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公開番号
2024170680
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-11
出願番号
2021152756
出願日
2021-09-21
発明の名称
誘電膜の製造方法及びそれを用いたアクチュエータの製造方法
出願人
信越ポリマー株式会社
,
国立大学法人信州大学
代理人
めぶき弁理士法人
,
個人
,
個人
主分類
H10N
30/857 20230101AFI20241204BHJP()
要約
【課題】高分子材料と極性基含有有機化合物とを用いて、誘電膜を製造する方法を提供する。
【解決手段】高分子材料と、極性基含有有機化合物とを、溶媒中に溶解して、高分子材料と極性基含有有機化合物との混合溶液を調製する工程と、混合溶液を基板上に塗布する工程と、基板上に塗布した高分子材料を硬化させて薄膜を形成する工程と、を備え、硬化後の薄膜の内部構造が、高分子材料からなる連続相と、主として極性基含有有機化合物からなる分散相とに相分離するように、混合溶液を調製することを特徴とする誘電膜の製造方法。
【選択図】図6
特許請求の範囲
【請求項1】
高分子材料と、極性基含有有機化合物とを、溶媒中に溶解して、前記高分子材料と前記極性基含有有機化合物との混合溶液を調製する工程と、
前記混合溶液を基板上に塗布する工程と、
前記基板上に塗布した高分子材料を硬化させて薄膜を形成する工程と、
を備え、
前記硬化後の薄膜の内部構造が、前記高分子材料からなる連続相と、主として前記極性基含有有機化合物からなる分散相とに相分離するように、前記混合溶液を調製することを特徴とする誘電膜の製造方法。
続きを表示(約 840 文字)
【請求項2】
前記高分子材料と前記極性基含有有機化合物との配合比率が、質量比で3:1~1:1である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記混合溶液の全量に対する前記溶媒の含有量が、20~50質量%である、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記混合溶液の20℃における粘度が、1Pa・s以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項5】
前記高分子材料を硬化させる前に、前記基板上に塗布した混合溶液を少なくとも30分間保持する、請求項1~4のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項6】
前記高分子材料が、シリコーン、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(H-NBR)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリケトン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリnブチルアクリレート、セルロース及び羊毛から選択される一種以上のエラストマーを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項7】
前記極性基含有有機化合物が、シアノエチル基含有有機化合物、変性シリコーンオイル、フタロシアニン類又はイオン液体である請求項1~6のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項8】
前記高分子材料がシリコーンであり、前記極性基含有有機化合物がシアノエチルサッカロースである請求項1~7のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項9】
前記溶媒が、テトラヒドロフラン又はテトラヒドロフランとアセトンとの混合溶媒である請求項1~8のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の方法で製造された誘電膜の両面にそれぞれ電極層を付加するアクチュエータの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子アクチュエータの製造方法に関し、特に、該高分子アクチュエータに用いられる誘電膜の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
柔軟性、軽量性、成形性に優れた高分子アクチュエータは、スマートマテリアルとして期待されている。一般に、ポリマーアクチュエータは、光、熱、磁場、電場、温度、溶媒、pHなどの外部刺激によって駆動される。また、高分子アクチュエータは、電流駆動型と電圧駆動型に大別され、電流駆動型には、イオン伝導性ポリマー、導電性ポリマー、カーボンナノチューブが、電圧駆動型には、圧電性ポリマー、誘電体ゲル、誘電エラストマーが用いられる。空気中で駆動する誘電エラストマーを用いたアクチュエータは、柔軟性があり、その材料として、アクリル、シリコーン、ポリウレタンエラストマーなどを用いて検討されている。
【0003】
印加電圧に対する静電引力を大きくして、アクチュエータの性能向上を図るためには、誘電膜の比誘電率を大きくすることが必要である。このため、エラストマーにチタン酸バリウム等の比誘電率が大きい誘電性粒子を配合した誘電膜が種々提案されている。例えば、特許文献1には、エラストマーと誘電性粒子とを含み、走査型電子顕微鏡により撮影された膜厚方向の断面写真において、条件(A)[基準個数の平均値が0.8個/μm以上]、条件(B)[大粒子個数の平均値が0.2個/μm以下]、および条件(C)[エラストマーの面積割合が30%以下である単位領域の個数が10個以下]を満たす誘電膜が、柔軟で、比誘電率が大きく、薄膜化しても絶縁破壊強度が大きいことが記載されている。
【0004】
このチタン酸バリウムのような誘電性粒子は、一般的に凝集しやすいため、エラストマー中に均一に分散させることが難しい。本発明者らは、チタン酸バリウムに代えてシアノエチルスクロースのような極性基含有有機化合物をシリコーンエラストマーと複合化することで、直流電圧を負荷したときの空間電荷分布の不均一性に基づいて変形可能な高分子アクチュエータについて報告している(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
S.Tamura、R.Kiyono、T.Hirai、 Dielectric elastomer actuator behavior of silicone/cyanoethylsucrose composite films: Morphology and space-charge distribution. Nano Select 2021;1-11https://doi.org/10.1002/nano.202100023
【特許文献】
【0006】
特開2015-189776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
非特許文献1に記載の誘電膜は、非対称性の断面内部構造を形成することで、確かに、空間電荷分布の不均一性が生じるが、このような特殊な内部構造を形成するために、誘電膜の製造条件をどのようにコントロールしうるかについては明らかではない。
【0008】
そこで、本発明は、高分子材料と極性基含有有機化合物とを用いて、誘電膜を製造する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討を行った結果、誘電膜の製造に用いる高分子材料と親和性のある溶媒を用い、成膜条件を調整することでアクチュエータ材料として優れた誘電膜が得られることを見出した。すなわち、本発明は以下の実施形態を含む。
【0010】
(1)高分子材料と、極性基含有有機化合物とを、溶媒中に溶解して、高分子材料と極性基含有有機化合物との混合溶液を調製する工程と、混合溶液を基板上に塗布する工程と、基板上に塗布した高分子材料を硬化させて薄膜を形成する工程と、を備え、硬化後の薄膜の内部構造が、高分子材料からなる連続相と、主として極性基含有有機化合物からなる分散相とに相分離するように、混合溶液を調製することを特徴とする誘電膜の製造方法。
(2)高分子材料と極性基含有有機化合物との配合比率が、質量比で3:1~1:1である、(1)に記載の製造方法。
(3)混合溶液の全量に対する溶媒の含有量が、20~50質量%である、(1)又は(2)に記載の製造方法。
(4)混合溶液の20℃における粘度が、1Pa・s以下である、(1)~(3)のいずれか一項に記載の製造方法。
(5)高分子材料を硬化させる前に、基板上に塗布した混合溶液を少なくとも30分間保持する、(1)~(4)のいずれか一項に記載の製造方法。
(6)高分子材料が、シリコーン、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(H-NBR)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリケトン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリnブチルアクリレート、セルロース及び羊毛から選択される一種以上のエラストマーを含む、(1)~(5)のいずれか一項に記載の製造方法。
(7)極性基含有有機化合物が、シアノエチル基含有有機化合物、変性シリコーンオイル、フタロシアニン類又はイオン液体である(1)~(6)のいずれか一項に記載の製造方法。
(8)高分子材料がシリコーンであり、極性基含有有機化合物がシアノエチルサッカロースである(1)~(7)のいずれか一項に記載の製造方法。
(9)溶媒が、テトラヒドロフラン又はテトラヒドロフランとアセトンとの混合溶媒である(1)~(8)のいずれか一項に記載の製造方法。
(10)(1)~(9)の何れか一項に記載の方法で製造された誘電膜の両面にそれぞれ電極層を付加するアクチュエータの製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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