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公開番号
2024120855
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-05
出願番号
2024012574
出願日
2024-01-31
発明の名称
ブラシレスDCモータの回転速度推定方法および制御装置
出願人
国立大学法人信州大学
,
シナノケンシ株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
H02P
6/17 20160101AFI20240829BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約
【課題】磁気センサで観測した情報からブラシレスDCモータの回転速度をより高精度に推定することができるブラシレスDCモータの回転速度推定方法を提供する。
【解決手段】ブラシレスDCモータの回転速度推定方法は、カルマンゲインの調整パラメータ(r)が、時変値r[k]となるように、カルマンフィルタ54を設定するカルマンフィルタ設定ステップST2と、磁気センサ13のそれぞれから出力される検出パルス信号を取得する検出パルス信号取得ステップST3と、取得した検出パルス信号から得られる連続パルスから、ロータの観測回転速度を算出する回転速度算出ステップST4と、カルマンゲインの調整パラメータ(r)を前回の推定回転速度を用いて更新するカルマンフィルタ更新ステップST5と、カルマンフィルタ54に観測回転速度を入力し観測誤差雑音が除去されたロータの回転速度を推定する回転速度推定ステップST6と、を含む。
【選択図】図6
特許請求の範囲
【請求項1】
ロータの磁極を検出する複数の磁気センサの出力に基づき前記ロータの回転速度を算出し、算出した前記回転速度をカルマンフィルタに通して、前記ロータの実際の回転速度を推定するブラシレスDCモータの回転速度推定方法であって、
前記カルマンフィルタのカルマンゲインの調整パラメータ(r)が、次の式1で表される時変値r[k]となるように、前記カルマンフィルタを設定するカルマンフィルタ設定ステップと、
TIFF
2024120855000029.tif
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前記複数の磁気センサのそれぞれから出力される検出パルス信号を所定のサンプリング周期で取得する検出パルス信号取得ステップと、
各サンプリング時刻で取得した前記検出パルス信号の排他的論理和(XOR)をとって得られる連続パルスから、前記ロータの回転速度を、観測回転速度として算出する回転速度算出ステップと、
今回のサンプリング時刻において使用する前記カルマンフィルタのカルマンゲインの調整パラメータ(r)を、前回のサンプリング時刻において推定された前回の推定回転速度を用いて更新するカルマンフィルタ更新ステップと、
前記カルマンゲインの調整パラメータ(r)が更新された前記カルマンフィルタに、今回のサンプリング時刻において算出された前記観測回転速度を入力し、前記観測回転速度に含まれる前記磁気センサの位置誤差および前記ロータ磁極の位置誤差に起因する観測誤差雑音が除去された前記ロータの回転速度を推定する回転速度推定ステップと、
を含むことを特徴とするブラシレスDCモータの回転速度推定方法。
続きを表示(約 2,600 文字)
【請求項2】
前記係数(h
ω
)を、次の式2に示すように、前記ロータを一定回転速度で駆動させて観測される前記ロータ1回転分の前記連続パルスの各エッジ間の回転速度のそれぞれに含まれる前記観測誤差雑音に基づき設定する、請求項1記載のブラシレスDCモータの回転速度推定方法。
TIFF
2024120855000030.tif
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【請求項3】
前記ブラシレスDCモータは8極の3相モータであり、
前記連続パルスから前記ロータ1回転あたり得られる24パルスを用いて、前記カルマンゲインの調整パラメータr[k]が設計されている、請求項2記載のブラシレスDCモータの回転速度推定方法。
【請求項4】
前記カルマンフィルタの事前共分散行列の調整パラメータ(q)に、指令電圧に重畳しているシステム雑音の分散値を設定する、請求項1記載のブラシレスDCモータの回転速度推定方法。
【請求項5】
前記カルマンフィルタ設定ステップでは、
前記カルマンフィルタの前記カルマンゲインの調整パラメータ(r)を、前記の式1の代わりに、次の式3で表される時変値r[k]を設定し、
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2024120855000031.tif
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カルマンゲイン、共分散行列、および状態推定値の算出式に用いられるC行列に、前記観測誤差雑音の観測値の偏りを考慮したC行列(Cρ)を用いる、請求項1記載のブラシレスDCモータの回転速度推定方法。
【請求項6】
前記回転速度推定ステップでは、
前記回転速度算出ステップで算出された前記観測回転速度が前記連続パルスのエッジ間の時間経過直後の最初のサンプリングにおいて得られたものである場合に、前記カルマンゲインの調整パラメータ(r)が更新された前記カルマンフィルタに、今回のサンプリング時刻において算出された前記観測回転速度を入力し、前記観測回転速度に含まれる前記磁気センサの位置誤差および前記ロータ磁極の位置誤差に起因する観測誤差雑音が除去された前記ロータの回転速度を推定し、
前記観測回転速度が前記連続パルスのエッジ間の時間経過直後の最初のサンプリングにおいて得られたものでない場合には、前記カルマンフィルタにおける状態推定値の算出式を、前記観測回転速度が前記連続パルスのエッジ間の時間経過直後の最初のサンプリングにおいて得られたものである場合に用いる式とは別の式を用いて、事前状態推定値と同じであるものを状態推定値とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のブラシレスDCモータの回転速度推定方法。
【請求項7】
前記カルマンフィルタには、状態推定値の算出式に、前記観測回転速度をパラメータに含む第1の処理用カルマンフィルタ数学モデルと、前記観測回転速度をパラメータに含まない第2の処理用カルマンフィルタ数学モデルと、を設定しておき、
前記観測回転速度が前記連続パルスのエッジ間の時間経過直後の最初のサンプリングにおいて得られたものである場合には、前記カルマンフィルタ更新ステップおよび前記回転速度推定ステップにおいて、前記第1の処理用カルマンフィルタ数学モデルを用い、
前記観測回転速度が前記連続パルスのエッジ間の時間経過直後の最初のサンプリングにおいて得られたものでない場合には、前記カルマンフィルタ更新ステップおよび前記回転速度推定ステップにおいて、前記第2の処理用カルマンフィルタ数学モデルを用いる、請求項6記載のブラシレスDCモータの回転速度推定方法。
【請求項8】
ロータの磁極を検出し出力する複数の磁気センサを有するブラシレスDCモータに接続され、前記ブラシレスDCモータを駆動制御するよう構成されたブラシレスDCモータの制御装置であって、
制御指令に基づき前記ロータを目標回転速度で回転駆動させるよう構成されたモータ駆動部と、
前記複数の磁気センサのそれぞれから出力される検出パルス信号を所定のサンプリング周期で取得する検出パルス信号取得部と、
各サンプリング時刻で取得した前記検出パルス信号の排他的論理和(XOR)をとって得られる連続パルスから、前記ロータの回転速度を、観測回転速度として算出する回転速度算出部と、
カルマンゲインの調整パラメータ(r)が、次の式1で表される時変値r[k]となるように設計されており、前記回転速度算出部が算出した前記観測回転速度が通されて、前記観測回転速度に含まれる前記磁気センサの位置誤差および前記ロータ磁極の位置誤差に起因する観測誤差雑音を除去した前記ロータの回転速度を推定するカルマンフィルタと、
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2024120855000032.tif
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今回のサンプリング時刻において使用する前記カルマンフィルタのカルマンゲインの調整パラメータ(r)を、前回のサンプリング時刻において推定された前回の推定回転速度を用いて更新するカルマンフィルタ更新部と、
前記目標回転速度に追従させるよう、前記カルマンフィルタ更新部によって前記カルマンゲインの調整パラメータ(r)が更新された前記カルマンフィルタにより推定された推定回転速度と前記目標回転速度とに基づき前記制御指令を生成し、前記制御指令を前記モータ駆動部に出力するモータ制御指令部と、を備えているブラシレスDCモータの制御装置。
【請求項9】
前記カルマンフィルタは、前記係数(h
ω
)が次の式2に示すように、前記ロータを一定回転速度で駆動させて観測される前記ロータ1回転分の前記連続パルスの各エッジ間の回転速度のそれぞれに含まれる前記観測誤差雑音に基づき設定されている、請求項8記載のブラシレスDCモータの制御装置。
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2024120855000033.tif
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【請求項10】
前記カルマンフィルタは、事前共分散行列の調整パラメータ(q)に、指令電圧に重畳しているシステム雑音の分散値が設定されている、請求項8記載のブラシレスDCモータの制御装置。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラシレスDCモータの回転速度推定方法、および、この回転速度推定方法を利用したブラシレスDCモータの制御装置に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
ブラシレスDCモータは、シンプルかつ制御性が良く、工業製品やコンピュータ周辺機器など様々な分野で多用されている。ブラシレスDCモータは、通常、ホールセンサおよびロータリエンコーダを用い回転速度を観測しながら所望の回転速度と一致するよう制御されて使用される。ブラシレスDCモータに対しては、より安価にしたいという要求やより軽量化したいという要求がある。そこで、ホールセンサが安価で取り付けが容易であるのに対し、精密部品であるロータリエンコーダが高価で重いことから、ロータリエンコーダを用いずにホールセンサで観測した情報から回転速度を推定してブラシレスDCモータを制御する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1で開示されているブラシレスモータの電気角推定方法では、ブラシレスDCモータの回転子を目標回転速度で回転させるPWM駆動電圧の演算に用いる電気角を、PWM駆動電圧における周期を利用して推定する。この周期は、ホールセンサで検出された立ち上がりエッジを基に算出される(特許文献1の段落0044-0048参照)。
【0004】
一方で近年、ブラシレスDCモータをより高精度で制御して使用したいという要求が高まっている。そこで、カルマンフィルタを用い回転速度を推定してブラシレスDCモータを制御する方法が開示されている(例えば、特許文献2)。
【0005】
特許文献2で開示されている方法では、モータ角度検出センサにより検出されたモータ角度を入力とし、カルマンフィルタを用いて、回転速度を推定する。この推定された回転速度は、モータのトルクリップルを推定するために用いられる(特許文献2の段落0023-0027参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2011-030371号公報
特開2021-027744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
より安価にしたいという要求やより軽量化したいという要求に対応すべく、ロータリエンコーダを用いずにホールセンサで観測した情報から回転速度を推定してブラシレスDCモータを制御する方法を採用する場合には、ホールセンサの配置誤差やロータの磁極の配置誤差(以降、「位置誤差」と記載する。)が原因で観測誤差が大きく生じてしまう問題がある。それにより、ブラシレスDCモータの目標回転速度への追従性を悪化させてしまう虞がある。
【0008】
そこで、観測誤差の影響を抑制するためにカルマンフィルタを用いて回転速度を推定する方法が有効であるものと考える。しかしながら、特許文献2で開示されている方法等の従来知られているカルマンフィルタを用いる方法では、ロータリエンコーダを用いることを前提としており、より安価でより軽量化するためには不利となる。
【0009】
本発明の主目的は、このような点に鑑みて、ロータリエンコーダを用いずにホールセンサといった磁気センサで観測した情報からブラシレスDCモータの回転速度をより高精度に推定することができるブラシレスDCモータの回転速度推定方法を提案することにある。併せて、本発明の目的は、この回転速度推定方法を利用し、磁気センサで観測した情報からでもブラシレスDCモータを目標回転速度に高精度で追従させて制御することが可能な制御装置を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[1]上記課題を解決すべく、ブラシレスDCモータの回転速度推定方法は、ロータの磁極を検出する複数の磁気センサの出力に基づきロータの回転速度を算出し、算出した回転速度をカルマンフィルタに通して、ロータの実際の回転速度を推定するブラシレスDCモータの回転速度推定方法であって、カルマンフィルタのカルマンゲインの調整パラメータ(r)が、次の式1で表される時変値r[k]となるように、カルマンフィルタを設定するカルマンフィルタ設定ステップと、
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複数の磁気センサのそれぞれから出力される検出パルス信号を所定のサンプリング周期で取得する検出パルス信号取得ステップと、各サンプリング時刻で取得した検出パルス信号の排他的論理和(XOR)をとって得られる連続パルスから、ロータの回転速度を、観測回転速度として算出する回転速度算出ステップと、今回のサンプリング時刻において使用するカルマンフィルタのカルマンゲインの調整パラメータ(r)を、前回のサンプリング時刻において推定された前回の推定回転速度を用いて更新するカルマンフィルタ更新ステップと、カルマンゲインの調整パラメータ(r)が更新されたカルマンフィルタに、今回のサンプリング時刻において算出された観測回転速度を入力し、観測回転速度に含まれる磁気センサの位置誤差およびロータ磁極の位置誤差に起因する観測誤差雑音が除去されたロータの回転速度を推定する回転速度推定ステップと、を含むことを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)
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