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公開番号2025010414
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2024193750,2020559990
出願日2024-11-05,2019-12-04
発明の名称コーティング剤
出願人国立大学法人信州大学,NT&I株式会社
代理人弁理士法人ライトハウス国際特許事務所
主分類C09D 183/00 20060101AFI20250109BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】
透明性や硬度、耐久性に優れ、且つ、基材への密着性、防曇性や防汚性、作業性に優れたコーティング膜を得ることができるコーティング剤を提供する。
【解決手段】
水不溶性の金属化合物の微粒子と、無機ポリマーと、透明ナノファイバーとを溶媒に分散したコーティング剤に関する。水不溶性の金属化合物の微粒子と、無機ポリマーとが溶媒に分散したコーティング剤であって、前記金属化合物の微粒子および無機ポリマーの少なくとも一方が超親水性官能基を有する、コーティング剤に関する。水不溶性の金属化合物の微粒子と、無機ポリマーと、屈折率調整剤とが溶媒に分散したコーティング剤に関する。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
水不溶性の金属化合物の微粒子と、無機ポリマーとが溶媒に分散したコーティング剤。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
金属化合物が二酸化ケイ素である、請求項1に記載のコーティング剤。
【請求項3】
無機ポリマーがシリコンアルコキシドを縮合した構造を有する、請求項1又は2に記載のコーティング剤。
【請求項4】
コーティング剤の固形分濃度が0.1~30質量%である、請求項1~3のいずれかに記載のコーティング剤。
【請求項5】
金属微粒子と無機ポリマーとの質量の比が20/80~90/10である、請求項1~4のいずれかに記載のコーティング剤。
【請求項6】
金属微粒子の粒子径が1~100nmである、請求項1~5のいずれかに記載のコーティング剤。
【請求項7】
前記金属化合物の微粒子が超親水性官能基を有する、請求項1~6のいずれかに記載のコーティング剤。
【請求項8】
超親水性官能基は式(1):
TIFF
2025010414000009.tif
24
162
(ただし、式(1)中、R

は炭素数1~10のアルキル基由来の構造単位、A

は一価の陽イオンである。)で表される構造を有するスルホン酸基又はスルホン酸塩基、式(2):
TIFF
2025010414000010.tif
26
162
(ただし、式(2)中、R

は炭素数1~10のアルキル基由来の構造単位、A

は一価の陽イオンである。)で表されるカルボン酸塩基、ポリエーテル基、若しくは、ウレイド基を含有する官能基である、請求項7に記載のコーティング剤。
【請求項9】
さらに、屈折率調整剤とが溶媒に分散した、請求項1~6のいずれかに記載のコーティング剤。
【請求項10】
屈折率調整剤は、Mg、Al、Ca、Ti、Zn、Nb、Zr、Sn、Ta、Ce及び、Hfからなる群より選択される少なくとも1種の金属の酸化物微粒子である、請求項9に記載のコーティング剤。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、超親水性を示すコーティング膜を形成することができるコーティング剤に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、防曇性や防汚性を向上させることを目的として、超親水性のコーティング材料の開発が進められている。親水性を発揮する材料としては、例えば、水酸基を含有する有機ポリマーを用いた有機系材料(例えば、特許文献1)、光触媒を利用する無機系材料(例えば、特許文献2)、シリカを利用する無機系シリカ材料(例えば、特許文献3、4)などが知られている。しかし、有機系材料ではUV硬化又は加熱硬化によりコーティングを形成する必要があり、現場施工が困難な場合がある。また、酸化チタンからなる親水性膜が親水性を発揮するためには、紫外線を照射することが必要となる。そのため、屋内などの紫外線が十分に照射されない環境で用いられる場合は、親水性が発揮できないという問題が生じる。
【0003】
紫外線が十分に照射されるような環境であるか否かにかかわらず、親水性を発揮するできるものとして、例えば、ゾル-ゲル法により作製される非晶質シリカからなる超親水性膜が提案されている(例えば、特許文献5参照)。また、親水性官能基を導入した非晶質シリカを用い超親水性膜も提案されている(例えば、特許文献6、7参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2001-356201号公報
特許第3844182号明細書
特開平9-156959号公報
特開2015-096459号公報
特開2008-174617号公報
再公表2013-001975号公報
特開2000-239607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ゾル-ゲル法などの無機ポリマーからなるコーティング膜は基材への密着性が十分でなく、特に、厚膜とした場合に基材への密着性が低下することがあった。そして、得られた膜は、耐恒温恒湿性(温度や湿度が常に加される環境)が低く、基材と塗膜との屈折率の差により干渉縞が生じやすいという問題があった。このような場合に、コーティング膜に柔軟性を付与するために有機ポリマーを添加することも考えられるが、得られるコーティング膜の透明性や硬度、耐久性が低下するという問題も発生しうる。また、特許文献6に提案される4官能性ケイ素化合物を加水分解縮合して得られた非晶質シリケート化合物を含有する無機親水性コート液では、本発明者らの検討により、耐湿熱性や耐摩耗性において改善の余地があることがわかった。特許文献7に提案されるシリカ質被膜は、スルフィド基をスルホン酸基に転化させて親水性を付与するものであり、被膜の形成に200℃程度の加熱が必要であった。
【0006】
また、無機ポリマーからなるコーティング剤は、塗装プロセスが複雑になることがある。さらに、親水性の低い基材など基材によっては、コーティング剤を塗装してもレベリング性が悪く、作業性も十分でないことがあった。
【0007】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものである。本発明の目的の一つは、硬度、耐久性に優れ、且つ、基材への密着性、防曇性や防汚性、作業性に優れたコーティング膜を得ることができるコーティング剤を提供することである。
本発明の目的の一つは、親水性、耐温水性、塗工性に優れ、また、クラックの発生しにくいコーティング膜を形成できるコーティング剤を提供することである。
また、本発明の目的の一つは、耐恒温恒湿性、耐熱性、耐候性に優れ、また、親水性を長期にわたって維持可能なコーティング膜を形成できるコーティング剤を提供することである。
さらには、本発明の目的の一つは、親水性に優れ、基材と塗膜の屈折率差により発生する干渉縞を抑制可能なコーティング膜を形成できるコーティング剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、以下の[1]~[19]により達成される。
[1]水不溶性の金属化合物の微粒子と、無機ポリマーと、透明ナノファイバーとが溶媒に分散したコーティング剤;
[2]透明ナノファイバーが、多糖類からなるナノファイバーである、前記[1]のコーティング剤;
[3]多糖類からなるナノファイバーが、セルロースナノファイバー、又は、キチン若しくはキトサンの構造単位を有するナノファイバーである、前記[2]のコーティング剤;
[4]透明ナノファイバーの含有量が全固形分に対して0.1~10質量%である、前記[1]~[3]のいずれかのコーティング剤;
[5]金属微粒子の粒子径は1~100nmであり、透明ナノファイバーの繊維径は2~100nmである、前記[1]~[4]のいずれかのコーティング剤;
[6]水不溶性の金属化合物の微粒子と、無機ポリマーとが溶媒に分散したコーティング剤であって、前記金属化合物が超親水性官能基を有する、コーティング剤;
[7]超親水性官能基は式(1):
TIFF
2025010414000001.tif
24
162
(ただし、式(1)中、R

は炭素数1~10のアルキル基由来の構造単位、A

は一価の陽イオンである。)で表される構造を有するスルホン酸基又はスルホン酸塩基、式(2):
TIFF
2025010414000002.tif
26
162
(ただし、式(2)中、R

は炭素数1~10のアルキル基由来の構造単位、A

は一価の陽イオンである。)で表される構造を有するカルボン酸塩基、ポリエーテル基、若しくは、ウレイド基を含有する官能基である、前記[6]のコーティング剤;
[8]水不溶性の金属化合物の微粒子と、無機ポリマーと、屈折率調整剤とが溶媒に分散したコーティング剤;
[9]金属化合物が二酸化ケイ素である、前記[1]~[8]のいずれかのコーティング剤、
[10]屈折率調整剤は、Mg、Al、Ca、Ti、Zn、Nb、Zr、Sn、Ta、Ce及び、Hfからなる群より選択される少なくとも1種の金属の酸化物微粒子である、前記[9]のコーティング剤;
[11]無機ポリマーがシリコンアルコキシドを縮合した構造を有する、前記[1]~[10]のいずれかのコーティング剤;
[12]コーティング剤の固形分濃度が0.1~30質量%である、前記[1]~[11]のいずれかのコーティング剤;
[13]金属微粒子と無機ポリマーとの質量の比が20/80~90/10である、前記[1]~[12]のいずれかのコーティング剤;
[14]前記[1]~[13]のいずれかに記載のコーティング剤を塗布して形成されたコーティング膜を有する物品;
[15]前記[1]~[14]のいずれかに記載のコーティング剤を塗布する塗布方法であって、被塗布面を、洗浄液を利用して洗浄する第1洗浄工程と、被塗布面に該洗浄液が残存している状態で、前記コーティング剤を塗布する塗布工程とを有する塗布方法;
[16]塗布したコーティング剤の全てが乾燥する前に、塗布面を、洗浄液を利用して洗浄する第2洗浄工程とを有する、前記[15]に記載の塗布方法;
[17]被塗布面が、金属酸化物および珪酸化合物である、前記[15]又は[16]に記載の塗布方法;
[18]被塗布面がガラスであり、第1洗浄工程にて、ガラス用研磨剤を利用して洗浄する、前記[17]に記載の塗布方法;
[19]被塗布面がセラミックスであり、前記[17]に記載の塗布方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施の形態によれば、透明性や硬度にも優れ、且つ、基材への密着性、防曇性や防汚性、作業性に優れたコーティング膜を得ることができるコーティング剤を提供することができる。
また、本発明の実施の形態によれば、親水性、耐温水性、塗工性に優れ、また、クラックの発生しにくいコーティング膜を形成できるコーティング剤を提供することができる。
また、本発明の実施の形態によれば、耐恒温恒湿性、耐熱性、耐候性に優れ、また、親水性を長期にわたって維持可能なコーティング膜を形成できるコーティング剤を提供することができる。
さらには、本発明の実施の形態によれば、親水性に優れ、基材と塗膜の屈折率差により発生する干渉縞を抑制可能なコーティング膜を形成できるコーティング剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のコーティング剤の各成分や製造方法、コーティング膜の形成方法等について、説明する。本発明のコーティング剤は、水不溶性の金属化合物の微粒子と、無機ポリマーとが溶媒に分散したものである。
(【0011】以降は省略されています)

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