燃焼排熱を利用した黄リンの製造方法
1か月前
三菱重工業株式会社
反応器およびカーボンリサイクルシステム
24日前
アース製薬株式会社
ラジカルを発生させる組成物の保存方法
今日
エア・ウォーター株式会社
燃料の製造装置及び燃焼装置
今日
日本軽金属株式会社
窒化アルミニウム粉末の製造方法
1か月前
株式会社MARUWA
窒化ケイ素粉末の製造方法
17日前
三建産業株式会社
アンモニア加熱分解装置
3日前
国立大学法人静岡大学
一酸化炭素を含むガスを製造する方法、及び反応装置
4日前
日揮触媒化成株式会社
中空シリカ粒子の分散液、及びその製造方法
21日前
続きを見る