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公開番号
2024102584
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-07-31
出願番号
2023006580
出願日
2023-01-19
発明の名称
粘着シート
出願人
日東電工株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C09J
7/38 20180101AFI20240724BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】被着体に対して良好に密着することが可能であり、かつ被着体からの除去性のよい粘着シートを提供する。
【解決手段】基材と、基材の片側に配置された第1粘着剤層と、基材の第1粘着剤層とは反対側に配置された第2粘着剤層とを備える粘着シートが提供される。第2粘着剤層の少なくとも表面は、熱膨張性微小球を含有する粘着剤により構成されている。また、第1粘着剤層の厚さは20μm以上70μm以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
基材と、該基材の片側に配置された第1粘着剤層と、該基材の該第1粘着剤層とは反対側に配置された第2粘着剤層とを備える粘着シートであって、
前記第2粘着剤層の少なくとも表面は、熱膨張性微小球を含有する粘着剤により構成されており、
前記第1粘着剤層の厚さは20μm以上70μm以下である、粘着シート。
続きを表示(約 960 文字)
【請求項2】
前記第1粘着剤層は、該第1粘着剤層の前記基材側から深さ5μmに位置する測定位置のFT-IRスペクトルにおいて、1725cm
-1
~1750cm
-1
の範囲に存在するピーク強度を基準として求められる、該第1粘着剤層表面に対するエポキシ系樹脂処理前後の該エポキシ系樹脂に由来するピーク強度の上昇量が、0.000以上0.030以下の範囲内である、ここで、前記エポキシ系樹脂に由来するピーク強度として、1505cm
-1
~1515cm
-1
の範囲に存在するピーク強度が用いられる、請求項1に記載の粘着シート。
【請求項3】
前記第1粘着剤層は、
該第1粘着剤層表面に対するエポキシ系樹脂処理後に100℃にて測定されるエポキシ系樹脂に対する密着力が0.01N/20mm以上3.00N/10mm以下であり、かつ、
23℃、50%RHの環境下で測定されるポリエチレンテレフタレートフィルムに対する粘着力が1.00N/20mm以上10.0N/20mm以下である、請求項1または2に記載の粘着シート。
【請求項4】
前記第1粘着剤層は、23℃における貯蔵弾性率が0.10MPa以上0.50MPa以下である、請求項1または2に記載の粘着シート。
【請求項5】
前記第1粘着剤層は、FT-IRスペクトルにおいて、1725cm
-1
~1750cm
-1
の範囲に存在するピーク強度に対する1700cm
-1
~1710cm
-1
の範囲に存在するピーク強度の比が0.325以下である、請求項1または2に記載の粘着シート。
【請求項6】
前記第1粘着剤層はアクリル系ポリマーを含み、
前記アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分は、炭素数が6以下である直鎖状または分岐状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを10~70重量%含有する、請求項1または2に記載の粘着シート。
【請求項7】
半導体チップの樹脂封止工程で用いられる、請求項1または2に記載の粘着シート。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着シートに関する。
続きを表示(約 4,100 文字)
【背景技術】
【0002】
一般に粘着剤(感圧接着剤ともいう。以下同じ。)は、室温付近の温度域において柔らかい固体(粘弾性体)の状態を呈し、圧力により被着体に接着する性質を有する。かかる性質を活かして、粘着剤は、典型的には粘着剤層を備える粘着シートの形態で、各種の産業分野において広く利用されている。粘着シートの用途の一例として、被着体である各種物品の製造、加工、搬送等の際に該被着体に一時的に貼り付けられ、その目的を達成した後に被着体から除去される、いわゆる工程材としての用途が挙げられる。例えば、半導体チップを含む半導体部品の製造において、半導体チップの傷つき防止、金属配線の拡張等のために当該半導体チップを樹脂封止する樹脂封止工程において、作業性等の観点から、半導体チップの樹脂封止を粘着シートの上で行うことがある。例えば、仮固定材としての粘着シートの粘着剤層上に複数の半導体チップを配置し、当該粘着剤層上で半導体チップを一括に封止する。その後、所定の後工程において、封止樹脂と半導体チップとを含む構造体から上記粘着シートを剥離する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2001-308116号公報
特開2001-313350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、工程材として用いられる粘着シートには、所定の工程中、被着体によく密着する性能と、被着体からの除去時に被着体から良好に除去できる性能とが求められる。被着体との密着性に関しては、例えば、上記半導体チップの樹脂封止工程に用いられる粘着シートには、被着体である半導体チップをズレなく固定する性能が求められる。また、被着体からの除去性に関しては、例えば、粘着シートを剥離する際の負荷による被着体の損傷防止に適した軽剥離性や、粘着シートの剥離後に被着体上への粘着剤の残留(糊残り)を生じない性質を有することが望ましい。例えば、上記半導体チップの樹脂封止工程のように、被着体に貼り付けられた状態で該被着体に加熱を伴う加工を施す使用態様が想定される粘着シートでは、加熱後にも上記軽剥離性や糊残り防止性を発揮することが求められる。
【0005】
粘着シートを軽剥離化するための一手法として、粘着剤を適度に硬くすることが挙げられる。粘着剤を硬くすることは、粘着剤の凝集破壊による糊残りを防止する観点からも有利である。しかし、粘着剤を硬くすると、被着体との密着性が低下する傾向にあり、被着体をズレなく固定することが難しくなる傾向にある。例えば、上記半導体チップの樹脂封止工程用途では、被着体に対する密着性が十分でないと、樹脂封止工程時などにおいて、チップシフトと称される数十ミクロン程度の半導体チップの位置ズレを生じることがあり、歩留まり低下や不具合の原因となり得る。また、基材上に粘着剤層を有する形態の粘着シートでは、粘着剤を硬くすると基材と粘着剤層との密着性が低下し、投錨破壊(基材と粘着剤層との界面での剥離)による糊残りが生じやすくなる。
【0006】
被着体への密着性は、一般に、粘着剤層の厚みを大きくすることにより改善可能であるが、粘着シートの使用形態や適用箇所によっては粘着剤層の厚みを大きくすることによるデメリットが想定される。例えば、被着体の固定等の目的を達成した後、被着体から剥離される粘着シートでは、粘着剤層の厚みが大きいと、粘着シートの剥離時に凝集破壊により糊残りが生じやすくなる。また、上記半導体チップの樹脂封止工程用途では、粘着剤層の厚みが大きいと、樹脂封止時の加圧により、粘着剤層上に固定された半導体チップが該粘着剤層表面に沈み込みやすく、粘着シートの剥離後に半導体チップと封止樹脂との間に段差(スタンドオフ)が生じやすくなることが懸念される。上記段差は、半導体チップから周囲の封止樹脂上への配線形成性や半導体チップの保護性を低下させ得るため、低減されていることが望ましい。そのような理由から、上記半導体チップの樹脂封止工程に用いられる粘着剤層の厚さは、従来、10μm程度に制限されてきた。
【0007】
本発明者は、上記の課題について鋭意検討を行った結果、半導体チップの樹脂封止工程に用いられる粘着シートでは、封止樹脂として用いられるエポキシ系樹脂中の成分が粘着剤層に移行することにより、封止樹脂と粘着剤との密着性が上昇し、重剥離化や糊残りが発生しやすくなることを発見した。この知見に基づけば、粘着剤層表面において封止樹脂からの移行成分量を低減することにより、軽剥離性および糊残り防止性を改善できると考えられる。また、半導体チップと封止樹脂との段差についても、その程度が、樹脂封止工程において封止樹脂から粘着剤層に移行した成分の濃度に依存し得ることを発見した。具体的には、粘着剤層の厚みが大きい方が、封止樹脂からの移行成分が層内に拡散して全体として低濃度化し、その結果、糊残り防止性が向上し、かつ半導体チップと封止樹脂との段差が低減するという、従来の技術常識とは異なる結果を得た。本発明は、上記の発見に基づき創出されたものであり、半導体チップの樹脂封止工程で用いられる場合であっても、被着体に対して良好に密着することが可能であり、かつ被着体からの除去性のよい粘着シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この明細書により提供される粘着シートは、基材と、該基材の片側に配置された第1粘着剤層と、該基材の該第1粘着剤層とは反対側に配置された第2粘着剤層とを備える。上記第2粘着剤層の少なくとも表面は、熱膨張性微小球を含有する粘着剤により構成されている。また、上記第1粘着剤層の厚さは20μm以上70μm以下である。
厚さが20μm以上である第1粘着剤層を備える構成によると、例えば、半導体チップの樹脂封止工程に粘着シートを用いる態様において、封止樹脂から第1粘着剤層に移行した成分が第1粘着剤層内に拡散して全体として低濃度化し、第1粘着剤層表面における移行成分濃度が低下し、第1粘着剤層表面において被着体側からの移行成分を原因とする糊残りが生じにくい。また、第1粘着剤層の厚さが70μm以下であることにより、第1粘着剤層の凝集破壊による糊残りが生じにくい。さらに、上記第1粘着剤層は、被着体に対して良好に密着することができる。要するに、上記構成によると、被着体に対して良好に密着することが可能であり、かつ被着体からの除去性のよい粘着シートが実現される。また、上記構成の粘着シートを半導体チップの樹脂封止工程に用いる場合、第1粘着剤層の厚さが20μm以上であることにより、半導体チップと封止樹脂との段差を低減することができる。
また、上記構成の粘着シートは、第2粘着剤層を有し、上記第2粘着剤層の少なくとも表面は、熱膨張性微小球を含有する粘着剤により構成されているので、例えば上記第2粘着剤層を利用して適切な固定対象物(第2被着体)上に固定し、その状態で第1粘着剤層表面に密着させた第1被着体の加工(例えば上記第1粘着剤層上での樹脂封止工程)を行うことができるので使い勝手がよい。また、粘着シートを必要に応じて適切なタイミングで加熱して上記熱膨張性微小球を膨張させることにより、上記第2粘着剤層と第2被着体との接合を容易に解除し得る。
【0009】
いくつかの態様において、上記第1粘着剤層は、該第1粘着剤層の上記基材側から深さ5μmに位置する測定位置のFT-IRスペクトルにおいて、1725cm
-1
~1750cm
-1
の範囲に存在するピーク強度を基準として求められる、該第1粘着剤層表面に対するエポキシ系樹脂処理前後の該エポキシ系樹脂に由来するピーク強度の上昇量が、0.000以上0.030以下の範囲内である。ここで、上記エポキシ系樹脂に由来するピーク強度としては、1505cm
-1
~1515cm
-1
の範囲に存在するピーク強度が用いられる。上記エポキシ系樹脂に由来するピーク強度上昇量が0.030以下に制限されていることにより、例えば、半導体チップの樹脂封止工程に粘着シートを用いる態様において、エポキシ系封止樹脂からの移行成分が第1粘着剤層中で所定量以下に抑制され、第1粘着剤層表面において被着体側からの移行成分を原因とする糊残りがより生じにくい。
【0010】
いくつかの態様において、上記第1粘着剤層は、該第1粘着剤層表面に対するエポキシ系樹脂処理後に100℃にて測定されるエポキシ系樹脂に対する密着力(対エポキシ系樹脂密着力)が0.01N/10mm以上3.00N/10mm以下であり、かつ、23℃、50%RHの環境下で測定されるポリエチレンテレフタレートフィルムに対する粘着力(対PET粘着力)が1.00N/20mm以上10.0N/20mm以下である。第1粘着剤層の対エポキシ系樹脂密着力が上記範囲内にある粘着シートによると、例えば、半導体チップの樹脂封止工程に粘着シートを用いる態様において、第1粘着剤層は封止樹脂に対して良好に密着しつつ、封止樹脂からの剥離時に糊残りが生じにくい傾向がある。また、第1粘着剤層の対PET粘着力が上記範囲内にある粘着シートによると、第1粘着剤層により被着体(例えば、半導体チップ)を好ましく固定することができ、かつ、粘着シートの第1粘着剤層側を被着体から剥がす際に被着体に糊残りが生じにくい。半導体チップの樹脂封止工程用途においては、チップ保持性がよく、チップシフトが好ましく防止され得る。
(【0011】以降は省略されています)
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