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公開番号
2024096732
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-07-17
出願番号
2024052990,2022074275
出願日
2024-03-28,2017-12-05
発明の名称
結腸オルガノイドならびにその作製方法および使用方法
出願人
チルドレンズ ホスピタル メディカル センター
代理人
個人
主分類
C12N
5/071 20100101AFI20240709BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】大腸炎、結腸癌、ポリポーシス症候群、および/または過敏性腸症候群から選択される疾患に対して有望な治療薬の有効性および/または毒性を決定するために使用され得るヒト結腸オルガノイドを、in vitroで提供する。
【解決手段】ヒト結腸オルガノイド(HCO)であって、前記ヒト結腸オルガノイドは、上皮および間葉を含み、SATB2、MUC2、および/またはMUC5Bを発現する、ヒト結腸オルガノイドを提供する。
【選択図】図1A
特許請求の範囲
【請求項1】
ヒト結腸オルガノイドの形成を誘導する方法であって、
a.胚体内胚葉(DE)をFGFシグナル伝達経路活性化因子およびWNTシグナル伝達経路活性化因子(例えば、CHIRON/GSK2阻害因子)と、前記DEが中後腸スフェロイドを形成するのに十分な期間、接触させるステップと、
b.ステップ(a)の前記中後腸スフェロイドをBMP活性化因子およびEGFシグナル伝達経路活性化因子と、前記ヒト結腸オルガノイドを形成するのに十分な期間、接触させるステップとを含み、前記ヒト結腸オルガノイドがSATB2を発現する、方法。
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【請求項2】
前記DEが、胚性幹細胞、胚性生殖細胞、人工多能性幹細胞、中胚葉細胞、胚体内胚葉細胞、後部内胚葉細胞、後腸細胞またはこれらの組み合わせから選択される前駆細胞に由来する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記FGFシグナル伝達経路活性化因子が、小分子FGFシグナル伝達経路活性化因子、タンパク質ベースのFGFシグナル伝達経路活性化因子、FGF1、FGF2、FGF3、FGF4、FGF10、FGF11、FGF12、FGF13、FGF14、FGF15、FGF16、FGF17、FGF18、FGF19、FGF20、FGF21、FGF22、FGF23、またはこれらの組み合わせから選択される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記WNTシグナル伝達経路活性化因子が、タンパク質Wntシグナル伝達経路活性化因子、小分子Wntシグナル伝達経路活性化因子、好ましくは塩化リチウム、2-アミノ-4,6-二置換ピリミジン(ヘテロ)アリールピリミジン、IQ1、QS11、NSC668036、DCAベータ-カテニン、2-アミノ-4-[3,4-(メチレンジオキシ)-ベンジル-アミノ]-6-(3-メトキシフェニル)ピリミジン、Wnt1、Wnt2、Wnt2b、Wnt3、Wnt3a、Wnt4、Wnt5a、Wnt5b、Wnt6、Wnt7a、Wnt7b、Wnt8a、Wnt8b、Wnt9a、Wnt9b、Wnt10a、Wnt10b、Wnt11、Wnt16、GSK3阻害剤、好ましくはCHIRON、またはこれらの組み合わせから選択される、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記BMP活性化因子が、BMP2、BMP4、BMP7、BMP9、BMP経路を活性化する小分子、BMP経路を活性化するタンパク質、ノギン、ドルソモルフィン、LDN189、DMH-1、ベントロモフィン(ventromophin)、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記DEが中後腸スフェロイドを形成するのに十分な前記期間が、ステップ(a)の前記中後腸スフェロイドによるCDX2の発現によって決定される、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記中後腸スフェロイドが、前記ヒト結腸オルガノイドを形成するのに十分な前記期間、前記ヒト結腸オルガノイドの細胞によるSATB2およびCDX2の発現による、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記HCOが結腸腸内分泌細胞(EEC)の存在を特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記HCOが陰窩の存在を特徴とし、絨毛を実質的に含まない、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記HCOが結腸特異的杯細胞を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体がすべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる2016年12月5日に出願された米国仮特許出願番号第62/429,948号の利益を主張する。
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【背景技術】
【0002】
多能性幹細胞(PSC)からの胃および小腸のオルガノイドの作製がヒト消化管(GI)の発生および疾患の研究に革命をもたらしたが、大腸オルガノイドを作製するための尽力は、一部後腸管発生の強固な理解の欠如により、後れを取っている。
【発明の概要】
【0003】
前駆細胞が胚体内胚葉にin vitro分化し、それがシグナル伝達経路の調節を介してヒト結腸オルガノイド(HCO)へとさらに分化し得る方法が、本明細書に開示される。さらに、HCO、およびHCOの使用方法が開示され、例えばHCOについて、大腸炎、結腸癌、ポリポーシス症候群および/または過敏性腸症候群から選択される疾患に対して有望な治療薬の有効性および/または毒性を決定するために使用され得る使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本出願書類には、カラーで作成された少なくとも1つの図面が含まれている。カラー図面(複数可)を含むこの特許または特許出願公開のコピーは、請求および手数料の支払いにより、官庁により提供されるであろう。
【0005】
当業者は、以下に記載される図面が例示目的のみのためであることを理解するだろう。図面は、決して本教示の範囲を限定することを意図しない。
【0006】
Bmpシグナル伝達は、マウスおよびカエルの胚におけるSatb2の発現を調節する。(A)発生中の後腸の周りの核染色を示す胎生8.5日のマウス胚の全載pSmad158(赤色)およびFoxa2(緑色)染色(n=6)。(B)後腸中胚葉および内胚葉におけるpSmad1/5/8染色を示す(A)の囲み領域からの光学組織薄片の挿入図(D:背側、V:腹側)。(C)頭褶期に単離され、DMH-1を用いたBmp阻害の有無の下で2日間培養されたマウス胚の概略図。(D、E)培養48時間後のDMSO処置胚(0)およびDMH-1処置胚(E)の全載pSmad1/5/8(赤色)およびFoxa2(緑色)染色。(F)DMSOまたはDMH-1の中で培養した胚(1条件あたりn=3の胚)におけるCdx2に対するpSmad1/5/8およびpSmad2/3染色の定量化(条件当たりn=3胚)。(G~J)DMSO(G、H)またはDMH-1(I、J)の中での2日間培養の後のマウス胚(各条件につきn=6)のCdx2(緑色)、Satb2(赤色)およびFoxa2(白色)の全載免疫染色。H~Jにおける矢印は、卵黄茎のおおよその位置を指し示す(BA1、第1腕弓)。(K)DMSOまたはDMH-1で処置したマウス胚におけるSatb2発現の定量化。(L)Xenopus tropicalis胚におけるBmp阻害の概略図。DMSO(M)またはDMH-1(R)で処置したXenopus tropicalis胚におけるSatb2の原位置ハイブリッド形成。(M)および(R)における白色の点線は、切片の平面がその後の分析を使用したことを描写する。Mxおよびmd=第1腕弓の上顎突起および下顎突起。Cba=尾側腕弓。DMSO(N~Q)またはDMH-1(S~V)で処置したXenopus tropicalis胚からのSatb2(赤色)、pSmad1/5/8(緑色)、DAPI(青色)の免疫蛍光、および色相併合画像。スケールバーはG~Hにおいては=100μM、他のパネルにおいてはすべて50μ。両側t検定について
**
p<0.01および
***
p0.001。
BMP2はヒト腸管スフェロイドにおけるSATB2および後側HOXコードを誘導する。(A)腸管スフェロイドパターン形成プロトコルの概略図。(B~D)ノギン(B)、無処置(C)およびBMP2(D)で12時間処置したスフェロイドのpSMAD1/5/8(赤色)染色によって測定したBMPシグナル伝達レベル。(E)陰窩の頂部でのBMPシグナル伝達の上昇を示す成体マウス結腸のpSmad1/5/8染色。(F~H)ノギン(F)、無処置(G)およびBMP2(H)で72時間処置したスフェロイドにおけるSATB2発現。(I)パターン形成後のSATB2+CDH1+上皮の百分率の定量化。(J)新生スフェロイドおよび3日間のパターン形成後のスフェロイドの主成分分析。(K)BMP処置スフェロイドとNOG処置スフェロイドとの間で差次的に発現した遺伝子の遺伝子オントロジー分析。(L)パターン形成前後のスフェロイドのTPM(100万当たりの転写産物)値のグラフ。分析した試料は、パターン形成前のスフェロイド(n=2)、ならびにパターン形成3日後のノギン、対照およびBMP2で処置したスフェロイドとした(各群につきn=4)。Iにおける定量化のために、少なくとも3回の実験由来の20個のオルガノイドを試験した。エラーバーは標準偏差を表す。スケールバー=50ミクロン。
****
両側t検定によって決定されたps0.0001。
部域パターン化形成は、長期間のin vitro培養後にヒト腸管オルガノイドにおいて維持される。(A~D)ノギン、対照、またはBMP2によるスフェロイドの最初の3日間の処置から結果的に生じた28日齢オルガノイドの近位マーカーONECUTI(緑色)を用いた全載免疫蛍光およびQPCR分析。CDX2(赤色)およびDAPI(青色)を用いた染色も使用して、上皮および間葉を検出した。(E~H)IFによっておよびQPCRによって検出された後側マーカーSATB2(赤色)の発現。(I~L)IFによるおよびQPCRによる汎杯細胞マーカーMUC2(赤色)の分析。(M~P)IFによる結腸特異的杯細胞マーカーMUC5B(赤色)の分析。MUC5B+細胞の数を(P)において定量した。(Q~S)オルガノイド全体と比較した、単離された間葉系培養物におけるパターン形成マーカーの分析。ノギン、対照、またはBMP2で処置したオルガノイドに由来するオルガノイド全体におけるおよび間葉系培養物におけるCDH1(Q)、近位HOX遺伝子HOXD3(R)、および遠位HOX遺伝子HOXA13(S)のQPCR分析CDH1は上皮細胞を含有するオルガノイド全体においてのみ観察された。エラーバーは平均の標準誤差を表す。IFについては、各条件について少なくとも3回の異なる実験から最低10個のオルガノイドを検討した。QPCRについては、2つの別個の実験からの最低5つの生物学的複製物を検討した。スケールバー=100ミクロン。両側t検定により決定された**p 5 0.01および****p 5 0.0001。
HIOではなくHCOは、プロエンドクリン転写因子ニューロゲニン3の発現に応答して、結腸特異的腸内分泌細胞を生じた。(A~B)IPSC72.3誘導性NEUROG3株を作製するために使用されたドキシサイクリン誘導性NEUROG3レンチウイルスコンストラクトの概略図、およびドキシサイクリン誘導プロトコル。ノギン(C、F)、未処置(D、G)またはBMP(E、H)を用いてパターン形成された35日齢のオルガノイドのクロマグラニンA(緑色)、CDX2(赤色)およびINSL5(白色)による全載染色。(C~E)未処置オルガノイド(-Dox)および(F~H)発現したNEUROG3を有するオルガノイド(+Dox)。EおよびHにおける挿入図は、INSL5染色の拡大図を示す。(I、J)CHGAによって測定されるような(I)、およびINSL5(J)発現についての、HIOおよびHCOにおける腸内分泌細胞のNEUROG3誘導のQPCR分析。データは、ノギン(n=3)、対照(n=3)またはBMP(n=6)処置オルガノイドを用いた2つの異なる実験の代表である。エラーバーは、平均の標準誤差を表す。スケールバー=50ミクロン。*両側t検定により決定されたp<0.05。
HIOおよびHCOは、生体内移植後の部域同一性を維持した。(A~E)ヒト空腸および結腸からの生検の、ならびにマウス腎被膜の真下に移植され生体内で8~10週間成長したノギン由来HIO、対照HIOおよびBMP2由来HCOのH&E染色。同じ条件の試料を、近位腸管マーカーGATA4(F~J)、遠位腸管マーカーSATB2(K-0)、パネート細胞マーカーDEFAS(P~T)、および結腸特異的杯細胞マーカーMUC5B(U~Y)で染色した。GATA4およびSATB2の二重染色は異なるチャネルにおいてだがパネルについては同じスライド上で行ったが(F~0)、それらは個々の擬似色(赤色)画像として示されていることに留意されたい。ヒト生検についてはn=2である。移植されたノギン処置オルガノイドについてはn=12、対照オルガノイドについてはn=7、およびBMP2処置オルガノイドについてはn=16である。スケールバー=50pm。
生体内成長したオルガノイドは、部域特異的ホルモンを発現する。マウス腎被膜の真下で8~10週間成長したHIOおよびHCOにおける部域的に発現したホルモン(A~D)グレリン(GHRL)、モチリン(MLN)、(E~H)GIP、(I~L)GLP-1、(M~P)PYYおよび(Q~T)INSL5の発現分析。近位濃縮ホルモンGHRL、GIPおよびMLNは、ノギンおよび対照HIOにおいて豊富であった(A~H)。遠位に濃縮されたホルモンGLP-1およびPYYは、BMP2由来のHCOにおいて豊富であった(1~0)。結腸特異的ホルモンINSL5はHCO(Q~T)にのみ存在していた。データは、1条件あたり最低5つの移植オルガノイドを代表している。(A)および(B)の挿入図は、GHRLおよびMLN二重陽性細胞を示す。(D、H、L、P、T)GHRL、MLN、GIP、GLP1、PYY、およびINSL5についてのFPKM値は、RNA配列データからである。FPKM値は、1条件あたり3つの生物学的複製物を表す。スケールバー=30ミクロン。
HIOおよびHCOの全体的な転写分析ならびにヒト小腸および結腸との比較。(A)移植したHIOおよびHCOと比較したヒトの成体および胎児の小腸および結腸の主成分分析。(B)ヒト成体小腸をHIOと、およびヒト成体結腸をHCOと比較する超幾何中項検査。(C)HIOおよびHCOと比較して、ヒト小腸および結腸において差次的に発現した転写物を比較する4方向散布図。
Gata4およびSatb2は、小腸および大腸の発生中の離散した部域境界を標識する。(A)卵黄茎における発現境界を示す胎生9.5日マウス胚におけるGata4(緑色)およびSatb2(赤色)の全載染色(n=9)。(B)低Gata4発現および低Satb2発現の移行帯を示す、胎生11.5日小腸のGata4およびSatb2の発現ドメインを描写するモデル。(C ¬E)卵黄茎におけるGata4の後側境界とSatb2の前側境界とを示す胎生11.5日マウス胚におけるGata4およびSatb2の全載染色(n=3)。(F~H)Satb2発現の前側境界が維持されることを示す胎生12.5日マウス胚におけるSatb2およびFoxa2の全載染色(n=3)。(I)胎生16.5日マウス胚から単離した近位腸におけるGata4およびSatb2の全載染色(n=6)。(J)胎生16.5日マウス胚から単離した回腸および大腸におけるGata4およびSatb2の全載染色(n=6)。(K)ヒト空腸(n=2)および(L)結腸(n=2)の切片におけるGATA4およびSATB2の染色。スケールバー=50μM(B~D)および100 1Am(E~M)。(C)および(F)における点線は、臍のおおよその位置を標識する。略語:ys:卵黄茎、cb:虫垂、tz:移行帯、mx:上顎、md:第1腕弓の下顎部分、ti:回腸末端部、icj:回盲移行部。
SATB2は、GATA4陰性ヒト小腸および大腸において発現する。SATB2発現が回腸および大腸全体に存在することを示す、ヒト成体十二指腸、小腸、虫垂、結腸および直腸におけるSATB2染色ヒト成体および胎児腸管試料からの公表されたRNA配列データからのGATA4およびSATB2の解析。プロットした試料は、ヒト成体十二指腸(HuSI_Duo_A)、ヒト成体回腸~十二指腸(HuSI_Dist_A)、ヒト成体結腸(HuColon_A)およびヒト胎児小腸(HuSI_F)を含む。(C)気液界面(ALI)中で成長した十二指腸(Duo)、空腸(Jej)、回腸(Ile)、上行結腸(AC)、横行結腸(TC)および下行結腸由来の胎児腸管幹細胞に対してWangら2015によって作成されたマイクロアレイデータからのGATA4およびSATB2の発現の解析分析)。r2値はExcelのCORREL関数を用いて決定した。
BMPは、後側HOX遺伝子のSHH活性化を媒介する。(A)後側HOX遺伝子のSHH媒介活性化の従来モデル。(B)後側HOX遺伝子のSHH媒介活性化および内胚葉HOX遺伝子のBMP媒介活性化の新たなモデル。(C)ノギン、対照、平滑化アゴニスト(SAG)、またはBMP2を用いた処置後のHOX因子のQPCR分析。(D)SAGにより誘導されたHOX13遺伝子のBMP4依存性活性化のモデル。(E)3日後の対照、5μMのSAG、5μMのSAG+NOGおよびBMP2で処置したオルガノイド中のHOXA13のQPCR分析。(F)外因性組換えヒトBMP2によって誘導されたHOX13遺伝子のSHH非依存的活性化のモデル。(G)3日後の対照、BMP、およびBMP+シクロパミンで処置したオルガノイド中のHOXA13のQPCR分析(1条件あたりn=6)。
拡張生体内培養は、杯細胞の成熟を可能にする。(A)パターン形成され、次いで再パターン形成されたオルガノイドにおけるCDX2+SATB2+細胞の百分率の定量。28日齢オルガノイドにおけるHOXB13(B)およびHOXD13(C)のQPCR分析。44日齢のノギン、対照、およびBMPで処置オルガノイドからのCDH1(緑色)、CDX2(赤色)、およびMUC2(白色)による全載染色(D~F)および(G~1)横断切片染色。(J~L)44日齢のBMP2処置オルガノイドからの切片の染色。白色の矢印はムチン2を分泌する過程にあった杯細胞を指し示す。QPCRについては、2つの別個の実験からの最低5個の生物学的複製物を検討した。IFについては、1条件につき最低10個のオルガノイドを検討した。スケールバー=50pm。
オルガノイドのBMPパターン形成は、in vitroおよび生体内で安定である。(A)ノギン、対照、およびBMPでパターン形成したオルガノイドのオルガノイド生着効率。移植されたパターン形成したオルガノイドにおけるGATA4+CDX2+細胞(B)およびSATB2+CDX2+細胞(C)の百分率の定量。移植されたオルガノイドにおけるGATA4(D)SATB2(E)DEFAS(F)およびMUCSB(G)のRNA配列データからのFPKM値。(H~I)ヒト空腸および結腸の生検(1部域当たりn=2)および(J~L)移植されたオルガノイド(1条件当たりn=5)のMUC2(赤色)染色。スケールバー=50ミクロン。
in vitroおよび生体内で成長したオルガノイドは、腸管前駆細胞を含有している。ノギン、対照、またはBMPで処置したH9-LGR5-GFP由来オルガノイドからのCDH1およびGFPの代表的な全載画像(A、F、K)および組織薄片画像(B、G、L)。(C~E)ノギン、(H~J)対照、または(M~O)BMP2で処置したオルガノイドからの切片に関するCDX2染色(赤色)およびSOX9染色(緑色)。CDX2およびLGR5-GFP(P、S、V)、CDX2およびSOX9(Q、T、W)、ならびにCDH1およびKI67(R、U、X)を用いて染色した、ノギン、対照、またはBMPで処置したH9-LGR5-GFPオルガノイド由来の生体内オルガノイドの代表的な画像。(Y~A‘)それぞれノギン、対照またはBMPの移植片から誘導されたエンテロイドを示す立体顕微鏡写真。(B’~D’)対照エンテロイド(2つの移植片からの100個超のプールされたエンテロイド)およびBMP2で処置したコロノイド(1つの移植片からの50個超のコロノイド)における近位および遠位の遺伝子のQPCR分析。スケールバー=50μm。
リボソームおよび免疫細胞のシグネチャは、移植されたオルガノイドと初代ヒト組織との間に差次的に発現する。(A)パターン形成した移植されたオルガノイドならびにヒト成体および胎児の小腸および結腸の主成分分析。(B)移植片対ヒト初代組織において上方調節された遺伝子の遺伝子オントロジー分析。(C)ヒト初代組織対移植片において上方調節された遺伝子の遺伝子オントロジー分析。
(A)マトリゲル中での15日間の成長後のHCOの全載免疫蛍光染色。HCO培養物を内皮マーカーCD31(緑色)および後腸上皮マーカーCDX2(赤色)について染色した。造血細胞マーカーPU.1についても培養物を染色した(赤色の右側のパネル)。(B)造血前駆細胞アッセイの概略図。細胞をHCOから収集し、遠心分離し、ギムザ・ライト染色を用いて染色するか、またはMethocult培地中に播種して造血細胞の分化についてアッセイした。(C)マクロファージ、好中球、好塩基球および好酸球への分化と一致する形態学的特徴を有する、ギムザ・ライト染色した細胞の代表的な画像。(D)Methocul中で14日後に形成されたコロニーの代表的な画像。赤血球、マクロファージおよび顆粒球のコロニーは、HCOで誘導された細胞には存在したが、ノギン処置したHIOで誘導された細胞には存在しなかった。
(A)ヒト結腸生検またはマトリゲル中で28日間成長させたHCOの免疫蛍光染色。マクロファージのマーカーであるCD68について染色を行った。(B)HIOおよびHCOにおけるCD14およびCD16のCYTOF分析のプロット。わずかな百分率のCD14+/CD16+細胞がHCO中に存在する(青色の正方形)が、HIOには存在しない。さらに、CD16単一陽性細胞がHCO中に存在しており、このことは単球が培養物内で存在することを示唆した。(C)14日齢および28日齢のHIOおよびHCOから収集した上清のLuminexアレイ分析。IL6およびIL8は、28日齢のHCO(BMP)においては検出されたが、HIOにおいては検出されなかった。(D)14日齢および28日齢のHIOおよびHCOから収集した上清のLuminexアレイ分析。マクロファージ特異的サイトカインMIP1AおよびMIP1Bは14日齢および28日齢のHCO(BMP)においては検出されたが、14日齢または28日齢のHIOにおいては検出されなかった。
【発明を実施するための形態】
【0007】
定義
特に明記しない限り、用語は当業者による従来の使用法に従って理解されるべきである。
【0008】
「約」もしくは「およそ」という用語は、当業者による決定に従って、例えば、測定システムの制限の、その値がどのように測定され、または、決定されるかに依存する、特定の値に対して許容できる誤差範囲内にあることを意味する。例えば、「約」は、当該技術分野における実務に従って、1以上の標準偏差内であることを意味し得る。あるいは、「約」は、与えられた値の20%まで、または10%まで、または5%まで、または1%までの範囲であることを意味し得る。あるいは、特に生物系または生物学的プロセスに関して、この用語は、ある値の10倍以内、好ましくは5倍以内、より好ましくは2倍以内であることを意味し得る。特定の値が本出願および特許請求の範囲に記載されている場合、特に明記しない限り、特定の値に対する許容可能な誤差範囲内を意味する「約」という用語を想定すべきである。
【0009】
本明細書中で使用されるとき、用語「全能性(totipotent)幹細胞」(全能性(omnipotent)幹細胞としても知られる)は、胚性細胞型および胚体外細胞型に分化することのできる幹細胞である。このような細胞は完全な生存可能な生物を構築することができる。これらの細胞は卵細胞と精子細胞の融合から産生される。受精卵の最初の数回の分裂によって産生された細胞も全能性である。
【0010】
本明細書で使用されるとき、PS細胞としても一般的に知られている用語「多能性幹細胞(PSC)」は、ほぼすべての細胞、すなわち、内胚葉(胃の内部の裏うち、消化管、肺)、中胚葉(筋肉、骨、血液、腎尿路生殖器)、および外胚葉(表皮組織および神経系)のうちのいずれかから誘導される細胞、へ分化することができるあらゆる細胞を包含する。PSCは、胚性幹細胞(胚性生殖細胞を含む)から誘導されるか、またはある特定の遺伝子の発現を強制することによって成体体細胞のような非多能性細胞の誘導を通じて得られる、全能性細胞の子孫であり得る。
(【0011】以降は省略されています)
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