特許ウォッチ

公開番号2024101832
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-30
出願番号2023005987
出願日2023-01-18
発明の名称電子写真装置及びプロセスカートリッジ
出願人キヤノン株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G03G 5/147 20060101AFI20240723BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】繰り返し使用時における画像スジの発生が抑制された電子写真装置を提供すること。
【解決手段】重合体Aが、下記式(1)で示される構造単位及び下記式(2)で示される構造単位からなる群より選択されるフッ素原子を含有する構造単位を有し、トナーが、トナー粒子及びチタン酸ストロンチウム粒子を有し、該構造単位のうち、下記式(2)で示されRf²¹のパーフルオロアルキレン基若しくはパーフルオロアルキリデン基の炭素数が5以下である構造単位の数をNaとし、式(1)又は式(2)で示されるフッ素原子を含有する構造単位の数の合計をNbとし、[Na/Nb]の値をXとし、該トナー中の該チタン酸ストロンチウム粒子の含有量をY(質量%)としたとき、
Y≦15X-10
0.70≦X≦1.00
0.50≦Y≦5.00
を満たす、ことを特徴とする電子写真装置である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
電子写真感光体と、
該電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
該電子写真感光体の表面に像露光光を照射し、該電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する像露光手段と、
トナーを収容し、現像部材を有し、該電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を該現像部材に担持された該トナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
該電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
を有する電子写真装置であって、
該電子写真感光体が、フッ素原子含有樹脂粒子及び重合体Ａを含有する表面層を有し、
該重合体Ａが、下記式（１）で示される構造単位及び下記式（２）で示される構造単位からなる群より選択されるフッ素原子を含有する構造単位を有し、
該トナーが、トナー粒子及びチタン酸ストロンチウム粒子を有し、
該構造単位のうち、下記式（２）で示されＲｆ
２１
のパーフルオロアルキレン基若しくはパーフルオロアルキリデン基の炭素数が５以下である構造単位の数をＮａとし、下記式（１）又は下記式（２）で示されるフッ素原子を含有する構造単位の数の合計をＮｂとし、［Ｎａ／Ｎｂ］の値をＸとし、
該トナー中の該チタン酸ストロンチウム粒子の含有量をＹ（質量％）としたとき、
Ｙ≦１５Ｘ－１０
０．７０≦Ｘ≦１．００
０．５０≦Ｙ≦５．００
を満たす、
ことを特徴とする電子写真装置。
TIFF
2024101832000030.tif
31
67
（式（１）中、
Ｒ
１１１
は炭素数が１又は２のアルキリジン基を示し、
Ｒ
１２
は単結合又はアルキレン基を示し、
Ｒｆ
１
はパーフルオロアルキル基を示す。）
TIFF
2024101832000031.tif
46
127
（式（２）中、
Ｒ
２１
は水素又はメチル基を示し、
Ｒ
２２
は単結合、メチレン基、又はエチレン基のいずれかを示し、
ｎは０以上２以下の整数であり、
Ｒｆ
２１
は、炭素数が５以下のパーフルオロアルキレン基若しくはパーフルオロアルキリデン基を示し、
Ｒｆ
２２
は、それぞれ独立に、炭素数が５以下のパーフルオロアルキレン基若しくはパーフルオロアルキリデン基を示し、
Ｒｆ
２３
は炭素数が５以下のパーフルオロアルキル基を示す。）
続きを表示（約 2,200 文字）【請求項２】
前記重合体Ａにおける前記Ｘ及び前記Ｙが、
Ｙ≦１５Ｘ－１０
０．８５≦Ｘ≦１．００
０．５０≦Ｙ≦３．００
を満たす請求項１に記載の電子写真装置。
【請求項３】
前記重合体Ａにおいて、式（２）で示されＲｆ
２１
のパーフルオロアルキレン基若しくはパーフルオロアルキリデン基の炭素数が４以下である構造単位の数をＮａ´とし、［Ｎａ´／Ｎｂ］の値をＸ´としたとき、前記Ｘ´及び前記Ｙが、
Ｙ≦１５Ｘ´－１０
０．７０≦Ｘ´≦１．００
０．５０≦Ｙ≦５．００
を満たす、請求項１に記載の電子写真装置。
【請求項４】
前記重合体Ａにおける前記Ｘ´及び前記Ｙが、
Ｙ≦１５Ｘ´－１０
０．８５≦Ｘ´≦１．００
０．５０≦Ｙ≦３．００
を満たす、請求項３に記載の電子写真装置。
【請求項５】
前記表面層の全質量に対して、前記重合体Ａの含有量が０．１質量％以上２．０質量％以下である、請求項１に記載の電子写真装置。
【請求項６】
前記重合体Ａが、さらに下記式（３）で示される構造単位を有する、請求項１に記載の電子写真装置。
TIFF
2024101832000032.tif
49
118
（式（３）中、
Ｙ
Ａ１
は、無置換のアルキレン基を示し、
Ｙ
Ｂ
は、無置換のアルキレン基、ハロゲン原子で置換されたアルキレン基、ヒドロキシ基で置換されたアルキレン基、エステル結合（－ＣＯＯ－）、アミド結合（－ＮＨＣＯ－）、若しくは、ウレタン結合（－ＮＨＣＯＯ－）、又は、これらの基及び結合から選ばれる一種以上と－Ｏ－若しくはＳ－とを組み合わせて導き出せる２価の連結基、あるいは、単結合を示し、
Ｚ
Ａ
は、下記式（３Ａ）で示される構造、シアノ基、又はフェニル基を示し、
Ｒ
３１
、及びＲ
３２
は、それぞれ独立に、水素原子、又はメチル基を示し、
ｍは、２５以上１５０以下の整数である。）
TIFF
2024101832000033.tif
36
32
（式（３Ａ）中、Ｚ
Ａ１
は、炭素数１以上４以下のアルキル基を示す。）
【請求項７】
電子写真感光体と、
トナーを収容し、現像部材を有し、該電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を該現像部材に担持された該トナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
帯電手段及びクリーニング手段からなる群より選ばれた少なくとも１つの手段と
を一体に支持し、電子写真装置の本体に着脱可能であるプロセスカートリッジであって、
該電子写真感光体が、フッ素原子含有樹脂粒子及び重合体Ａを含有する表面層を有し、
該重合体Ａが、下記式（１）で示される構造単位及び下記式（２）で示される構造単位からなる群より選択されるフッ素原子を含有する構造単位を有し、
該トナーが、トナー粒子及びチタン酸ストロンチウム粒子を有し、
該構造単位のうち、式（２）で示されＲｆ
２１
のパーフルオロアルキレン基若しくはパーフルオロアルキリデン基の炭素数が５以下である構造単位の数をＮａとし、式（１）又は式（２）で示されるフッ素原子を含有する構造単位の数の合計をＮｂとし、［Ｎａ／Ｎｂ］の値をＸとし、
該トナー中の該チタン酸ストロンチウム粒子の含有量をＹ（質量％）としたとき、
Ｙ≦１５Ｘ－１０
０．７０≦Ｘ≦１．００
０．５０≦Ｙ≦５．００
を満たす、
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
TIFF
2024101832000034.tif
31
67
（式（１）中、
Ｒ
１１１
は炭素数が１又は２のアルキリジン基を示し、
Ｒ
１２
は単結合又はアルキレン基を示し、
Ｒｆ
１
はパーフルオロアルキル基を示す。）
TIFF
2024101832000035.tif
46
127
（式（２）中、
Ｒ
２１
は水素又はメチル基を示し、
Ｒ
２２
は単結合、メチレン基、又はエチレン基のいずれかを示し、
ｎは０以上２以下の整数であり、
Ｒｆ
２１
は、炭素数が５以下のパーフルオロアルキレン基若しくはパーフルオロアルキリデン基を示し、
Ｒｆ
２２
は、それぞれ独立に、炭素数が５以下のパーフルオロアルキレン基若しくはパーフルオロアルキリデン基を示し、
Ｒｆ
２３
は炭素数が５以下のパーフルオロアルキル基を示す。）
【請求項８】
前記表面層が、前記重合体Ａと、前記フッ素原子含有樹脂粒子とを含有する塗布液の塗膜を乾燥及び／又は硬化させることによって形成された層である、請求項１に記載の電子写真装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本開示は、電子写真装置及びプロセスカートリッジに関する。
続きを表示（約 4,200 文字）【背景技術】
【０００２】
電子写真装置に搭載される電子写真感光体として、有機光導電性物質（電荷発生物質）を含有するものが広く使用されている。近年、電子写真感光体の長寿命化や繰り返し使用時の高画質化を目的として、電子写真感光体の機械的耐久性（耐摩耗性）の向上が求められている。
電子写真感光体の耐摩耗性を向上させる技術として、電子写真感光体の表面層にフッ素原子含有樹脂粒子を含有させ、表面層とクリーニングブレードなどの接触部材との間の摩擦を低下させる方法が挙げられる。特許文献１では、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子などのフッ素原子含有樹脂粒子の分散液を表面層用塗布液として用いて表面層を形成させる技術が開示されている。
【０００３】
また、フッ素原子含有樹脂粒子の分散液を調製する際には、分散性を高める目的でフッ素原子を含有する（メタ）アクリル系ポリマーをフッ素原子含有樹脂粒子の分散剤として用いる方法が知られている。特許文献２には、分散剤として特定構造のフッ素原子含有（メタ）アクリル系ポリマーを用い、フッ素原子含有樹脂粒子の分散性を向上させる技術が開示されている。
特許文献３には、フッ素系グラフトポリマーとフッ素含有樹脂粒子とを含有する最表面層を有し、該フッ素系グラフトポリマーがｐＫａ３以下の酸性基を有する構造単位を含む電子写真感光体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開平０６－３３２２１９号公報
特開２００９－１０４１４５号公報
特開２０２１－４７２３６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、上記の特許文献に開示された技術では、フッ素原子含有樹脂粒子の分散性に優れた表面層が得られる一方で、チタン酸ストロンチウム粒子を含むトナーと組み合わせて使用した場合、電子写真感光体の繰り返し使用時において、画像スジの発生の抑制に対して改善の余地があった。
本開示の一態様は、繰り返し使用時における画像スジの発生が抑制された電子写真装置の提供に向けたものである。
また、本開示の別の態様は、前記電子写真感光体及びトナーを搭載したプロセスカートリッジの提供に向けたものである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本開示の一態様によれば、電子写真感光体と、
該電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
該電子写真感光体の表面に像露光光を照射し、該電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する像露光手段と、
トナーを収容し、現像部材を有し、該電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を該現像部材に担持された該トナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
該電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
を有する電子写真装置であって、
該電子写真感光体が、フッ素原子含有樹脂粒子及び重合体Ａを含有する表面層を有し、
該重合体Ａが、下記式（１）で示される構造単位及び下記式（２）で示される構造単位からなる群より選択されるフッ素原子を含有する構造単位を有し、
該トナーが、トナー粒子及びチタン酸ストロンチウム粒子を有し、
該構造単位のうち、下記式（２）で示されＲｆ
２１
のパーフルオロアルキレン基若しくはパーフルオロアルキリデン基の炭素数が５以下である構造単位の数をＮａとし、下記式（１）又は下記式（２）で示されるフッ素原子を含有する構造単位の数の合計をＮｂとし、［Ｎａ／Ｎｂ］の値をＸとし、
該トナー中の該チタン酸ストロンチウム粒子の含有量をＹ（質量％）としたとき、
Ｙ≦１５Ｘ－１０
０．７０≦Ｘ≦１．００
０．５０≦Ｙ≦５．００
を満たす、
ことを特徴とする電子写真装置が提供される。
TIFF
2024101832000001.tif
31
67
式（１）中、
Ｒ
１１１
は炭素数が１又は２のアルキリジン基を示す。アルキリジン基は、アルカン－１，１，１－トリイルともいう。
Ｒ
１２
は単結合又はアルキレン基を示す。
Ｒｆ
１
はパーフルオロアルキル基を示す。
TIFF
2024101832000002.tif
46
127
式（２）中、
Ｒ
２１
は水素又はメチル基を示し、
Ｒ
２２
は単結合、メチレン基、又はエチレン基のいずれかを示し、
ｎは０以上２以下の整数であり、
Ｒｆ
２１
は、炭素数が５以下のパーフルオロアルキレン基若しくはパーフルオロアルキリデン基を示し、
Ｒｆ
２２
は、それぞれ独立に、炭素数が５以下のパーフルオロアルキレン基若しくはパーフルオロアルキリデン基を示し、
Ｒｆ
２３
は炭素数が５以下のパーフルオロアルキル基を示す。
【０００７】
また、本開示の他の態様によれば、
電子写真感光体と、
トナーを収容し、現像部材を有し、該電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を該現像部材に担持された該トナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
帯電手段及びクリーニング手段からなる群より選ばれた少なくとも１つの手段と
を一体に支持し、電子写真装置の本体に着脱可能であるプロセスカートリッジであって、
該電子写真感光体が、フッ素原子含有樹脂粒子及び重合体Ａを含有する表面層を有し、
該重合体Ａが、上記式（１）で示される構造単位及び上記式（２）で示される構造単位からなる群より選択されるフッ素原子を含有する構造単位を有し、
該トナーが、トナー粒子及びチタン酸ストロンチウム粒子を有し、
該構造単位のうち、上記式（２）で示されＲｆ
２１
のパーフルオロアルキレン基若しくはパーフルオロアルキリデン基の炭素数が５以下である構造単位の数をＮａとし、上記式（１）又は上記式（２）で示されるフッ素原子を含有する構造単位の数の合計をＮｂとし、［Ｎａ／Ｎｂ］の値をＸとし、
該トナー中の該チタン酸ストロンチウム粒子の含有量をＹ（質量％）としたとき、
Ｙ≦１５Ｘ－１０
０．７０≦Ｘ≦１．００
０．５０≦Ｙ≦５．００
を満たす、
ことを特徴とするプロセスカートリッジが提供される。
式（１）中、
Ｒ
１１１
は炭素数が１又は２のアルキリジン基を示し、
Ｒ
１２
は単結合又はアルキレン基を示し、
Ｒｆ
１
はパーフルオロアルキル基を示す。
式（２）中、
Ｒ
２１
は水素又はメチル基を示し、
Ｒ
２２
は単結合、メチレン基、又はエチレン基のいずれかを示し、
ｎは０以上２以下の整数であり、
Ｒｆ
２１
は、炭素数が５以下のパーフルオロアルキレン基若しくはパーフルオロアルキリデン基を示し、
Ｒｆ
２２
は、それぞれ独立に、炭素数が５以下のパーフルオロアルキレン基若しくはパーフルオロアルキリデン基を示し、
Ｒｆ
２３
は炭素数が５以下のパーフルオロアルキル基を示す。
【発明の効果】
【０００８】
本開示の一態様によれば、繰り返し使用時における画像スジの発生が抑制された電子写真装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
電子写真感光体の構成の一例を示す概略図である。
電子写真感光体及びトナーを有するプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。
電子写真感光体を有するプロセスカートリッジの他の一例を示す概略図である。
電子写真感光体を有する電子写真装置の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
本発明者らの検討の結果、電子写真感光体と、該電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、該電子写真感光体の表面に像露光光を照射し、該電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する像露光手段と、トナーを収容し、現像部材を有し、該電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を該現像部材に担持された該トナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、該電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、を有する電子写真装置において、
該電子写真感光体が、フッ素原子含有樹脂粒子及び重合体Ａを含有する表面層を有し、
該重合体Ａが、上記式（１）で示される構造単位及び上記式（２）で示される構造単位からなる群より選択されるフッ素原子を含有する構造単位を有し、
該トナーが、トナー粒子及びチタン酸ストロンチウム粒子を有し、
該構造単位のうち、上記式（２）で示されＲｆ
２１
のパーフルオロアルキレン基若しくはパーフルオロアルキリデン基の炭素数が５以下である構造単位の数をＮａとし、上記式（１）又は上記式（２）で示されるフッ素原子を含有する構造単位の数の合計をＮｂとし、［Ｎａ／Ｎｂ］の値をＸとし、
該トナー中の該チタン酸ストロンチウム粒子の含有量をＹ（質量％）としたとき、
Ｙ≦１５Ｘ－１０
０．７０≦Ｘ≦１．００
０．５０≦Ｙ≦５．００
を満たす時、繰り返し使用時における画像スジの発生が特異的に抑制されることを見出した。
（【００１１】以降は省略されています）

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