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公開番号
2025087135
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-10
出願番号
2023201578
出願日
2023-11-29
発明の名称
気体貯蔵材、及びその製造方法、並びに、気体貯蔵方法
出願人
国立大学法人信州大学
,
株式会社タカギ
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
B01J
20/20 20060101AFI20250603BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】室温付近でも気体を貯蔵可能な気体貯蔵材を提供すること。
【解決手段】本開示は、グラファイト構造を一部に有する気体貯蔵材であって、Heガスを用いた25℃におけるガスピクノメータ法によって測定される密度が1g/cm
3
以下であり、532nmの測定光源を用いて測定されるラマンスペクトルにおいて、1550~1750cm
-1
の範囲に観測されるGバンドの強度をI
G
とし、2550~2850cm
-1
の範囲に観測される2Dバンドの強度をI
2D
としたときに、I
G
に対するI
2D
の比が0.2以上1未満である、気体貯蔵材を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
グラファイト構造を一部に有する気体貯蔵材であって、
Heガスを用いた25℃におけるガスピクノメータ法によって測定される密度が1g/cm
3
以下であり、
532nmの測定光源を用いて測定されるラマンスペクトルにおいて、1550~1750cm
-1
の範囲に観測されるGバンドの強度をI
G
とし、2550~2850cm
-1
の範囲に観測される2Dバンドの強度をI
2D
としたときに、I
G
に対するI
2D
の比が0.2以上1未満である、気体貯蔵材。
続きを表示(約 520 文字)
【請求項2】
-196℃において測定されるBET比表面積が300m
2
/g以下である、請求項1に記載の気体貯蔵材。
【請求項3】
グラファイト構造を有する原料を、アルゴン気流下で800℃以上に加熱し、メタン濃度が5~30体積%となるように前記アルゴン気流中にメタンガスを添加し、0.5時間以上保持する条件での化学気相成長法によって、前記グラファイト構造を有する原料に対して複数の単層グラフェンを設けること、を備える気体貯蔵材の製造方法。
【請求項4】
グラファイトを賦活処理して前記原料を調製すること、を更に備える、請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
貯蔵対象となる気体雰囲気、且つ10MPa以上の加圧条件下で、請求項1又は2に記載の気体貯蔵材を140℃以上に加熱することと、
前記気体雰囲気及び加圧状態を維持したまま、前記気体貯蔵材を130℃以下に冷却することと、を有する、気体貯蔵方法。
【請求項6】
前記貯蔵対象となる気体が、水素、酸素、メタン、及びエタンからなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項5に記載の気体貯蔵方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、気体貯蔵材、及びその製造方法、並びに、気体貯蔵方法に関し、特に、グラファイト構造を一部に有するガス貯蔵材等に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
グラファイトや酸化グラフェンは、その吸着性能に優れ、選択性に優れる吸着材等としての研究が行われている。例えば、特許文献1には、活性炭素繊維の2nm以下の細孔内で、炭素原子と水素、窒素、硫黄および酸素からなる群から選ばれた少なくとも1種の原子とを含む芳香族化合物を熱重合させ、沈着させてなる選択的吸着能を持つ分子篩活性炭素繊維が開示されている。
【0003】
グラファイト又は酸化グラフェンの吸着性能を利用した気体貯蔵材への応用が検討されている。例えば、特許文献2には、ホウ素種で官能化され、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属で修飾された還元酸化グラフェンを含む単層構造または多層構造を含む水素貯蔵生成物であって、構造の各層が、ホウ素原子に結合された酸素原子のホウ素-酸素官能基をさらに含む、水素貯蔵生成物が開示されている。当該水素貯蔵生成物は、官能化されたホウ素種、修飾されたアルカリ金属及びアルカリ土類金属化学種などによって水素の貯蔵を可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平09-248456号公報
特表2020-521718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のようなグラファイト又は酸化グラフェンは、吸着対象となる気体分子の吸着性能には優れるものの、吸着された気体分子の吸着を維持し、貯蔵に応用することは容易ではない。例えば、水素やメタン等のガスを吸着することができたとしても、その維持には高い圧力に耐え得る容器に収容することや、吸着された分子の脱離を抑制するために低温に制御することなどの調整が必要である。
【0006】
本開示は、室温付近でも気体を貯蔵可能な気体貯蔵材及びその製造方法を提供することを目的とする。本開示はまた、上述の気体貯蔵材を用いた気体貯蔵方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、下記[1]~[6]を提供する。
【0008】
[1]
グラファイト構造を一部に有する気体貯蔵材であって、
Heガスを用いた25℃におけるガスピクノメータ法によって測定される密度が1g/cm
3
以下であり、
532nmの測定光源を用いて測定されるラマンスペクトルにおいて、1550~1750cm
-1
の範囲に観測されるGバンドの強度をI
G
とし、2550~2850cm
-1
の範囲に観測される2Dバンドの強度をI
2D
としたときに、I
G
に対するI
2D
の比が0.2以上1未満である、気体貯蔵材。
[2]
-196℃において測定されるBET比表面積が300m
2
/g以下である、[1]に記載の気体貯蔵材。
[3]
グラファイト構造を有する原料を、アルゴン気流下で800℃以上に加熱し、メタン濃度が5~30体積%となるように上記アルゴン気流中にメタンガスを添加し、0.5時間以上保持する条件での化学気相成長法によって、前記グラファイト構造を有する原料に対して複数の単層グラフェンを設けること、を備える気体貯蔵材の製造方法。
[4]
グラファイトを賦活処理して前記原料を調製すること、を更に備える、[3]に記載の製造方法。
[5]
貯蔵対象となる気体雰囲気、且つ10MPa以上の加圧条件下で、[1]又は[2]に記載の気体貯蔵材を140℃以上に加熱することと、
前記気体雰囲気及び加圧状態を維持したまま、前記気体貯蔵材を130℃以下に冷却することと、を有する、気体貯蔵方法。
[6]
前記貯蔵対象となる気体が、水素、酸素、メタン、及びエタンからなる群より選択される少なくとも一種を含む、[5]に記載の気体貯蔵方法。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、室温付近でも気体を貯蔵可能な気体貯蔵材及びその製造方法を提供できる。本開示によればまた、上述の気体貯蔵材を用いた気体貯蔵方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、気体貯蔵材の一例を示す模式図である。
図2は、気体貯蔵材を用いた気体の貯蔵方法及び気体取出方法を説明するための模式図である。
図3は、気体貯蔵材のグラフェンシート部におけるエネルギー障壁と気体の運動エネルギーとの関係を示すグラフである。
図4は、気体貯蔵材の製造方法の一例を説明するための模式図である。
図5は、実施例で調製した気体貯蔵材の走査型顕微鏡画像を示す図である。
図6は、実施例で調製した気体貯蔵材のラマンスペクトルである。
図7は、実施例における気体貯蔵性能の評価装置の模式図である。
図8は、実施例で調製した気体貯蔵材の気体貯蔵性能評価のための熱重量分析の結果を示すグラフである。
図9は、賦活化した炭素材料の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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