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公開番号2024129504
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-27
出願番号2023038748
出願日2023-03-13
発明の名称林相区分図作成装置、林相区分図作成方法及びプログラム
出願人国立大学法人信州大学,精密林業計測株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類G06T 7/00 20170101AFI20240919BHJP(計算;計数)
要約【課題】森林域に含まれる単木の樹種分類及び林相区分を自動で行う。
【解決手段】林相区分図作成装置は、取得した所定森林域点群データを用いた単木の樹冠精密解析の結果に対する調査員の樹種分類の結果と調査員の所定の森林域の現地調査の結果に基づいて作成された所定の森林域内の単木の樹種データを取得し、所定森林域点群データから抽出した単木点群データに樹種情報を加えるラベリング処理を樹種データに基づき実行してAIモデルの学習用データセットを作成し、学習用データセットをAIモデルの訓練用データセットと検証用データセットに振り分け、訓練及び評価が実行された後のAIモデルを用い調査対象森林域の3次元点群データに基づき調査対象森林域に含まれる単木をスギ、ヒノキ、カラマツ、アカマツ、広葉樹に樹種分類し、その結果に基づきレーザ林相図を作成し、レーザ林相図に含まれる複数の林相の境界を作成する。
【選択図】図24
特許請求の範囲【請求項1】
所定の森林域に対してレーザ光を照射することによって得られた3次元の点群データである所定森林域点群データを取得すると共に、前記所定森林域点群データを用いて行われた前記所定の森林域に含まれる複数の単木のそれぞれの樹冠の精密な解析の結果である精密単木樹冠解析結果に対する調査員による樹種分類の結果と、調査員による前記所定の森林域の現地調査の結果とに基づいて作成された前記所定の森林域に含まれる複数の単木のそれぞれの樹種を示す樹種データを取得するデータ取得部と、
前記データ取得部によって取得された前記所定森林域点群データから、前記所定の森林域に含まれる複数の単木のそれぞれの点群データである単木点群データを抽出すると共に、抽出された前記単木点群データに対して樹種を示す情報を加えるラベリング処理を、前記データ取得部によって取得された前記樹種データに基づいて実行することによって、AIモデルの学習に用いられる学習用データセットを作成するラベリング処理部と、
前記ラベリング処理部によって作成された前記学習用データセットを、少なくとも、前記AIモデルの訓練に用いられる訓練用データセットと、前記AIモデルの評価に用いられる検証用データセットとに振り分けるデータセット作成部と、
前記データセット作成部によって作成された前記訓練用データセットを用いて前記AIモデルの訓練を実行すると共に、前記データセット作成部によって作成された前記検証用データセットを用いて前記AIモデルの評価を実行する訓練実行部と、
訓練及び評価が実行された後の前記AIモデルを用いることにより、調査対象森林域に対してレーザ光を照射することによって得られた3次元の点群データである調査対象森林域点群データに基づいて、前記調査対象森林域に含まれる複数の単木のそれぞれの樹種分類を実行すると共に、前記調査対象森林域に含まれる複数の単木のそれぞれの樹種分類の結果に基づいて前記調査対象森林域のレーザ林相図を作成するレーザ林相図作成部と、
前記レーザ林相図作成部によって作成された前記レーザ林相図に含まれる複数の林相の境界を作成する林相境界作成部とを備え、
前記レーザ林相図作成部は、訓練及び評価が実行された後の前記AIモデルを用いることにより、前記調査対象森林域に含まれる複数の単木のそれぞれを、スギ、ヒノキ、カラマツ、アカマツ及び広葉樹のいずれかに樹種分類する、
林相区分図作成装置。
続きを表示(約 2,800 文字)【請求項2】
前記レーザ林相図作成部は、前記調査対象森林域に含まれる複数の単木のそれぞれの樹種分類を実行した後に、前記調査対象森林域に含まれる孤立木を削除するマスク処理を実行して前記レーザ林相図を作成し、
前記孤立木とは、前記孤立木から所定距離の範囲内に前記孤立木と同一の樹種の単木が存在しない単木である、
請求項1に記載の林相区分図作成装置。
【請求項3】
前記ラベリング処理では、抽出された前記単木点群データのファイル名に樹種名が含められる、
請求項1に記載の林相区分図作成装置。
【請求項4】
前記訓練実行部によって実行される前記AIモデルの訓練では、樹種ごとの前記単木点群データの樹冠形状を前記AIモデルに学習させる、
請求項1に記載の林相区分図作成装置。
【請求項5】
前記データセット作成部は、前記ラベリング処理部によって作成された前記学習用データセットを、前記訓練用データセットと、前記検証用データセットと、前記AIモデルを前記調査対象森林域に適用できるか否かの判断に用いられるテスト用データセットとに振り分ける、
請求項1に記載の林相区分図作成装置。
【請求項6】
林相区分図作成装置が、所定の森林域に対してレーザ光を照射することによって得られた3次元の点群データである所定森林域点群データを取得すると共に、前記林相区分図作成装置が、前記所定森林域点群データを用いて行われた前記所定の森林域に含まれる複数の単木のそれぞれの樹冠の精密な解析の結果である精密単木樹冠解析結果に対する調査員による樹種分類の結果と、調査員による前記所定の森林域の現地調査の結果とに基づいて作成された前記所定の森林域に含まれる複数の単木のそれぞれの樹種を示す樹種データを取得するデータ取得ステップと、
前記林相区分図作成装置が、前記データ取得ステップにおいて取得された前記所定森林域点群データから、前記所定の森林域に含まれる複数の単木のそれぞれの点群データである単木点群データを抽出すると共に、抽出された前記単木点群データに対して樹種を示す情報を加えるラベリング処理を、前記データ取得ステップにおいて取得された前記樹種データに基づいて実行することによって、AIモデルの学習に用いられる学習用データセットを作成するラベリング処理ステップと、
前記林相区分図作成装置が、前記ラベリング処理ステップにおいて作成された前記学習用データセットを、少なくとも、前記AIモデルの訓練に用いられる訓練用データセットと、前記AIモデルの評価に用いられる検証用データセットとに振り分けるデータセット作成ステップと、
前記林相区分図作成装置が、前記データセット作成ステップにおいて作成された前記訓練用データセットを用いて前記AIモデルの訓練を実行すると共に、前記データセット作成ステップにおいて作成された前記検証用データセットを用いて前記AIモデルの評価を実行する訓練実行ステップと、
前記林相区分図作成装置が、訓練及び評価が実行された後の前記AIモデルを用いることにより、調査対象森林域に対してレーザ光を照射することによって得られた3次元の点群データである調査対象森林域点群データに基づいて、前記調査対象森林域に含まれる複数の単木のそれぞれの樹種分類を実行すると共に、前記調査対象森林域に含まれる複数の単木のそれぞれの樹種分類の結果に基づいて前記調査対象森林域のレーザ林相図を作成するレーザ林相図作成ステップと、
前記林相区分図作成装置が、前記レーザ林相図作成ステップにおいて作成された前記レーザ林相図に含まれる複数の林相の境界を作成する林相境界作成ステップとを備え、
前記レーザ林相図作成ステップでは、訓練及び評価が実行された後の前記AIモデルを用いることにより、前記調査対象森林域に含まれる複数の単木のそれぞれが、スギ、ヒノキ、カラマツ、アカマツ及び広葉樹のいずれかに樹種分類される、
林相区分図作成方法。
【請求項7】
コンピュータに、
所定の森林域に対してレーザ光を照射することによって得られた3次元の点群データである所定森林域点群データを取得すると共に、前記所定森林域点群データを用いて行われた前記所定の森林域に含まれる複数の単木のそれぞれの樹冠の精密な解析の結果である精密単木樹冠解析結果に対する調査員による樹種分類の結果と、調査員による前記所定の森林域の現地調査の結果とに基づいて作成された前記所定の森林域に含まれる複数の単木のそれぞれの樹種を示す樹種データを取得するデータ取得ステップと、
前記データ取得ステップにおいて取得された前記所定森林域点群データから、前記所定の森林域に含まれる複数の単木のそれぞれの点群データである単木点群データを抽出すると共に、抽出された前記単木点群データに対して樹種を示す情報を加えるラベリング処理を、前記データ取得ステップにおいて取得された前記樹種データに基づいて実行することによって、AIモデルの学習に用いられる学習用データセットを作成するラベリング処理ステップと、
前記ラベリング処理ステップにおいて作成された前記学習用データセットを、少なくとも、前記AIモデルの訓練に用いられる訓練用データセットと、前記AIモデルの評価に用いられる検証用データセットとに振り分けるデータセット作成ステップと、
前記データセット作成ステップにおいて作成された前記訓練用データセットを用いて前記AIモデルの訓練を実行すると共に、前記データセット作成ステップにおいて作成された前記検証用データセットを用いて前記AIモデルの評価を実行する訓練実行ステップと、
訓練及び評価が実行された後の前記AIモデルを用いることにより、調査対象森林域に対してレーザ光を照射することによって得られた3次元の点群データである調査対象森林域点群データに基づいて、前記調査対象森林域に含まれる複数の単木のそれぞれの樹種分類を実行すると共に、前記調査対象森林域に含まれる複数の単木のそれぞれの樹種分類の結果に基づいて前記調査対象森林域のレーザ林相図を作成するレーザ林相図作成ステップと、
前記レーザ林相図作成ステップにおいて作成された前記レーザ林相図に含まれる複数の林相の境界を作成する林相境界作成ステップとを実行させるためのプログラムであって、
前記レーザ林相図作成ステップでは、訓練及び評価が実行された後の前記AIモデルを用いることにより、前記調査対象森林域に含まれる複数の単木のそれぞれが、スギ、ヒノキ、カラマツ、アカマツ及び広葉樹のいずれかに樹種分類される、
プログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、林相区分図作成装置、林相区分図作成方法及びプログラムに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
森林は、温室効果ガスの吸収源として、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて不可欠な役割を担っており、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資の流れが加速する中で、投資の関心が高まっている。一方、国内の森林は、所有者、境界の不明確な森林が多く、国土調査法に基づき自治体が行う地籍調査の進捗率は30%と低い。森林境界が不明確で、資源内容(樹種や本数、蓄積)の情報整備も遅れており、森林管理と林業生産を行う上で大きな課題である。
【0003】
特許文献1には、航空レーザ測量データのみから樹木の分布を把握できる植生図を作成する技術について記載されている。特許文献1に記載された技術では、樹木の分布を把握できる植生図を作成するために用いられる航空レーザ測量データに、航空機から地上までの距離を示すデータと、地上からのレーザ反射パルスの強度を示すデータとが含まれる。
特許文献1に記載された技術では、樹木の分布を把握できる植生図を作成するために地上からのレーザ反射パルスの強度を示すデータが用いられるが、地上からのレーザ反射パルスの強度を示すデータを用いる必要なく、森林域に含まれる複数の単木のそれぞれの樹種分類を自動で行い、林相区分を自動で行うことができる技術が望まれる。
【0004】
特許文献2には、航空レーザ計測データを用いて林相解析を行う技術について記載されている。特許文献2に記載された技術では、航空レーザ計測データから森林の林相の違いをカラー画像で可視化することによって、林相解析が行われる。
ところで、特許文献2に記載された技術では、林相解析を行うために、航空レーザ計測データから反射パルス指標、反射強度等の特徴量が抽出される。反射パルス指標、反射強度等の特徴量を用いる必要なく、森林域に含まれる複数の単木のそれぞれの樹種分類を自動で行い、林相区分を自動で行うことができる技術が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第5592855号公報
特許第6207968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した点に鑑み、本発明は、森林域に含まれる複数の単木のそれぞれの樹種分類を自動で行い、林相区分を自動で行うことができる林相区分図作成装置、林相区分図作成方法及びプログラムを提供することを目的とする。
詳細には、本発明は、地上からのレーザ反射パルスの強度を示すデータを用いたり、反射パルス指標、反射強度等の特徴量を用いたりする必要なく、森林域に含まれる複数の単木のそれぞれの樹種分類を自動で行い、林相区分を自動で行うことができる林相区分図作成装置、林相区分図作成方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、所定の森林域に対してレーザ光を照射することによって得られた3次元の点群データである所定森林域点群データを取得すると共に、前記所定森林域点群データを用いて行われた前記所定の森林域に含まれる複数の単木のそれぞれの樹冠の精密な解析の結果である精密単木樹冠解析結果に対する調査員による樹種分類の結果と、調査員による前記所定の森林域の現地調査の結果とに基づいて作成された前記所定の森林域に含まれる複数の単木のそれぞれの樹種を示す樹種データを取得するデータ取得部と、前記データ取得部によって取得された前記所定森林域点群データから、前記所定の森林域に含まれる複数の単木のそれぞれの点群データである単木点群データを抽出すると共に、抽出された前記単木点群データに対して樹種を示す情報を加えるラベリング処理を、前記データ取得部によって取得された前記樹種データに基づいて実行することによって、AIモデルの学習に用いられる学習用データセットを作成するラベリング処理部と、前記ラベリング処理部によって作成された前記学習用データセットを、少なくとも、前記AIモデルの訓練に用いられる訓練用データセットと、前記AIモデルの評価に用いられる検証用データセットとに振り分けるデータセット作成部と、前記データセット作成部によって作成された前記訓練用データセットを用いて前記AIモデルの訓練を実行すると共に、前記データセット作成部によって作成された前記検証用データセットを用いて前記AIモデルの評価を実行する訓練実行部と、訓練及び評価が実行された後の前記AIモデルを用いることにより、調査対象森林域に対してレーザ光を照射することによって得られた3次元の点群データである調査対象森林域点群データに基づいて、前記調査対象森林域に含まれる複数の単木のそれぞれの樹種分類を実行すると共に、前記調査対象森林域に含まれる複数の単木のそれぞれの樹種分類の結果に基づいて前記調査対象森林域のレーザ林相図を作成するレーザ林相図作成部と、前記レーザ林相図作成部によって作成された前記レーザ林相図に含まれる複数の林相の境界を作成する林相境界作成部とを備え、前記レーザ林相図作成部は、訓練及び評価が実行された後の前記AIモデルを用いることにより、前記調査対象森林域に含まれる複数の単木のそれぞれを、スギ、ヒノキ、カラマツ、アカマツ及び広葉樹のいずれかに樹種分類する、林相区分図作成装置である。
【0008】
本発明の一態様の林相区分図作成装置では、前記レーザ林相図作成部は、前記調査対象森林域に含まれる複数の単木のそれぞれの樹種分類を実行した後に、前記調査対象森林域に含まれる孤立木を削除するマスク処理を実行して前記レーザ林相図を作成し、前記孤立木とは、前記孤立木から所定距離の範囲内に前記孤立木と同一の樹種の単木が存在しない単木であってもよい。
【0009】
本発明の一態様の林相区分図作成装置では、前記ラベリング処理では、抽出された前記単木点群データのファイル名に樹種名が含められてもよい。
【0010】
本発明の一態様の林相区分図作成装置では、前記訓練実行部によって実行される前記AIモデルの訓練では、樹種ごとの前記単木点群データの樹冠形状を前記AIモデルに学習させてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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