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公開番号
2024170211
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-06
出願番号
2023087243
出願日
2023-05-26
発明の名称
ナイロン4繊維の製造方法
出願人
株式会社ブリヂストン
,
国立大学法人信州大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
D01F
6/60 20060101AFI20241129BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約
【課題】高強度のナイロン4繊維を製造することが可能な、ナイロン4繊維の製造方法を提供する。
【解決手段】ナイロン4を溶媒に溶解させ、紡糸用溶液を得る溶解工程と、前記紡糸用溶液を用いて乾式紡糸し、未延伸繊維を得る紡糸工程と、前記未延伸繊維を延伸し、ナイロン4繊維を得る延伸工程と、を含むナイロン4繊維の製造方法であって、前記延伸工程が、過熱水蒸気加熱下又は遠赤外線加熱下で行われることを特徴とする、ナイロン4繊維の製造方法。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
ナイロン4を溶媒に溶解させ、紡糸用溶液を得る溶解工程と、
前記紡糸用溶液を用いて乾式紡糸し、未延伸繊維を得る紡糸工程と、
前記未延伸繊維を延伸し、ナイロン4繊維を得る延伸工程と、を含むナイロン4繊維の製造方法であって、
前記延伸工程が、過熱水蒸気加熱下又は遠赤外線加熱下で行われることを特徴とする、ナイロン4繊維の製造方法。
続きを表示(約 170 文字)
【請求項2】
前記延伸工程の雰囲気温度が260℃以上270℃以下である、請求項1に記載のナイロン4繊維の製造方法。
【請求項3】
前記延伸工程の延伸倍率が5.5倍以上である、請求項1に記載のナイロン4繊維の製造方法。
【請求項4】
前記溶媒がギ酸を含む、請求項1に記載のナイロン4繊維の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナイロン4繊維の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)
【背景技術】
【0002】
一般に、繊維の高強度化を図る場合には、紡糸工程及び延伸工程を通じて分子鎖を一方向に引き揃えて、配向性を高めることを行う。かかる紡糸工程及び延伸工程は、連続的に行うこともできるし、紡糸工程で得られた繊維を一旦巻き取り、その後に延伸工程を行うこともできる。
【0003】
ここで、ポリアミド樹脂の1つであるナイロン4は、アミド結合の密度が高く、熱的及び機械的に優れた特性が期待される樹脂である。しかし、このナイロン4は、水素結合による分子間相互作用が強いため、そのままでは延伸して引き揃えることが困難な傾向にある。
【0004】
この点に関し、本発明者らはこれまで、乾式紡糸法により高強度のナイロン4繊維を製造する方法を検討してきた(特許文献1)。かかる方法は、通常のオーブン中で加熱して、分子間相互作用を弱めた状態で延伸、引き揃えを行うものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-031790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、その後の検討で、特許文献1に記載されたナイロン4繊維の製造では、延伸工程時の加熱効率が十分ではないことが確認された。具体的に、特許文献1の技術では、延伸の際、繊維の表面付近は温められ易い一方、繊維中央部の温度が上がり難い、即ち、繊維の径方向に温度勾配が生じ易いことが分かった。この場合、延伸時に繊維中央部の延伸応力が高まって、ボイド発生等の構造不均一性が生じ易くなる虞がある。そして、このような構造不均一性は、ナイロン4繊維の更なる高強度化を図る上での障害となり得る。
【0007】
このような問題に対し、例えば、繊維中央部まで十分に加熱するために、延伸時のオーブンでの加熱時間を長くする手法が考えられる。しかし、この手法では、延伸時に繊維が融解してしまう(溶断という。)可能性が高くなる上、熱劣化による影響が顕著になるため、好ましくない。かかる状況下、繊維の溶断や熱劣化を十分に回避し、ナイロン4繊維の更なる高強度化を図る点で、従来技術には未だ改良の余地があるといえる。
【0008】
そこで、本発明は、高強度のナイロン4繊維を製造することが可能な、ナイロン4繊維の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題の解決に当たり、一層高強度化されたナイロン4繊維を得るには、繊維を表面から中央部まで均一に且つ短時間で加熱することが肝要であると考えた。そして、本発明者らが更に検討を重ねた結果、延伸時の加熱を所定条件の加熱とすることが、均一且つ短時間での加熱を可能にし、ナイロン4繊維の一層の高強度化に寄与し得ることを見出し、本発明をするに至った。
【0010】
即ち、上記課題を解決する本発明の要旨構成は、以下の通りである。
(【0011】以降は省略されています)
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