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公開番号2024094187
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-09
出願番号2022210986
出願日2022-12-27
発明の名称熱処理炉及び熱処理方法
出願人トヨタ紡織株式会社,関東冶金工業株式会社
代理人個人
主分類F27B 9/04 20060101AFI20240702BHJP(炉,キルン,窯;レトルト)
要約【課題】モーターコアなどの被熱処理物の歪取り焼鈍において、被熱処理物の特性又は処理内容に柔軟に対応することを可能にする構成を提供する。
【解決手段】一実施形態に係る熱処理炉10は、被熱処理物を加熱するように構成された加熱室19と、前記加熱室を通過した前記被熱処理物を冷却するように構成された第1冷却室20、20Aと、前記第1冷却室を通過した前記被熱処理物を冷却するように構成された第2冷却室22と、前記第1冷却室20、20A及び前記第2冷却室22のそれぞれに発熱型変成ガスを炉内雰囲気ガスとして供給するように構成された雰囲気ガス供給装置44であって、発熱型変成ガスである第1ガスG1と、発熱型変成ガスでありかつ前記第1ガスの露点よりも低い露点を有する第2ガスG2とを選択的に供給する雰囲気ガス供給装置44とを備える。
【選択図】図4


特許請求の範囲【請求項1】
被熱処理物の焼鈍用の熱処理炉であって、
前記被熱処理物を加熱するように構成された加熱室と、
前記加熱室を通過した前記被熱処理物を冷却するように構成された第1冷却室と、
前記被熱処理物の搬送方向において前記第1冷却室の下流側に位置して、前記第1冷却室を通過した前記被熱処理物を冷却するように構成された第2冷却室と、
前記第1冷却室及び前記第2冷却室のそれぞれに発熱型変成ガスを炉内雰囲気ガスとして供給するように構成された雰囲気ガス供給装置であって、発熱型変成ガスである第1ガスと、発熱型変成ガスでありかつ前記第1ガスの露点よりも低い露点を有する第2ガスとを選択的に供給する、雰囲気ガス供給装置と
を備える、熱処理炉。
続きを表示(約 820 文字)【請求項2】
前記雰囲気ガス供給装置は、前記被熱処理物にブルーイング処理を施すとき、前記第1冷却室及び前記第2冷却室の少なくともいずれか一方に前記第1ガスを供給するように作動される、
請求項1に記載の熱処理炉。
【請求項3】
前記雰囲気ガス供給装置は、前記被熱処理物に疑似ブルーイング処理を施すとき、前記第1冷却室及び前記第2冷却室の少なくともいずれか一方に前記第2ガスを供給するように作動される、
請求項1に記載の熱処理炉。
【請求項4】
前記第1冷却室は、第1冷媒を用いて冷却する第1冷却状態と、前記第1冷媒を用いずに前記第1冷媒とは異なる第2冷媒を用いて冷却する第2冷却状態とを有するように構成されていて、
前記第2冷却室は、第3冷媒を用いて冷却する第3冷却状態と、前記第3冷媒を用いずに前記第3冷媒とは異なる第4冷媒を用いて冷却する第4冷却状態とを有するように構成されている、
請求項1に記載の熱処理炉。
【請求項5】
前記第3冷媒は前記第1冷媒であり、前記第4冷媒は前記第2冷媒である、
請求項4に記載の熱処理炉。
【請求項6】
前記被熱処理物は、モーターコアである、
請求項1から5のいずれか一項に記載の熱処理炉。
【請求項7】
被熱処理物の焼鈍における熱処理方法であって、
前記被熱処理物を加熱する工程と、
加熱された前記被熱処理物を、炉内雰囲気ガスとして発熱型変成ガスである第1ガスと、発熱型変成ガスでありかつ前記第1ガスの露点よりも低い露点を有する第2ガスとを選択的に供給して冷却する工程であって、ブルーイング処理を施すとき炉内雰囲気ガスとして前記第1ガスを供給し、疑似ブルーイング処理を施すとき炉内雰囲気ガスとして前記第2ガスを供給する工程と
を含む、熱処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、熱処理炉に関し、特に電磁鋼板を使用したモーターコアの歪取り焼鈍に用いられ得る熱処理炉及び熱処理方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、電気機器、例えば、変圧器等の静止器又はモーター等の回転器において、電磁鋼板が使用されている。例えば、モーターの鉄心(コア)は、所定の厚さの無方向性電磁鋼板を、金型を用いてステータ形状又はロータ形状に打ち抜き、積層させることにより製造される。
【0003】
しかしながら、打ち抜き加工では、コア材の端部及びカシメ積層の場合はそのカシメ部を中心に、塑性歪みや弾性歪みといったような所謂歪みが残留する場合がある。そのため、これらの歪みを除去する目的で、モーターコアを、窒素ガス、アルゴンガス又はブタンガスなどを不完全燃焼させ発生させた一酸化炭素などの非酸化性雰囲気ガス中で750℃~850℃程度の温度まで加熱した後に、25℃/時程度の冷却速度での冷却つまり徐冷するという歪取り焼鈍が従来から行われている。この徐冷は、鉄損を改善するべくその冷却時にモーターコアに歪みが生じることを避けるために、及び、その寸法精度悪化を防ぐために、行われる。
【0004】
また、モーターコアは導電体であることから、交流が流れた際に、巻き線が短絡した形で渦電流が流れる。この渦電流は、結果的に熱に変わり渦電流損となるため、出来るほど小さくすることが好ましい。この過電流を減少させるためには、打ち抜き加工後の積層体を互いに絶縁させることが好ましい。絶縁させる方法としては、歪取り焼鈍後にブルーイング処理することで、切断/打ち抜き端面を酸化する方法等が挙げられる(例えば特許文献1参照)。ブルーイング処理は、歪取り焼鈍後に、炉内の露点を引き上げることで、鋼板表面に酸化鉄(II)(FeO)や四酸化三鉄(Fe
3

4
)等の酸化被膜を形成させる処理である。このブルーイング処理により、鋼板表面を絶縁処理すると共に、切断/打ち抜き端面の耐食性、防錆性を向上させることができる。
【0005】
一方、本発明者らによる特許文献2は、モーターコアの歪取り焼鈍において、ブルーイング処理を行うことなく、ブルーイング処理を施した際と同等レベルの特性を得ることを可能にする熱処理方法及び熱処理炉を開示する。この熱処理炉での熱処理方法は、炉内雰囲気ガスとして発熱型変成ガスを用いてモーターコアを加熱するつまり焼鈍する焼鈍工程と、この焼鈍工程で得られたモーターコアを、炉内雰囲気ガスとして発熱型変成ガスを用いて、焼鈍工程における温度乃至500℃の温度帯において、1時間当たり600℃を超えた冷却速度で冷却する冷却工程とを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2015-42015号公報
特許第6944146号公報
特開2017-166721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、熱処理炉で熱処理される被熱処理物は、様々な寸法を有し得る。例えば薄い被熱処理物と厚い被熱処理物とでは、同じ冷却条件での冷却速度に違いがある。
【0008】
本開示の目的は、モーターコアなどの被熱処理物の歪取り焼鈍において、被熱処理物の特性又は処理内容に柔軟に対応することを可能にする構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本開示に係る第1様態は、
被熱処理物の焼鈍用の熱処理炉であって、
前記被熱処理物を加熱するように構成された加熱室と、
前記加熱室を通過した前記被熱処理物を冷却するように構成された第1冷却室と、
前記被熱処理物の搬送方向において前記第1冷却室の下流側に位置して、前記第1冷却室を通過した前記被熱処理物を冷却するように構成された第2冷却室と、
前記第1冷却室及び前記第2冷却室のそれぞれに発熱型変成ガスを炉内雰囲気ガスとして供給するように構成された雰囲気ガス供給装置であって、発熱型変成ガスである第1ガスと、発熱型変成ガスでありかつ前記第1ガスの露点よりも低い露点を有する第2ガスとを選択的に供給する、雰囲気ガス供給装置と
を備える、熱処理炉
を提供する。
【0010】
好ましくは、前記雰囲気ガス供給装置は、前記被熱処理物にブルーイング処理を施すとき、前記第1冷却室及び前記第2冷却室の少なくともいずれか一方に前記第1ガスを供給するように作動される。
(【0011】以降は省略されています)

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