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公開番号2024101547
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-29
出願番号2023217965
出願日2023-12-25
発明の名称音源位置推定装置
出願人国立大学法人信州大学,シナノケンシ株式会社
代理人弁理士法人綿貫国際特許・商標事務所
主分類H04R 1/34 20060101AFI20240722BHJP(電気通信技術)
要約【課題】音源から発せられた音波を反射部材を介して集音する際に、直接波の干渉を受けずに反射波を集音して音源位置を容易に推定可能な音源位置推定装置を提供する。
【解決手段】音源位置推定装置1は、反射部材3の開口部3aを検出対象装置9の騒音源2に向けて集音し、反射部材3の凹面部3bで反射させた反射音を、遮蔽部材5で直接音を遮蔽することで干渉を防いで集音部4に集音させて所定音圧レベルに到達した位置で、集音部4からの2つの焦点間距離から音源位置を推定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
2つの焦点からの距離の和が一定である点の軌跡である楕円を長軸周りに回転させて形成される回転楕円体と、音源から発生した音波を前記回転楕円体の一部である反射部材で反射させて当該反射部材に近い焦点位置に配置された集音部で集音することで、前記集音部からの2つの焦点間距離から前記音源位置を推定する音源位置推定装置であって、
前記回転楕円体が少なくとも長軸を中心として長軸方向一方側が開口する開口部を有し凹面部を反射面とする前記反射部材と、
前記反射部材の外形を構成する前記回転楕円体の当該反射部材に近い焦点位置に配置された集音部と、
前記音源と前記集音部との間に配置され、前記音源から長軸方向に前記集音部に向かう直接音を遮蔽する遮蔽部材と、を備え、
前記反射部材の開口部を前記音源に向けて集音し、前記反射部材の凹面部で反射させた反射音を前記遮蔽部材で前記直接音を遮蔽することで干渉を防いで前記集音部に集音させて所定音圧レベルに到達した位置で、前記集音部からの前記2つの焦点間距離から前記音源位置を推定することを特徴とする音源位置推定装置。
続きを表示(約 570 文字)【請求項2】
前記反射部材は、前記音源に向かう長軸方向一方側及び前記音源より離れる長軸方向他方側において、短軸と平行な軸線を含む平面で切断されて開口する開口部が各々形成されている請求項1記載の音源位置推定装置。
【請求項3】
前記反射部材は、前記音源に近い長軸方向一方側に大径開口部が設けられ、前記音源より離れる長軸方向他方側に小径開口部が設けられており、前記大径開口部が前記音源側に向くように配置され、前記音源と前記反射部材の小径開口部を結ぶ音線と前記遮蔽部材の外周縁部との間には所定のギャップが設けられている請求項2記載の音源位置推定装置。
【請求項4】
前記遮蔽部材は、平板の上下辺縁部に傾斜壁が連続して形成されている請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の音源位置推定装置。
【請求項5】
前記遮蔽部材は、断面Y字形状の板材と断面逆Y字形状の板材が平板を共用して一体に形成されている請求項4記載の音源位置推定装置。
【請求項6】
前記音源から発生した音の伝達方向をZ軸方向とすると、前記集音部は前記反射部材の大径側開口端を結びかつ前記遮蔽部材から前記反射部材側に延設された傾斜壁の端部を結ぶ直線とZ軸との交点に配置されている請求項1又は請求項2記載の音源位置推定装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、音源から発生した音波を回転楕円体の一部である反射部材で反射させて焦点位置に配置された集音部で集音することで、集音部からの焦点間距離から音源位置を推定する音源位置推定装置に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
音源位置を特定する手法としては、マイクロホンアレーと呼ばれる複数のマイクロホンを用いて音源位置を推定する手法が知られている。マイクロホンアレーに基づく手法では、音声が各マイクロホンに到達する時間が音源の位置によって異なる点に着目し,各マイクロホンにおける観測信号間の時間差(位相差)を用いて音源位置を推定している。
【0003】
これに対して、単一マイクで処理を行おうとする試みは雑音抑圧や音源分離などの分野でも研究されており、関連手法も複数提案されている。しかしながら,単一マイクロホンで音源の位置や方向を推定しようとした場合、従来手法のような信号間の位相差といったマイク間の情報が使えないため、別の情報を用いた音源位置・方向推定手法が必要となる。
【0004】
例えば、焦点間距離が音源と集音部までの距離に対応する楕円を、焦点間を連結する長軸を中心に回転させて生成する回転楕円体の包絡面を音反射要素の反射面として使用して音源位置を特定する音源位置取得システムが提案されている。
これは、反射波は、焦点間を直接到達する音波と常に楕円曲線に規定された一定の経路差に伴う遅延時間を伴うことを利用し、音源位置に対応した遅延量を持つ主要な反射波を発生させ、直接波と反射波との間の遅延量を検出することにより、音源位置を推定している。
【0005】
具体的には、音源位置取得部は、音反射要素によりディジタルデータとして記録部に一旦格納された音響データを読み出して、処理のために格納する音響データ格納部と、基準テンプレート格納部と、背景ノイズ・テンプレート格納部とを含んで構成されている。音源位置取得部は、残差を算出するためのプロファイル・フィッティング部と、プロファイル・フィッティング部により得られた残差を格納するための残差格納部と、正規化された残差から最小残差を与える基準テンプレートを選択する選択部と、必要とされるアプリケーションを実行するためのアプリケーション実行部とを含んで構成されている。
【0006】
プロファイル・フィッティング部は、音響データを読み込んで、観測プロファイルへと変換し、その後、基準テンプレート格納部から基準テンプレートを読み出すと共に、背景ノイズ・テンプレート格納部から背景ノイズ・テンプレートの読み出しを実行する。プロファイル・フィッティング部は、テンプレートの一次結合と、観測プロファイルとの残差を算出し、その結果を、残差格納部へ登録する。さらに、音源位置取得部は、残差格納部に格納された残差を正規化し、正規化された残差を比較することにより、選択部において残差の最小を与える正規化残差が特定される。その後、該当する残差を与えた基準テンプレートを参照して格納された3次元位置を適切な形式として取得するというものである(特許文献1:特開2004-279241号参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2004-279241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した特許文献1の音源位置取得システムは、音源位置に対応した直接波に対して遅延量を持つ反射波を発生させ、直接波と反射波との間の遅延量を検出するものである。このとき、反射波と直接波が互いに干渉し合って、音響データとしての精度が低下し易い。また、音源から発生した直接音及び反射音も同時に音響データとして収録され、プロファイル・フィッティング部でデータ処理が行われて音源の3次元位置座標を特定するため、データ処理装置が大掛かりとなって複雑なデータ処理を伴う。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明はこれらの課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、音源から発せられた音波を反射部材を介して集音する際に、直接波の干渉を受けずに反射波を集音して音源位置を容易に推定可能な音源位置推定装置を提供することにある。
【0010】
本発明は上記目的を達成するため、次の構成を備える。
2つの焦点からの距離の和が一定である点の軌跡である楕円を長軸周りに回転させて形成される回転楕円体と、音源から発生した音波を前記回転楕円体の一部である反射部材で反射させて当該反射部材に近い焦点位置に配置された集音部で集音することで、前記集音部からの2つの焦点間距離から前記音源位置を推定する音源位置推定装置であって、前記回転楕円体が少なくとも長軸を中心として長軸方向一方側が開口する開口部を有し凹面部を反射面とする前記反射部材と、前記反射部材の外形を構成する前記回転楕円体の当該反射部材に近い焦点位置に配置された集音部と、前記音源と前記集音部との間に配置され、前記音源から長軸方向に前記集音部に向かう直接音を遮蔽する遮蔽部材と、を備え、前記反射部材の開口部を前記音源に向けて集音し、前記反射部材の凹面部で反射させた反射音を前記遮蔽部材で前記直接音を遮蔽することで干渉を防いで前記集音部に集音させて所定音圧レベルに到達した位置で、前記集音部からの前記2つの焦点間距離から前記音源位置を推定することを特徴とする。
上記構成によれば、音源から長軸方向に集音部に向かう直接音を遮蔽する遮蔽部材を備えたことで、反射部材からの反射音と直接音の干渉を防いで、集音部に集音することができる。これにより、集音部に集音させた音波が所定音圧レベルに到達した位置で反射部材に近い焦点位置に配置された集音部からの2つの焦点間距離から音源位置を容易に推定することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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