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公開番号2024123475
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-12
出願番号2023030921
出願日2023-03-01
発明の名称細胞凍結装置及び細胞凍結方法
出願人国立大学法人信州大学
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C12M 1/00 20060101AFI20240905BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】細胞を内包する液滴を瞬時に凍結させることで細胞を凍結する新規な細胞凍結装置を提供する。また、このような装置を用い細胞を凍結する新規な細胞凍結方法を提供する。
【解決手段】細胞が分散する分散液を吐出し、細胞を内包する液滴を形成する吐出部と、液滴を凍結する凍結部と、を備え、凍結部は、沸点が-137℃未満の冷媒が貯留される貯留部と、冷媒で冷却され液滴が着弾する着弾部と、吐出部は、吐出孔から液滴を吐出するインクジェットヘッドと、吐出部と着弾部との間の空間を加熱する加熱手段と、を有する細胞凍結装置。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
細胞が分散する分散液を吐出し、前記細胞を内包する液滴を形成する吐出部と、
前記液滴を凍結する凍結部と、を備え、
前記凍結部は、沸点が-137℃未満の冷媒が貯留される貯留部と、
前記冷媒で冷却され前記液滴が着弾する着弾部と、
前記吐出部は、吐出孔から前記液滴を吐出するインクジェットヘッドと、
前記吐出部と前記着弾部との間の空間を加熱する加熱手段と、を有する細胞凍結装置。
続きを表示(約 730 文字)【請求項2】
前記加熱手段は、前記吐出孔と連通する内部空間を有し、前記インクジェットヘッドから前記着弾部に向けて延びる筒状部材と、
前記筒状部材を加熱する第1ヒータと、を有する請求項1に記載の細胞凍結装置。
【請求項3】
前記第1ヒータは、前記筒状部材の一部に設けられ、
前記筒状部材において前記第1ヒータが設けられていない部分の少なくとも一部は、光透過性を有する請求項2に記載の細胞凍結装置。
【請求項4】
前記インクジェットヘッドは、前記液滴を吐出する筒状のノズルを有し、
前記ノズルは、前記筒状部材の前記内部空間に挿入されている請求項2又は3に記載の細胞凍結装置。
【請求項5】
前記インクジェットヘッドは、前記分散液を収容する液室と、
前記インクジェットヘッドを加熱する第2ヒータと、を有する請求項1に記載の細胞凍結装置。
【請求項6】
前記第2ヒータは、前記液室内に露出すること無く設けられている請求項5に記載の細胞凍結装置。
【請求項7】
前記着弾部の上面と平行な方向に前記吐出部と前記凍結部とを相対移動させる駆動部を有する請求項1に記載の細胞凍結装置。
【請求項8】
前記冷媒は液体窒素である請求項1に記載の細胞凍結装置。
【請求項9】
請求項1に記載の細胞凍結装置を用い、前記インクジェットヘッドから前記冷媒により冷却された着弾部に向けて前記液滴を吐出させる工程を有し、
前記吐出させる工程は、少なくとも前記加熱手段により前記吐出部と前記着弾部との間の空間を加熱しながら行う細胞凍結方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞凍結装置及び細胞凍結方法に関する。
続きを表示(約 1,200 文字)【背景技術】
【0002】
細胞を取り扱う多くの研究分野及び臨床医療において、細胞の凍結保存技術が検討開発されている。発明者らは、従来知られた凍結保護剤を用いた凍結保存技術の代わりとして、細胞を内包する液滴を急速に冷却し凍結させることで、凍結保護剤を全く用いることなく細胞を凍結保存する装置を開発している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の発明においては、インクジェット技術を用いて液滴内に細胞を内包するとともに、液滴を液体窒素で冷却された基板に吐出することで、液滴ごと細胞を瞬間的に凍結している。このように凍結された粒子では、凍結時に細胞内外の水分子が結晶化することなくアモルファス状態で凍結するため、細胞の損傷を抑制することができると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-158572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の装置は、細胞が凍結保存された粒子を安定して継続的に製造することが困難であり、改善の余地があった。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、細胞を内包する液滴を瞬時に凍結させることで細胞を凍結する新規な細胞凍結装置を提供することを目的とする。また、このような装置を用い細胞を凍結する新規な細胞凍結方法を提供することを併せて目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
特許文献1に記載の装置においては、低温の基板と周囲の空間との温度差により対流(気流)が生じていると考えられる。また、基板を液体窒素で冷却する場合、液体窒素が徐々に気化し、気化した窒素が立ち上ることによる気流も生じている。飛翔中の液滴は、この気流の影響を受けやすく、基板における液滴の着弾位置が所望の位置からずれるおそれがある。
【0008】
また、液滴が飛翔する空間は、低温の基板や、気化した低温の窒素により冷却されている。そのため、液滴が飛翔中に徐々に冷やされ、基板に付着する前に液滴の凍結が始まるおそれがあった。液滴の冷却速度は、液体窒素で冷やされた基板による冷却よりも、飛翔中の空間における冷却の方が遅いことから、液滴が飛翔中に凍結すると細胞内外の水分子が結晶化し、細胞を損傷するおそれがあった。
【0009】
これらの課題意識に基づき、発明者らは、飛翔中の液滴の凍結を抑制することにより、細胞を内包し凍結した粒子を安定して製造し、細胞を凍結保存可能であると考えた。この着想に基づいて発明者らが鋭意検討した結果、発明を完成させた。以下、細胞を内包し凍結した粒子を、単に「凍結粒子」と称することがある。
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明の一態様は、以下の態様を包含する。
(【0011】以降は省略されています)

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