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公開番号2025091118
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-18
出願番号2023206171
出願日2023-12-06
発明の名称紡糸装置
出願人帝人フロンティア株式会社
代理人個人
主分類D01D 4/08 20060101AFI20250611BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約【課題】パック内のポリマー滞留域が少なく、コンパクトかつ高い生産性で安定した品質の糸が得られる紡糸装置を提供する。
【解決手段】ポリマーを繊維状に吐出するための吐出孔が穿設された紡糸口金を備えた溶融紡糸用口金パックを有する紡糸装置であり、該口金パックには、ポリマーが流入する流入孔が穿設され、該流入孔の下流側において、流入したポリマーをろ過するための100~800cm3の体積を有するろ過層を有し、さらに該ろ過層の下流側に円周状に配列された複数のポリマー流路を有していて、該ポリマー流路の内径が2.9~7.1mmφ、該ポリマー流路の本数が12~40本であり、該ポリマー流路の下流側直下に金網フィルターおよび円環状の紡糸口金を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ポリマーを繊維状に吐出するための吐出孔が穿設された紡糸口金を備えた溶融紡糸用口金パックを有する紡糸装置であり、該口金パックには、ポリマーが流入する流入孔が穿設され、該流入孔の下流側において、流入したポリマーをろ過するための100~800cm

の体積を有するろ過層を有し、さらに該ろ過層の下流側に円周状に配列された複数のポリマー流路を有していて、該ポリマー流路の内径が2.9~7.1mmφ、該ポリマー流路の本数が12~40本であり、該ポリマー流路の下流側直下に金網フィルターおよび円環状の紡糸口金を有することを特徴とする紡糸装置。
続きを表示(約 490 文字)【請求項2】
ポリマー流路の下端から紡糸口金のポリマー導入部上端までの間隔が0.1~10.0mmである請求項1に記載の紡糸装置。
【請求項3】
ポリマー流路内に、エレメント数2~20個、1エレメントあたりの長さ(L)/直径(D)の比(L/D)が0.3~3.0である静的混合素子を有する請求項1又は2に記載の紡糸装置。
【請求項4】
口金に穿設された吐出孔の孔数が2000~9000個であり、吐出孔の孔密度が0.15~0.85個/mm

である請求項1又は2に記載の紡糸装置。
【請求項5】
口金に穿設された吐出孔のうち、最外周同心円状の吐出孔中心部と、該口金内の所定の点の距離をX1、該口金における最内周同心円状の吐出孔中心部と、前記口金内の所定の点の距離をX2としたとき、吐出孔列配置係数X2/X1が0.40~0.85である請求項1又は2に記載の紡糸装置。
【請求項6】
糸条を冷却する媒体を、紡糸口金のポリマー吐出側の吐出孔外側から吸引する機構を有する請求項1又は2に記載の紡糸装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、紡糸装置に関するものであり、さらに詳しくは、パック内のポリマー滞留域が少なく、コンパクトでかつ高い生産性で安定した品質の糸が得られる紡糸装置に関するものである。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
これまでに、口金の多孔化による生産性向上技術が検討されてきている。例えば、特開2019-7098号公報(特許文献1)においては、口金孔数が3,500個以上のものが提案されているが、一方で、紡糸設備に使用する口金が大きくなり、大型の紡糸設備となってしまうという問題があった。
このような紡糸設備の大型化問題を解決するために、特開2020-158904号公報(特許文献2)では、コンパクトで高い生産性を有する紡糸装置が提案されている。
【0003】
一方で、孔数1000個以上の多ホール口金を用いた高効率紡糸においては、口金の紡糸孔配列や糸条の冷却方式の工夫のみで生産性および品質の安定化を図ることは困難であり、口金から吐出される溶融ポリマーの粘度を均一にすることが重要であることがわかってきた。
【0004】
その結果、例えば特開2003-342827号公報(特許文献3)では、ポリマーの異常滞留と劣化に起因する糸切れなどの工程調子の悪化と糸質斑の発生とを低減することが可能な溶融紡糸用口金パックが提案されている。この発明では、パック内でのポリマー滞留量が格段に低減され、平均滞留時間も極めて短縮されるため、ポリマーがパック内に滞留する間に受ける熱履歴による熱劣化を抑制することができる。
【0005】
一方で、特許文献3においては、口金直上のポリマー流路がパック内中央部に穿設されており、口金のポリマー導入部から離れているため、孔数1000個以上の多ホール口金では全孔に均等にポリマーを分配することが困難であり、吐出不良や糸質不良が生じるという問題があった。また、ろ過層を有しない構造であるため、異物詰まりにより吐出不良や糸切れが発生しやすく、連続生産への適用は現実的でなかった。
【0006】
このような問題を解決するため、例えば特開2005-194673号公報(特許文献4)に開示される如く、口金のポリマー導入孔に均等にポリマーを分配させるための分配板を設けているものが知られているが、分配板を設けると、この部分におけるポリマー滞留量が増加し熱劣化したポリマーが口金に導入され糸質斑になるという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2019-7098号公報
特開2020-158904号公報
特開2003-342827号公報
特開2005-194673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記背景のもとになされたものであり、その目的は、パック内のポリマー滞留域が少なく、コンパクトかつ高い生産性で安定した品質の糸を得られる紡糸装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、、ポリマーが流入する流入孔の下部に、流入したポリマーをろ過するためのろ過層を設けて、その大きさを制御すると共に、該ろ過層の下部に円周状に配列され、その内径と本数が制御された複数のポリマー流路を形成させるとき、上記課題が解決できることを見出し、本発明に到達した。
【0010】
すなわち本発明によれば、
1.ポリマーを繊維状に吐出するための吐出孔が穿設された紡糸口金を備えた溶融紡糸用口金パックを有する紡糸装置であり、該口金パックには、ポリマーが流入する流入孔が穿設され、該流入孔の下流側において、流入したポリマーをろ過するための100~800cm

の体積を有するろ過層を有し、さらに該ろ過層の下流側に円周状に配列された複数のポリマー流路を有していて、該ポリマー流路の内径が2.9~7.1mmφ、該ポリマー流路の本数が12~40本であり、該ポリマー流路の下流側直下に金網フィルターおよび円環状の紡糸口金を有することを特徴とする紡糸装置、
2.ポリマー流路の下端から紡糸口金のポリマー導入部上端までの間隔が0.1~10.0mmである上記1に記載の紡糸装置、
3.ポリマー流路内に、エレメント数2~20個、1エレメントあたりの長さ(L)/直径(D)の比(L/D)が0.3~3.0である静的混合素子を有する上記1又は2に記載の紡糸装置、
4.口金に穿設された吐出孔の孔数が2000~9000個であり、吐出孔の孔密度が0.15~0.85個/mm

である上記1又は2に記載の紡糸装置、
5.口金に穿設された吐出孔のうち、最外周同心円状の吐出孔中心部と、該口金内の所定の点の距離をX1、該口金における最内周同心円状の吐出孔中心部と、前記口金内の所定の点の距離をX2としたとき、吐出孔列配置係数X2/X1が0.40~0.85である上記1又は2に記載の紡糸装置、
及び、
6.糸条を冷却する媒体を、紡糸口金のポリマー吐出側の吐出孔外側から吸引する機構を有する上記1又は2に記載の紡糸装置。
が提供される。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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